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ワイン好き添乗員と"行ったつもりでワイン旅行" ~イタリア リグーリア州編~

記事投稿日:2020/03/19最終更新日:2020/03/19

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「ワイン好き添乗員と行ったつもりでワイン旅行」

第一弾はイタリアです。

イタリアは20の州に分かれていますが、その中でも3番目に小さいリグーリア州(Liguria)のワインを"行ったつもり"で楽しみましょう!美味しいワインを飲みながら、読んでくださいね!

と、その前に!

自己紹介させてください。私「ワイン好き添乗員」と申します。

世界中のワインが飲める仕事、海外旅行添乗員(笑)になって20年。相変わらず各国のワインを楽しんでいます。ワインはブドウだけで造りますがとても奥が深く、驚きと感動を与えてくれるお酒。ワインに合うお料理を考えることも楽しみのひとつです。私が感じ、味わってきたワインの魅力をたびこふれでご紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いします!

目次

ワイン生産量世界一はイタリア!

長靴の形をしたイタリアは20の州に分かれています。その20の州全部でワイン用のブドウ栽培が行われています。

お隣のワイン大国フランスは国土面積がイタリアの2倍もあるのに、イタリアの方がフランスより少し生産量が上回っているのだとか・・・!

なぜ?それはフランスでは気候が寒すぎてワイン生産用のブドウを栽培できない地域が多くあるんです。一方イタリアはどこに植えても美味しいブドウが育つ国なのです。紀元前8世紀ギリシャ人がブドウの苗片手にはるばるイタリア半島にやって来た時、どこに植えても良くブドウが育ち、美味しいワインができたので「エノトリアテルス:ワインの土地」とイタリアの事を呼んだそうです。

そんな恵まれた国イタリアの中でも3番目に小さな州「リグーリア州」をワインでご紹介します

リグーリア州とは

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平地が全くないリグーリア州

イタリアにある20の州の中でも3番目に小さいリグーリア州。日本の千葉県と同じくらいの面積です。

北側はイタリア超有名ワイン産地ピエモンテ州(Piemonte)やエミリア・ロマーニャ州(Emilia-Romagna)、西側にはワイン大国フランス、東側にはこれまたワイン銘醸地のトスカーナ州(Toscana)、そして南側にはリグーリア海。東西に長く弓型の形をしています。

代表的な観光地は、かつて地中海貿易の覇権をヴェネチアと奪い合った港町ジェノバ(Genova)。コロンブスの出身地、パスタのジェノベーゼソース発祥の地ですね。また、リグーリア海に点在する5つの村チンクエ・テッレ(Cinque Terre)も世界遺産です。

そんなリグーリア州ですがなんと平らな土地がありません。州の65%が山岳地帯、35%が丘陵地帯、そのうち69%は森林です。そこでお客様からこんな質問が!!

お客様「ねえねえ添乗員さん、65%が山岳地帯、35%が丘陵地帯、いったいどこにブドウ畑があるの?」

リグーリア州に来たら誰もが思うはず!

添乗員「はい、それではその答えを探しに海岸線の5つの村、チンクエテッレに行きましょう。びっくりするようなブドウ畑があるんですよ。」

お客様「海岸線の村にブドウ畑?しかもここでしか造れない甘口ワインもあるって聞いたけど・・・」

添乗員「そうです!甘口ワインも生産していますよ。とにかく行ってみましょう!」

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リグーリア州1のブドウ産地 チンクエテッレ

全長25kmの海岸線に5つの村が海に開けて点在しています。この5つの村、もともと農業を営むために人が集まってきました。かつては内陸と隔たり孤立した村々でしたが、現在は電車でアクセスできます。

最初に到着したのがヴェルナッツァ村(Vernazza)。小さな港をかかえていて、港を見下ろす展望台からは青い空、青い海、カラフルな色の建物、そして、えっ?ブドウ畑!なんと海のそばに絶壁がそそり立ち、その急な傾斜をよく見ると長い石垣。さらによーく見るとそこにはブドウが植えられているではありませんか。 

添乗員「皆さんご覧ください、あの断崖絶壁の斜面、よーくみると石垣で形成された段々畑にブドウが植えられています。わかりますー?」

お客様「うわっ、本当だ。しかもあんなに高いところまで!」

岩山のてっぺんまで続く石垣の段々畑は実に印象的な景観です。そこで

添乗員「それではここでクエスチョン!この石垣の総延長はどのくらいだと思いますか?」

お客様「・・・・・・」

添乗員「実は・・・総延長7,000km以上あるんです。東京からロシアのサンクトペテルブルクまでと同じ距離。」

お客様「す、すごい!リグーリア州って千葉県と同じくらいの大きさって言ってたわよね。」

では実際石垣のそばまで行ってみましょう。息を切らしながら登っていくと石垣が見えてきました。この石垣、実はもともとブドウ畑のために造ったのではなく、土砂崩れを起こさないために造られました。この辺りの土壌は砂質で、雨が多く降ると砂がどんどん海の方に流れてしまいます。砂が流れないようにこの石垣で止めています。石垣は石を重ねただけ。セメントなど接着させるものは使っていません。石と石の間から水だけが流れるようになっています。

