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フランス流のクリスマスとは?現地の様子や日本でも取り入れたい要素を徹底解説!
フランスにおけるクリスマスは、年に一度の非常に大切な日。日本の正月のようなイメージで、家族と過ごします。街中はクリスマスムード一色になり、都市によってはクリスマスマーケットも盛大に開催されます。近年は、日本でもクリスマスマーケットを開催しているところがありますが、いつかクリスマスのシーズンにフランスを訪れて、本場の雰囲気を満喫できたら最高ですよね。
そこで今回は、フランス・パリで長期滞在を経験した筆者が、フランスのクリスマス事情について紹介します。定番の過ごし方から、日本でも取り入れられるフランス流クリスマスの楽しみ方も紹介しいきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 3.1 フランス人はクリスマスにこんな準備をしている
- 3.2 フランス人が用意するクリスマスプレゼントは?
- 3.3 フランス人がクリスマスに食べるもの・飲むもの
- 3.4 フランスでは朝までクリスマスを過ごす?
1. フランスではどんなクリスマスを過ごす?
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
フランスにおいて、クリスマスは1年に一度の大切な日。最初の項目では、フランス人にとってクリスマスが重要な理由と、メジャーな過ごし方を紹介します。
1.1 フランスにおいてクリスマスは重要な期間
フランスはさまざまな民族が住む多民族国家ですが、主な宗教としてはカトリックが浸透しています(※)。カトリックの国であるフランスでは、クリスマスシーズンは11月末頃から始まり、24日のクリスマスイヴが近づくと、家族と過ごすために帰省ラッシュが始まるのが特徴。
クリスマスシーズンが到来すると、パリをはじめ、フランスの各都市でクリスマスマーケットが開催されるほか、スーパーやデパートでもクリスマスギフトの販売が始まるなど、街中は一気にクリスマスムードに包まれます。
※編集部註:現在のフランスでは、異なる宗教を信仰する方や無宗教の方も多数存在します。この記事では、カトリックが元になった慣習の一環として、今も残るクリスマスの文化について紹介しています
1.2 フランスのメディアはクリスマスの時期にこんな情報を発信
フランスでは、クリスマスの時期になると、フランスで有名な各都市のクリスマスマーケットや、パリ市内のイルミネーションの様子がテレビなど各種メディアで報道されます。街中ではポスターや広告を通じて、クリスマスギフト向けのジュエリーやコスメ、ファッションやクリスマスディナー向けの食品に関する情報が発信されるのが特徴です。
また、フランスにも「Père Noël(クリスマスのお父さん)」と呼ばれるサンタクロースが存在します。クリスマスの時期には、小学校で子どもたちがサンタクロースへのカードや手紙を書く様子が、メディアを通じて伝えられることもあります。
2. クリスマス中のフランス・パリはこんな様子
<写真はイメージです。Photo by Stephanie LeBlanc on Unsplash>
続いての項目では、筆者がパリへ長期滞在していたときに見た、パリ市内におけるクリスマスマーケットの様子や、街の雰囲気などを紹介します。
2.1 フランス・パリのクリスマスマーケットはこんな感じ
パリでは、ルーヴル美術館から近いチュイルリー公園や、パリ市庁舎前、ビジネス街のLa Defense(ラ デフォンス)を中心に、区ごとで大小さまざまなクリスマスマーケットが開催されます。
クリスマスマーケットを訪れたら、食べ歩きは欠かせません!マーケットにはさまざまな屋台が並び、ホットワインおよびグリューワイン(vin chaud / ヴァン ショー)やクレープ(crêpe / クレープ)、ワッフル(gaufre / ゴーフル)、ジャガイモの上にとろけたチーズが乗ったラクレット(Raclette / ラクレット)などが楽しめます。
また、チュイルリー公園のクリスマスマーケットには大型の遊園地も設置されるため、子どもと一緒に観覧車やジェットコースター、メリーゴーランド、お化け屋敷などのアトラクションを満喫できるのも魅力ですよ。
