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「加賀の國」ってどこ?金沢とは違う? 知られざる加賀の魅力(グルメ、温泉、匠の技)探訪の旅!
<トップ画像:加賀 幡亭の「鴨の治部煮御膳」>
こんにちは!たびこふれのシンジーノです。
あなたは"加賀の國"と聞いて、なにを思い浮かべますか?
加賀百万石?前田利家?金沢?雅な文化、歴史、北陸の都?
石川県は大きく加賀エリアと能登エリアに分けられており、加賀の中でも、金沢市を除いた南部地方を「加賀の國」と呼んでいます。
市町村名でいうと、加賀市、小松市、能美市、川北町、白山市、野々市市です。
これを聞いても正直「う~ん、イメージ湧かないな」と思ったのでは?
今回私は縁あって、加賀の國に訪れました。
加賀の國をひとことで表すと「恵み」です。
この記事を読むと、「へえ~っ加賀ってそんなに素敵なところだったんだ、訪れてみたいな」と感じられることでしょう。
自然の恵みに抱かれた、いろいろな意味で、とても豊かな加賀の國、これを機会にどうぞ、お見知りおきを!
目次
- 加賀の國とは?
- 加賀のグルメ(鴨・いちじく味噌豚丼・フレンチ)
- 加賀の宿泊(のとや・葉渡莉・TAKIGAHARA FARM)
- 加賀のモノづくり(水引アクセサリー・石切り・献上加賀棒茶・九谷焼)
- 加賀の日本酒(菊姫・夢醸)
- 加賀のお菓子(大判焼・豆大福・加賀パフェ)
- 加賀の魅力まとめ
加賀の國とは?
まずは加賀の國に属する市町の特徴をひとことで言い表すと、次のようになるでしょうか。
- 加賀市:加賀温泉郷があり、自然を感じる景色や豊かな食材が魅力
- 小松市:「コマツ」の創業地。モノづくりが盛ん。地元の人々に人気の粟津温泉、小松空港がある
- 能美(のみ)市:九谷焼、辰口温泉、いしかわ動物園、手取フィッシュランド、松井秀喜ベースボールミュージアムなどレジャー施設が豊富
- 川北町(かわきたまち):手取川に沿って広がり、釣りやサイクリングを楽しむ人が多い。「川北花火大会」は、北陸最大級の花火大会
- 白山(はくさん)市:霊峰白山から日本海まで、四季折々の表情を見せる豊かな自然に囲まれ、登山やスキー等のアクティビティが盛ん
- 野々市(ののいち)市:金沢市に隣接し、3つの大学、大型商業施設、飲食店、小さなこだわりショップが充実。町家住宅が残る旧北國街道も趣深い
加賀の國は一大観光都市である金沢の陰に隠れて、あまりメジャーではありませんが、日本三大霊山のひとつである「白山」水系の恵みを受け、野菜、米、酒、海産物が豊かで、とても質が良いものを生み出している土地です。
大都会ではありませんが、かといって田舎くさくもなく、洗練されて品の良い、女性が好みそうな街です。
石川県が「住みやすい街ランキング」の常連に名を連ねる理由も、こういった面があるのではないかと思います。
加賀の國のシンボルともいえるのが白山比咩神社です。
加賀の山岳信仰の聖地:白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)
白山比咩神社は、霊峰白山(はくさん)を御神体とし、約2100年の歴史を刻む、全国三千余社の白山神社の総本宮であり、古くから地元の人に「しらやまさん」と呼ばれ親しまれています。
白山は日本三大霊山(富士山、立山、白山)のひとつです。
さて、それでは加賀のグルメ、温泉旅館、モノづくりなどについてひとつづつ掘り下げてまいりましょう。
加賀のグルメ(鴨・いちじく味噌豚丼・フレンチ)
良い水があるところには、美味しいお米、野菜、果物、お酒が生まれます。ここ加賀もそういう場所です。
白山の頂から流れ出す雪解け水が、手取り川となってこの土地を潤します。寒冷な気候から生まれる加賀の食材は、上質で都会的な品の良さを感じます。
素材が良いので、全般に味付けは薄め、且つしっかりと味を感じることができます。
