飛行機の乗り継ぎ方法や注意点! 乗り継ぎ時に外に出るのは可能?

空港 スーツケース

国内線でも国際線でも、飛行機の乗り継ぎには、ちょっと不安を覚えてしまう人も多いはず。そこで、各地で飛行機を乗り継いできた筆者が、飛行機の乗り継ぎ方法や注意点を詳しく解説します。

もちろん、乗り継ぎ便に搭乗が遅れてしまったときの対処法から乗り継ぎ時間のとっておきの過ごし方まで、乗り継ぎのあれこれを徹底紹介。これを読めば、心配の種だった飛行機の乗り継ぎが旅を楽しくしてくれる体験へと変わるかも!?

目次

<1. 飛行機の乗り継ぎとは>

<2. 国内線の飛行機で乗り継ぎする方法>

<3. 国際線の飛行機で乗り継ぎする方法>

<4. 乗り継ぎの便に搭乗が遅れたらどうなる?>

<5. 乗り継ぎ時の過ごし方>

1. 飛行機の乗り継ぎとは

空港案内板
<出典元:写真AC

そもそも飛行機の乗り継ぎとは、何を指す言葉なのでしょうか。まずは、乗り継ぎとは何なのかについて説明します。

乗り継ぎとは何のことを指す?

飛行機で目的地へ向かうとき、ノンストップで目的地まで向かう直行便ではなく、途中の別の空港まで向かう便に乗り、そこからさらに目的地の空港へ向かう便に乗り換えることを、「乗り継ぎ」と言います。

たとえば、羽田空港から新石垣空港へ移動する場合、途中の那覇空港まで向かう便に乗り、さらに那覇空港から新石垣空港へ向かう便に乗り換えるのが、「乗り継ぎ」なのです。

また乗り継ぎ便とは別に、目的地へ向かう途中で別の空港に一旦着陸し、燃料補給や機体整備を行う「経由便」もあります。この場合は、同じ機体で再び目的地へ向かうので、乗り換えの必要はありません。本記事では、基本的に前者の「乗り継ぎ便」について説明します。

飛行機の乗り継ぎが必要になるパターン

なんといっても乗り継ぎが必要なのは、目的地へ向かう直行便がない場合。たとえば、東京から鹿児島の離島へ行くとき、屋久島空港や与論空港へは羽田空港からの直行便がないため、鹿児島空港などで乗り継ぐ必要があります。海外旅行でも、マドリードやプラハは羽田空港や成田空港からの直行便がないので、どこか途中の空港で乗り継ぐ必要があるのです。

また、新千歳空港を起点にニューヨークまで行くとき、羽田空港や成田空港で乗り継ぐように、国内線・国際線の乗り継ぎのケースも。このほか、目的地までの直行便が出ていても、航空券が安いといった理由で、あえて乗り継ぎ便を選ぶパターンもあります。

2. 国内線の飛行機で乗り継ぎする方法

国内線カウンター
<出典元:写真AC

では、実際に飛行機を乗り継ぐとき、どのような方法で乗り継げばいいのでしょうか。まずは国内線から見ていきましょう。

同じ航空会社の場合の乗り継ぎ方法

同じ航空会社の飛行機を乗り継ぐ場合、JALやANAといった多くの航空会社では、出発地の空港で乗り継ぎ便の搭乗手続きも行うことができます。

たとえば、羽田空港からJALの飛行機で那覇空港へ向かい、さらにそこから同じくJALの飛行機で宮古空港へ向かうとき、出発地の羽田空港において、羽田→那覇と合わせて、那覇→宮古の搭乗手続きもできるのです。つまり、那覇空港で乗り継ぎ便の搭乗手続きを行う必要はありません。

ただし、乗り継ぎの搭乗手続きを同時にできるのは最大3区間まで。オンラインチェックインの場合も、乗り継ぎ旅程が同じ予約内にあれば、3区間まで手続きできます。旅程が4区間以上の場合、また乗り継ぎの旅程を別々に予約している場合は、自動チェックイン機や空港カウンターでの手続きが必要なので、注意しましょう。

異なる航空会社の場合の乗り継ぎ方法

異なる航空会社の飛行機を乗り継ぐ場合、航空会社によって乗り継ぎ方法が違うので、事前に確認することが大切。

たとえば、JALならJALグループ(日本トランスオーシャン航空、日本エアコミューター、琉球エアーコミューター)との乗り継ぎ、またANAなら提携航空会社(AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーなど)との乗り継ぎであれば、出発地の空港で乗り継ぎ便の搭乗手続きも同時に行えますが、それ以外の他社との乗り継ぎでは、乗り継ぎ空港であらためて搭乗手続きを行う必要があります。