「チュイルリー公園のクリスマスマーケット」の基本情報
※編集部註:2019年の情報です。最新情報はフランスの観光サイトなどでご確認ください
- 名前:チュイルリー公園のクリスマスマーケット(Marché de Noël du Jardin des Tuileries)
- 住所:Jardin des Tuileries 75001 Paris
- 開催期間:【11月末より開催】
[月〜木、日曜]11:00〜23:45、[土]11:00〜0:45、12月25日と12月31日 11:00〜20:00 - 参考サイト:フランス観光開発機構のイベント紹介ページ
- Googleマップ:
2.2 クリスマス期間はフランス・パリの街がこう変わる
11月下旬になりクリスマスマーケットが始まると、街全体もクリスマスムードに染まります。デパートやスーパーのディスプレイがクリスマス仕様になったり、シャンゼリゼ通りでイルミネーションが始まったりと、普段とは違ったパリの顔が垣間見えます。
同時にクリスマスセールも始まり、デパートは家族へのクリスマスギフトを探すパリ市民で混み合うように。通りを歩いていると、大きな買い物袋を持った人を多く見かけるようになります。
またクリスマスツリーも、クリスマスマーケットにはもちろん、デパートの中やショッピングモールの付近など、さまざまな場所に設置され、ムードを盛り上げます。
3. 筆者が見たフランス人流クリスマスの過ごし方
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ここからは、現地のフランス人によるクリスマスの過ごし方について紹介します。伝統的な家庭や若い世代などによって、クリスマスの過ごし方はどう変化するのか、そういった点にも注目してみましょう。
3.1 フランス人はクリスマスにこんな準備をしている
フランス人はクリスマスが近づくと、もみの木や飾りのオーナメント、アドベントカレンダーを用意します。もみの木はスーパーやホームセンターの店頭、特設の市場で売られ、気軽に購入できるのが特徴。自宅用にもみの木を購入し、子どもと一緒に運ぶ家族連れを街中で見かけることも増えます。
ただし、一人暮らしをしている若者は、クリスマスの時期になると実家に帰省するため、自宅には飾らないことも多いようです。
クリスマスツリーをデコレーションするオーナメントは、モノプリ(Monoprix)などのスーパーをはじめ、ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)やボンマルシェ(Bon Marché)といったデパート、各地のクリスマスマーケットなどで、豊富に取り扱っています。オーナメントは木製の伝統的なものから、金属やガラス製の高級品まで、さまざまな種類が並んでいるのが特徴です。
アドベントカレンダーとは、12月1日からクリスマスまでの日数をカウントダウンするカレンダーのこと。いわゆる壁掛けカレンダーのような薄い紙ではなく、箱を積み重ねた形状です。日付が書かれた箱の中にはチョコレートやおもちゃなどが入っており、毎日何が入っているかを想像しながらひとつずつ開けていき、クリスマスを迎えます。
特に子どもがいる家庭では、市販のアドベントカレンダーを購入したり、家庭で手作りしたりすることもあります。
「ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン」の基本情報
- 名前:ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン(Galeries Lafayette Paris Haussmann)
- 住所:40 Boulevard Haussmann, 75009 Paris
- 営業時間:[月〜土]11:00〜20:00、[日]11:00〜19:00
※営業時間は変更される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください - HP:公式HP
- Googleマップ:
3.2 フランス人が用意するクリスマスプレゼントは?
