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【秋田】日本一有名な秘湯『鶴の湯』を徹底解説
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。皆さん「秘湯」ってどんなイメージをお持ちでしょうか?
「秘湯」の定義はよく分かりませんが、一般的にあまり知名度がなく、人里離れた交通が不便で、そして鄙びた一軒宿というイメージではないでしょうか。僕はそう思います。
しかし、秋田県の乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)にある『鶴の湯(つるのゆ)』は一軒宿ですが、"秘湯"だけでなく"温泉"と名がつく雑誌やテレビ番組の特集に必ずといっていいほど登場する日本一有名な秘湯宿。なのでこの"たびこふれ"でもいくつかの記事が公開されています。それでもまだまだ知られざる『鶴の湯』を僕なりに掘り下げて紹介しますので最後までお付き合いください。
目次
- 『鶴の湯』僕の訪問歴
- 『鶴の湯』良さ
- 『鶴の湯』の予約方法
- 『鶴の湯』の過ごし方
- 『鶴の湯』の源泉
- 『鶴の湯』名物の混浴露天風呂
- 『鶴の湯』意外と知られていない浴槽←事前にチェック
- 『鶴の湯』で入浴する際の注意点←これとても重要
- 『鶴の湯』の館内施設と部屋
- 『鶴の湯』の食事
- 『鶴の湯』のベストシーズン(個人的見解)
- 『鶴の湯』の良いこと・悪いこと・そして注意点(個人的見解)
- 『鶴の湯』へのアクセス
- 『鶴の湯』インフォメーション
- 乳頭温泉郷のお宿紹介
- 関連サイト&関連記事
僕の「鶴の湯」の訪問歴
見出しにも書きましたが、乳頭温泉郷の『鶴の湯』は間違いなく日本一有名な秘湯宿だと思います。数々の書籍やメディアに頻繁に登場していますので、ご存知の方も多いと思います。秘湯宿なのにいつの間にか"憧れの人気秘湯宿"になっています。最近はSNSの発達により、常に情報が拡散されているので、以前より増して予約が取りにくい宿になっています。そんな憧れの人気秘湯宿だからさぞかしサービスは横柄なのではと思われがちですが、いやいやとても素朴な宿。僕は最初の訪問(2012年11月)でお気に入りの宿になり、これまでに4回宿泊しています。
2012年11月下旬宿泊
11月なのに雪が積もっていました。とても寒かったのを覚えています。
2014年8月中旬宿泊
夏はどうなの?と思い、西馬音内(にしもない)盆踊りを観に行った時に立ち寄り、宿泊しました。露天風呂が熱かったのを覚えています。
2015年2月中旬宿泊
冬はどうなの?と思い、『鶴の湯』宿泊だけに秋田へ飛びました。露天風呂がサイコーでした。
2022年2月上旬宿泊
7年ぶりの『鶴の湯』。何も変わっていません。変わらないことは一番安心できることだと思います。
『鶴の湯』の良さ
『鶴の湯』はなんと言っても温泉の良さが一番に挙げられます。しかし、良い温泉は日本全国どこにでもあります。温泉以外に良いところを挙げると素朴さと過剰なサービスはしないこと。そしていつ行っても同じ(変わらない)滞在ができることです。これは自然とリピーターが増える最大の理由だと思います。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
『鶴の湯』はいつも通りお客様を迎えるようにしているだけ。いつも自然体な宿なのです。なので僕も「ああ久しぶりに『鶴の湯』に行きたいなぁ」と思い、『鶴の湯』に電話して予約をしています。そんな宿なのです。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
『鶴の湯』の予約方法
さて、具体的に『鶴の湯』の予約方法をご案内します。『鶴の湯』の予約は電話か日本秘湯を守る会の公式サイトからの2通りしかありません。日本秘湯を守る会のみWEBからの予約が可能ですが、空室カレンダーを見る限りほとんど✕印がついています。なので予約はほぼ電話予約しかありません。
予約は確か半年前の1日の午前10時にその月1ヶ月間の予約が可能だったと思います。でも、このパターンは1日に電話が集中してしまい、繋がりにくく、週末や休前日から満室になっていき、予約開始後2〜3日で1ヶ月分の部屋が満室になるそうです。
※コロナ禍なので予約方法や予約状況が変わっているかもしれません。直接、『鶴の湯』にご確認ください。
