水郷めぐりと八幡山!近江八幡王道の見どころを散策!

滋賀県の湖東地域にある近江八幡は、観光スポットが目白押しです。織田信長の城があった安土や琵琶湖に浮かぶ有人の島・沖島、隣の東近江市には近江商人の町・五個荘などがあり、数日かけて回りたい地域です。

ただ近江八幡だけでも1日では回り切れないほど見どころが豊富。2022年秋に近江八幡市が近江八幡ふるさと観光券の募集(すでに締め切り)をしていたので、それに応募して見事に当選しました。5,000円で1万円分の観光券と引き換えることができたので、観光券を手に近江八幡を1日楽しんでみました。

目次

近江八幡までのアクセス

近江八幡駅

近江八幡までのアクセスを紹介しましょう。最寄り駅は、東海道本線(JR琵琶湖線)の近江八幡駅。東京方面からは米原駅まで新幹線に乗り、新快速もしくは快速で移動できます。大阪・京都方面からの場合も、新快速もしくは快速電車での移動となります。

車の場合は東名・名神高速道路を利用します。竜王インターチェンジから30分、蒲生スマートインターチェンジからは30分で近江八幡駅まで行けます。

バス停

近江八幡駅から観光スポットのある旧市街、八幡山周辺や八幡堀までは歩いて30分くらいのところにあるので、駅からはタクシーやレンタルサイクル、レンタカーなどを利用すると便利です。

また、駅前から近江鉄道バスがでており、近江八幡駅から長命寺もしくはヴォーリズ学園前行きのバスに乗り、八幡掘(八幡山ロープウェイ口)まで乗れば、近江八幡の見どころの中心まで行けます。近江八幡駅からの所要時間は6分です。

駐車場については、八幡堀近くに市営小幡観光駐車場があり、大型車11台、普通車83台駐車でき、駐車料金は1回510円です。このほか多賀観光駐車場と日・祝専用の臨時観光駐車場があります。

近江八幡の魅力1:ゆったりとした時が流れる手漕ぎの水郷巡り

水郷巡り

近江八幡の魅力は水郷巡りです。豊臣秀吉の甥である豊臣秀次が、安土城に代わって近江の支配地として八幡山に城を築きました。と同時に、琵琶湖から八幡山の南に形成された城下町まで、城の内堀を兼ねた八幡堀を構築しました。こうして近江八幡は経済力が高まり、近江商人が誕生します。

現在は水郷を船で回れるいくつかの船会社が運行していますが、観光の中心地に近い、近江八幡和船観光協同組合の水郷巡りに乗ってみることにしました。

水郷巡り

近江八幡和船観光協同組合の船は、昔ながらの手漕ぎ船です。船は6人定員の乗合船に乗りました。所要時間80分。大人2,200円で、小人1,100円です。乗合船の他6人定員と8人定員の貸切船があり、貸切船についてはペットの同伴も可能です。(近江八幡ふるさと観光券は貸切船のみ利用可能)

船室には靴を脱いで上がります。船の後ろにいる船頭さんにより、ゆっくりと船が動きます。最初は狭い水路を通りますが、やがて広い水路になり、ちょうど秋の季節とあってコスモスが咲いているところがありました。

水郷巡り

水郷巡りの船は、琵琶湖最大の内湖と称される、西の湖の手前にある西の湖園地前の広いところまで運航します。手漕ぎ船のため速度が遅く、単調な風景が続きますが、後半は船頭に代わって船を漕ぐ体験をさせてもらえます。

あっという間の80分。普段は日々忙しく動き回っている事が多いので、こののんびりした時間は心が洗われる思いでした。

近江八幡の魅力2:琵琶湖の絶景が素晴らしい八幡山

八幡山

近江八幡の観光の中心にあるのが八幡山です。豊臣秀次により1585(天正13)年に八幡山城が築かれましたが、実質的な築城主は豊臣秀吉。信長が築いた安土城に代わる近江の拠点でしたが、秀次が秀吉により切腹を命じられ、廃城となりました。

