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【滋賀】約55万年以上のパワースポット『河内の風穴』&ヤマトタケルを癒した清水に咲く宿場町の珍しい『梅花藻』
滋賀県では、琵琶湖がよく知られていますが、日本一の湖である琵琶湖だけでなく、古墳や戦国武将にちなんだ歴史的に大切な場所、また暑い夏にぴったりの涼める自然いっぱいの場所がたくさんあります。
今回は、自然いっぱいで不思議伝説が残るパワースポット『河内の風穴』と、日本書紀や古事記にも伝説が残るヤマトタケルノミコトが癒されたというパワーウォーターである清水、そして江戸の町並み残る宿場町で見られる珍しい水中花『梅花藻』をご紹介したく思います!
目次
55万年以前からあるパワースポット『河内の風穴』
日本一大きな湖である琵琶湖がある滋賀。そこには自然いっぱいでまだまだ神秘が多く隠されています。
その中でも、今回は、霊仙山塊(りょうぜんさんかい)カルスト地帯にある鍾乳洞(しょうにゅうどう)風穴である『河内の風穴(かわちのかざあな)』をご紹介します!
鈴鹿山脈の麓にある巨大な鍾乳洞・河内の風穴には、車で向かいました。タクシーで最寄り駅から来たという人もいましたが、事前に乗り合いタクシーを予約しておくといいそうです。
山道を川沿いに走ること20分。風穴へとつづく近くの川は、山の湧水でできており、その透明度に感嘆...。まるで宝石箱のようにキラキラと輝いています。
しばらくその美しさに見とれていると、鍾乳洞がある登山口に駐車場が見えてきます。
入山料を支払うと、そこでは山の安全を願うかのように、山の大神のお社と八幡神社のお社がありました。無事を願いながら、いざ入山!
渓谷の美しさと澄んだ水の流れに癒されながら、15分ほどの山道を登っていきます。
以前来たことのある親が言うには、昔に比べるとすごく綺麗に整備されて登りやすくなっているとのこと。確かに、小さなお子さんも多く、山道に沿って作られた新しい階段を楽しそうに歩いていました。
階段の足元は、鉄で編み編み状態なので美しい渓谷を見ながら先に進めます。高所恐怖症の人は、もともとの山道を上ることもできますよ!私は、行きは新しい階段を使い、帰りはもともとあった山道を下りました。
登りきると、冷風がひやぁ~っと吹いてきました。やっと近づいてきた!と興奮が増します。
すると、1mほどの小さな穴が見えました。これが関西で最長かつ最も規模の大きい鍾乳洞の入り口か!とワクワクします。
私たちは急遽思い立って来たので、ビーチサンダルで来てしまい、本格的な登山の格好の人たちも多くて少し不安に。
入り口では狭いので、中から出てくる人たちを先に通して、我々もゆっくりと下りていきます。
滋賀県指定天然記念物である河内の風穴。
身を屈めながら2~3分行くと一気に世界が広がります!わぁぁぁぁ~という歓声があがっています。神々しさまでも感じるその大きさに、自然の美しさと強さ、怖さまで感じます。
河内の風穴には伝説があります。
その昔、地元の猟師が洞内に犬4頭を放して洞口を閉ざしたところ、3頭が鈴鹿山脈の向こう側(東側)の伊勢国員弁郡篠立村にある篠立風穴(しのだちのかざあな)に現れたという伝説です。
河内の風穴は、総延長約10,020mと日本で第3位の長さを誇ります。約55万年以前にできたと言われ、まさにパワースポットとも言える場所です。自然そのままの形を残している鍾乳洞は珍しく、珍しい生物たちも発見されているそうですよ♪
洞窟の中では、ゆっくり見て回っても20分ほどです。
洞窟内は、通年12~13℃。ひんやりとしますが、夏の暑い日にはぴったり!冬には雪が積もるので気をつけてください。
また、雪解け水が風穴の中に入って溜まることもあるそうで、その際には引くまでは入山できないそうなのでご注意を!
ビーチサンダルでも気をつけて歩けば大丈夫でしたが、しっかりとした靴を履くのがおすすめです。
鍾乳洞へと入る時の気分は、まるで「川口探検隊」(昭和の人気探検番組です)!
そういえば、入山料を払う受付のところに、吉本芸人さんや俳優さんたちの写真の中に探検隊の写真が貼ってありました。
入山口にある八幡神社さまで手を合わせ、無事帰ってこられましたというご報告をしました。
大自然が作り出したパワースポットをゆっくりと探検するもよし、さらっと訪ねてみるもよし。大人も子供も楽しめます。探検隊になった気分を味わいましょう~!