僕の予約の取り方ですが、半年前の予約争奪戦には参戦せず、1〜3ヶ月前に電話して「◯月と◯月の木金土の内の1泊空いてませんか?」といった確認をします。『鶴の湯』の予約担当者も「そうですね〜」と台帳をペラペラめくりながら(電話の向こうから聞こえてくる)、「ではこの日とこの日がちょうどキャンセルが入り、空きが出てきたのでいかがでしょうか?」と確認しながら都合がつけば予約しています。
なので、僕の場合は、『鶴の湯』の予約に合わせて交通機関の予約と会社の休みを取っています。
【教訓】半年前にその発売月が満室になりますが、2〜3ヶ月前に確認するとだいたい空室が出てくるものです。
『鶴の湯』の過ごし方
人それぞれのペースがあると思いますが、『鶴の湯』を最大限楽しむのであれば、ぜひチェックインの15時に到着、チェックアウトの10時まで19時間の滞在をおすすめします。
僕の『鶴の湯』滞在の大まかな流れ。
15:00にチェックイン。少し部屋で休憩して施設内を散策。16:00に内湯へ身体を洗いに行き、続いて16:30に黒湯・白湯で体を温めてから露天風呂へ。17:30に部屋へ戻り、夕食までしばし休憩。18:00に夕食。19:30に露天風呂へ。23:00に就寝。翌日6:00に起床。6:30に黒湯・白湯で体を温めてから露天風呂へ。8:00に朝食。部屋で休憩して10:00にチェックアウトです。
温泉は到着後、寝る前、翌日朝の3回入浴するのが良いとよく言われます。逆にあまり何度も入浴すると体調を崩すこともありますので、注意してください。またこのような人気の秘湯宿は連泊が良いと言われますが、僕はチェックインとチェックアウト時間を最大限に利用して、約19時間も滞在すれば1泊で十分だと思っています。
『鶴の湯』の源泉
『鶴の湯』の公式サイトによると<半径50m以内に泉質の異なる4つの源泉が湧いています。それぞれ 白湯 黒湯 中の湯 滝の湯と源泉名がついていますが同じ敷地から効能、泉質共に異なる4つの温泉が湧く珍しい温泉場です。>と紹介されています。
手前に川が流れていて左側の建物が温泉施設です。右側は2号館・3号館の建物です。
『鶴の湯』の公式サイトによると<開湯時は田沢の湯と呼ばれていましたが、マタギの勘助が鶴が温泉で傷を癒しているのを見つけたのが、鶴の湯の名前の由来だといわれています。>とも紹介されています。『鶴の湯』名物の混浴露天風呂はこのように乳白色。狭く見えますが、実際はかなり大きいです。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
それでは『鶴の湯』の4つの源泉の効能を見てみましょう。
1. 白湯(美人の湯)別名:冷えの湯
- 源泉温度:59.6℃
- 泉質:含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)
- 浴用の適応症:高血圧、動脈硬化症、慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病
- 飲用の適応症:糖尿病、痛風、便秘
- 加水:浴槽温度が高い期間(5〜11月)のみ加水
- 加温:なし
- 循環利用:なし
- 入浴剤等の添加:なし
- 消毒処理:なし
2. 黒湯(子宝の湯)別名:温たまりの湯とも呼ばれ湯ざめがきません
- 源泉温度:56.7℃
- 泉質:ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉
- 浴用の適応症:切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
- 飲用の適応症:慢性消化器病、慢性便秘
- 加水:源泉温度が高いため常に加水
- 加温:なし
- 循環利用:なし
- 入浴剤等の添加:なし
- 消毒処理:なし
3. 中の湯(眼っこの湯)神経系統の病気、眼病に効き目があります
- 源泉温度:45.1℃
- 泉質:含重曹・食塩硫化水素泉
- 浴用の適応症:高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、リウマチ、慢性中毒、糖尿病、皮膚病、しもやけ、湿疹、ニキビ、神経麻痺
- 飲用の適応症:糖尿病、慢性中毒リウマチ、痛風、便秘、神経麻痺、気管支炎
- 加水:浴槽温度が高い期間(7〜9月)のみ加水
- 加温:なし
- 循環利用:なし
- 入浴剤等の添加:なし
- 消毒処理:なし
4. 滝の湯(うたせ湯)※うたせ湯は冬期休み
- 源泉温度:52.7℃
