日本一長い川はどこ? 日本の長い川ランキング(観光情報付き!)

信濃川

あなたは日本一長い川がどれか知っていますか? 仮に「日本最長の川」は答えられたとしても、2位、3位までスラスラ答えられる方はなかなかいないのではないでしょうか。

知ると日本の旅がもっとおもしろくなる!日本の川の長さランキングに加え、その流域の観光スポットもあわせてご紹介します。

目次

<1. 日本の川の長さランキング>

<2. 日本一長い川「信濃川」とは>

<3. 日本で二番目に長い川「利根川」とは>

<4. 日本で三番目に長い川「石狩川」とは>

<5. 日本で四番目に長い川「天塩川」とは>

<6. 日本で五番目に長い川「北上川」とは>

1. 日本の川の長さランキング

日本で最も長い川はどこでしょうか?意外と「考えたことがない」という人も多いかもしれません。まずは、日本の川の長さランキングTOP10をご紹介しましょう。

  • 1位:信濃川 河口:新潟県、長さ:367km
  • 2位:利根川 河口:千葉県・茨城県、長さ:322km
  • 3位:石狩川 河口:北海道、長さ:268km
  • 4位:天塩川(てしおがわ)河口:北海道、長さ:256km
  • 5位:北上川 河口:宮城県、長さ:249km
  • 6位:阿武隈川(あぶくまがわ)河口:宮城県、長さ:239km
  • 7位:木曽川 河口:三重県、長さ:229km
  • 7位:最上川 河口:山形県、長さ:229km
  • 9位:天竜川 河口:静岡県、長さ:213km
  • 10位:阿賀野川 河口:新潟県、長さ:210km

ちなみに、世界で最も長い川はアフリカ北部を流れるナイル川で、その長さは6,695km。なんと、日本一長い信濃川の18倍以上もあります。

同じ川でも名前が違う? 信濃川と千曲川について

日本の川の長さランキング1位の信濃川は、長野県と新潟県の県境で名前を変え、新潟県では「信濃川」、長野県では「千曲川(ちくまがわ)」と呼ばれます。同じ川なのに場所によって呼び方が変わるのはなぜなのでしょう?

新潟県内では、「長野県の旧国名である信濃から流れてくる川」ということで「信濃川」と呼ばれるようになったといわれます。一方、長野県で「千曲川」と呼ばれるようになったのは、川のカーブが激しく多くの曲流点があることに由来するなど複数の説があります。

ほかにも、地域によって川の呼び名が違う例は「紀の川(和歌山県)」と「吉野川(奈良県)」など多数あり、河川法においては混乱をきたさないよう、一級河川と二級河川を下流側の呼称で統一しています。

それでも、地元で長く親しまれてきた川の呼称は根強く、行政上の呼び名とは異なっていても、その地域で一般的な呼称が表示されていることもあります。

川の流域面積のランキングは?

川の規模を測る指標は「長さ」だけではありません。そこでここでは、日本における流域面積の大きい川ランキングTOP5もあわせてご紹介します。

  • 1位:利根川 河口:新潟県、流域面積:16,840平方キロメートル
  • 2位:石狩川 河口:北海道、流域面積:14,330平方キロメートル
  • 3位:信濃川 河口:新潟県、流域面積:11,900平方キロメートル
  • 4位:北上川 河口:宮城県、流域面積:10,150平方キロメートル
  • 5位:木曽川 河口:三重県、流域面積:9,100平方キロメートル

流域面積は川の長さにも左右されるので、川の長さランキングと同じような顔ぶれになりますが、長さと流域面積のランキングでは順位の入れ替わりがみられますね。

2. 日本一長い川「信濃川」とは

日本一長い川である信濃川は、長野県川上村を源流とし、新潟県新潟市で日本海に注ぐ河川。すでに紹介した通り、長野県内では「千曲川」と呼ばれています。

長野県東部から北部にかけては大きくS字にカーブしながら流れ、新潟県内ではほぼ直線的に流れています。信濃川の水流は発電や農業、工業用水などに利用されており、水量が豊富で流れの早い上流部は水力発電に最適。発電所の数は日本最多を誇っています。

