春の祭りにはどんなものがある? 全国の有名な春祭り

春の祭りにはどんなものがある? 全国の有名な春祭り

長く感じられる寒い冬の後、春の訪れを感じると一気に気持ちが明るくなりますよね。お出かけ日和の日も増えてくる時期だけに、全国各地でさまざまなお祭りが開催されます。

今年こそは、伝統ある春祭りや桜まつり、ひな祭り関連のイベントに出かけて、春の訪れを楽しくお祝いしてはいかがでしょうか。

目次

<1. 春の祭りにはどんなものがある?>

<2. 神社での有名な春祭り>

<3. 有名な桜まつり>

<4. 有名なひな祭り関係のイベント>

春の祭りにはどんなものがある?

春の祭りにはどのようなものがあるのでしょうか。

ひと言で「春の祭り」といっても、飛騨高山の「春の高山祭」や京都の「葵祭」のような神社の伝統ある例祭に加え、桜を楽しむための「桜まつり」、ひな祭りのような年中行事に関連したイベントなど種類はさまざま。

「歴史や伝統にふれる」「花を愛でる」など、祭りによって目的が異なりますし、規模や知名度もさまざまです。「1度は日本三大祭りに参加してみたい」「桜の名所で絶景を見たい」など、目的に合わせて選ぶといいでしょう。

ようやく寒い冬が明けて、あたたかな日差しが降り注ぐ春はそれだけで気分が明るくなりますが、お祭りに参加することで春の訪れをより強く感じることができるはずです。お祭りやイベントと合わせて、お花見や街歩きが楽しめるのも、気候の良い春ならではの魅力ではないでしょうか。

神社での有名な春祭り

全国で開催されるさまざまな春のお祭りのうち、まずは歴史と伝統を誇る神社の有名な例祭をご紹介しましょう。

あらゆる生命が生き生きと輝き出す春、立春(りっしゅん:2月4日)から立夏(りっか:5月5日)までのあいだ、多くの神社で春祭りが開かれます。神社の春祭りには、「その年の農耕の始まりを神さまに報告し、神さまの加護のもとで豊作を願う」という意味合いがあります。

きっと、1度は名前を聞いたことがあるお祭りや、1度は行ってみたいお祭りが見つかるはずです。

神田祭(東京都)

神田明神
<出典:写真AC

京都の祇園祭、大阪の天神祭とともに「日本三大祭り」のひとつに数えられるのが、東京千代田区の神田明神で開催される「神田祭」。山王祭、深川八幡祭(ふかがわはちまんまつり)と並ぶ「江戸三大祭り」のひとつにもなっています。

その昔、ほかの武将との戦の前に、必ず家来に神田明神で戦勝を祈願させていたという徳川家康は、天下統一後、神田明神に感謝して立派な社殿や神輿を寄進しました。家康の支援により、神田明神の祭礼も盛大なものになっていったことから、神田祭は「天下祭」とも呼ばれています。

5月中旬に開催される神田祭は、2年に1度の偶数年に盛大な「本祭(ほんまつり)」が、奇数年には「蔭祭(かげまつり)」が行われます。

なかでも一番の盛り上がりを見せるのが、本祭の年に行われる、神田明神の周辺地域を守る神々が3つの神輿に乗って町を祓い清める「神幸祭(しんこうさい)」と、100基の神輿が神田明神に向かう勇壮な「神輿宮入(みこしみやいり)」。脈々と受け継がれてきた江戸情緒を肌で感じられること請け合いです。

  • 開催場所:東京都千代田区外神田2-16-2神田明神(および周辺地域)
  • 2023年の開催予定日:5月11日~14日および16日・17日(13日:神幸祭、14日:神輿宮入、17日:例大祭)

くらやみ祭(東京都)

「くらやみ祭」は、東京都府中市にある大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)最大の例大祭。かつて、街の明かりを消した深夜の暗闇の中で神輿渡御が(みこしとぎょ)行われていたことがその名の由来で、東京都の無形民俗文化財に指定されています。

4月30日の「品川海上禊祓(みそぎはらい)式」から5月6日の「神輿還御(みこしかんぎょ)」までの7日間にさまざまな神事が行われますが、ハイライトは6張りの大太鼓が打ち鳴らされる中、提灯の灯りに導かれ、8基の神輿が「オイサ、オイサ」のかけ声とともに神社本殿から御旅所(旧甲州街道と府中街道の交差点)まで渡御される「神輿渡御」。

担ぎ手がまとった白丁(はくちょう)と提灯の明かりとのコントラストが力強くも幻想的です。

  • 開催場所:東京都府中市宮町3-1 大國魂神社(および周辺地域)
  • 2023年の開催予定日:4月30日~5月6日(5日:神輿渡御)

