江津湖と周辺の見どころや観光スポットガイド

九州のほぼ中央に位置する熊本は、世界屈指の規模を誇るカルデラを有する阿蘇山をはじめとする雄大な自然と、火砕流堆積物や砂岩層などの地層によって育まれた豊かな水資源に恵まれているのが特徴です。中でも熊本市は、市民が使用する水道水の100%を地下水で賄っており、日本一の地下水都市としても知られています。今回は、その水瓶のひとつとして、そして憩いの場として市民に親しまれている「江津湖」について、その魅力と周辺の見所や観光スポットをご紹介します。

目次

<1. 江津湖とは>

<2. 水前寺江津湖公園>

<3. 上江津湖には何がある?>

<4. 下江津湖>

<5. 江津湖で水遊び!>

<6. 江津湖で野鳥観察>

<7. 江津湖で植物観察>

<8. 江津湖でサイクリング>

<9. 江津湖のイベントといえば「江津湖みなも祭り」>

<10. 江津湖周辺のグルメ>

<11. 江津湖周辺の観光スポット>

<12. 江津湖へのアクセス>

1. 江津湖とは

江津湖
<出典元:写真AC

水の都・熊本を語るうえで欠かすことのできない、江津湖。熊本市街の南東に位置する長さ2.5km、周囲6kmの湖で、湖水面積は約50ha、一日の湧水量は40万トンにもなります。その成り立ちは緑川水系の加勢川によって形成された河川膨張湖とされていて、北側の上江津湖、南側の下江津湖という二つの湖がつながって瓢箪のような形をしているのが特徴です。

また、江津湖の水温は1年を通して18度前後とほとんど変化せず、周辺には豊かな自然環境が育まれていることから、カワセミをはじめとする野鳥など多くの動植物のほか、スイゼンジノリやヒメバイカモなどのように絶滅危惧種に指定されている希少な水生生物も生息しています。

周辺には動植物園やボート乗り場などもあり、熊本市民の憩いの場として子どもから大人までたくさんの人が訪れます。

2. 水前寺江津湖公園

水前寺江津湖公園
<出典元:写真AC

日本一の地下水都市・熊本のシンボル的存在として市民に愛されている江津湖。その湖の周囲をぐるっと取り囲むように整備されているのが「水前寺江津湖公園」です。水前寺、出水、上江津、下江津、広木と5つの地区から構成されていて、それぞれに魅力あふれるスポットとなっています。

2.1 水前寺

水前寺江津湖公園の玄関口とも言える場所で、市電通り沿いにあるエリアです。「旧体育館跡地広場」と水前寺児童公園などがあります。なお、水前寺児童公園では夏休みに「ちびっこプール」が期間限定でオープンします。

2.1 出水

図書館や近代文学館などがあるエリアになります。夏目漱石などの詠んだ俳句の句碑が複数設置されているので、川沿いの道を散策しながら探してみるのもおすすめです。

2.2 上江津

出水エリアからのんびりと散策をしていると、広々とした湖の美しい景観が目に飛び込んできます。貸しボートを楽しむ人や、湖岸で釣りをする人、芝生でくつろぐ人など、思い思いの時間を過ごす人々で賑わっているエリアです。

2.3 下江津

下江津エリアは、江津湖の雄大な姿を見ることができる場所で熊本市動植物園が隣接するエリアです。レガッタの練習拠点にもなっていて、本格的なコースも設置されていて、ボート部の学生たちが一生懸命練習をする姿が下江津湖を代表する景観となっています。

2.4 広木

水前寺江津湖公園の最も下流に位置するエリアです。広々とした芝生広場や浅瀬の親水エリア、動植物の観察ができるスポットなど多くの見所があり、子ども連れでも安心して遊ぶことができます。

3. 上江津湖には何がある?

江津湖は北側の上江津湖、南側の下江津湖とでそれぞれ見所が異なります。ここからは、上江津湖の見所ポイントについて詳しく見ていきましょう。

3.1 レンタルボート

湖畔から見る湖の景色も素敵ですが、せっかく江津湖を訪れたならレンタルボートを利用して湖上からの景観を楽しんでみてはいかがでしょうか。江津湖にはいくつかの貸しボート店がありますが、中でも「江藤ボートハウス」は創業明治10年と長い歴史を誇ります。熊本のご当地キャラクター「くまもん」のペダルボートをはじめ、手漕ぎボート、カヌー、中型〜大型の屋形船などもあり、四季折々の江津湖の景色を満喫しながら湖上散歩を楽しむことができます。

