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日本の空港いくつある? どこにある? 飛行機の旅を楽しもう!
飛行機に乗って行く旅には、特別なロマンがありますよね。北海道の稚内から沖縄県の与那国まで、筆者も日本各地の空港へ降り立って、様々な土地を旅してきました。
そんな日本の空港ですが、全部でいくつ、そしてどこにあるのでしょうか?
この記事では、旅行で飛行機を使いこなすコツや最近のユニークな空港事情なども合わせて、日本の空港についてご紹介します。これを読めば、飛行機の旅がさらに楽しく豊かなものになりますよ。
目次
1. 日本にある空港の種類は大きく4つ!
はじめに、日本にある空港の種類を見てみましょう。
まずは、国際・国内航空の拠点となる「拠点空港」。管理者によって、成田国際空港や関西国際空港といった「会社管理空港」、東京国際(羽田)空港や福岡空港といった「国管理空港」、旭川空港や秋田空港といった「特定地方管理空港」に分かれます。旅行で利用したことのある空港も多いのではないでしょうか。
次は、地方公共団体が設置・管理する「地方管理空港」。青森空港や神戸空港といった地域の拠点となっている空港から、利尻空港、大島空港、新石垣空港など、離島を支える空港まで、日本で最も多いタイプの空港です。
次に、地域住民の移動手段を確保するための「その他の空港」。調布飛行場や名古屋飛行場など、比較的規模の小さな空港が多いのが特徴。
最後に、自衛隊や在日米軍と民間機が滑走路を共有する「共用空港」。札幌飛行場(丘珠空港)や岩国飛行場などがこれに含まれます。
よく利用する空港や次の旅行で降り立つ空港がどの種類なのか、気になる人はこちらのページを参照してみてください。
参考)空港一覧(国土交通省)
2. 旅行に使える日本の空港はいくつある?
さて、旅行に使える日本の空港は、全部でいくつあるのでしょうか。
国土交通省のデータによると、2021年時点で旅客便が就航している空港は、日本全国で85!都道府県の数が47ですから、その2倍弱もの数の空港が存在することになります。
その内訳を見ると、拠点空港が28、地方管理空港が46、その他の空港が4、共用空港が7となります。
最近では日本各地の空港を巡る旅人も増えましたが、そのすべてを巡ろうと思うと、途方もない旅になるのです!
3. 都道府県別の空港一覧を見てみよう
では、都道府県別に旅客便が就航している空港を見てみましょう。
エリア名 |
空港名(都道府県別) |
---|---|
北海道 |
北海道:新千歳空港、稚内空港、釧路空港、函館空港、旭川空港、帯広空港、利尻空港、奥尻空港、中標津空港、紋別空港、女満別空港、札幌飛行場(丘珠空港) |
東北 |
青森県:青森空港、三沢飛行場 岩手県:花巻空港 宮城県:仙台空港 秋田県:秋田空港、大館能代空港 山形県:山形空港、庄内空港 福島県:福島空港 |
関東 |
茨城県:百里飛行場(茨城空港) 千葉県:成田国際空港 東京都:東京国際(羽田)空港、大島空港、新島空港、神津島空港、三宅島空港、八丈島空港、調布飛行場 |
中部・北陸 |
新潟県:新潟空港 富山県:富山空港 石川県:能登空港、小松飛行場 長野県:松本空港 静岡県:静岡空港 愛知県:中部国際空港、名古屋飛行場 |
近畿 |
大阪府:関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港 兵庫県:神戸空港、但馬飛行場 和歌山県:南紀白浜空港 |
山陰・山陽 |
鳥取県:鳥取空港、美保飛行場(米子空港) 島根県:隠岐空港、出雲空港、石見空港 岡山県:岡山空港 広島県:広島空港 山口県:山口宇部空港、岩国飛行場 |
四国 |
徳島県:徳島飛行場 香川県:高松空港 愛媛県:松山空港 高知県:高知空港 |
九州 |
福岡県:福岡空港、北九州空港 佐賀県:佐賀空港 長崎県:長崎空港、対馬空港、福江空港、壱岐空港 熊本県:熊本空港、天草飛行場 大分県:大分空港 宮崎県:宮崎空港 鹿児島県:鹿児島空港、種子島空港、屋久島空港、奄美空港、喜界空港、徳之島空港、沖永良部空港、与論空港 |
沖縄 |
沖縄県:那覇空港、粟国空港、久米島空港、南大東空港、北大東空港、宮古空港、下地島空港、多良間空港、新石垣空港、与那国空港 |
空港の数が最も多いのは、北海道の12。次いで、沖縄県の10、鹿児島県の8、東京都の7と続きます。
面積の広い北海道に空港が多いのは当然ですが、離島がいくつもある都道府県に空港が多く存在するのも特徴のひとつ。本土から遠く離れた離島にとって、空港の存在価値はそれだけ大きいのです。
一方、空港がひとつもない都道府県は、関東地方の埼玉県や神奈川県、近畿地方の京都府や奈良県など、全11府県。関東地方の場合は成田国際空港と東京国際(羽田)空港、近畿地方の場合は関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港と、規模の大きな空港が近いため、空港が建設されなかった経緯があります。
4. 旅行で飛行機を使いこなすコツは?
