アートな土木を見に行こう!レンガ造りの貴重な資料、水閘(すいこう)散策【千葉県松戸市・東京都葛飾区】

小山樋門

松戸市は千葉県北西部の東葛地域にある人口約50万人の住宅都市です。JR常磐線をはじめ6本の鉄道が東西南北を走り、国道6号(水戸街道)が貫くアクセス良好な土地で、江戸時代には松戸宿として栄えました。

今回は、松戸市と近隣である東京都葛飾区にあるレンガ造りのアートな近代建築「水閘(すいこう)」をご紹介します。水閘とは、灌漑などで、河川の水の流れを調節するために作られた水門のことです。

横浜の赤レンガ倉庫などに代表される近代のレンガによる建築物。レンガ建築ってなぜか見る人をノスタルジックで温かみのある感情にさせてくれるような気がしますね。

目次

千葉県内に現存する最古のレンガ造り水門:小山樋門(こやまひもん・通称めがね橋)

小山樋門

松戸市西岸を流れる江戸川。小山樋門(通称:めがね橋・レンガ橋)は松戸市の西端、JR常磐線と東京外環自動車道が交差するあたりにひっそりと佇んでいます。少し下流に行くと演歌でも名高い「矢切の渡し」があります。

小山樋門は、明治31(1898)年に松戸市内に流れている坂川に、江戸川の逆流を防止するため建造されました。半円が3つ連なる3連アーチ橋と呼ばれる構造のレンガ造りの水門です。現在では、水門としての役割はなく、その坂川を渡る県道5号線の道路橋として利用されています。たもとには小さく標識があります。

小山樋門

側道から川岸に降りられる階段があるので、全容を正面から見ることができます。

階段

小川のせせらぎと、岸辺の緑。レンガ造りの水門橋が調和しており、都会の喧騒を忘れさせてくれる空間になっています。スケッチに残したい風景がそこにありました。

小山樋門

住所:千葉県松戸市小山地先

土木史の貴重な建造物:柳原水閘(やなぎはらすいこう)

柳原水閘

続いてご紹介するのは、小山樋門から4kmほど。江戸川沿いに位置する「柳原水閘」です。明治37(1904)年、こちらも排水の悪かった坂川に、江戸川からの逆流を防ぐ目的で作られました。説明板によれば、このようなレンガ造りの樋門は作られた時代が明治から大正のわずかな期間であったため非常に珍しいものだそうです。

柳原水閘

柳原水閘の周囲は遊歩道があり、ちょっとした広場として整備されています。柳原水閘は半円アーチが4つ連なる4連アーチ型の樋門です。ここまで大規模ものは現存する例があまりなく、明治時代のレンガ築造技術を伝える上でも貴重な資料になっています。

柳原水閘

柳原水閘

柳原水閘

住所:千葉県松戸市矢切3丁目1397

水元公園にある葛飾区登録文化財:閘門橋(こうもんばし)

閘門橋

葛飾区と三郷市の境にある「水元公園」。住民の憩いの場に佇む、都内唯一といわれるレンガアーチ橋がこの「閘門橋」です。水元公園の北側にかかるこの橋は明治42(1909)年に完成。古利根川と小合川の氾濫を防ぐ目的で作られました。

閘門橋

正式名称は「弐郷半領猿又閘門(にごうはんりょうさるがまたこうもん)」といいます。「弐郷半」とは現在の三郷、吉川周辺の名称で、いまでも三郷市には「弐郷半領用水緑道」という緑道があります。

閘門橋

ご覧の通り、橋の中央からは張り出し部があり、何とも言えない重厚感を醸し出しています。また、その先端からは水門を流れる水の様子を間近に見ることができます。

閘門橋

さらにアーチ部の上には水門の開閉を行っていたであろう人をモチーフにした像が2体設置されています。

閘門橋

当時の人々の水との闘いの面影は思い知ることができないほど、これらのレンガ水閘は静かにたたずんでいます。機能美はさることながら、治水とはなんだろう。そんなことに少し触れてみるいい機会だと思います。親子で散策してみてはいかがですか。

閘門橋

住所:東京都葛飾区西水元7

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BOZU

横浜市出身。新卒から旅関連の事業に携わっており、日本国内は離島以外すべて訪問。海外も10か国30都市以上渡航しています。タイのバラマンディー釣りと手長えび釣り屋さんで釣って食べた手長えびの入りトムヤムクンとビールの体験と味。奄美大島の鶏飯と黒糖焼酎の味が忘れられません。焼酎・歴史・釣り・キャンプ・高校野球そしてシウマイ弁当を愛する元野球部。

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