住所:熊本市東区江津1-35-31

3.2 中の島

中の島
<出典元:写真AC

下江津湖の中央に浮かぶ小さな島「中の島」。かつては江津湖を歩いて渡って訪れることができたと言われている場所で、お茶屋があった時期もあるそうです。島の石段にその名残を見ることができます。

3.3 じゃぶじゃぶ池

豊かな湧水をたたえる江津湖のなかで、子ども連れでも安心して水遊びを楽しめるのが「じゃぶじゃぶ池」です。江津湖の一角にありながら常に浅い水量を保っていて、水深はわずか10cm。流れもほとんどないので、小さな子どもでも思いっきり水遊びができるエリアになっています。ただし、じゃぶじゃぶ池は小石などが多いため、水遊びの際にはサンダルは必須です。

4. 下江津湖

見晴らしの良い芝生広場が広がり、休日には多くの親子連れで賑わう下江津湖エリア。熊本市内でも人気の高いレジャースポットとして市民に親しまれています。ここからは、この下江津湖エリアの見所を詳しく見ていきましょう。

4.1 熊本市動植物園

熊本市動植物園
<出典元:写真AC

江津湖の畔にある総面積24.5haの動植物園。動物園にはゾウやキリンなど子どもたちに人気の動物や、孫悟空のモデルといわれるキンシコウなどの珍しい動物約130種・700頭が飼育されていて可愛らしい姿を見ることができます。また、植物園には約800種・5万点の植物が四季折々の美しさで訪れた人々を楽しませてくれています。

熊本市動植物園の基本情報

4.2 水前寺江津湖公園 自然観察園

江津湖の南端にある「水前寺江津湖公園」は「広木公園」の愛称で親しまれている熊本市民の憩いの場です。園内はキャンプやバーベキューは禁止ですが、駐車場も完備されているため日除けテントを持参してピクニックを楽しむことも。自然観察園は水辺の生き物や湖畔にいる昆虫などの観察スポットとして親子連れにも人気で、江津湖の自然を丸ごと体感できるエリアになっています。

水前寺江津湖公園 自然観察園の基本情報

4.3 湧水広場

水前寺江津湖公園の中にある人気の水遊びスポットです。ふんだんに湧き出る江津湖の湧水を利用した浸水広場で、夏場には多くの家族連れで賑わいます。足だけ少し濡らす程度では満足できないはずなので、小さなお子さんと一緒の場合には着替え必須です。

5. 江津湖で水遊び!

ゾウさんプール
<出典元:写真AC

豊かな湧水をたたえる江津湖は、熊本市内屈指の水遊び場として人気です。上記で紹介した上江津湖のじゃぶじゃぶ池や江津湖北側にあるゾウさんプールの他にも、水遊びができるスポットが数多くあります。どれも比較的浅瀬にあるため安心して遊ぶことができますが、小さなお子さんは安全のためにもライフジャケットを着用するのがおすすめです。また、江津湖はきちんと整備されている場所が多いものの、自然の中の水遊び場ではあるため裸足で水に入るのはおすすめできません。石や落ちているガラスなどで足を切ることがないように、必ずかかと付きのサンダルを着用しましょう。

6. 江津湖で野鳥観察

野鳥
<出典元:写真AC

1年を通してほぼ一定の水温が保たれている江津湖。年間約130種、その数実に3,000余羽の渡り鳥が飛来し越冬するため、熊本を代表する絶好のバードウォッチングスポットとしても有名です。オオバン、アオサギ、コサギ、カイツブリ、カルガモのほか、熊本市の市鳥・シジュウカラ、モズ、ヒバリ、清流の宝石と称されるカワセミなど、魅力あふれる美しい野鳥を見ることができます。定期的に野鳥観察会も開催されているため、鳥の名前に詳しくない方にもおすすめです。

7. 江津湖で植物観察

植物
<出典元:写真AC

熊本の市街地にありながら豊かな自然環境が広がる江津湖。その水辺や岸辺にはさまざまな種類の植物が生息していて、なかにはスイゼンジノリやヒメバイカモなどのように絶滅危惧種に指定されている稀少なものも。お天気の良い日には、植物図鑑を片手に、足元に目を留めながらゆっくりと散策を楽しんでみるのもおすすめです。

また、湖の周辺にはサクラをはじめ、メタセコイヤ、ヤマモモ、イチョウ、モクレン、ツバキなど多様な樹木も植えられていて、四季折々の美しさで訪れた人々を楽しませてくれています。