春の高山祭(岐阜県)

飛騨高山に春の訪れを告げる日枝神社の例祭が「春の高山祭(山王祭)」。高山祭は京都の祇園祭、埼玉の秩父夜祭と並ぶ「日本三大美祭」のひとつで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

毎年4月14日と15日に、「祭屋台(まつりやたい)」と呼ばれる12台の山車(だし)が登場。そのうち3台の屋台が、全国的にも珍しいからくり奉納を披露します。

祭りの行列にあたる「御巡幸(ごじゅんこう)」では、伝統衣装に身を包んだ数百名の大行列が、お囃子(はやし)や雅楽とともに高山の町を練り歩く、時代劇さながらの光景が見られます。

  • 開催場所:岐阜県高山市城山156 日枝神社(および周辺地域)
  • 2023年の開催予定日:4月14日・15日

葵祭(京都府)

流鏑馬神事
<出典:写真AC

日本で最も有名な春のお祭りのひとつが、約1,500年の歴史を持つといわれる、京都の「葵祭」。賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で、「京都三大祭」のひとつにも数えられています。

葵祭の見どころは、平安装束を身にまとった人々が約8kmの距離を練り歩く「路頭の儀」。近衛使(このえづかい)、検非違使(けびいし)、内蔵使(くらづかい)、山城使(やましろつかい)をはじめ、馬36頭、牛4頭を含む500人あまりの大行列が展開する平安絵巻さながらの光景は圧巻です。

約2週間にわたってさまざまな神事が展開される葵祭では、「路頭の儀」のほかにも、「馬足汰式(くらべうまあしぞろえしき)」「流鏑馬(やぶさめ)神事」「斎王代女人列御禊神事(さいおうだいにょにんれつみそぎのしんじ)」など、「前儀」と呼ばれるさまざまな神事が両神社で行われます。

  • 開催場所:賀茂御祖神社(下鴨神社)・賀茂別雷神社(上賀茂神社)および周辺地域
  • 2023年の開催予定日:5月3日~5日、および12日・13日(流鏑馬神事:3日、斎王代女人列御禊神事:4日、路頭の儀:15日)※悪天候の場合「路頭の儀」は翌16日に順延

有名な桜まつり

古来、日本人にとって特別な花であり続けてきた桜。全国各地で、お花見をさらに盛り上げるための「桜まつり」が開催されます。

内容はさまざまですが、桜の木がたくさんある公園などで、ぼんぼりによるライトアップが行われたり、食べ物屋台が出たり、ステージイベントなどが開催されたりと、大いに盛り上がりを見せます。

弘前さくらまつり (青森県)

弘前公園の桜
<出典:写真AC

「日本三大桜名所」のひとつ、青森県弘前(ひろさき)市の弘前公園で開催されるのが「弘前さくらまつり」。

4月下旬~5月上旬にかけて、ソメイヨシノを中心に、シダレザクラ、八重桜など、約50種類・2600本の桜が咲き乱れる弘前公園は「日本一」との呼び声も高い全国屈指の桜の名所です。鏡のような水面に両岸の桜が映り込む幻想的な弘前城外濠(そとぼり)の風景は、1度は行きたい絶景としても話題を集めています。

弘前さくらまつりの目玉は、なんといってもしっとりとした夜桜が楽しめる夜間のライトアップ。屋台も出店するので、絢爛豪華な桜とともにさまざまなグルメが楽しめます。

  • 開催場所:青森県弘前市下白銀町 弘前公園(国指定史跡「弘前城跡」)
  • 2023年の開催予定日:4月21日~5月5日

はちのへ公園春まつり(青森県)

青森県八戸市にある、東京ドーム約8個分の広さを誇る八戸公園。園内では、4月下旬から5月上旬にかけて、ソメイヨシノ、ヤエザクラ。ヤマザクラなど約2,000本の桜が咲き誇ります。

ゴールデンウィークに合わせて開催される春まつり開催中は、たくさんの露店が出るほか、さまざまなステージイベントも開催され、お花見ムードを盛り上げてくれます。

  • 開催場所:青森県八戸市十日市天摩33-2 八戸公園
  • 2023年の開催予定日:4月29日~5月5日

うえの桜まつり(東京都)

上野公園の桜
<出典:写真AC

首都圏の桜の名所といえば、なんといっても東京・台東区の上野恩賜公園。上野公園一帯には約1,200本の桜の木があり、ソメイヨシノが一斉に咲き誇る3月下旬から4月初旬にかけて、恒例の桜まつりが開催されます。