鴨:かが 幡亭(ばんてい)
北陸、加賀と聞くと、まっさきに蟹のイメージが浮かぶかもしれません。もちろん蟹も有名です。意外に知られていませんが、加賀は鴨が名物でもあります。
かが 幡亭は、天然・野生の鴨料理で有名な老舗料亭です。「坂網猟」という、300年もの歴史を持つ古式投げ網猟法で鴨を捕らえます。
坂網猟が始まったのは、江戸時代の元禄の頃、藩士の村田源右衛門が魚捕りの帰りに、低く飛ぶ鴨を見て、漁具のタモ網を投げて捕まえたことが始まりで、その後改良を重ね、坂網となりました。
かが 幡亭の鴨肉を食べて、私は鴨肉に対する印象ががらっと変わりました。その辺のそば屋で食べる「鴨南蛮」の鴨とは全然違うのです。幡亭の鴨は、肉と脂のバランスが良く、弾力があって噛みごたえがあり、旨みに満ちています。正にジビエです。また鴨肉は牛、豚、鶏と比べてビタミンA、B1、B2が数倍もある栄養満点の肉なのだそうです。
ちなみに、治部煮が入っている黒いお椀は、治部煮専用の椀だそうです。さすが、治部煮が郷土料理の土地柄ですね。
すっきりしていて品のあるばん亭のカウンター。良いお店はこういう雰囲気を漂わせています。
【かが 幡亭】
- 住所:石川県加賀市大聖寺東町4丁目11番地
- 電話:0761-73-0141
- 公式サイト:かが 幡亭
いちじく味噌豚丼:大口食堂
かわきた町はいちじくが特産です。豚肉にいちじくと味噌を和えて炒めたB級グルメが「かわきた味噌豚丼」です。
大口食堂は、観光客ではなかなかたどり着けないあろう住宅街にあり、地元の人が気取らずに普段使いで通う、知る人ぞ知る名店です。
いちじくが豚肉を柔らかくし、甘めの味つけに温泉卵が交わってまろやかになり、箸が止まりません。ごはんとの相性ばつぐん。罪つくりな丼ぶりです笑。
店内は、昭和のザ・食堂ムード満点で嬉しくなります。
【大口食堂】
- 住所:石川県能美郡川北町壱ツ屋チ-61
- 電話:076-277-0972
フレンチ:ビストロ ウールー(BISTRO heureux)
和食が好まれる加賀エリアでは、フレンチはなかなか馴染まないと言われているそうです。しかもビストロ ウールーのある野々市市は観光客で賑わう街ではなく、金沢のベッドタウンです。そんな土地にあってこのお店は20年も続いています。地元の人たちに愛され、応援されてきたからでしょう。
因みに「ウールー」とはフランス語で「しあわせ」という意味。オーナーである久田シェフは子供の頃「ラッキー」というあだ名だったそう。
なんかこのお店で食べるとしあわせになれそうです笑。
写真でもわかると思いますが、皮がパリパリで香ばしく、身はふっくらとジューシー。「うん、いい魚使ってるな!焼き加減も100点だな」と感じます。あ~白ワイン飲みたい!。
また特筆すべきは、このお店オリジナルの「リンゴバター」。バターの概念が根底から覆された逸品。「リンゴバターだけスプーンで食べたい」と思うほど甘味と酸味が絶妙に交じりあい、思わず笑みがこぼれる美味しさでした。秋星(しゅうせい)という1つ500~600円もするリンゴを使っていて、その強い酸味が独特の味を出しているそうで、他のリンゴではこの味は出ないそうです。
ここのリンゴバター、マジおすすめです。(通販も可。下記公式サイトから)
【ビストロ ウールー】
- 住所:石川県野々市市押野2-178
- 電話:076-294-0093
- 公式サイト:ビストロ ウールー
次は加賀の温泉、宿泊施設を見ていきましょう。
加賀の宿泊(のとや・葉渡莉・TAKIGAHARA FARM)
加賀温泉郷とは、粟津(あわづ)、片山津、山代、山中の4つの温泉の総称です。
今回の旅では、粟津と山代の2つの温泉に泊まりました。
「加賀の温泉はかなりレベルが高いぞ!」そう感じました。
中でも朝食がすごい。温泉旅館の印象って朝食で左右されることってありませんか?