8. 江津湖でサイクリング

江津湖の周辺には遊歩道が整備されているため、ジョギングやウォーキングだけでなくサイクリングを楽しむことができます。マイ自転車の持ち込みもOKですが、下江津エリアにある「熊本市動植物園」の南門には無料で利用できるレンタサイクルもあり、動物園周辺のサイクリングロードを走ることも可能です。江津湖の湖面からの心地よい風を感じながら、美しい景観の中をのんびりとサイクリングしてみてはいかがでしょうか。

なお、遊歩道は散歩やジョギングなどをしている方もいますので、自転車の走行には十分に注意しましょう。

9. 江津湖のイベントといえば「江津湖みなも祭り」

江津湖では昆虫観察会や青空ヨガなど、一年を通してさまざまなイベントが催されていますが、その中でも特に大きなイベントのひとつが、水前寺江津湖公園の広木地区で開催される「江津湖みなも祭り」です。

『江津湖の水と緑を「み」ん「な」で「も」っとたのしもう!』をコンセプトとしたお祭りで、マルシェやスポーツ体験会、クルージング、くまもんの巨大地上絵など、子どもから大人まで楽しめる内容となっています。

10. 江津湖周辺のグルメ

江津湖の周辺には緑豊かな自然だけでなく、美味しいグルメスポットもたくさんあります。ここからはその中でもおすすめのグルメスポットを、いくつかピックアップしてご紹介します。江津湖で遊んだ後に、ぜひ訪れてみてくださいね。

10.1 湖畔の一軒家レストラン湖鏡(こきょう)

熊本県立図書館から徒歩5分。江津湖の出水地区にある「湖鏡(こきょう)」は、江津湖の畔に建つ一軒家のレストラン。江津湖の美しい景観を間近に眺めながら極上の料理が楽しめます。

おすすめは江津湖の心地良い風を感じることができるテラス席。ランチタイムでも満席のことが多いので事前の予約は必須です。

ランチコースは1,700円〜2,600円で、どのコースを選んでも前菜とスープ、ドルチェ、ドリンクがついてきます。大切な記念日のお祝いにもぴったりのレストランです。

湖畔の一軒家レストラン湖鏡(こきょう)の基本情報

  • 住所:熊本県熊本市中央区神水本町6-73
  • 公式サイト:湖鏡(KOKYO)

10.2 YARD dinning(ヤードダイニング)

ひょうたん型の江津湖のちょうど窪みのあたりに位置するライフスタイルショップ「YARD」。

店内にはヨーロッパのアンティークが並ぶ「atelier」、植物などアウトドア要素が詰まった「terrace」、洋服や雑貨などを集めた「yard」があります。その店の奥にあるのが緑に囲まれたカフェ「YARD dining」です。

店内は大きな窓から江津湖の美しい自然を眺めることができ、開放感いっぱいの雰囲気です。季節の野菜をふんだんに使った料理はどれも美味しく、中でもデミグラスソースで煮込んだハンバーグやグリーンカレーなどが人気。晴れた日にはテラス席でのランチもおすすめです。

YARD dinning(ヤードダイニング)の基本情報

  • 住所:熊本県熊本市東区神水本町27-21
  • 公式サイト:YARD

10.3 湧心庵

おしゃれなカフェやレストランもいいけれど、肩の力を抜いて美味しい料理を楽しみたいという方には、江津湖のほとりにある家庭料理店「湧心庵」がおすすめです。

ボート乗り場のすぐそばにあり、8種類から選ぶことができる880円のランチはそれもボリューム満点。中でもおすすめなのが「お魚ランチ」。魚の種類は日によって変わりますが、メインの魚以外にもたくさんの副菜がついているのが嬉しいポイントです。

湧心庵の基本情報

10.4 Cafe&Bar オンズ

上江津湖の東、熊本東バイパス沿いにある「Cafe & Bar オンズ」は、九州最大級のライダーズカフェです。

ヴィンテージ調の店内はお洒落で居心地の良い空間になっていて、アメリカン雑貨やガレージ用品、アパレルなどのショップスペースも併設されています。

カフェのおすすめメニューは「特製オムライス」。とろとろの卵にデミグラスソースがたっぷりかかっていて、シンプルなのに忘れられない美味しさです。他にも気まぐれランチプレートや飲むチーズケーキ「GOKUCHEE」も人気。