それでは、実際に旅行で飛行機を使うときに役立つ「コツ」をご紹介します。知っておくだけで、飛行機の旅がちょっと快適になりますよ!
安く飛行機に乗りたいならこうする
安く飛行機に乗りたいなら、できるかぎり早めに予約するのが鉄則。日本航空(JAL)なら「先得割引」、全日空(ANA)なら「ANA SUPER VALUE」と、各社が予約時期に応じた割引運賃を用意しています。旅行の予定が決まったら、まずは航空券を予約しましょう。
またPeach(ピーチ)やジェットスターといった格安航空会社(LCC)を利用するのもお得。今では就航地も全国各地に拡大しています。ただしLCCの場合、東京の空港が羽田ではなく成田である場合が多い点に注意。東京から成田へ往復する交通費を加えると、羽田発の大手航空会社の方が安かった......というパターンもあるので、比較して検討してみましょう。
大手とLCCの中間にある航空会社として、スカイマークやAIRDO(エア・ドゥ)、ソラシドエアなどもおすすめ。いずれも東京の空港は羽田なので、都心へのアクセスは抜群です。とくに、AIRDOは北海道各地へ、ソラシドエアは九州各地へのフライトが充実しています。
各航空会社は期間限定でセールを行うこともあるので、要チェック。争奪戦になることも多々ありますが、運が良ければ破格の安さの航空券をゲットできます。セール情報には常にアンテナを張っておきましょう。
離島にも空港はあり
日本の離島へ旅に出たいけど、アクセスが大変そう......というイメージを持っている人も多いはず。でも実はそんな離島にも、空港が存在することが多いのです。北は利尻島から、南は与那国島まで、全国28もの離島に空港が存在しています!
羽田を朝出発して、午後には鹿児島や沖縄の離島に降り立つ、なんてことも楽々可能。たとえば屋久島空港のように、伊丹や福岡から直行便が就航している離島もあるので、飛行機を使えばふらっと気軽に離島への旅に出ることができるのです。
ただし、小さな離島であればあるほど、フライトの本数が少ないのがやや難点。うまく計画を立てて、時間を有効に使えるフライトを選びましょう。また離島の空港には、強風などで欠航率が高い空港も多くあります。筆者も与那国を訪れたとき、強風で帰りのフライトが欠航しそうになり、冷や汗をかいたことがありました。日程が1日くらい延びてもいいように、余裕を持って離島へ行く航空券を買うのがいいでしょう。
行きと帰りの空港を変えてみる
旅行の航空券を買うとき、同じ空港を往復する航空券を買うパターンが一般的。でも、行きと帰りの空港を変えてみることで、旅の幅はぐっと広がっていきます。
たとえば、北海道の道央を2泊3日で旅する場合。新千歳空港往復の航空券を買う人も多いですが、行きを新千歳空港着、帰りを旭川空港発で航空券を買ってみるとどうでしょうか。1日目は札幌へ移動して、市内のホテルに宿泊。2日目は小樽を観光した後、富良野へ移動して宿泊。3日目は美瑛を観光して、そのまま旭川空港へ......ととても効率的に旅することができるのです。帰りも新千歳空港発だと、美瑛から遠い新千歳までまた戻らなくてはいけないので、余計な時間を消費してしまうことになります。
1都市滞在の旅行の場合は、同じ空港往復の航空券で十分ですが、複数の都市を巡る旅行の場合、行きと帰りの空港を変えることで、時間をより有効に使った旅行を楽しめます。また、帰りはお土産をたくさん買いたい!という人は、比較的規模の大きな空港を帰りの空港にするといいでしょう。北海道なら新千歳空港、九州なら福岡空港といったように。
国内線は1時間前には空港へ