正直、お風呂や夕食がどんなに豪華であっても、朝食がしょぼいといい印象は残りません。今回の2つの宿はどちらも朝食のレベルがとても高かったです。(もちろんそれ以外も)
粟津温泉:のとや
粟津(あわづ)温泉はあまりメジャーでありませんが、近場(金沢など)から泊まりに訪れるお客さんが多い(宿泊客の約60%)のだそうです。賑やかな温泉街というよりは、しっとりと落ちついて、雰囲気漂う静かな温泉地です。
のとやは創業700年、鎌倉時代頃から続く歴史あるお宿で、リピーターのお客さんが多いことで知られています。
コンセプトは「昔ながらの温泉旅館のわくわくがある」宿。
のとやの印象を挙げてみると、
- 館内にはジャズが流れていてセンスの良さを感じさせる
- 館内の温泉通りは「芸術の森」をイメージ
- 館内の通路は広く、ゆったりしている
- 館内のあちこちに生花が飾られている
- 館内のカラーは暖色系で落ちついた印象
などですが、それ以上に、のとやの魅力を表しているのが「接待さん」の存在です。
一組のお客さんに一人の専属接待さんがつく。
宿入りから出立までその接待さんがすべて切り盛りしてくれます。
毎年泊まりに来るお客さんは接待さんとも顔なじみになって「やぁ、今年もよろしく!」なんて関係になることも多いのだとか。
お客さんと宿の距離感が近い、温かさ、心地よさ。以前はあちこちの旅館に見られたこの距離感も、効率化、人件費削減の波で、続けられる旅館はほとんどなくなってしまったそうです。
温かく、落ちつける心地よい宿。毎年訪れるリピーター客が多いのも、うなづけます。
【粟津温泉 のとや】
- 住所:石川県小松市粟津町ワ85
- 電話: 0761-65-1711 (代)
- 公式サイト:粟津温泉 のとや
のとやについてもっと知りたい人は、ぜひこちらの記事『【加賀・粟津温泉】のとや「昔ながらの温泉旅館のわくわくがある」宿』をご覧ください。
山代温泉:葉渡莉(はとり)
山城温泉の中心にある古総湯(共同浴場)から歩いてすぐの場所、温泉街の賑わいの中に建っている温泉旅館「葉渡莉」。
葉渡莉という名は服部(はっとり)神社から来たと言われており、コンセプトは「木のぬくもり 葉の優しさ」。
館内は木と葉の温かく優しい色、ムードに包まれています。
毎夜、館内で演じられる「一向一揆太鼓」は迫力満点です。子供は泣いちゃうかも・・・(無料)
【葉渡莉】
- 住所:石川県加賀市山代温泉温泉通り17
- 電話:0761-77-8200
- 公式サイト:葉渡莉
くわしくはぜひこちらの記事『葉渡莉(はとり)は「木のぬくもり 葉の優しさ」に包まれた癒しの宿』をご覧ください。
TAKIGAHARA FARM CRAFT & STAY
上記二つの温泉旅館とはまったく異なるタイプの宿泊施設がこちらです。
築100年の古民家をホステルに改装した新しいタイプの宿泊施設。
「こういうの、なんかいいよね。。。」初めてここを見た時の感想です。
サロンには有名デザイナーのソファやテーブルがさりげなく置いてあります。夜は土蔵を改装したBARでナチュラルワインや加賀のお酒を楽しめる、BARの階にはレコードルームがあり、音楽に包まれた時に身を浸らせることができます。
「デザイナーのセンスが光るような宿なら、きっとお高いんじゃないの?」
いえいえ、男女共用のバンクベッドルームでは一人一泊5,500円(朝食付き)から泊まることができます。(個室もあり)ただ、お風呂は温泉ではありません。(ホステルのバンクベッドルームはバスタブはなくシャワーのみ。石蔵を改装した一棟貸しのTAKIGAHARA HOUSEは石風呂あり。)
これまでの宿泊の常識が、根こそぎもってかれたようです。こんな山奥の農村にこれほど洗練された空間があるなんて。デザイナーが考えた、といっても決して奇抜ではなくこの地に溶け込んでいます。ヤギや鶏なども飼われているんですよ。新しいスタイルの農家です。※オーナーはIDEE創始者の黒崎輝男さん。