添乗員「ではこの石垣の石、触ってみてください。」

お客様「わっ、熱い。」

添乗員「そうなんです。直射日光を浴びたこの石垣に熱がこもり、日が暮れて寒くなってもブドウ畑をポカポカ温めてくれます。ブドウ畑のホカロンです。」

お客様「これぞ一石二鳥ってわけですね」 

電車の時間になり次の町マナローナ(Manarola)へ。チンクエテッレでは各村を絶壁にある遊歩道で結んでいます。マナローナでは少しこの遊歩道を歩いてみました。景色のとても良い遊歩道なのですが、とにかく直射日光が暑い。ブドウはこの環境で、糖度も高く上質なブドウになります。

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ブドウの糖分を残した甘口ワイン「シャケトラワイン」

それではワイナリーを訪問しましょう。ワイナリーではこの地域で収穫される白ブドウを使い、魚介料理によく合う上質な辛口白ワインが生産されています。

そしてこのチンクエテッレで最も有名なワインが甘口ワインの「シャケトラ」です。

添乗員「それではここで少しおさらいです。ワインの原料はブドウです。このブドウの糖分を酵母菌が食べてアルコールと炭酸ガスが生まれます。」

お客様「酵母菌がブドウの糖分を食べきるころ、アルコール度数もあがってワインとなるのよね」

添乗員「はい、その通りです!では、もし酵母菌が食べきれないほどの糖分がブドウにあったらどうなるでしょう?」

お客様「え、食べきれない?そしたら食べきれない分の糖分が残るってことかな?」

添乗員「はい、そうです。そうなるとワインは甘口になります。」

酵母菌は糖分を食べてお腹いっぱいになると死んでしまいます(←かわいそう・・・)食べきれなければその分食べきれなかった糖分がワインの味となります。でも、どんなに直射日光の当たる暑いチンクエテッレでも、自然界で育てたブドウは酵母菌が食べきれない程の糖分はありません。もちろん温暖な環境でしたら可能性はありますが、リグーリア州では無理です。そこでこんな事をするのです。次の部屋へ行きましょう。

お客様「えー、ナニコレ!!ブドウがたくさん干してある」

添乗員「ここでは収穫してきたブドウを風通しの良い日陰で放置して干しブドウをつくります。これでブドウの水分が抜けて甘くなります。」

お客様「そうか、水分を抜けば糖分が残り、糖度もあがるのね。」

添乗員「この地域ではブドウを日陰干しして水分を抜き、糖度の高くなったそのブドウで造るワインを「シャケトラワイン」と呼びます。」

お客様「どんな味がするのかしら?」

添乗員「ではお待ちかねのテイスティングタイム。まずは香りから・・・」

お客様「芳醇でとても香ばしい、味はもちろん甘いですが酸味もきちんと感じられます。」

添乗員「完璧な答えですね。素晴らしい!!」

お客様「これは美味しいわ!買っていこうかしら・・・・わっ、結構高い・・・・」

添乗員「そうですね、干しブドウからは果汁が少ないので大量生産できないんですよ。あと、手間暇かかりますし、高くなっても仕方ないと言うか・・・」

お客様「なるほど、納得。」

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シャケトラワインはデザートワインとして親しまれています。良く冷やして小さなグラスに入れて食後にお楽しみください。また、甘いワインはしょっぱい物と合わせると良いです。イタリアの青カビチーズ「ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)」との相性も抜群です。

そして何と言ってもこのワインは日持ちします。ワインは通常開けたらすぐ飲まなくてはいけないと思われていますが、甘口ワインは冷蔵庫で34週間はキープできます。あまりごくごく頂くワインではありませんが、食後に楽しめるワインです。また栓を開けなければ25年以上品質はそのままです。

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次のワイン産地へ出発

日本では中々手に入らないリグーリアワイン、甘口のシャケトラ以外にも辛口スティルワインも生産しています。ちなみにイタリアでは陰干しブドウで造るワインを「パッシート(Passito)」と呼びます。イタリア各地で生産されています。ぜひ訪れる機会がありましたら、お試しください。

添乗員「甘口ワインの造り方、いかがでしたか?さて、美味しいワインを求めて次はどこの産地に行きましょうか・・・」

お客様「気候も温かくなってきたことだし、シュワシュワ(泡)が飲みたくなってきましたね。」

添乗員「泡と言えば、シャンパーニュ(Champagne)!発泡ワインの中で一番手間暇かけて造られていて、その造り方はとても複雑なんです。」

お客様「それではアルプス山脈を越えて、シャンパーニュにしましょう。でも、あの辺りはまだ寒そうね、コートが必要かしら」

添乗員「寒い地域のワインだからこその造り方があります。キーワードは"NV"と"アッサンブラージュ(Assemblage)"また美味しいワインが飲めるぞ!!」

次回の「ワイン好き添乗員と"行ったつもりでワイン旅行~シャンパーニュ編~"」、どうぞお楽しみに!!

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