実践!私のマイクロツーリズム〜焼き物文化と自然溢れる・東濃〜

東濃エリア

こんにちは、トラベルライターの土庄雄平(とのしょう ゆうへい)です。私はこれまで、地元である愛知県の魅力を、6回にわたって紹介してきましたが、今回からはその視点を少し広げて、新たな連載をスタートしようと思います。それは【私のマイクロツーリズム】です。

※マイクロツーリズム:遠方や海外への旅行に対し、3密を避けながら地元の方が近場で過ごす旅のスタイル。

東濃

新型コロナウイルスの流行を迎えた2020年は、海外旅行はおろか、国内であっても遠方への旅行は難しくなってしまいました。しかしだからこそ、より近場にアンテナを張り巡らせるようになったのも事実。マイクロツーリズムは、自分の暮らしている地域や、その隣接エリアが素晴らしいということに気づかせてくれました。

この連載では、愛知県から少し広げた隣接エリアにフォーカスし、旅の楽しみ方やおすすめスポットを紹介します。今回は一番近場である、岐阜県南東部の東濃エリアです。

目次

【土岐】お気に入りのお皿が見つかる!焼き物の町・織部でショッピング

美濃焼

まず美濃といえば、一番有名なのが「焼き物」。日本全国に流通している焼き物のうち、50%以上が美濃焼という統計データもあります。

美濃焼は多治見・土岐・瑞浪とかなり広範なエリアで作られますが、中でも現在も多くの窯元が見られるのが、土岐市街の織部地区。「道の駅 志野・織部」の裏手には、窯元の直販店や焼き物卸売商社が軒を連ね、ショッピングを楽しむことができます。

焼き物

芸術家の作品から、普段使いに重宝する日用品、中にはアウトレット価格の焼き物までてんこ盛り!いつまで見ていても飽きません。また近年はFliceなど、洋風の焼き物を作る窯元も現れており、若者にも人気を集めています。

私はたまたま見つけた、鬼滅の刃の主人公をモチーフにしたような市松模様の小皿と、水の呼吸を思わせる透き通った水色の皿を購入してしまいました(笑)

織部ヒルズ

  • 住所:岐阜県土岐市泉北山町3丁目1
  • 電話番号:0572-55-1322
  • 営業時間:10時〜17時(お店によって様々)
  • アクセス:土岐ICから車で約5分
  • URL:https://www.oribe-hills.com/

みわ屋

なお、焼き物のショッピングを夢中で楽しんでいたら、あっという間に時間が過ぎます。そのため午前・午後とあらかじめ回る時間を決めておくと良いでしょう。

お昼には道の駅に併設した「みわ屋」がおすすめ!可愛らしいおひつに入った「ひつまぶし」は、香ばしくもふわふわなウナギを堪能できる看板メニューです。

みわ屋

  • 住所:岐阜県土岐市泉北山町2−13-1
  • 電話番号:0572-54-0078
  • 営業時間:10時~19時
  • 定休日:不定休
  • アクセス:土岐ICから車で約5分
  • URL:http://www.miwaya308.com/

【多治見】インスタ映えする伝統産業「多治見モザイクタイルミュージアム」を見学!

多治見モザイクタイルミュージアム

焼き物以外に、多治見市の笠原町には、「モザイクタイル」という伝統産業が根付いています。全国的にはそれほど知られていなかったものの、2016年に「多治見市モザイクタイルミュージアム」がオープンしてから、一般人向けに少しずつ知名度が上がっています。

インパクト抜群な博物館の外観は、タイルの原料を掘り起こす採土場!博物館内外のインスタ映えポイントが、若者を中心に話題を呼んでいるのです。

多治見モザイクタイルミュージアム

館内にはモザイクタイルを使った作品が数々並び、視覚的にとても楽しめる内容になっています。またモザイクタイルで彩ったモデルルームも公開され、暮らしを思い浮かべながら鑑賞できる点も面白いです。

中でもタイルの絵画展ともいうべき、4Fの展示は必見!銭湯を彷彿とさせる、レトロで趣ある空間には、なんだか日本人的な感性が刺激されます。

多治見モザイクタイルミュージアム

そんな「多治見モザイクタイルミュージアム」ですが、1Fではタイルを使って、自分だけの小物を作るワークショップも開催されています。

タイルを並べて作る簡単な体験なのですが、いざタイルを前にすると、なかなか頭を使います(笑)親子やカップルまで楽しめるので、ぜひトライしてみてくださいね!

多治見市モザイクタイルミュージアム

  • 住所:岐阜県多治見市笠原町2082-5
  • 電話番号:0572-43-5101
  • 開館時間:9時~17時
  • 休館日:月曜日
  • アクセス:土岐南多治見ICから車で約10分
  • URL:https://www.mosaictile-museum.jp/

【瑞浪】日本屈指の高峰を望む。清々しい里山「屏風山」へハイキング

屏風山

標高1,000mを超えるような高い山は少ないものの、広大な自然が広がり、山がちな地形に富んでいるのも東濃の特徴です。そのため、初心者でも気軽に軽登山やハイキングを楽しむことができます。

中でもおすすめしたいのが、瑞浪市の「屏風山」です。登山口から最短1時間ほどで登頂でき、山頂からの眺めが抜群!東濃を一望できるほか、天気の良い日には加賀の名峰・白山も望めます。

屏風山

また山頂から少し北にある中央アルプス展望台からは、その名の通り、木曽駒ヶ岳を主峰とするダイナミックな中央アルプスが展開!