フランスでは、家族一人ひとりにプレゼントを用意するのが一般的。男女問わず定番のプレゼントは、普段身につけられるマフラーや手袋・セーターなどの衣類と香水です。特にフランスでは香水文化が根付いているため、定番のクリスマスプレゼントとしてよく贈られます。
女性向けのクリスマスプレゼントとしては、コスメやアクセサリーが定番。デパートなどではクリスマス限定のコスメも販売されるため、ギフトセットをプレゼントすることがあります。男性へのクリスマスプレゼントは、お酒や靴下が人気。お酒はワインやウィスキー、リカーなど、事前に好みをリサーチして贈ります。子ども向けには日本と同じように、ぬいぐるみやおもちゃなどを贈ることが多いようです。
なお、日本ではプレゼントを購入するとその場でラッピングを頼めることが多いですが、フランスではラッピング用品を別に購入し、自分でラッピングするのが一般的です。
3.3 フランス人がクリスマスに食べるもの・飲むもの
美食の国フランスでは、クリスマスの食事も非常に大切にされ、こだわりがあります。クリスマスの食卓に並ぶのは、スモークサーモンやフォアグラを使った前菜から生牡蠣をはじめとするシーフードの盛り合わせ、七面鳥(またはチキンやローストビーフ)、チョコレート、ブッシュドノエルなどのケーキ、シャンパンが一般的です。
前菜では、フランスの特産品であるフォアグラを必ずといっていいほど食べます。クリスマスの定番といえば七面鳥やチキンの丸焼きを想像しますが、フランスではこれらに加えて生牡蠣も欠かせません。大人はシャンパンを飲みながら、クリスマスの食事を堪能するのがフランス流。
最後は紅茶やコーヒーと一緒に、チョコレートやケーキを味わいます。フランスの定番クリスマスケーキであるブッシュドノエルは、クリスマスの薪をイメージしたケーキです。フランス人は早くから近所のパン屋やケーキ屋にブッシュドノエルを予約しクリスマスを迎えます。
3.4 フランスでは朝までクリスマスを過ごす?
クリスマスの本番である、12月23日、24日、25日のフランス的な過ごし方を紹介しましょう。 23日は、実家に帰省し家族で翌日のクリスマスパーティーに向けた準備を始めます。デパートやスーパーが開いているのは、基本的に23日または24日の夕方までのため、買い物は23日中に済ませることが多いです。
24日には、ラッピングしたプレゼントをクリスマスツリーの下に置いておきます。昼過ぎからディナーの準備をし、夕方頃からパーティーを開始!前菜、メイン、デザートとフルコースを準備して、家族や親戚とディナーを楽しみます。24日の夜に教会のミサへ参加するのは必須ではなく、現在は敬虔なクリスチャンのみが参加する傾向にあるようです。
25日は、朝起きたら家族でクリスマスプレゼントの開封をします。その場で自分がどのようなプレゼントをもらったのかを開けて披露し、家族団らんの時間を過ごします。
4. フランスらしさが高まるクリスマス要素はコレ!
<写真はイメージです。Photo by Eugene Zhyvchik on Unsplash>
日本でもフランスのようなクリスマスを過ごしてみたい!そんな方のために、雰囲気がグッと盛り上がる2つのポイントを紹介します。
4.1 クリスマスディナーにフランスの輸入食品や冷凍食品を活用
日本にある輸入食品店や、フランス発の冷凍食品専門店「ピカール(Picard)」で、フランス産商品を購入すれば、手軽にフランスらしいクリスマスの食卓が再現できます。チーズやフォアグラのパテといった前菜からチョコレートにケーキまで、フランスのクリスマスディナーに欠かせない食べ物が見つかりますよ。
パンを用意する際には、パテや惣菜を乗せておしゃれな前菜が作れるバゲットを選ぶ、クリスマスのモチーフが描いてあるナプキンや食器を用意しテーブルセッティングにもこだわるなどすると、よりおしゃれなクリスマスパーティーになります。 下記の関連記事も参考にしてみてくださいね。
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4.2 クリスマスプレゼントや過ごし方もフランス流に?
先ほど紹介したように、フランスではおうち時間の充実を重視したクリスマスを過ごします。日本でも、次の日に休みを取り時間を気にせずパーティーを楽しんでみる、自宅で大切な人たちと映画鑑賞やボードゲーム、みんなで楽しめるビデオゲームを満喫するなど、フランス流の過ごし方を試してみるのも良いでしょう。
フランス流のクリスマスについて、街の様子から期間中の過ごし方まで、一挙にご紹介しました。日本では、外へ食事に行くなどアクティブに過ごす方も多いですが、フランスでは自宅で家族との時間をゆっくり過ごすことが定番です。
日本でもフランス流のクリスマスを体験してみたい方は、輸入食品をフル活用してクリスマスの食卓を再現するなど、工夫を凝らしたちょっと特別な夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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natsumi@Paris
- パリ在住のフリーランスライター&ブロガー。WORK HARD, TRAVEL HARDERをモットーに、世界30カ国への旅やパリライフの経験をメディアで発信中。パリをはじめ、現地の生活に溶け込んで得たリアルな情報をお届けします!