以前に比べ、空港のカウンターに立ち寄る必要もなく、スマホひとつで飛行機に乗ることも一般的になった現在。飛行機の出発時間ぎりぎりに空港へ行けばいいよね......と思っていたら、それは要注意!国内線の場合、出発1時間前には空港へ到着しておくようにしましょう。空港へ行くバスが渋滞にあうかもしれませんし、保安検査場が混雑しているかもしれません。飛行機に乗り遅れてしまった......なんてアクシデントを避けるためにも、余裕を持って空港へ向かうのが安心です。
意外に早く空港へ着いたときは、食事やショッピングを楽しむのがおすすめ。多くの空港には、その土地の郷土料理を味わえるレストランがあるので、それが旅の最後なら美味しい料理に舌鼓を打つのもいいでしょう。また、友人や家族に、あるいは自分に、お土産を買うことで旅の思い出と一緒に持ち帰ることができます。
空港は、旅の始まりの地であり、同時に旅の終わりの地。ゆとりを持って訪れることで、気持ちよく旅が始まり、そして旅が終わります。
空港の交通アクセスに要注意
飛行機を使えば、日本各地の都市へひとっ飛び。ただし、ひとつ注意しないといけないのは、空港から市街地までの距離です。
日本の空港には、市街地から近い空港もあれば、遠く離れた空港もあります。たとえば、博多駅から地下鉄で5分ほどの福岡空港、国際通りからモノレールで15分ほどの那覇空港は、市街地から近く利便性が高い空港。一方、札幌駅からJRで40分ほどの新千歳空港、東京駅からJRの特急で1時間ほどの成田国際空港は、市街地から遠く離れた空港です。また、バスでしかアクセスできない空港も多くあります。
<出典元:写真AC>
さらに、たとえば広島県の厳島神社へ行く場合、広島空港に降り立つよりも、隣の山口県にある岩国飛行場に降り立つ方が近い......なんてこともあるので、目的地と空港の位置関係を事前に調べておくといいでしょう。空港へ着いたのはいいけれど、そこから目的地までが遠かったということにならないよう、目的地に最も相応しい空港へ降り立つようにしましょう。
5. 旅客数が多い空港ランキングをチェック!
ところで、日本の空港で旅客数が多いのはどこなのでしょうか。国土交通省の空港管理状況調書「令和3年(暦年・年度)空港別順位表」を基に、2021年の乗降客数のランキングを見てみましょう。
- 第1位:東京国際(羽田)空港(約2,656万人)
- 第2位:福岡空港(約848万人)
- 第3位:新千歳空港(約823万人)
- 第4位:那覇空港(約742万人)
- 第5位:大阪国際(伊丹)空港(約677万人)
- 第6位:成田国際空港(約480万人)
- 第7位:関西国際空港(約307万人)
- 第8位:中部国際空港(約254万人)
- 第9位:鹿児島空港(約243万人)
- 第10位:神戸空港(約163万人)
旅客数が最も多い日本の空港は、なんといっても羽田空港!今も昔も、首都・東京の表玄関です。次いで、九州の福岡空港、北海道の新千歳空港と、地域の玄関口になっている空港が続きます。上位の空港に共通しているのは、大都市に近接した立地で、日本全国の各都市へ向かう便が多く就航していること。誰もが1度は利用したことのある空港ばかりのはず。
また、第4位の那覇空港、第9位の鹿児島空港など、離島へ向かう便がたくさん就航している空港も旅客数が多い傾向。旅行客が多く利用することから、夏休みや年末年始など観光シーズンに旅客数はぐっと増えます。
さらに、第6位の成田国際空港、第7位の関西国際空港、第8位の中部国際空港など、たくさんの国際線が就航している空港も旅客数は多くなります。海外旅行へ行くときに利用したことのある空港も、きっと多いのではないでしょうか。
旅客数の多い空港は、旅行はもちろん、ビジネスや帰省など、あらゆるシーンで利用する機会のある空港。こうした空港の存在が、日本の空の交通を支え、私たちの生活をより豊かなものにしてくれているのです。
6. 最近の空港は「愛称」が素敵!