- 泉質:含硫黄ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉
- 浴用の適応症:高血圧症、動脈硬化症、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病
- 飲用の適応症:糖尿病、痛風、便秘
- 加水:浴槽温度が高い期間(7〜9月)のみ加水
- 加温:なし
- 循環利用:なし
- 入浴剤等の添加:なし
- 消毒処理:なし
※許可なく風呂場の写真や動画撮影は厳禁(貼り紙あり)です。
『鶴の湯』名物の混浴露天風呂
『鶴の湯』といえば混浴露天風呂です。雑誌やテレビなどのメディアには、ほぼこの混浴露天風呂の写真が使われています。これは無冠雪時の混浴露天風呂の写真です。雪がない時の混浴露天風呂はまた違った雰囲気です。雪見の風呂を求めて訪問される方が多いですが、このように雪がない時も緑に囲まれてリフレッシュできるのでおすすめです。露天風呂のお湯は、夏場は熱く感じ、春秋はちょうどいい温度、冬は位置によってぬるいところがあります。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
月曜日(祝日は翌日)の昼間は混浴露天風呂が清掃のため、利用できません。お湯を抜いているところの珍しい状態での写真です。
※許可を得て撮影しました。
こちらは女性が出入りするところです。女性の場合、胸まで浸かって進んでくると、首から上しか見えないので混浴とはいえそんなに気になりません。
少し分かりづらいですが、混浴露天風呂の足元には小さな石が敷き詰められています。僕は胴長短足(165cm)ですが、座るとあごまでつかりますので、背の低い方や子供連れの方は十分注意してください。
お湯を張った状態では分からないのですが、お湯を抜いた状態では中の状態が一目瞭然ですね(笑)。奥には大きな岩が置かれています。お湯を張った状態では岩の頭の部分しか出ていないので注意してください。
●混浴露天風呂の入り方
混浴と言っても白く濁ったお湯なので肩までつかってしまえば何も見えません(水面から5cm下は何も見えません)。女性は入口から専用通路があり、肩までつかって前進すればOKです。しかし、明るい時は光の加減でうっすらと見えることもありますので、女性は勇気がいるかもしれません(日が落ちた夜に入り、明るい時は女性専用の露天風呂を利用するといいと思います。
※『鶴の湯』では湯浴み着の用意はなく、水着やバスタオルを巻いての混浴露天風呂の利用はできません。
※許可なく風呂場の写真や動画撮影は厳禁(貼り紙あり)です。
『鶴の湯』意外と知られていない浴槽 ←事前にチェック
『鶴の湯』には浴槽が8ヶ所(下記1〜8)あると公式サイトに載っています。でも実は浴槽は12ヶ所あります。
上のイラスト図の左側に白湯と黒湯があります。右から白湯の女湯入口、白湯と黒湯の男湯入口、そして黒湯の女湯入口です。男性は入口1ヶ所で白湯も黒湯も入ることができますが、女性は白湯に入ってから黒湯に入るとなると、一度服を着てから黒湯に行く必要があります。
それでは『鶴の湯』の12ヶ所の浴槽を見てみましょう。
【温泉側の建物】※上のイラストは下記1〜8が紹介されています
1. 白湯(女性用)
2. 白湯(男性用)
3. 黒湯(女性用)
4. 黒湯(男性用)
5. 中の湯(女性用)
6. 中の湯(男性用)
7. 鶴の湯(混浴露天風呂)※源泉は滝の湯だと思います
8. 大白の湯(女性専用露天風呂)※源泉は滝の湯だと思います
【1号館1階】※ここから上のイラストで紹介されていない浴槽になります。公式サイトやパンフレットには紹介されていません
9. 女性用内湯(源泉:白湯)
10.男性用内湯(源泉:白湯)
【新本陣に向かう途中(2階)】
11. 貸切風呂(源泉:黒湯)※無料(入口ドアの札を使用中に裏返して中から鍵をかけるだけ)
12. 貸切風呂(源泉:白湯)※無料(入口ドアの札を使用中に裏返して中から鍵をかけるだけ)
※12ヶ所も浴槽がありますが、7、8の露天風呂以外、どこも4人入れば満杯になります。譲り合って入浴するようにしましょう。
※実は『鶴の湯』にも貸切風呂があるのです。
各浴槽に貼り出されている「温泉の成分・禁忌症・適応症及び入浴又は飲用上の注意」です。これは入浴前に確認することをおすすめします。
※許可なく風呂場の写真や動画撮影は厳禁(貼り紙あり)です。
『鶴の湯』で入浴する際の注意点 ←これとても重要
- お風呂は基本的に24時間入浴可能です!