石垣などの城跡は残っており、山麓から八幡山ロープウェイで山上に向かいます。ロープウェイ運賃は大人片道500円、6歳以上12歳未満の子ども250円、往復は890円で子どもは450円です。

八幡山

ロープウェイから山上に駅に到着すると、最初に西の丸跡に行きましょう。そこから琵琶湖とその先に見える比良山系の山々が見渡せます。

また西の丸跡の横から出丸跡に抜けられる道ががあり、また西の丸後からさらに先に進むと北の丸跡があります。それぞれの場所からは異なる眺望が見られますので、ぜひ3ヶ所とも回ってみましょう。

八幡山

八幡山の山頂付近で、ひときわ高いところにあるのが本丸跡です。標高271.9m地点になっている本丸跡には、村雲御所瑞龍寺門跡があります。これは秀次母で秀吉の姉に当たる日秀尼公が、秀頼の菩提を弔うために京都村雲の地と瑞龍寺の名前を、後陽成天皇から賜り創建されました。1961(昭和36)年に八幡山に移築されています。

宗派は日蓮宗で、日蓮宗では唯一の門跡寺院(もんぜきじいん:皇族や公家が出家して住職を務める寺院)です。山上には本堂の他、金色に塗装された金生稲荷大明神が祀られています。

そのほか、八幡山ロープウェイが2014年に恋人の聖地として認定されました。そのため山頂には大きく「LOVE」と書かれたモニュメントがあり、恋人たちのフォトジェニックスポットにもなっています。

近江八幡の魅力3:近江八幡の名称発祥の地「日牟禮八幡宮」

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近江八幡市の「八幡」名称発祥の地が、日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)です。伝承では西暦131年に13代天皇の成務が即位した際に、家臣の武内宿禰(たけしうちのすくね)に命じて大国主の神(大嶋大神)を祀ったのが始まりです。

その後15代天皇の応神がこの地で休憩した際に、日輪の形をふたつ見たことから祠を立て日群之社八幡宮と名付けました。当初は八幡山に上野八幡宮がありましたが、秀次が八幡山城を築く為に、上の社と下の社が合祀されます。江戸時代は近江商人の守護神として厚い崇敬を集めました。

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日牟禮八幡宮と改称したのは意外に新しく、1966(昭和41)年に神社本庁の別表神社に加えられた時のことです。

主祭神は、誉田別尊(ほむたのすめらみこと:応神天皇)、息気長足姫(おきながたらしひめ:神功皇后)、比賣神(ひめがみ:三姫神の御霊)です。

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境内の本殿と拝殿は、現代にいたるまで繰り返し修復されており、手間の楼門(随神門)は1971(昭和46)年に復興、境内にある能舞台は、1899(明治32)年に新築されています。

このほか、1590(天正18)年以来続いている、左義長祭の説明や金婚式を祝った夫婦の方の奉納品、馬の神像などがあります。

近江八幡の魅力4:近江八幡の地場産業がわかるかわらミュージアム

かわらミュージアム

八幡堀沿いにあるかわらミュージアムは、地場産業として発達した八幡瓦の普及と技術や知恵を後世に伝えるために、平成7年に建設されました。

元々は瓦工場があったところで、既存の建物を復元しているものがいくつかあります。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている地域のため、敷地内にある土蔵に色をつけて、昔ながらの雰囲気に違和感ないようになっており、屋根瓦についても金ブラシで削り落として、わざと古い雰囲気に合わせています。

かわらミュージアム

また床にも瓦が敷き詰められており、渦巻く川の流や紅白梅図による瓦の川、七夕の織姫と彦星が年に一度出逢う恋の広場と天の川をデザインしています。

入場料は一般が300円で、小学生と中学生が200円。内部は1階と2階に常設展示室があります。企画展示室や復元棟展示室、体験工房や研修室のほか、喫茶室もあり、見ごたえが豊富です。