信濃川の歴史

信濃川の流れは越後平野を形成し、陸路が発達していなかった時代には、食糧や燃料、日用品といった物資の運送路としての役割を果たしていました。江戸時代、長岡~新潟間の信濃川の舟運を独占した「長岡船道」は、年貢や一般商品の輸送や保管で大きな利益を上げ、それが城下町・長岡の発展につながっています。

水運により流域の発展を支えてきた一方で、信濃川は長野・新潟の両県において幾度となく水害をもたらしてきました。河川改修や治水工事により、近年では水害が起こりにくくなってきてはいますが、信濃川の歴史は水害との闘いの歴史でもあったといえるでしょう。

島崎藤村の『千曲川のスケッチ』をはじめとした、数々の文学や芸術作品の舞台にもなっており、地域の歴史や文化とも切り離せない存在です。

信濃川関連のおすすめ観光スポット

日本最長の川だけに、信濃川に関連する観光スポットは多数あります。そのひとつが、長野県の信濃川(千曲川)沿いに築かれた城下町・上田。戦国時代に真田昌幸(さなだ まさゆき)が築いた上田城をはじめ、禅宗寺院の安楽寺や「信州最古の温泉」といわれる別所温泉など、風情あふれるスポットが点在しています。

長野県飯山市では、信濃川(千曲川)の急流を利用したラフティングやカヌーなどのアクティビティも楽しめます。

新潟県において、信濃川は新潟市、長岡市、三条市といった県内の主要都市を結んでいます。信濃川が日本海に注ぐ新潟市には、日本海最大級の水族館「新潟市水族館 マリンピア日本海」、日本海や信濃川を一望できる「Befcoばかうけ展望室」、信濃川に架かるシンボリックな橋「萬代橋(ばんだいばし)」など、海と川の魅力を満喫できる観光スポットが満載。

信濃川を運航する水上バス「信濃川ウォーターシャトル」に乗れば、信濃川から新潟の街並みを楽しむことができるのはもちろん、萬代橋の下をくぐるという貴重な体験も待っています。

3. 日本で二番目に長い川「利根川」とは

群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京の1都5県にまたがる利根川は、長さでは日本で2番目、流域面積では日本最大を誇る大河川。関東平野を西から東に貫き、茨城県神栖市(かみすし )と千葉県銚子市(ちょうしし)の境で太平洋に注いでいます。

日本の主要河川のなかでも特に人口が多いエリアを流れており、流域人口は約1,300万人。日本の総人口の10分の1程度にのぼります。

日本の経済成長とともに、首都圏の水源として重要な役割を果たしてきた利根川。今なお、1都5県の約3,000万人に飲み水を供給しています。

利根川の歴史

今でこそ太平洋に注いでいる利根川ですが、最初からそうだったわけではありません。その昔、利根川は群馬県に端を発し、埼玉県を通って東京都の隅田川筋から東京湾に注いでいたのです。1590年に徳川家康が江戸に入城したのをきっかけに「利根川の東遷」と呼ばれる付け替え工事が行われ、千葉県で太平洋に注ぐ河川となりました。利根川の東遷によって関東平野に巨大な水路ができたことで、関東地方はもちろん、遠くは津軽や仙台からも物資が江戸に運ばれてくるようになったのです。

1890年には利根運河が開通し、東京への舟運はさらに早く、安くなりました。翌年には37,000艘(そう)もの船が利根運河を通ったとか。利根川はまさに、近世・近代の首都圏の繁栄を支える大動脈だったといえます。

利根川関連のおすすめ観光スポット

群馬県みなかみ町の水上温泉郷(みなかみおんせんきょう)は、利根川の最上流部に位置する風光明媚な温泉地。堂々たる谷川岳を望む自然豊かな土地に、昭和の香りがするなつかしい温泉街が広がっています。利根川沿いには全長約1.5kmの遊歩道も設けられており、利根川の流れや豊かな緑を眺めながら、のんびりと散策を楽しむことができますよ。

利根川上流部の観光地が水上温泉なら、下流部は千葉県銚子市。千葉県の東端に位置し、三方を太平洋と利根川に囲まれている銚子市は、変化に富んだ豊かな自然風景に出会える場所です。