しかし、月曜日は清掃のため、混浴露天風呂(たぶん女性専用露天風呂も)は8時から入浴できなくなります。日曜日宿泊の場合、翌日の朝風呂は8時までに済ませないといけません。日帰り入浴の場合も月曜日に行くと露天風呂には入れないので注意が必要です。
※月曜日が祝日の場合は直近の平日が清掃日になります。
※露天風呂以外の上記9〜12以外の内湯は利用できます。
- 各風呂の入口(上記1〜8)
上記1〜8の浴槽に入る時、女性は入口1(1.白湯)、入口2(3.黒湯+大白の湯/女性専用露天風呂)、入口3(5.中の湯+7.鶴の湯/混浴露天風呂)の3ヶ所の入口からそれぞれ入室する必要があります。服を脱いで入浴してそして身体を拭いて服を着るの繰り返しになります。
男性は入口1(2.白湯+4.黒湯)、入口2(6.中の湯+7.鶴の湯/混浴露天風呂)の2ヶ所の入口から入室となります。パッと脱いでパッと身体を拭いてパッと服を着る男性はそれほど苦になりません。
- 身体を洗うところはどこ?
上記1〜8の浴槽には固形石鹸が置いてあるだけで、ボディソープ、シャンプー、リンスは設置されていません。身体を洗うスペースもありませんし、シャワーもありません。また脱衣所にはドライヤーもありません。それではどこで身体を洗うのかですが、上記9〜12になります。しかし、シャワーは確か1ヶ所1台しかなかったので全部合わせても4台くらいしかありません。浴槽も2人入れば一杯になります。混み合う時間帯は待機しないといけませんので時間をずらして利用しましょう。なお、9〜12の脱衣所にはドライヤーが設置されています。
- 冬場の脱衣所はものすごく寒い
雪見風呂を狙うのであれば冬場の『鶴の湯』がおすすめですが、1〜12までの脱衣所はどこも寒いのが難点です。脱衣所には暖房がなく、下手すると脱衣所も外気温と同じくらいではと思うほど寒いです。なのでお風呂に入る時は震えながら服を脱ぎ、急いでお湯につかることになります。お風呂からあがった時は身体が温もっていますが、すぐに身体が冷えてきますので注意が必要です。冬場は寒さに弱い方と身体が弱い方はきついかもしれません。
- 混み合う時間帯
チェックインからチェックアウトまでほぼいつでも入浴できますが、チェックインの到着時、夕食後、朝風呂の時間帯は混み合います。7.混浴露天風呂と8.女性専用露天風呂以外、4人入れば満杯になる小さな浴槽です。混浴露天風呂は大きいので混み合う時間帯は露天風呂で過ごすように僕はしています。
- 貴重品管理
宿泊すれば貴重品袋(部屋には金庫がない)に入れてフロントに預かってもらえます。各浴槽には入口にコインロッカーがありますが、毎回100円を入れないといけませんので貴重品は必ずフロントに預けましょう。1号館入口には100円入れなくても使える宿泊者専用のロッカーもあります。
※許可なく風呂場の写真や動画撮影は厳禁(貼り紙あり)です。
『鶴の湯』の館内施設と部屋
『鶴の湯』は本陣(5室)、1号館(2階に4室※1階は朝食会場)、2号館・3号館(1階に6室、2階に10室)、東本陣(4室)、新本陣(5室)、はなれ本館(2室)の6棟があります。このうち、1号館と東本陣と新本陣は渡り廊下で、2号館と3号館は建物自体がつながっています。
事務所(帳場)と売店
事務所(帳場)は本陣を左に見ながら一番奥にあります。チェックインとチェックアウトはここで行います。
事務所(帳場)の受付時間は7:00〜22:00になります。
「秘湯を守る会」のスタンプ帳はチェックイン時に出しましょう。チェックアウト時にスタンプを押印され返却されます。
売店も7:00〜22:00の営業時間になります。
本陣:宿泊料金12,250円