桜まつりの期間中は、草花市や青空骨董市などのイベントが開催されるほか、夜は800個ものぼんぼりの灯が桜を照らし、幻想的な光景を創り出します。

  • 開催場所:東京都台東区上野公園
  • 2023年の開催予定日:3月下旬~4月上旬

富士芝桜まつり(山梨県)

富士芝桜
<出典:写真AC

富士山の絶景とともに、カラフルな芝桜が楽しめるイベントが、山梨県の河口湖畔で開催される「富士芝桜まつり」です。

広大な敷地に、首都圏最大級の約50万株もの鮮やかな芝桜が咲き誇る光景は、まさに富士山麓の春の風物詩。色彩豊かで力強い芝桜は、木の桜とはまた違った味わいがあります。

桜まつり期間中は、ローカルグルメが味わえるイベントなども同時開催され、多くの人で賑わいます。

  • 開催場所:山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212 富士本栖湖リゾート
  • 2023年の開催予定日:4月中旬~5月下旬

有名なひな祭り関係のイベント

春の祭りには、ひな祭りにちなんだイベントも数多くあります。ひな祭り関連のイベントは全国津々浦々で開催されていて、開催期間も比較的長いため、訪れやすいのがポイント。

日本の伝統工芸の美にふれつつ、街歩きも一緒に楽しみましょう。

人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり(埼玉県)

人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり
<提供:(公社)さいたま観光国際協会

「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」は、埼玉県さいたま市岩槻(いわつき)区で開催されるひな祭りイベント。2023年で20回を迎えます。

商家に伝わる古い人形などをめぐるスタンプラリーや、つるし飾り製作体験など、「観る」「創る」「食べる」の3つのテーマで岩槻の伝統にふれるさまざまな企画が用意されており、街歩きとともに雛めぐりを楽しめます。

「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」について、詳しくは「お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選」の記事もご覧ください。

  • 開催場所:岩槻駅東口周辺商店街
  • 2023年の開催予定日:2月23日~3月12日

鴻巣びっくりひな祭り(埼玉県)

埼玉県鴻巣(こうのす)市は、約380年の伝統を誇るひな人形のまち。鴻巣市で作られたひな人形「鴻巣雛(こうのすびな)」は、埼玉県の伝統的手工芸品に指定されています。

そんな鴻巣市で開催されるひな祭りイベントが、その名も「鴻巣びっくりひな祭り」。メイン会場に展示される、31段・高さ7mにおよぶ"世界一高いひな人形のピラミッド"が最大の見どころ。複数のサテライト会場でも、ユニークなひな人形の数々が見られます。

  • 開催場所:鴻巣市本町1-1-2 エルミこうのすショッピングモール(メイン会場)
  • 2023年の開催予定日:2月17日~3月4日

雛のつるし飾りまつり(静岡県)

「雛のつるし飾り」は、静岡県・東伊豆の稲取温泉で開催されるひな祭りイベント。稲取温泉は「雛のつるし飾り」発祥の地といわれ、裕福な家庭しかひな人形が買えなかった時代、一般家庭の女性たちが古い着物の端切れなどで女の子の健康と幸せを願う人形を作り、紐でつないでつるしたのがはじまりだといいます。

メイン会場は「文化公園雛の館」と雛の館「むかい庵」で、雛壇の両脇を「雛のつるし飾り」で飾られた豪華なひな人形がお目見えします。

  • 開催場所:静岡県賀茂郡東伊豆町稲取1729 文化公園雛の館(メイン会場)
  • 2023年の開催予定日:1月20日~3月31日

柳川雛祭りさげもんめぐり(福岡県)

柳川雛祭りさげもんめぐり
<出典:写真AC

網目のように掘割が張り巡らされた「水郷」として知られる福岡県柳川市。城下町の風情を色濃く残す柳川には、今もさまざまな伝統が残っています。縁起の良い鶴やうさぎなどの布細工と「柳川鞠(まり)」を組み合わせた女の子の健やかな成長を願うつるし雛「さげもん」もそのひとつ。

「柳川雛祭りさげもんめぐり」期間中は、掘割が色とりどりの「さげもん」で彩られるほか、「おひな様水上パレード」や「さげもん展示即売会」「流し雛祭」など、日ごとにさまざまなイベントが行われます。

  • 開催場所:柳川市内の観光施設、店舗など
  • 2023年の開催予定日:2月11日~4月3日(おひな様水上パレード:3月21日)

日本の伝統文化や手工芸にふれられるイベントから、桜を愛でるイベントまで、お出かけにぴったりな春は魅力あふれるお祭りが目白押し。今年はぜひ春のお祭りに出かけて、この時期だけの思い出を作ってみませんか。

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