河内の風穴
- 住所:滋賀県犬上郡多賀町河内宮前
- TEL:0749-48-0552(河内風穴観光協会)
- 営業時間:9:00~17:00(受付は16:00まで)、夏季 9:00~18:00(受付は17:00まで)要確認
- 定休日など:大雨・積雪時
- 入山料:大人500円、子ども(5歳~小学生)300円
- 駐車料金:2時間 400円
- 関連サイト:河内の風穴(滋賀・びわ湖観光情報)
清水に映える美しい『梅花藻』
大変珍しい水中花『梅花藻(ばいかも)』という植物をご存知ですか?
流れに沿って這うように育つキンポウゲ科の多年生草木植物で、水温年間約14℃前後の綺麗な川の水底に群生し、水流中に沈生しています。
梅に似た小さな花を、水中でゆらゆらしているのが何とも愛らしく、可憐です。
その梅花藻を滋賀県の醒ヶ井宿(さめがいじゅく)で見ることができるんです。7月上旬~9月下旬にかけて地蔵川の中に梅花藻が咲いています。
水温が年間を通じて14℃前後と梅花藻が育ちやすいこの地蔵川。梅に似た直径2cmほどの白い花が水中でユラユラしていてかわいいです。
醒ヶ井宿は、中山道61番目の宿場町で、湖北八景にも選ばれています。
江戸時代に中山道の宿場町として栄えた昔ながらの町並みが残っており、自然とともに楽しむことができます。
小さな町並みを探索しながら、地蔵川に沿って上流の方へと進んでいくと「加茂神社」があります。京都出身のわたしとしては、上賀茂神社や下鴨神社などで、豪族「加茂」氏は身近に感じる存在。さっそく、お参りにいきます!
地蔵川につづく境内の脇にある石垣の下から「居醒の清水(いさめのしみず)」という地蔵川の源泉が湧き出ています。この湧き水は、2008年6月「平成の名水百選」(環境省)に選ばれました。
しかも、この名水は「古事記」や「日本書紀」にも登場しています!伝説上の英雄・日本武尊(やまとたけるのみこと)が熱病にかかった時に、身体の毒を洗い流した霊水とされています。
パワースポットであり、パワーウォーターを求めて来る人も多いそうです。
ヤマトタケルの像がしっかりと見守ってくださる中、こちらのお水をいただきながら、祈り、癒されます♪ペットボトルにお水を汲むひとたちも多くいらっしゃいましたよ!
加茂神社の境内への階段を上ると、地蔵川を中心に小さな宿場町を見下ろすことができます。なんとも静かで壮大な自然の偉大さに感動します。
この宿場町では、古い町並みの中にモダン建築も見られます。
日本国内の数々の西洋建築を手がけたアメリカ出身のウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した「旧醒井郵便局局舎」などです。実は、ヴォーリスが設計したとされる建築物は滋賀県にも数多く残されています。
醒井宿資料館になっている「問屋場(といやば)」は、人足や馬の提供をしたり、大名たちが荷物の詰め替えをした「引き継ぎ場所」だと言われています。現存している問屋場は、甲州街道の府中宿 、中山道の奈良井宿と醒井宿の計3箇所しかないそうです。江戸時代からの歴史的史跡がそのまま残っているのですね。
また、醤油屋喜代治商店ではバニラアイスクリームに醤油がかかった「醤油ソフトクリーム」なるものも!
醒ヶ井駅へは「彦根城」で有名な彦根駅から電車で約20分。車でもいけますが、駐車場が少ないので駅に駐車してからの散策をおすすめします!
時代劇のロケ地としてよく使われる「近江八幡」の八幡堀からも近いことから、映画やTVドラマ、朝ドラなどのロケにも使われているそうですよ。地元のひとたちがエキストラとして主演することもあったそう。
『梅花藻』の花言葉は「幸せになります」と聞きました。みなさん、幸せな顔をして梅花藻に見とれていました!美しく可憐なものは、見ているだけで幸せ感いっぱいになりますね!
貴重な淡水魚である「ハリヨ」も生息しているそうですよ~。
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RICA NAKAJIMA
- 京都生まれ&育ち。世界各地をバックパッカー周遊しながらロンドンに6年、ニューヨークに10年以上滞在。日本のコアな伝統文化や神社仏閣、世界の文化芸術、史実関連を中心に新聞・雑誌などで執筆。また経験に基づく“陰謀説”系の電子書籍出版もあり。ジャーナリストのほか、写真映像家、YouTuber、NY州不動産ブローカー、音楽プロデューサー&イベンター、ヒーラー、日本庭園師などマルチに活躍中。