「鶴の湯といえばこの部屋」と言われる人気の高い部屋です。夕食は囲炉裏のそばでの部屋出しになります。朝食は1号館1階の広間になります。部屋にはトイレが付きます。向かって左側の建物が本陣です。
本陣の各部屋へは外から直接入室します。
1号館:宿泊料金12,800円
全室1号館の2階にあります。夕食は部屋出し。朝食は1号館1階の大広間となります。洗面台とトイレが共同になります。
こちらは1号館2階の共同の洗面所。トイレは男女別の洋式です。冬場の洗面所は脱衣所同様に寒いです...。
2号館・3号館:宿泊料金9,830円
2号館・3号館は湯治棟になりますが、一人利用はほぼこちらになります。向かって右側の建物が3号館・2号館です。
3号館の入口。
2号館の入口。
6畳一間のシンプルな部屋です。夕食と朝食は本陣食堂になります。洗面台とトイレが共同になります。
東本陣・新本陣:宿泊料金14,450円〜19,950円
『鶴の湯』で一番新しい棟になります。夕食は部屋出し。朝食は1号館1階の大広間となります。洗面台とトイレが付きます。こちらの建物ははなれ本館です。独立した建物です。
※宿泊料金は1泊2食の税金・入湯税(150円)込みの価格です。
※冬期間は暖房費として1部屋1,100円上記にプラスされます。冬期間はその年によって異なりますが、だいたい11月〜4月までだそうです。
※コロナ禍のため布団敷はセルフになっています。
『鶴の湯』の食事
『鶴の湯』の夕食・朝食の献立はいつ行ってもほぼ同じ内容です(笑)。夕食ですが、とても美味しいです。美味しいのですが、見た目以上に量が多く、少食の方は食べ切れないかもしれません。食後はしばらく動けなくなります(笑)。
夕食は1号館、本陣、東本陣、新本陣が部屋出し、2号館・3号館は本陣食堂での提供になります。いずれも川連塗り(かわつらぬり)のお膳での提供になります。
朝食は1号館、本陣、東本陣、新本陣が1号館1階の大広間にて、2号館・3号館は本陣食堂での提供になります。いずれも川連塗り(かわつらぬり)のお膳での提供になります。
夕食献立と見比べるとよく分かりますね。右側の畳の上に置かれているお椀はお蕎麦です。ご飯はお櫃で出されます。
夕食は山菜と名物「山の芋鍋」がメイン。「山の芋鍋」は鶴の湯オリジナルの味噌仕立てです。他には縦焼きの岩魚塩焼き等、山の秘湯ならではの内容になっています。僕も「山の芋鍋」がとてもお気に入りです。この「山の芋鍋」を食べるために『鶴の湯』へ来られる方も多いそうです。なお、秋田の伝統的工芸品である川連塗り(かわつらぬり)のお膳で出てきます。
ドリンクメニュー1です。何でも揃っています。秘湯ビールがおすすめです。
ドリンクメニュー2です。岩名骨酒もおすすめです。
1号館1階の大広間には囲炉裏があります。本陣棟も夕食は部屋にある囲炉裏端で夕食(部屋食)となります。この角度から撮影すると秋田の伝統的工芸品である川連塗り(かわつらぬり)のお膳がよく分かります。
※この写真は朝食時に撮影したものです。
こちらが朝食です。内容、量ともに納得です。
『鶴の湯』のベストシーズン(個人的見解)
僕にとって『鶴の湯』は温泉が目的。なので温泉をメインに考えてみます。
まずどの内湯も約42℃あり熱いです。露天風呂も夏場は熱く感じ、春秋はちょうどいい温度、冬は位置によってぬるいところがあります。僕は春と秋の利用をおすすめします。
雪見の露天風呂を希望であれば12月から3月頃がおすすめ。その代わりお湯につかっている時以外、めちゃくちゃ寒いです。冬場は寒さに弱い方と身体が弱い方はきついかもしれません。
部屋はいつ行っても同じ、食事もいつ行ってもほぼ同じ内容です。
『鶴の湯』の良いこと・悪いこと・そして注意点(個人的見解)
【良いこと】
- 温泉が最高!
- 食事が素朴で美味しい!
- スタッフが秋田弁で優しい!