銚子のシンボルになっている犬吠埼(いぬぼうさき)灯台は、雄大な太平洋が一望できる絶景スポット。青い空と海、すらりとした白亜の灯台のコントラストが美しく「世界灯台100選」にも選ばれています。太平洋沿岸を中心とした銚子ジオパークでは、犬の形をした巨大な岩「犬岩」や「東洋のドーバー」とも呼ばれ映画のロケ地にもなっている屏風ケ浦など、地球の神秘を感じる光景にもお目にかかれます。

また、銚子の利根川沿いに整備された河岸公園は、千葉県と茨城県を結ぶ銚子大橋を望む絶好の撮影スポット。利根川を眺めながらの休憩にもぴったりです。

銚子の観光について詳しくは「銚子の観光ガイド~銚子の見どころやおすすめスポット18選~」をご覧ください。

4. 日本で三番目に長い川「石狩川」とは

日本で3番目に長い石狩川は、石狩岳を水源とし、石狩湾で日本海に注ぐ北海道中西部を流れる川。その流域は北海道最大の都市・札幌をはじめ46市町村にのぼり、北海道の社会・経済の発展を支えてきました。

石狩川周辺は大雪山国立公園、支笏洞爺国立公園(しこつとうやこくりつこうえん)、層雲峡(そううんきょう)など、北海道らしいダイナミックな自然環境に恵まれており、湖や渓谷、火山など、バラエティ豊かな自然美が楽しめます。

石狩川の歴史

石狩川の名は、アイヌ語で「非常に曲がりくねった川」を意味する「イ・シカラ・ペツ」に由来します。その名の通り、かつて広大な泥炭地が続いていた石狩平野では、あちこちで川が縦横に蛇行し、氾濫を繰り返していました。1898年の大洪水をきっかけに、石狩川の本格的な治水事業が計画され、半世紀以上をかけて、護岸の補強や放水路の開削(かいさく)、捷水路(しょうすいろ)工事などが行われました。

その結果、石狩川の水位が低下したことにより泥炭地の開発が進み、広大な農業地帯が生まれたのです。

石狩川関連のおすすめ観光スポット

石狩川が日本海に注ぐ場所に位置するのが、北海道石狩市。長い海岸線を有する石狩は、美しい自然風景を楽しみながらのドライブ旅行にぴったりです。

石狩でトップクラスの人気を集める観光スポットが、初夏になると北海道の花であるはなますの群生がみられる「はなますの丘公園」。はなますだけでなく約180種もの海浜植物が自生しており、赤白のストライプが印象的な石狩灯台と花々が織り成す風景は絵画のようです。

漁業が盛んな石狩では、海の恵みを味わうのも旅の楽しみのひとつ。港の朝市を訪ねたり、鮭の専門店「サーモンファクトリー」で石狩の鮭を堪能したりと、港町ならではの時間を満喫しましょう。

北海道旭川市にある「神居古潭(かむいこたん)」は、石狩川の急流を望む景勝地。石狩川に架かる木製の白い橋と周囲の木々とのコントラストが美しく、四季折々の自然美が心を癒してくれます。アイヌ語から名付けられた神居古潭は、アイヌの人々にとっての聖地でもありました。石狩川の浸食によって、アイヌの伝説に登場する奇岩やおう穴群が生まれたのです。アイヌの伝説を知ってから訪ねると、神居古潭をより深く楽しめること請け合いです。

5. 日本で四番目に長い川「天塩川」とは

天塩川(てしおがわ)は、北海道の士別市から天塩町を流れる川。「天塩川」の名は、「梁(やな)のような岩が多い川」を指すアイヌ語の「テッシ・オ・ペッ」に由来するといわれ、岩が連なる独特の景観が見られる場所があります。

天塩川の流域は、渓谷美が特徴の上流部、山あいを流れる中流部、激しく蛇行する下流部に分けられ、上・中流部では稲作や畑作、下流部では畑作や酪農が盛ん。河口近くではサケ、マス、ヤマトシジミの漁も行われています。

天塩川の歴史

天塩港は、江戸時代に北前船(きたまえぶね)の港として開かれ、明治30年代から昭和初期には「天塩材」の集積地として繁栄しました。天塩川は、木材をはじめとする物資の運搬路としての役割を果たし、小樽から天塩港に送られてきた日用品は、天塩川を経て道内各地に運ばれました。こうして、天塩川は天塩港と一体となって地域経済を支えてきたのです。

