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イタリアの初摘み!?秋の味覚を楽しめるノヴェッロなワインとオリーブオイル
ワインやイタリア料理が好きな人なら、「ノヴェッロ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「ノヴェッロ(Novello)」とは、「新しい」という意味のイタリア語で、その年に収穫されたブドウを使って造られるワインや、搾りたてのオリーブオイルを指すときに用いられます。 秋のイタリアでは、ノヴェッロ・ワインがワイナリーで販売され始めるほか、レストランなどでも飲めるように。また、ノヴェッロ・オリーブオイルは搾りたてならではのフレッシュな味わいが特徴で、通常のオリーブオイルとは大きく異なるものです。 この記事では、秋の食材とも相性がよい、ヴィーノ・ノヴェッロとノヴェッロ・オリーブオイルの魅力についてご紹介します。
目次
- <1. イタリア各地で作られる「ヴィーノ・ノヴェッロ」とは?>
- <2. ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日と作り方は?>
- <3. ヴィーノ・ノヴェッロは秋の味覚とあわせて>
- <4. もう一つのイタリア初摘み「ノヴェッロ・オリーブオイル」とは?>
- <5. ノヴェッロ・オリーブオイルは早く使い切ろう>
- <6. ノヴェッロ・オリーブオイルの産地とオススメの食べ方>
1. イタリア各地で作られる「ヴィーノ・ノヴェッロ」とは?
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
イタリア各地では、その年に収穫されたブドウを使って造られる新酒のことを、「ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)」と呼びます。ヴィーノ(vino)とは「ワイン」のことで、ノヴェッロ(novello)は「新しい」を意味するイタリア語です。
日本では、毎年解禁日が話題となるフランスの「ボジョレー・ヌーヴォー」が有名ですよね。これのイタリア版が、「ヴィーノ・ノヴェッロ」です。ただし、ボジョレー・ヌーヴォーはフランスのボジョレー地区で収穫される、特定のブドウ品種で作られるものに限定するのに対し、ヴィーノ・ノヴェッロは地区を限定しません。
その年に収穫されたブドウでつくられるヴィーノ・ノヴェッロは、熟成させていないためフルーティで飲みやすい味わいに仕上がります。
2. ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日と作り方は?
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ヴィーノ・ノヴェッロは、毎年10月30日に解禁されます。ボージョレ・ヌーヴォは11月の第3木曜日に解禁なので、ヴィーノ・ノヴェッロのほうが少し先に秋の新酒を味わうことができますね。この解禁日は、イタリアのワイン法により決められています。
また、ヴィーノ・ノヴェッロやボジョレーヌーボーは、通常のワインとは異なる「マセラシオン・カルボニック」という製法で作られています。あまり聞慣れない言葉ですが、日本語で言う「炭酸ガス浸潤法(または浸漬法)」のこと。
通常はブドウを潰したジュースをタンクに入れて発酵させますが、マセラシオン・カルボニックではブドウを潰さずにタンクへ入れていき、ブドウ自体の重みで先に入れたものから潰れ、自然発酵していきます。これにより、潰れたブドウが発生させる炭酸ガス(二酸化炭素)をタンクに充満させていくのです。
この製法では酸化しにくい状態で発酵していくことから、通常のワインよりも苦みや渋みが少なく、すっきりとした味わいに。普段はワインを飲まない人や、赤ワインは渋くて苦手という方にも、ヴィーノ・ノヴェッロは飲みやすいワインとされます。
実際、筆者自身も赤ワインということで重たくしっかりとした味わいを想像しましたが、入荷されたばかりというヴィーノ・ノヴェッロを試したところ、さっぱりとした軽い飲み口で、とても飲みやすかったです。ランチに軽く1杯飲むにもぴったりでした。
3. ヴィーノ・ノヴェッロは秋の味覚とあわせて
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
秋の恵みを感じられる、フレッシュなヴィーノ・ノヴェッロには、同じくイタリアにおける秋の味覚の代表こと、ポルチーニ茸とのマリアージュがオススメ。 「イタリアの松茸」ともいわれるポルチーニ茸は、香りが良く肉厚でジューシー。秋になると、レストランではポルチーニ茸を使った様々なメニューが登場します。定番のポルチーニ茸のソースを絡めたパスタや、フリットやリゾットなども。
癖がなく飲みやすいヴィーノ・ノヴェッロと、香り豊かなポルチーニ茸の組み合わせは秋を感じる味と言えるでしょう。
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4. もう一つのイタリア初摘み「ノヴェッロ・オリーブオイル」とは?