- いつ行っても変わらないサービス!
- な〜んもない(笑)!
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
【悪いこと】
- 温泉は夏場は熱くて長湯できない。冬場は脱衣所が寒すぎる...(でも温泉がサイコー)
- 食事は肉や刺し身など少なく、温泉旅館のような豪華な内容ではない(でも素朴で美味しい!)
- スタッフのサービスは高級旅館のような至れり尽くせりではない(でもスタッフが優しい!)
- 虫さんがいます(笑)(僕たちが訪問者。そっと外へ退室してもらいましょう!)
【注意点】
- 携帯電話が繋がりにくい(ドコモでアンテナ2本)。宿にはWi-Fiがありますが、不安定です。ネット環境が良くないので、ワーケーションでの利用はすすめられません
- 気になる方は、ボディソープ、シャンプー、リンス類は使い慣れたものを持参しましょう
- テレビがありません。夜はとっとと寝るしかありません
- 館内にはカラオケやバーなどパブリック施設がありません
- 浴衣がありますが、夕食と朝食は畳の上に座布団を置いて座ることになりますので、スウェットスーツなどの寝間着を持参したほうが良いかもしれません。冬場はコート型の丹前が用意されていますので外歩きも平気です
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
『鶴の湯』へのアクセス
秋田新幹線のJR田沢湖駅下車。駅前に路線バス(羽後交通:乳頭温泉行)が1時間に1本程度あります。アルパこまくさバス停下車(所要時間約32分・運賃630円)。田沢湖駅に到着し、何時のバスに乗るのかを『鶴の湯』に連絡しておけば、こまくさバス停まで送迎車が迎えに来てくれます。
>>羽後交通公式サイト(路線バス⇒乳頭線から検索してください)
車の場合、冬期はこのような雪道を運転することになりますので、注意が必要です。『鶴の湯』には駐車場(無料)が完備されています。
『鶴の湯』インフォメーション
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
- 予約電話番号:0187-46-2139(受付時間7:00~22:00)
- 公式サイト:鶴の湯
※許可なく風呂場の写真や動画撮影は厳禁(貼り紙あり)です。
乳頭温泉郷のお宿紹介
乳頭温泉郷の公式サイトには<十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に点在する七湯が「乳頭温泉郷」と呼ばれています。七湯は独自に源泉を持ち、その泉質は多種多様乳頭温泉郷には十種類以上の源泉があります。>と紹介されています。乳頭温泉郷には『鶴の湯』のほかに、鶴の湯別館山の宿、黒湯温泉、休暇村乳頭温泉郷、妙乃湯、大釜温泉、孫六温泉、蟹場温泉の計8つのお宿があり、それぞれ異なるお湯を楽しめます。
乳頭温泉郷湯めぐり号
各お宿へは"乳頭温泉郷湯めぐり号"のマイクロバスで行くことができます。冬期は鶴の湯⇒<7分>⇒鶴の湯別館山の宿⇒<12分>⇒休暇村乳頭温泉郷⇒<2分>⇒妙乃湯⇒<1分>⇒大釜温泉⇒<1分>⇒蟹場温泉そして逆向きに運行。通常期は黒湯温泉と孫六温泉が加わります。湯めぐり帖や湯めぐりマップの提示で運賃が無料になります。
湯めぐり帖
組合加入7軒(鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村)の入浴が可能です。各宿に宿泊者限定販売で1冊1,800円で各宿のフロントで発売されています。有効期限は1年です。乳頭温泉郷湯めぐり号の利用が無料となります。ただし、乳頭温泉郷湯めぐり号を利用して1日で全部回ることはできません。また各温泉で源泉が異なりますので湯あたりに注意が必要です。
湯めぐりマップ
上記湯めぐり帖の日帰り利用版。1冊600円。有効期限は当日のみ。乳頭温泉郷湯めぐり号の利用が無料になります。
●鶴の湯別館山の宿(つるのゆべっかんやまのやど)
田沢湖温泉郷から県道194号を北上すると『鶴の湯』への案内が見えてきます。県道194号から左折すると『鶴の湯』へ向かう1本道。途中、右手に鶴の湯別館山の宿が見えてきます。
※鶴の湯別館山の宿は入浴したことがないのでよく分かりません...。
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字湯ノ岱-1
