【高知】まるでモネの絵に入りこんだような至福の時間!北川村「モネの庭」マルモッタン

高知県にある「北川村『モネの庭』マルモッタン」は、印象派の巨匠クロード・モネが、フランスのジヴェルニーの邸宅に作った庭を再現したもの。クロード・モネ財団が、本家ジヴェルニー以外で唯一公認した、「モネ」の名を冠する庭園です。きらめく池を睡蓮が彩り、小道に鮮やかな花々があふれる庭は、まるでモネの絵の中に入り込んだよう。圧巻の美しさです!

高知の豊かな自然を活かして再現された北川村の「モネの庭」で、モネの作品の一部になったような気分を楽しんできました。

目次

北川村への移動は車が便利

北川村があるのは高知県東部の安芸郡。理想的なアクセス方法は、車での移動です。高知市中心部から「モネの庭」への所要時間はおよそ1時間半弱。筆者も高知駅付近から、レンタカーでのアクセスを選びました。土佐湾が見えるドライブ中の景色も素敵です。

高知市中心部から国道55号を安芸・室戸方面に約55km、1時間20分ほどで奈半利(なはり)町に入ります。そこから国道493号線を北へ3kmほど進むと「モネの庭」の駐車場に到着。駐車料金は無料です。

公共交通機関を利用する場合は、高知駅からJR土讃線で後免駅へ行き、土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線)に乗り換え。終点の奈半利駅で下車後、北川村行きバスで「モネの庭」停留所へ向かいます。乗車時間はおよそ1時間半ですが、乗り継ぎ時間に注意が必要です。

北川村「モネの庭」マルモッタン
<北川村「モネの庭」マルモッタンに到着。「花の庭」へ続くゲート>

3つのエリアがある「モネの庭」。まず「水の庭」へ!

北川村「モネの庭」マルモッタンに到着したら、駐車場の東南側の角にあるチケット売り場で、まず入園チケットを購入します。一般1,000円/小中学生500円です。

このチケットの半券に、ジヴェルニーの「モネの庭」にも入園できると表記されていてビックリ。筆者が2023年5月に購入したチケットには「2027年の開園期間まで有効」と書かれていました。これはクロード・モネ財団理事長のウッグ・ガル氏の、「北川村をもっと応援したい」というご厚意によるものだそうです。こんなところにも、北川村「モネの庭」マルモッタンと、ジヴェルニーの「モネの庭」との深い関わりが表れていますね。

さて、北川村のモネの庭は「水の庭」「花の庭」「ボルティゲラの庭」という3つのエリアで構成されています。まず午前中に「水の庭」からスタートするのをオススメします。睡蓮の大半は午前に花を開き、午後には閉じてしまうからです。

園内マップ
<北川村「モネの庭」マルモッタンの園内マップ>

「日本の太鼓橋」を渡って睡蓮の池へ...モネの絵の中に入る気分!

「水の庭」に足を踏み入れると、すぐに目に飛び込んでくるのは、モネが数々の作品に描いた「日本の太鼓橋」。橋の上からは光を反射する池と、水面を彩る睡蓮の花があちこちに見えています。「今、モネの絵の中を歩いている...!」という感動が沸き上がること請け合いです。

「水の庭」の太鼓橋
<「水の庭」の太鼓橋>

太鼓橋の上からの眺め
<太鼓橋の上からの眺め>

モネの描く光と色彩をそのまま味わえる池は、睡蓮の葉と水の面積の割合も、大切に考えて手入れされているそうです。にごりの無い水の管理にも力を尽くしているとのこと。岸辺のあちこちから、水に映りこむ景色もじっくり楽しみたい池です。

まるでモネの絵!睡蓮と水の面積にも注目
<まるでモネの絵!睡蓮と水の面積にも注目>

5月の白い睡蓮。赤い睡蓮も咲いていました
<5月の白い睡蓮。赤い睡蓮も咲いていました>

池の周囲をぐるりと見渡すと、モネの作品に描かれた柳の木やボートも、とても自然に配置されています。
岸辺のところどころに、モネの絵の複製画をイーゼルに掛けた状態で飾っているのも素敵な演出。描かれた景色と、目の前の庭が、見事に一致しています。いま自分がいるのが現実なのか絵の中なのか、わからなくなる気分を味わえますよ。