<写真はイメージです。Pixabay(CC 0)>
これまでイタリアの新酒であるヴィーノ・ノヴェッロをご紹介しましたが、実はワイン以外にもう一つ、「ノヴェッロ」があります。それが、これからご紹介する「ノヴェッロ・オリーブオイル(または単にノヴェッロ)」。お酒は苦手だけれど、料理やグルメに関心がある方は、むしろこちらをご存知かもしれません。
ノヴェッロ・オリーブオイルは、その年の秋に早摘みされたオリーブから抽出したエキストラバージンオリーブオイルで、年に一度だけしか生産されない貴重なものです。ノンフィルター(濾過処理なし)で作られ、搾りたての状態をできる限り早く、できるだけ空気に触れないよう瓶詰めをして、酸化を防ぎます。
そのため、一口食べてみればオリーブそのもののような香りと、ほろ苦い味が口の中に。これこそ、鮮度が命のノヴェッロ・オリーブオイルだからこそ感じられる、フレッシュな風味と味わい。またボトルの底に、オリーブの欠片などが沈殿しているのが、ノヴェッロ・オリーブオイルの証しでもあります。そのため、購入するときはボトルの底を確認してみましょう。
5. ノヴェッロ・オリーブオイルは早く使い切ろう
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
オリーブは、収穫したてが「香り」、「苦み」などの味わいを一番強く感じられます。つまり、ノヴェッロ・オリーブオイルは、オリーブそのものの味や風味を一番ストレートに味わえるオイルということ。そこから、時間が過ぎていくと味わいや香りが変化して、おだやかな味わいに変化していきます。
また、先ほどノヴェッロ・オリーブオイルはノンフィルターで搾ると紹介しましたが、これの影響でオリーブが持つ水分や実の欠片なども一緒に瓶へ詰められるため、状態の変化が早くなってしまっています。
ですから、お土産で頂いたから、せっかく買った大切なものだからといって、長期間とっておくと品質や味が変わってしまうことも。ノヴェッロ・オリーブオイルは、美しいオリーブグリーンの色合いと新鮮な味わいを楽しめるうちに、なるべく早く使い切る方がベターですよ。
6. ノヴェッロ・オリーブオイルの産地とオススメの食べ方
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ノヴェッロ・オリーブオイルは、ウンブリア州やトスカーナ州、シチリア島など、イタリア各地で収穫されています。そのため、秋にイタリアを旅したときはノヴェッロの文字がレストランやスーパーにないか、ぜひ探してみてください。
食べ方としては、フライパンにひいて調理に使うよりも、オイルそのものを味わうのがオススメ。たとえば、サラダにドレッシング感覚でかけるほか、グリルした魚や野菜などにかけるだけでも、風味が増して美味しくなります。
スープやパスタなどには、仕上げの時にさっと回しかけるだけでオリーブの風味が漂い、いつもとは一味違う仕上がりになりますよ。もちろん、パンにそのままつけて塩をかけるだけ、というシンプルな食べ方もおすすめ。ノヴェッロ・オリーブオイルはその年によって味や風味が異なるため、これまでとの違いを比べるのも楽しいものです。
秋のイタリアでしか味わえない、新鮮なワインとオリーブオイルについて、ご紹介してきました。これらは作られた地域や合わせる料理によっても、味わいががらりと変わります。ますます、イタリアの奥深い食文化を感じられるはずですよ。
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La luce del Sud
- 人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。