- 公式サイト:鶴の湯別館山の宿
●黒湯温泉(くろゆおんせん)
県道194号を進むと休暇村乳頭温泉郷の手前で黒湯温泉へ向かう道に分岐があります。右折してしばらく進むと黒湯温泉へ到着します。(冬季は休業します)黒湯温泉は旅館部と湯治部の施設があり、昔ながらの湯治を楽しめます。
混浴露天風呂、男女別露天風呂など温泉天国です。
※混浴露天風呂は4〜5人しか入れず、にごり湯ではありますが、昼間は恥ずかしいかもしれません。
- 泉質:単純硫化水素泉、酸性硫黄泉
- 効能:高血圧症、動脈硬化症、抹消循環障害、糖尿病など
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖生保内黒湯沢2-1
- 公式サイト:黒湯温泉
●休暇村乳頭温泉郷(きゅうかむらにゅうとうおんせんきょう)
県道194号を進むと右手に見えてくるのが休暇村乳頭温泉郷です。乳頭温泉郷で一番近代的な施設です。
内風呂、露天風呂ともに男女別(混浴はありません)。とても素敵な乳白色のお湯が楽しめます。
- 泉質:単純硫黄泉、ナトリウム炭酸水素塩泉
- 効能:高血圧症、動脈硬化症など
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖駒ケ岳2-1
- 公式サイト:休暇村乳頭温泉郷
●妙乃湯(たえのゆ)
休暇村乳頭温泉郷を過ぎ、県道194号を進むとすぐに妙乃湯に到着します。妙乃湯が乳頭温泉郷で一番モダンな施設です。
男女別内湯、男女別露天風呂、混浴露天風呂(女性専用時間あり)があります。
※妙乃湯は入浴したことがないのでよく分かりません...。
- 泉質:カルシウム・マグネシウム硫酸塩泉、単純泉
- 効能:皮膚病、動脈硬化症、消化器病など
※立ち寄り利用は10時から14時までと短時間なので注意が必要です。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖生保内字駒ヶ岳2-1
- 公式サイト:妙乃湯
●大釜温泉(おおがまおんせん)
妙乃湯の先に大釜温泉の建物が見えています。県道194号沿いの右側にあります。建物は木造校舎を移築しています。どこか懐かしい光景が広がります。
内風呂、露天風呂ともに男女別(混浴はありません)。どちらかというと茶色のにごり湯です。源泉は98℃もあります!(温度調整のために加水しています)
- 泉質:酸性含砒素ナトリウム塩化物硫酸塩泉
- 効能:真菌症(水虫)慢性膿皮症、リウマチ性疾患など
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達国有林
- 公式サイト:大釜温泉
●孫六温泉(まごろくおんせん)
大釜温泉の横の脇道を下ると孫六温泉に到着します。(冬期は休業しています)
温泉は内湯、露天風呂、混浴露天風呂などバラエティに富んでいるみたいです。
- 泉質:ラジウム鉱泉
- 効能:胃腸病、皮膚病(ジンマシン)、創傷など
※孫六温泉は入浴したことがないのでよく分かりません...。
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林
- 公式サイト:孫六温泉
●蟹場温泉(がにばおんせん)
県道194号の終点、そして乳頭温泉の中で最北に位置する蟹場温泉です。
内湯は男女別に2ヶ所ずつ、露天風呂は本館から靴を履き替え50m先にあります。混浴露天風呂でほぼ無色透明。さすがにちょっと恥ずかしいと思います。女性専用の時間あり。
- 泉質:重曹炭酸水素泉
- 効能:糖尿病、皮膚病など
<写真提供:秋田県観光連盟「アキタファン」>
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林
- 公式サイト:蟹場温泉
関連サイト&関連記事
関連サイト
- 鶴の湯
- 鶴の湯Twitter
- 鶴の湯Facebook
- 鶴の湯別館山の宿
- 黒湯温泉
- 休暇村乳頭温泉郷
- 妙乃湯
- 大釜温泉
- 孫六温泉
- 蟹場温泉
- 乳頭温泉組合
- 日本秘湯を守る会
- JR東日本
- 秋田空港
- いわて花巻空港
- 羽後交通
- 秋田県公式観光サイト[アキタファン]
- 秋田県仙北市
- 田沢湖・角館観光協会
- 岩手県観光ポータルサイト「いわての旅」
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。