バイク乗りじゃなくても楽しむことができる人気スポットに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Cafe&Bar オンズの基本情報

11. 江津湖周辺の観光スポット

熊本の市街地にある江津湖を訪れたら、周辺にある観光スポットにもぜひ足を運んでみましょう。ここからは、江津湖周辺のおすすめ観光スポットをご紹介します。

11.1 水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)

水前寺成趣園
<出典元:写真AC

地元の人から「水前寺公園」の愛称で親しまれている「水前寺成趣園」。

豊かな阿蘇の伏流水が湧出してできた池と緑が調和した美しい回遊式庭園で、約73,000平方メートルもの広大な敷地には築山や浮石、芝生、松などの植木で東海道五十三次の景色を表現しています。

その歴史は大変古く、熊本藩細川氏の初代藩主・細川忠利が1636年(寛永13年)頃に築いた「水前寺御茶屋」から始まり、3代目綱利公の頃には現在と同等規模の庭園が完成。1929年には国の名勝・史跡に指定されました。

園内には出水神社や能楽殿、夏目漱石の句碑などもあり、ゆっくりと散策を楽しむなら1時間ほどが必要です。

水前寺成趣園の基本情報

  • 住所:熊本県熊本市中央区水前寺公園8-1
  • 公式サイト:水前寺成趣園

11.2 熊本城

熊本城
<出典元:写真AC

1607年(慶長12年)に、加藤清正が茶臼山と呼ばれた大地に築いた熊本城。日本三名城のひとつとして市民に愛されてきましたが、2016年に発生した熊本地震によって13棟ある重要文化財の全ての建物や石垣などが甚大な被害を受けたため、現在も修復が行われています。天守閣の復旧は2021年3月に完了したものの、城全体の修復が完全に終わるまでには20年もの年月を要するそうです。

城内は現在も復旧工事中で立ち入りが制限されている場所もありますが、「二の丸広場」から天守閣へ向かう「北側ルート」と、地上約6メートルの高さにあるスロープを歩く「南側ルート」については公開されています。また、完全復旧した天守閣も内部に入ることが可能です。築城から西南戦争での消失や地震からの復興までの歴史などにスポットを当てた展示が行われていたり、ジオラマ模型にプロジェクションマッピングを投影した解説コーナーなど、見どころも満載です。

熊本城の基本情報

  • 住所:熊本県熊本市中央区本丸1-1
  • 公式サイト:熊本城

11.3 桜の馬場・城彩苑(さくらのばば・じょうさいえん)

桜の馬場・城彩苑
<出典元:写真AC

熊本城を訪れたら、セットで訪れたいのが城下町のような雰囲気でショッピングやグルメが楽しめる「桜の馬場・城彩苑」です。

2016年に発生した熊本地震で熊本城がどのように被害を受けたのか、またその復旧イメージなどがわかりやすく映像化されている「熊本城被災・復旧プロジェクションマッピング」や、町娘や忍者、侍などの衣装が借りられる「なりきり道中・熊本城さるき」などがある「熊本城ミュージアムわくわく座」や、20以上の飲食店が並ぶグルメ街道「桜の古路」など、見て学んで体験してと盛りだくさんのスポットです。

桜の馬場・城彩苑の基本情報

12. 江津湖へのアクセス

最後に、江津湖への行き方を詳しく見ていきましょう。主なアクセス方法は以下の通りです。

12.1 市電を利用する場合

「熊本駅」から市電「健軍町行」に乗車。水前寺地区または出水地区へは「市立体育館前」、上江津地区へは「八丁馬場」、下江津地区へは「動植物園入り口」、広木地区へは「健軍町」で下車しましょう。

12.2 熊本都市バスを利用する場合

「交通センター」から熊本都市バスに乗車。水前寺地区または出水地区へは「水前寺公園前県立図書館入口」、上江津地区へは「八丁馬場」、下江津地区へは「画図橋」、広木地区へは「南町」または「烏ヶ江(からすがえ)住宅前」で下車しましょう。

12.3 熊本バスを利用する場合

「交通センター」から熊本バスに乗車。水前寺地区または出水地区へは「水前寺公園前」、上江津地区へは「大曲」、下江津地区へは「画図橋」、広木地区へは「烏ヶ江(からすがえ)住宅前」で下車しましょう。

湖と水辺の美しい景観が魅力の江津湖。周辺の観光を検討されている方は、ぜひ上記でご紹介した内容を参考にしてみてください。

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