<出典元:写真AC>
空港という場所に、無味乾燥としたイメージを持っている人も多いのでは。でも最近の空港は、その土地ならではの可愛らしい愛称を付けて、旅行客にとっても親しみを持てるようにしています。そこで、日本各地の愛称が素敵な空港を北から一気に見ていきましょう。
- たんちょう釧路空港(釧路空港)
- おいしい山形空港(山形空港)
- おいしい庄内空港(庄内空港)
- 富山きときと空港(富山空港)
- のと里山空港(能登空港)
- 富士山静岡空港(静岡空港)
- コウノトリ但馬空港(但馬飛行場)
- 鳥取砂丘コナン空港(鳥取空港)
- 米子鬼太郎空港(美保飛行場)
- 出雲縁結び空港(出雲空港)
- 岡山桃太郎空港(岡山空港)
- 徳島阿波おどり空港(徳島飛行場)
- 高知龍馬空港(高知空港)
- 対馬やまねこ空港(対馬空港)
- 五島つばき空港(福江空港)
- 宮崎ブーゲンビリア空港(宮崎空港)
- 徳之島子宝空港(徳之島空港)
- えらぶゆりの島空港(沖永良部空港)
- かりゆす多良間空港(多良間空港)
- 南(ぱい)ぬ島 石垣空港(新石垣空港)
愛称があることで、思わず旅情を掻き立てられる空港ばかりのはず。次の旅行でどこの空港に降り立つのか、愛称を参考にして決めてみるのも面白いかもしれませんよ。
7. ユニークな施設のある空港は?
空港は飛行機に乗るためだけの場所、と思っていませんか? 実は最近、ちょっとユニークな施設のある空港が増えています。ただ通過するだけではなく、その土地ならではの楽しみ方ができる空港をいくつかご紹介しましょう。
まずは、北海道の玄関口・新千歳空港。ターミナルビル内に「新千歳空港温泉」という名の入浴施設があり、源泉より毎日運ぶ美人の湯に気軽に入ることができます。深夜や早朝でも利用できるので、旅の始まりや終わりにふらっと立ち寄るのもおすすめ。
<出典元:新千歳空港ターミナルビル公式サイト>
愛知県の中部国際空港には、「フライト・オブ・ドリームズ」という複合商業施設が併設。なかでもボーイング787初号機の展示は圧巻で、航空ファンにはたまりません。本物の飛行機を間近に感じながら、航空や空港についても学べるので、子供連れの方にも最適です。
一風変わっているのが、四国にある高松空港と松山空港。それぞれの空港には専用の蛇口があり、高松空港の蛇口からは「うどん出汁」が、松山空港の蛇口からは「みかんジュース」が出てくるのです。旅の始まりに飲んでみれば、四国へ着いた実感が一気に湧いてくるはず。
九州の鹿児島空港にあるのは、天然温泉足湯「おやっとさぁ」。鹿児島弁で、お疲れさま、ご苦労さま、の意味で、国内の空港初の天然温泉足湯として誕生しました。誰でも無料で利用できるので、帰りの飛行機を待つ間、旅の疲れを癒すのにぴったりです。
日本にはたくさんの空港があり、意外な都市や小さな離島にも立地しています。空港の場所を知ることで、遠いと思っていた旅先が実際は近かった......なんて気づけることも多いはず。
そんな飛行機の旅には、便利さや快適さはもちろん、大空を飛び立って目的地へ向かうという旅情があります。この記事を参考に、次の旅で降り立つ空港を想像してみるのもいいでしょう。
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手塚 大貴
- 沢木耕太郎氏の『深夜特急』がきっかけで、アジアやヨーロッパ、南米など世界各地をひとり旅。オリンピックやサッカーワールドカップなど、スポーツ観戦の旅も好き。実は世界遺産検定マイスター。旅エッセイやコラムも得意としています。