池の水際にあるボート。マルモッタン美術館のモネの絵「小舟」のよう
<池の水際にあるボート。マルモッタン美術館のモネの絵「小舟」のよう>

モネが描いた睡蓮と、目の前の睡蓮の池を見比べられるスポット
<モネが描いた睡蓮と、目の前の睡蓮の池を見比べられるスポット>

池の畔のバラのアーチ~モネになった気持ちでベンチへ

池の北側の岸辺にあるバラのアーチは、「水の庭」の中でも際立って印象的な場所。筆者が訪れた5月には満開のマゼンタ色のバラがアーチを彩り、対岸から見た様子はまさにモネが描いた作品そのものでした。

モネの「バラのアーチ」の複製画。池の対岸には、同じバラのアーチが...!
<モネの「バラのアーチ」の複製画。池の対岸には、同じバラのアーチが...!>

池の岸辺に立つバラのアーチ群
<池の岸辺に立つバラのアーチ群>

このアーチの横には、ジヴェルニーのモネの庭と同じように、緑色の優美なベンチがあります。ジヴェルニーでは、モネはここに座って池の睡蓮を眺めていたそう。北川村の「水の庭」のこの椅子も、睡蓮を見る絶好のポイントです!ここに座って睡蓮の可憐な花や、水の光の反射をじっくり見つめると、気分はモネ。印象派の景色を心から堪能できます。

バラのアーチに囲まれたベンチ
<バラのアーチに囲まれたベンチ>

ベンチから見た睡蓮。池の映り込みや輝きも楽しみたい
<ベンチから見た睡蓮。池の映り込みや輝きも楽しみたい>

ひなげしの丘を歩く

「水の庭」の東側には、ひなげしの丘が広がっています。5月に訪れた時点では、赤いひなげしがまさに花盛りでした。

ゆるやかな起伏のある丘で、無数のひなげしが風に揺れる光景は、モネが描いた「アルジャントゥイユのヒナゲシ」や「ジヴェルニー付近のひなげし畑」の景色がそのまま立ち現れたようです。ここで日傘を差せば、モネの絵の中の人物になったような気がしてきます。たくさん記念写真を撮りたくなりますよ。

モネの絵のようなひなげしの丘
<モネの絵のようなひなげしの丘>

パレットのように鮮やかな「花の庭」

「水の庭」の一帯を歩いたら、「花の庭」へ向かいましょう。
駐車場の西側にある「花の庭」は、カフェ「モネの家」やお土産を販売する「ギャラリー・ショップ」から、階段を降りたところに広がっています。これらの施設が入るパステルカラーの建物も、ジヴェルニーのモネの家にそっくり。雰囲気満点です。

まるでモネの家!「ギャラリー・ショップ」が入るピンク色の建物
<まるでモネの家!「ギャラリー・ショップ」が入るピンク色の建物>

中央に大きなバラのアーチがのびる花の庭は、モネのパレットを思わせる見事な色彩。筆者が訪れた5月は、色鮮やかなバラがちょうど満開でした。甘い香りがふわりと漂います。バラのアーチの向こうにバラ色の家が見える様子は、まさしくジヴェルニーのモネ邸の再現。今にも絵筆を手にしたモネが出てきそうです。

バラのアーチの奥に建物が見える
<バラのアーチの奥に建物が見える>

香りもすばらしいバラのトンネル
<香りもすばらしいバラのトンネル>

5月の「花の庭」はバラだけでなく、アマリリスやひなげし、ヤグルマギク、カンパニュラなども咲き誇っていました。花の色合いと高低差を考えて植えられた、小道のかたわらを彩る花々が素敵です。「花の庭」には四季折々に、種類の異なる花々が咲き揃います。モネが描いた絵を思い浮かべながら、画家を魅了した色彩に埋もれるような間隔を味わえますよ。