近江八幡の魅力5:聖徳太子が最後に建立したとされる願成就寺

願成就寺

願成就寺(がんじょうじゅうじ)は、近江八幡の中心旧市街地の西の端にあります。寺までの間の参道は京街道門前通りと言われ、各商店では願成就絵札を販売しています。この絵札に名前と祈願する内容を書き入れて、願成就寺の絵札奉納電に入りつけて祈願すると願いごとがかなうとか。

願い事がある人は、参道で絵札を手に入れ、願い事を書いて寺までもっていきましょう。参道の正面の突き当りには、絵札で願いが叶うパワースポットとの横断幕があり、そこから階段を上る必要があります。

願成就寺

階段を上ると願成就寺の境内になります。伝承によれば聖徳太子が48もの寺院を全国各地に建てたのですが、その中で最後に建てた寺院です。

本尊の十一面観音は秘仏で、2022年の春には49年に一度の御開帳があったそうです。

近江八幡の魅力6:近江商人の街並みと復興運動でよみがえった八幡堀

八幡堀

八幡堀は全長6kmにも及ぶ人工の水路で、豊臣秀次による八幡山城築城の際に掘られました。八幡山城が廃城後も町の繁栄につながりました。昭和の初期までは

しかし地元の青年会議所を中心に八幡彫りの復活を求める運動となり、その結果堀の石垣などが復元するなどした結果、八幡堀と周辺の13.1haの地域を、近江八幡市八幡伝統的建造物群保存地区として選定されます。

八幡堀

八幡堀は水郷巡りとは別に2社の船会社によって遊覧船が運航されており、また堀の周りには遊歩道があり歩きながら堀の様子を見ることができます。

八幡堀の南側は、近江商人発祥の地とされる古い町並み(新町通り)が残されています。重要文化財に指定されている旧西川庄六宅や森五郎兵衛宅などの古い建物が残っています。西村太郎右衛門の屋敷跡は、近江八幡市立資料館になっていて、近江商人が活躍したときの雰囲気を歩きながらじっくりと味わえます。

近江八幡の魅力7:古い街並みに交じって魅力的な存在感があるヴォーリズ建築群

ヴォーリズ建築

近江八幡には近世の近江商人が活躍したころの町並みとは別に、近代の建築家ヴォーリズ建築群があります。アメリカ生まれのウィリアム・メレル・ヴォーリズは、1905(明治38)年に滋賀県立商業学校(現:八幡商業高校)の英語教師として着任後、プロテスタントの伝道者としての活動を行いました。

その後建築設計監督事務所を設立し、近代西洋建築の設計を数多く手掛けます。メンタームを販売している近江兄弟社の創立者のひとりでもあり、後に日本に帰化して、一柳米来留〈ひとつやなぎ めれる)となりました。

ヴォーリズ建築

ヴォーリズは全国に教会や学校の設計をしていますが、中でも近江八幡での建築物が多く、1960年まで局舎として使われていた旧八幡郵便局や旧近江八幡YMCA会館(アンドリュース記念館)など、数多くのヴォーリズが手がけた建物が近江八幡に残っています。

なお、日牟禮八幡宮の正面にある洋風建築の白雲館の建築者は不明で、ヴォーリズのものではありません。

近江八幡のグルメ1:明治橋 あまな

明治橋 あまな

明治橋あまなは、でっち羊羹発祥の店とされる和た与がプロデュースするカフェです。八幡沿いにあるので、散策の休憩にも気軽に立ち寄れます。宇治抹茶パフェや朝宮ほうじ茶パフェ(いずれも850円)などのパフェメニューが名物です。