つまり、たとえばANA便で羽田空港から那覇空港へ移動した後、さらに新石垣空港へ行きたいとき、ソラシドエアの飛行機に乗り継ぐのであれば、羽田空港で乗り継ぎ便の搭乗手続きもできますが、琉球エアーコミューターの飛行機に乗り継ぐなら、那覇空港であらためて搭乗手続きを行わなくてはいけません。

乗り継ぎのために必要な時間

各航空会社は、乗り継ぎ便や空港ごとに、乗り継ぎのために必要な時間の目安を設定しています。基本的に、JALやANAといった一般航空会社よりも、PeachやジェットスターといったLCCの方が乗り継ぎに必要な時間が長いので、気をつけるようにしましょう。

たとえば、羽田空港で乗り継ぎに必要な時間は、JALグループ便同士なら25分以上、ANA便同士なら35分以上、JALグループ便とANA便なら50分以上などと設定されています。またLCCの場合、空港を限定せず、Peach便同士は90分以上、ジェットスター便同士は120分以上を、乗り継ぎ時間として推奨。各航空会社が設定している時間を目安に、できるかぎり余裕を持った乗り継ぎ旅程にすることが大切です。

荷物の取り扱い方

預ける荷物についても、航空会社によって取り扱い方は異なります。JALやANAといった一般航空会社であれば、同じ航空会社や提携航空会社などへの乗り継ぎなら、最終目的地まで荷物を預かってもらうことが可能。この場合も、乗り継ぎの搭乗手続きと同じく、最大3区間まで。また、JALとANA間の乗り継ぎでも、搭乗手続きは別々に行う必要があるものの、荷物はそのまま最終目的地まで預かってもらえます。

たとえば、JAL便で羽田空港から新千歳空港へ行き、さらにANA便に乗り継いで稚内空港へ向かう場合、羽田空港で荷物を預ければ、新千歳空港で受け取る必要はなく、稚内空港まで届けてもらえるということ。ただし、LCCの乗り継ぎの場合は、区間ごとに荷物を預けるのが基本なので、注意しましょう。

3. 国際線の飛行機で乗り継ぎする方法

国際線ロビー

では、国際線の飛行機を乗り継ぐときはどうなのでしょうか。航空会社によって異なるものの、多くの場合、同じ航空会社の飛行機を乗り継ぐときは、出発地の空港で乗り継ぎ便の搭乗手続きも同時に行うことができます。一方、異なる航空会社の飛行機を乗り継ぐときは、乗り継ぎ空港であらためて搭乗手続きを行うのが基本です。

ただし、国際線の乗り継ぎ特有の注意点もあるので、ここで見ていきましょう。

トランジットやトランスファーとも呼ばれる

国際線の乗り継ぎはトランジットやトランスファーとも呼ばれますが、日本と海外ではその意味合いが少し違う点に注意が必要です。

海外では、「通過する」という意味のあるトランジットは、燃料補給や機体整備のために途中の空港に一旦着陸することを指す言葉。つまり、飛行機を乗り換える必要はなく、同じ飛行機で再び目的地へ向かうのが、トランジットなのです。一方、「移転させる」という意味のあるトランスファーは、途中の空港で飛行機を乗り換えることを指す言葉。すなわち、この記事で紹介している乗り継ぎは、トランジットではなくトランスファーなのです。

ただし日本では、トランスファーだけでなくトランジットも、国際線の飛行機を乗り換えることを指す言葉として定着しています。そのため、旅程にトランジットとある場合、どちらの意味合いなのかを調べておくと安心です。

トランジットビザが必要な場合も

国際線を乗り継ぐとき、乗り継ぎ国においてトランジットビザが必要か否かも調べておくことが大切。日本のパスポートは信頼性が高く、ほとんどの国ではトランジットビザは必要ありませんが、たとえばインドのように、乗り継ぎ条件によっては取得が必要な国もあるので、注意が必要です。

さらに気をつけたいのは、アメリカやカナダ、オーストラリアの空港で乗り継いで、第三国へ向かうケース。いずれもトランジットビザは必要ありませんが、乗り継ぎであっても、アメリカではESTA、カナダではeTA、オーストラリアではETASと、電子渡航認証の事前申請が必要。また、EU加盟国をはじめとする多くのヨーロッパの国でも、2024年からETIASの事前申請が必要になる予定です。