青とピンクの花が繰り返し植えられた小道
<青とピンクの花が繰り返し植えられた小道>

紫の花のグラデーションが美しい小道
<紫の花のグラデーションが美しい小道>

黄色の花々が彩る小道。庭全体がパレットのよう
<黄色の花々が彩る小道。庭全体がパレットのよう>

モネを魅了した地中海の庭を再現!「ボルティゲラの庭」

「花の庭」の後は「ボルティゲラの庭」へ向かいます。こちらはモネが地中海沿岸の町ボルティゲラ(イタリア)に滞在した際に、明るい色彩で描いた作品群を再現した庭です。

木々の向こうに土佐湾が見える「ボルティゲラの庭」
<木々の向こうに土佐湾が見える「ボルティゲラの庭」>

ヤシやオリーブなどの木々や、輝く海が見える景色を、北川村の起伏に富んだ地形を利用して作り上げたこの庭は、北川村「モネの庭」だけのオリジナル。小高い丘の上にある「リヴィエラの小屋」から、南国の木々のむこうに広がる海を眺めると、モネを魅了した地中海の光と空気に包まれるような気がしてきます。

地中海の空気が漂う「リヴィエラの小屋」
<地中海の空気が漂う「リヴィエラの小屋」>

この「リヴィエラの小屋」はカフェになっています。ここでお茶を楽しめば、地中海リゾートの気分まで味わえます!(カフェの定休日は月・水曜日)

ヤシの木の下に立つモネ「ボルディゲラの別荘」の複製画
<ヤシの木の下に立つモネ「ボルディゲラの別荘」の複製画>

カフェ「モネの家」で北川村の魅力を味わうランチ

広い庭園を歩いてお腹が空いたら、優雅なランチを楽しんでみませんか?
駐車場から「花の庭」方面へ進むと、左側にアプリコット色の外壁が印象的な、カフェ「モネの家」があります。ここでは高台から北川村の山々を眺めながら、地元食材を使ったメニューを食べられます。天井が高く明るい店内は、解放感があります。

カフェ「モネの家」の店内
<カフェ「モネの家」の店内>

筆者はランチメニューの中から「地元 米ヶ岡鶏のソテー~ゆずソース」を食べてみました。皮はパリパリ、中身はプリッとしたソテーは、ほんのり甘くて旨みたっぷり。ゆずソースのさわやかな酸味が味を引き締めています。付け合わせの野菜もフレッシュな美味しさです。黄色と青の配色が美しい食器は、モネが自らデザインして使っていた物の復元品。視覚も楽しめる素敵なランチです。

地元 米ヶ岡鶏のソテー~ゆずソース」。美味!
<「地元 米ヶ岡鶏のソテー~ゆずソース」。美味!>

おみやげも充実

カフェ「モネの家」の隣に立つピンク色の建物は「ギャラリー・ショップ」。ジヴェルニーのモネの家そっくり建物は、屋内がモネのアトリエを模した作りになっています。吹き抜けの2階部分の回廊では、モネの作品の複製画を展示。1階はショップになっており、モネの絵をモチーフにした美しいグッズが多数並んでいます。北川村特産のゆずを使った食料品もありますよ。きっと素敵なおみやげに出会えます。

豊富な種類のおみやげが並ぶギャラリー・ショップ
<豊富な種類のおみやげが並ぶギャラリー・ショップ>

まとめ

四季折々の花が彩る北川村「モネの庭」マルモッタンは、日本にいながらモネが愛した庭の眺めを楽しめるスポットです。以下の点をお心に留めながら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

  • 北川村への移動は車が便利。高知市中心部から1時間30分弱で到着します
  • 北川村の「モネの庭」は、「水の庭」「花の庭」「ボルティゲラの庭」の3つのエリアで構成されています
  • まず午前中に睡蓮が咲く「水の庭」から足を運ぶのがおすすめです
  • 広大な園内は起伏に富んでいます。歩きやすい靴で行きましょう
  • 来園前にモネの画集等で作品を見ておくと、3つの庭の景色がより楽しめます
  • カフェ「モネの家」では、地元食材を使ったランチや、お茶を楽しめます
  • カフェ「モネの家」の隣にある「ギャラリー・ショップ」は、各種おみやげが充実しています


それでは、モネの絵の世界をめぐる素敵な旅を!

北川村 モネの庭 マルモッタン

  • 住所:高知県安芸郡北川村野友甲1100番地
  • 開園時間:9:00~17:00(最終入園時間 16:30)
  • 休園日:6月~10月の第1水曜日/12月1日~2月末日
  • 入園料:一般 1,000円/小中学生 500円/小学生未満 無料
  • 公式サイト:北川村 モネの庭 マルモッタン

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朝茶

ライター/英和・和英翻訳者。出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今はとにかく国内各地を旅したいです!

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