明治橋 あまな

明治橋あまなでは、カフェメニューの他にうなぎ料理のメニューがあります。これはうなぎと湖魚料理の名店「やまとく」から引き継ぐうなぎ料理で、うな重ハーフ(2,600円)や上うな重(4,000円)などがあります。

ちなみに画像の料理は、近江八幡ふるさとチケットの特別メニューで「唎酒師セレクト 季節の日本酒で鰻を楽しむ」と言う名前のセットで、料金は4,800円。うな重に近江八幡の名産品に滋賀の地酒が付いています。

明治橋 あまな

  • 住所:滋賀県近江八幡市大杉町32
  • TEL:0748-32-5295
  • 営業時間:11:00~17:30(L.O.17:00)
  • 定休日:火曜日/不定休
  • 公式サイト:明治橋 あまな

近江八幡のグルメ2:まるたけ近江西川

まるたけ近江西川

近江の名物のひとつに近江牛があります。400年の歴史があり三大和牛にも数えられる近江和牛のお店は、近江八幡にもいくつかありますが、昔ながらの近江牛専門店としてまるたけ近江西川があります。

創業は1947(昭和22)年と今年創業75年の老舗ですが、創業から3年後には店の奥で牛を飼ったこともあるそうです。その後マルタケ日野牧場として専属の牧場を持ち、牧場直送の肉が味わえます。

まるたけ近江西川

精肉店とレストランがあり、精肉店では牧場直送の近江牛が購入できます。レストランでは近江牛すき焼きが1人前5,000円からのコースから。またひとりでも楽しめる近江牛すき焼き御膳や近江牛しゃぶしゃぶ御膳、近江牛鉄板焼き御膳(いずれも3,500円)があります。

そのほか近江牛ステーキが120g 4,800円から味わえるようになっており、そのほか焼肉弁当(1,800円)、近江牛ハンバーグ(1,700円)、近江牛すき焼き丼(1,250円)など、いろんな近江牛料理が楽しめますので、和牛ファンにはたまりません。

まるたけ近江西川

  • 住所:滋賀県近江八幡市仲屋町中17
  • TEL:0748-32-2336
  • 営業時間:11:00~20:00
  • 定休日:火曜日
  • 公式サイト:まるたけ近江西川

近江八幡のショッピング:御菓子司紙平老舗

御菓子司紙平老舗

御菓子司紙平老舗は、京街道門前通りにある老舗和菓子店です。創業が江戸安永年間(1772~1781)と240年もの古い歴史がありますが、さらに古い時代では、初代は紙屋を営んでおり、1585年に秀次の命でこの地に移り住んだとあり、近江八幡の生き字引と言えるお店です。

そのため江戸時代に、目の前の街道を通る朝鮮通信使との関わりがあるそうです。

御菓子司紙平老舗

現在の商品は近江八幡名物のでっち羊羹をはじめ、ういろや長命のつゆ、近江蕃山など多数あります。商品はお店の他にも休暇村近江八幡、八幡山ロープウェイ売店、白雲館、安土駅観光案内所、門前そば処長命庵でも扱っています。

訪問時には余った近江八幡ふるさと商品券を使い切るために、いろんなお菓子をお土産に購入しました。

御菓子司紙平老舗

  • 住所:滋賀県近江八幡市本町3丁目37
  • TEL:0748-33-2559
  • 営業時間:8:30~18:00
  • 定休日:水曜日、第4木曜日
  • 公式サイト:御菓子司 紙平老舗

近江八幡は歴史が凝縮された商人の町

近江八幡

近江八幡は、豊臣秀次が八幡山に城を築いてからの歴史となります。城は早々と廃城になりましたが、江戸時代を通じて八幡堀を使った流通網を利用し、経済が発展したために商人の町となりました。さらに近世にはヴォーリズゆかりの建物が多く立ち、歴史が凝縮された町のようになっています。

やはり日帰りではすべてを回り切れませんでした。また日を改めて前回見られなかったところに足を運んでみたいと思います。

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万代正平

旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。

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