黒崎さん曰く「滝ヶ原に集まるのは落ちこぼれ、社会に適合できない人」だそう。器用に世の中を泳いでゆくことは苦手だけれども、人と違うことを発見したり、気づいたり、発信したり、作ったりできる。人と違うことが尊重される、ここは、そんな心地よい空間なのかもしれません。外国人にも人気だそうです。イタリアのおしゃれなアグリツーリズモにも似ているように感じました。
好みは分かれるでしょうが、ホステルなので共用スペースが多くて、ゲスト同士が仲良くなりやすい雰囲気です。ふらりと訪れて、そのまま居ついてしまう人、スタッフになってしまう人もいるらしいです。
「こういうところに泊まるスタイルも、これから主流になっていくのかも。。。」そう思いました。
今までにあまりないスタイルの宿なので、実際に行ってみないと魅力が伝わらないと思います。ぜひ一度自分の目で見て感じてください。
隣接のカフェ。農村にあるとは思えないセンスの良さです。
【TAKIGAHARA FARM CRAFT & STAY】
- 住所:石川県小松市滝ヶ原町923-0335
- 電話:0761-46-5621
- 公式サイト:TAKIGAHARA FARM CRAFT & STAY
- SNS:Instagram、Facebook
次は加賀のモノづくりの世界をのぞいてみましょう。
加賀のモノづくり(水引アクセサリー・石切り・献上加賀棒茶・九谷焼)
北陸は全般にそういう潮流がありますが、ここ加賀もモノづくりが盛んな土地です。匠が脈々と繋いできた、職人の歴史が息づいています。
水引アクセサリー:かねこ結納品店
水引というと、祝儀袋や、結納品に装飾として付いているというイメージではないでしょうか? 古来から続く形式的なもので、その場面だけ使って終わり、それ以外はお世話になることはない、というか。
かねこ結納品店も、元々は伝統的な水引を作っていましたが、最近は水引を使ったアクセサリーなどの作品も作っておられ、女性の間で人気だそうです。
<水引を素材としたアクセサリー>
水引の素材は「紙」です。和紙をこより状に長く延ばし、絹糸を巻き付けたものです。デザインによっては表面をコーティングしたりもします。
水引の特徴は軽いこと、強度もかなりあるので、意外に長持ちします。弱点は紙ですから水に弱いこと。
かねこさんは言います。
「思い出の結納の水引飾りは押し入れの中で眠らせたままにしないで、日常のインテリアとして外に出してみてはいかがでしょうか。お部屋が明るくなりますよ。羽子板飾りにリメイクすることもおすすめです。」
かねこ結納品店のイヤリング&ピアス、ネックレス、髪飾り、水引アロマディフューザーなど、すべてデザインから制作まで一貫して職人が手掛けている品です。
「水引アクセサリーも記念のお土産ではなく、日常的に使ってほしいですね。」
水引は一度結ぶと外れないことから、ご縁を結ぶ・運気上昇など縁起の良い意味がたくさんあるもので、コロナ禍で更に人気が出たそうです。なるほど、水引アクセサリー、これからもっと注目されそうですね。
【かねこ結納品店】
- 住所:石川県野々市市本町2丁目13-5
- 電話:076-248-0222
- サイト:かねこ結納品店
滝ヶ原石 本山石切場 石材荒谷商店
小松市には石切り場が多いそうです。太古の時代にこの辺りは火山が噴火し、火山灰が体積した石(凝灰岩)でできた山が多いからだそうです。
この地で採られる「滝ヶ原石」は白色で表面はざらざらしていて柔らかく、加工しやすいのが特徴です。
石材荒谷商店は、大きな石切り場を、5代目社長と職人のたった二人でやっています。4代目社長だった現社長のおじいちゃんは1年365日中なんと362日石切り場の中にいて働いていたそう。好きでないと出来ない仕事です。
石切り場の中に入ると太陽光が差し込まないので、今何時か忘れてしまうこともしばしば。私ならとても耐えられません。
石を切り出すという仕事は、時間と手間がかかり(機械化もされているが今も多くが手作業)、岩盤崩落など命の危険にさらされることもあります。石材荒谷商店のような人たちによって繋いでこられたんだな、と感慨深くお話を聴きました。
【本山石切り場 石材荒谷商店】