北海道の名付け親として知られる松浦武四郎は、江戸幕府の命により、天塩川の調査のため、当時「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれた北海道に渡ります。松浦武四郎はアイヌの人々とともに24日間を費やして天塩川の調査を行い、その経験をもとに紀行本『天塩日誌』を著しました。

天塩川関連のおすすめ観光スポット

手つかずの自然が残り、あちこちで心安らぐ風景に出会える天塩川周辺。北海道美深町(びふかちょう)の「トロッコ王国美深」では、森のなかでトロッコ遊びができるほか、士別市と滝上町にまたがる天塩岳(てしおだけ)では、色とりどりの草花や、どこまでも続くしなやかな緑の稜線が楽しめます。

また、天塩川は全国のカヌー愛好家憧れの川。ダムや堰堤(えんてい)が少ないことから、日本有数のカヌースポットとしても知られ、中流から河口までの約160kmを一気に下ることができるのです。ショートコースもあり、カヌー初心者でも体験可能。風を感じながら、雄大な川の流れに乗るひとときは格別です。

さらには、冬にだけ見られる天塩川の特別な風景も。真冬になると川が凍りつき、河口から130kmにわたって「氷の一本道」が出現するのです。真っ白に雪化粧した周囲の木々とあいまって、視界いっぱいに幻想的な光景が広がります。

6. 日本で五番目に長い川「北上川」とは

北上川は、岩手県岩手町に源を発し、岩手県と宮城県にまたがって流れる東北1位の川。日本の河川としては、勾配(こうばい)がゆるやかなところに特徴があります。古くから、奥州(おうしゅう)藤原文化に代表される東北独自の文化圏を形成し、その風景は花巻市出身の宮沢賢治や、盛岡市出身の石川啄木らの作品の題材にもなりました。

流域には北上盆地や仙北平野があり、東北の米づくりを支える穀倉地帯になっています。

北上川の歴史

北上川流域の本格的な開発がはじまったのは、南部氏の盛岡藩と伊達氏の仙台藩が統治した時代からでした。伊達政宗は藩の財政を豊かにするため、新田開発を奨励。家臣の白石宗直(しろいし むねなお)に北上川の改修を命じ、1610年に完了した工事によって北上川は独立河川となります。

その後も度重なる改修が加えられ、1626年には北上川、迫川(はさまがわ)、江合川(えあいがわ)の三川合流という大事業が終了。これらの改修によって、流域での新田開発が盛んになっただけでなく、水上輸送網の確保により藩の財政も潤いました。

北上川の舟運による江戸への年貢米の輸送も活発に行われ、最盛期には江戸の米の3分の2が北上川流域から運ばれたものだったといいます。

北上川関連のおすすめ観光スポット

北上川によって発展してきたのが、岩手県盛岡市や花巻市といった東北の主要都市。

盛岡は、明治期の洋館をはじめ数々の歴史的建造物が残るノスタルジックな街です。花崗岩(かこうがん)を積み重ねた石垣が見事な盛岡城跡公園や、盛岡の明治建築を代表する壮麗なルネッサンス様式の「岩手銀行赤レンガ館」、12の社殿を持つ盛岡八幡宮など、バリエーション多彩な観光スポットがそろい踏み。わんこそばや盛岡冷麺といったローカルグルメのほか、南部鉄器や漆器などの伝統工芸も盛んで、岩手の歴史や文化の探訪にぴったりの旅先です。

童話作家・宮沢賢治のふるさととして知られるのが、花巻市。豊かな自然に抱かれた花巻は、森に囲まれた「釜淵の滝(かまぶちのたき)」や、美しい四季の風景に出会える葛丸川渓流(くずまるかわけいりゅう)などの自然スポットのほか、「宮沢賢治記念館」や「宮沢賢治イーハトーブ館」「宮沢賢治童話村」など、宮沢賢治に関連するミュージアムも充実。ファンならずとも、その世界観に改めてふれることで、宮沢文学の魅力を再発見したいですね。

このように、日本の大河流域では長い歴史のなかでさまざまな文化や伝統が育まれてきました。

大きな川となると、川を目的に旅行をすることはあまりないかもしれません。しかし、その歴史や流域について知って眺めてみると、格別の感慨を味わえるはずです。近くを訪れた際は、ぜひ意識して楽しんでみてください。

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