荷物の取り扱い方

預ける荷物については、同じ航空会社で乗り継ぐ場合、出発地の空港から最終目的地の空港まで預かってもらえるのが一般的。つまり、乗り継ぎ空港では、荷物をピックアップする必要がありません。一方、異なる航空会社で乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ空港であらためて荷物を預け直すのが基本です。この場合、一旦入国審査を受け、荷物をピックアップした後、乗り継ぎ先の航空会社のカウンターでチェックインと合わせて荷物を預け直すことになります。

ただし、コードシェア便(共同運航便)に乗り継ぐ場合など、荷物の取り扱いが異なることもあるので、出発地の空港で荷物を預ける際に、乗り継ぎ空港でピックアップする必要があるのか、確認するようにしましょう。

4. 乗り継ぎの便に搭乗が遅れたらどうなる?

飛行機案内板
<出典元:写真AC

ところで、もしも乗り継ぎの便に搭乗が遅れてしまったら、どうすればいいのでしょうか。まずは落ち着いて、航空会社のカウンターやトランジットデスクで事情を伝えることが大切です。

同じ航空会社の便を乗り継ぐ場合、また通しで航空券を購入している場合、航空会社が相応の補償をしてくれることが一般的です。とくに、前の便の遅延や欠航など、航空会社の事由で乗り継ぎに失敗してしまったときは、無料で振替え便の手配をしてくれたり、必要ならホテルを手配してくれたりします。旅行者の事由で乗り遅れてしまったときも、ある程度対応してくれることもあるので、航空会社に相談しましょう。

ただし、異なる航空会社の便を乗り継ぐ場合、また航空券を別々に購入している場合は、航空会社の補償を受けられないことが多いので注意。この場合、乗り遅れた便の航空券をキャンセルし、新たに航空券を購入する必要があります。

また海外旅行保険には、遅延や欠航で乗り継ぎに失敗したときに一定額が支払われる「航空機遅延費用」の補償もあるので、加入しておくと安心です。

5. 乗り継ぎ時の過ごし方

さて、飛行機の乗り継ぎ時間に余裕があるとき、どう過ごそうか困ってしまう人も多いはず。次の2つの過ごし方があるので、乗り継ぎ時間や空港に応じて、最適な過ごし方を選びましょう。

空港ショッピング
<出典元:写真AC

ひとつは、空港内でショッピングやグルメを楽しむプラン

とくに巨大なハブ空港なら、ショップやレストラン、カフェが充実しているので、3~4時間程度ならあっという間に過ぎてしまうはず。免税店を見て歩くも良し、その土地の名物グルメを味わうも良し、またマイレージカードなどの条件を満たしていれば、空港ラウンジでゆったり寛ぐこともできます。多くの空港はフリーWi-Fiを備えているので、搭乗時間を待ちながらスマホを使って過ごすのもいいでしょう。

空港バス停
<出典元:写真AC

もうひとつは、空港の外に出て観光などを楽しむプラン。

入国審査を受けなくてはいけないので、最低4~5時間以上の余裕は必要ですが、乗り継ぎ国でも観光を楽しめるのはお得感抜群。なかでも、韓国の仁川国際空港、シンガポールのチャンギ国際空港、トルコのイスタンブール空港などは、乗り継ぎ客のために無料のトランジットツアーが用意されているので、安心して観光を楽しめます。もちろん、入国のためにビザや電子渡航認証が必要な国では、事前に申請して行くようにしましょう。

どちらの過ごし方でも、時間が経つのは意外と早いので、余裕を持って乗り継ぎ便の搭乗口へ向かうことが大切。筆者も、空港内をのんびり探索しているうちに、気づけば搭乗時刻が迫っていて、走って搭乗口へ向かうと最後の搭乗客だった......なんて経験があるので、気をつけてくださいね。


飛行機の乗り継ぎは、とくに初めての人にとっては、少し緊張してしまう経験かもしれません。でも、あらかじめどんなものかを知っておくだけで、安心して旅に出ることができるはず。ちょっとドキドキしたとしても、無事に乗り継ぎに成功したときの喜びはひとしおなので、ぜひ飛行機の乗り継ぎにチャレンジしてみてください!

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手塚 大貴

沢木耕太郎氏の『深夜特急』がきっかけで、アジアやヨーロッパ、南米など世界各地をひとり旅。オリンピックやサッカーワールドカップなど、スポーツ観戦の旅も好き。実は世界遺産検定マイスター。旅エッセイやコラムも得意としています。

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