- 住所:石川県小松市滝ケ原町二の143番地
- 電話:0761-65-2378
- 公式サイト:石材荒谷商店
献上加賀棒茶:丸八製茶場 実生(みしょう)
献上加賀棒茶とは、一番茶の"茎"を焙煎して作られたほうじ茶です。
昭和58年、昭和天皇が植樹祭で石川県を訪れた際、ほうじ茶を献上したことをきっかけに、丸八製茶場は価格競争一辺倒だったほうじ茶作りをがらっと変えました。
そこからが苦難の始まり。質は高いが値段も高い加賀棒茶はまったく売れませんでした。「まともじゃないんじゃないの」と周りから言われ、職人も離れていき、会社存続の危機にさらされながらも社長がやり続けたこととはなんだったのか・・・
詳しくは、ぜひこちらの記事『ほうじ茶の常識を変えた「丸八製茶場」の物語』をご覧ください。
【丸八製茶場 実生】
- 住所:石川県加賀市動橋町タ1番地8
- 電話:0120-42-4251(フリーダイヤル)、0761-74-2425
- 公式サイト:丸八製茶場 実生
九谷焼
加賀といえば、九谷焼と言われるほど、有名な磁器。色鮮やかな絵付けが特徴です。
九谷焼は江戸時代前期、大聖寺藩(現加賀市)の九谷村で生まれ、約50年後にいったん廃窯する(原因や詳細は不明)も江戸時代後期に復活し、明治時代には、外国でも大人気となりました。
「九谷焼とは?」と問われても答えは難しく、鮮やかな色絵付けが特徴と言われても、それだけで九谷焼のすべてを言い表したことにはなりません。
実は、九谷焼の定義は広い。九谷焼と名乗って良い条件は以下の2つです。
- 九谷の土地で造られたもの
- 九谷の陶土(花咲陶石)を使ったもの
縛りが厳しくないので、デザインも色使いも作家の感性によって大きく違います。昔の九谷焼と現代の九谷焼をみてまったく別のものに見えることも珍しくありません。
それだけ九谷焼は懐が深いと言えます。九谷陶芸村には、陶芸館と資料館、美術館、ショップ10店舗が連なるショッピングモールがあり、過去から脈々と続く九谷焼の姿を見ることができます。
【九谷陶芸村】
- 住所:石川県能美市泉台町南22
- 公式サイト:九谷陶芸村
加賀の日本酒(菊姫・夢醸)
寒冷な気候、霊峰白山の良質な伏流水、加賀平野の恵まれた自然環境。酒造りに好条件が揃った石川県で能登杜氏が仕込む酒の味わいは、ふくよかな濃醇型で、旨口のお酒が多いのが特徴です。
菊姫
今流行りの酒造りには目もくれず、ホンモノの日本酒を造り続ける骨太の酒蔵。
菊姫の酒造りの特徴は、
- 酒造好適米である山田錦の中でも最上級といわれる兵庫県吉川(よかわ)町産の山田錦を使用
- 熟成期間が長い。最低でも1~5年熟成してから出荷
上級酒だけなら熟成させて出荷する蔵はありますが、菊姫は普通酒であっても熟成させてからでないと世に出しません。こんなことをしている酒蔵は他にはないでしょう。私は熟成酒というと、「どっしりと重く濃いお酒」というややネガティブな印象を持っていました。
今回、菊姫の酒造りを見て、飲んで、初めて知りました。
「本当の熟成している日本酒、とはこういうのを言うのだったのか!」と。
詳しくは、こちらの記事『流行りの酒には目もくれず、本物の日本酒を造り続ける骨太の酒蔵』をぜひご覧ください。
【菊姫】
- 住所:石川県白山市鶴来新町タ8番地
- 電話:076-272-1234(代表)
- 公式サイト:菊姫
夢醸:宮本酒造店
明治9年(1876)創業。ご夫婦二人でやっている小さな蔵です。
酒造りへの信念は「酒を醸して夢を醸す」。
目指すお酒は「主張しすぎない名脇役の酒」。
最近、香りやインパクトを重視する主張の強いお酒が多いですが、そもそも日本酒は食中酒。酒と料理がお互いを引き立てあうものです。料理とけんかしたり、主張しすぎてはだめなのです。
どちらかというと甘口系のお酒が多い石川県にあって、夢醸は辛口ですっきりした味です。最近では、能美市特産の加賀丸いもを使った芋焼酎「のみよし」も造っています。
期間限定のうすにごりを買いました。瓶内でも発酵を続け、微発砲の瑞々しい、今しか飲めないお酒です。美味!