美濃地域には高い山がないゆえに、日本屈指の高山群のパノラマが楽しむことができます。初夏から夏にかけては、山肌の木々も緑に色づき、とても爽やか。

屏風山

  • 住所:岐阜県恵那市山岡町田代
  • アクセス:瑞浪ICから大草登山口まで車で約15分、大草登山口から徒歩約1時間
  • URL:http://xn--w0w51m.com/byobusan/(ぶらっと散策 みずなみ)

10.JPG

そんな「屏風山」ですが、実はちょっとした山脈を呈しており、尾根を30分ほど南側に歩いたところにある「黒の田湿原」が、私お気に入りの場所。

突如木々が開け、見上げれば透き通った青空。穏やかに流れる小川と湿地には、可愛らしい初夏の花も咲いて癒されます。お弁当を広げながらベンチで休憩すれば、至福のひとときです。

黒の田湿原

  • 住所:岐阜県瑞浪市稲津町
  • アクセス:屏風山から徒歩約30分

【恵那】大展望が待つ!日本一高い山城「岩村城」と、その城下町をめぐる

岩村城跡

城マニアの間では、とても有名な東濃。その理由は、恵那市の「岩村城跡」があるからに他なりません。岩村城は、江戸幕府諸藩の府城の中でも、標高717mと最も高い場所に築かれた山城。高低差を生かした要害堅固な作りが特徴で、日本三大山城にも選ばれています。

天守閣こそ現存しないものの、礎石や石垣の名残から、いかに立派な城であったかが分かります。今でも城跡の中心部に行くには、30分ほどのハイキングが必要です。

中央アルプス

しかし、辿り着けば、天空の城にふさわしい壮大なパノラマが広がります。目の前にはどっしりと構える恵那山がそびえ、遠く中央アルプスの山脈も望むことが可能です。

なお「岩村城跡」は、雲海が発生しやすい場所にあり、春と秋の早朝には、"霧ケ城"と呼ばれる現象的な表情に出会えることも!

五平餅

一方で、麓に広がる「岩村城下町」も、城とセットで当時の繁栄を物語るスケールを誇っています。立派な門構えの商家も多く、その多くが歴史資料として無料公開されているので、当時の暮らしに浸れますよ。

カステラや五平餅など名物グルメもあり、食べ歩きもおすすめです!

岩村城跡

【中津川】癒し成分たっぷり!御嶽山麓に展開する秘境「付知峡」を歩く

付知峡

最後に紹介したいのが、中津川市の「付知峡(つけちきょう)」。実は東濃エリアは、日本が誇る3,000m峰の一つ木曽の御嶽山(標高3,067m)の山麓も形成し、美しく雄大な自然を育んでいます。

中でも透明度の高い付知川は、付知ブルーとまで言われるほど深いエメラルドブルー色。川にかかった吊り橋も、隔絶した秘境らしさを演出してくれます。

観音滝

そして川の上流・付知峡ハイキングコースの途中にある、「観音滝」が必見!水しぶきが勢いよく、渓谷に注ぎ込んでいく姿には、思わず見入ってしまうはず。

夏にはマイナスイオンが充満し、とびっきりのクーリングスポットになります。また太陽の光の加減で虹が架かることもあるので、いろんな角度から眺めてみてください。

付知峡

  • 住所:岐阜県中津川市付知町6-39
  • 電話番号:0573-82-4737
  • アクセス:中津川ICから車で約1時間
  • URL:https://www.kankou-gifu.jp/spot/5700/(ぎふの旅ガイド)

森の巣びと

そんな付知峡ですが、近年新たなグルメスポットも!その名も「森の巣びと」。豊かな自然が気に入って名古屋から移住したオーナー夫婦が始めたカフェで、SNSを通じて、人気を集めています。

特におすすめなのが、近くの農園で採れた名産品のブルーベリーをトッピングしたジェラート!濃厚なミルクと、フレッシュなブルーベリーのコントラストが堪りません!

森の巣びと

  • 住所:岐阜県中津川市付知町31-378
  • 営業時間:11時~16時
  • 定休日:金曜日
  • アクセス:付知峡から車で約5分
  • Instagram

ディープな魅力が根付く「東濃」の魅力を発見!

東濃

岐阜県民以外ほとんど知られていない「東濃」エリア。実際、私もとても近くに住んでいながら、つい最近まで全然巡ってみたことがありませんでした。

しかし、良くも悪くも新型コロナウイルスの流行によって、より細かな視点で、地元周辺を見つめるきっかけを得ることができ、地元周辺の見方がガラリと変わりました。

決して派手さはないけれど、自然から歴史、産業まで幅広く、そして各時代の軌跡が今に息づく「東濃」。特に東海圏にお住いの方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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