【宮本酒造店】
- 住所:石川県能美市宮竹町イ74
- 電話:0761-51-3333
- 公式サイト:宮本酒造店
加賀のお菓子(大判焼・豆大福・加賀パフェ)
加賀は城下町であったことからお菓子文化も栄えています。この点も女性に好まれる理由のひとつでしょう。
大判焼:おもてや
白山比咩神社の参道沿いにある大判焼きの名店。
このお店の大判焼の特徴は、餡の量が多く、皮は薄めであること。
以前はスキー場の食堂を営んでいた女将さんが「どうせ作るなら、餡が好きな人はたくさん入れたげたら喜ぶやろ。」との思いで、餡をできるだけたくさん入れてみた。女将さんは「どれだけ入るんかな?」と遊んでいる内にどんどん餡が増えていったのだとか笑。
「お客さんの喜ぶ顔を見てるのが嬉しい。」
この女将さんの思いがぎっしり詰まった大判焼き。焼きたての皮パリパリも美味しいけれど、焼いて30~40分後くらいの方が皮と餡が馴染んで、さらに美味しくなるのだとか。
【白山比咩神社参道 おもてや】
- 住所:石川県白山市白山町レ120-1
- 電話:076-272-1003
- 公式サイト:おもてや
豆大福:しもつね(山代温泉)
山代温泉街の中心にある創業122年、老舗のお菓子屋さん。もともとは温泉街でお餅やお酒を供していたが、その後饅頭屋さんになっていったのだとか。
現在の下社長は4代目。お店に入るとなんかホッとする空気が流れています。
しもつねの名物は豆大福。賞味期限は当日のみ。お餅がとてもやわらかいんです。きめ細かい食感。餡は優しい甘さ、豆の食感もしっかり。120円とは思えない美味しさで、売り切れ必至がよくわかる。今回も「豆大福まだありますか?」「ありますよ~」「よかった!」というお客さんとのやりとりがなされていました。
【しもつね】
- 住所:石川県加賀市山代温泉温泉通13
- 電話:0761-76-1176
加賀パフェ:べんがらや
加賀には加賀パフェというスイーツがあります。加賀パフェと呼んで良いのは厳格な16のルールをクリアしたものだけ。6つのお店で提供されています。 ここべんがらやの加賀パフェは、甘酒コーヒーゼリー、抹茶ホイップ、シフォンケーキ、ポン菓子、大根シロップ漬、グレープ氷菓子、アイス3種、プチトマトシロップ漬、車麩、胡麻どーふ、黄身酢、レタス、こうしん大根、のりチーズが入っています。
「えっ、これがパフェ?」という素材も入っていますが、はい、パフェです。
【べんがらや】
- 住所:石川県加賀市山代温泉温泉通り59
- 電話:0761-76-4393
- 公式サイト:べんがらや
加賀のまとめ
いかがでしたか?
今度、石川県に訪れる時には金沢だけでなく、ぜひ加賀の國まで足を延ばしてください。きっとわかります。加賀の國の魅力が。
加賀の國は、観光ずれしていません。よそ行きでない、地に足のついた安心感が感じられます。
豊かな自然の恵みに抱かれて、素直にのびのびと育った印象を受けました。そしてどこか都会的なセンスの良さを備えています。
2023年度末に予定されている北陸新幹線延伸で首都圏からのアクセスがさらに便利になるでしょう。
さらに加賀の國を巡るとしたらこの交通手段がおすすめ。
リッチな交通手段:グランキャブ
今回の行程は3日間で周ったのですが、公共交通機関では移動しにくいのが実情です。
そこでグランキャブというリッチなワンボックスタイプのハイヤーで案内していただきました。
こちらがグランキャブの車内です。どうですか?まるで飛行機のファーストクラスのようなキャプテンシートが装備しています。
まるで企業の社長になった気分でした笑。これなら長い車の旅も疲れず、楽しむことができます。
ドライバーさんは観光案内もしてくれますので、初めてでも安心です。このサイズの車なら狭い道も通れますので、加賀をすみずみまで満喫することができます。
おまけ
山代温泉そばの「道の駅」で見つけたローカルフードがこちら。
カワギシベーカリーのホワイトサンド。こういう地元のパン屋さんが作っている懐かしい菓子パンがめっきり減ってしまいました。中をぱかっと開いてみると・・・
はい、バタークリームがたっぷり塗ってあります。味は?もちろん期待通りの懐かしく優しい味です。
北陸新幹線から見えた雪景色。冬の北陸、すごくよかったです。
あなたもぜひ!
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。