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アイルランドのロックダウン緩和状況(2020年7月13日現在)
アイルランドでは、現在ロックダウンが少しずつ緩和されており、全部で4段階に分けられている緩和プランの3段階目に入っています。ロックダウンの効果も出てきており、連日のように新たな感染者が20人以内、死亡者が5人以内に治まっています。この記事では、7月13日現在の、アイルランドのロックダウン緩和状況や、人々の生活の様子をご紹介します。
>>【新型コロナウイルス】アイルランドの現地情報|ロックダウン解除計画(2020年5月12日現在)の記事はこちら
目次
- 現在再開しているビジネスやお店
- 再開したお店にお客は戻ってきているのか?
- 6週間オンラインでネイル講座を開催して感じたこと
- 児童用施設や公園の再開
- 図書館の再開
- 学校の再開
- ソーシャルディスタンスは保たれているのか?
- マスク着用が論議をかもし出す
- 品薄状態の物・買占め状況
- まとめ
現在再開しているビジネスやお店
現在、ほとんどのビジネスやお店が再開しています。国の再開プランによると、6月下旬に第3段階目の緩和プランが実施され、これによりパブやホテルも前倒しで営業開始を許可されることになりました。
しかし、パブに至っては、多くのパブでソーシャルディスタンスが守られなかったため、再度閉鎖することになったようです。
また、移動の制限もなくなり、国中を行き来できるようになりました。とはいえ、旅行に出かける人はそれほど増えていないようです。そのため、国がAirbnbとして使われていた宿泊施設を買い上げるプランまでもが持ち上がっています。
再開したお店にお客は戻ってきているのか?
せっかく再開したお店ですが、お客の足取りはまだまだ重いようです。一度、遠ざかったお客はなかなか取り戻すことが難しいのは今も昔も同じですが、今回のコロナウイルスによる事態は、想像を絶するものがあると感じました。
もちろん、第二波が迫ってきていることへの緊迫感もありますが、お客の生活スタイルそのものが変わってしまい、行動そのものがオンライン化してしまったら、なかなかお客が戻ることは難しいのではないでしょうか?
今回、取材をしたのは、比較的規模が小さな街なので、余計にダメージが多いように感じました。撤退してしまったお店も何軒か見受けられました。アイルランドは、2007年のリーマンショックで国が破綻してから、最近ではヨーロッパで一番成長率が高い国にまで経済が好調に伸びてきていただけに、今回のコロナ騒動による経済的損失で喪失感を感じている人も多いのでは?と感じています。
6週間オンラインでネイル講座を開催して感じたこと
私は、散歩や買い物以外はほとんど外出せず生活しているので、現地の人々がどのように生活しているのかを知ることは、ほとんどありません。しかし、6月上旬から地域の人向けにオンラインでネイル講座を始めるうちに、やはり1週間に1度でも人とのコミュニケーションがとても大切であることに気づきました。
ただ、ネイルケアを教えるだけなら意味がありません。毎日雨続きで外出できない雨季だからこそ、こういった講座で地域を盛り上げていくことが大切です。そのため、ZOOMという限られた空間で、なるべく多くの生徒に会話に入ってきてもらえるよう一人ずつ質問するように努力しました。授業で説明しきれなかったことや、おすすめの道具などは、SNSなどのプラットフォームでシェアすることで、授業以外の日も生徒とコミュニケーションがとれます。
こういった努力もあり、最初は元気がなかった生徒たちも、少しずつ目の色が変わってきて、心を開いてくれるようになりました。最後には、「この講座、本当に好き!」「受講して良かった!」などのコメントをもらうことができました。大変だったけれど、そういった感想をもらえて、本当に嬉しかったです。当分の間、オンライン講座の需要は高まる一方なので、続ける予定です。
児童用施設や公園の再開
6月下旬から、児童用施設や公園の再開も許可されています。天気の良い日は、外の児童公園で遊ぶ子供たちを良く見かけるようになりました。それまでは、遊具のない芝生だけの公園で遊んだり、ウォーキングをする家族連れを良く見かけましたが、最近では行く場所が増えたせいか、そういった光景があまり見られなくなりました。雨季だからということも関係していると思います。
5月下旬までは、天気が良かったので、湖で泳いだり、キャンプ場で友達と寝転がったりしてソーシャルディスタンスを全く守らないティーネイジャーたちを見かけました。
図書館の再開
取材した街の図書館は、比較的スペースが狭いのですが、こちらも再開していました。どのようにして、ソーシャルディスタンスをとるのかは、貼紙に記されていて、現在のところは、一度に6名のみが利用できるとのことです。
学校の再開
学校は、8月の中旬から再開することになりました。学校によっては、先生の数が減るなどの様々な変化があるようです。感染のリスクを避けるために、ホームスクールという手段を選択する家庭もあります。ある一定のルールを守り、書類の手続きをすれば、教員免許を持っていない親ごさんでも、自宅で子供に勉強を教えることが可能です。
ソーシャルディスタンスは保たれているのか?
ほとんどの場面で、ソーシャルディスタンスは保たれているようですが、キャンプ場などでは、守らない人も見かけます。もちろん、スーパーでは、しっかりと注意書きなどが床にも示され、ソーシャルディスタンスを守るように推奨されています。
また、大きなスーパーでは、入り口にお店のスタッフが立っていて、入場規制をするシーンにも何度か遭遇しました。
マスク着用が論議をかもし出す
最近では、アイルランドでも、多くのお店でマスクが販売されるようになりましたが、値段が非常に高いです。10枚入りで7ユーロなどというのは、良く見かけます。残念なことに、これらのマスクの質については、記載がない商品が多いです。
比較的質の良い商品を売っているのは薬局ですが、サージカルマスクのような商品は非常に値段が高く、多くの人が購入を躊躇しているようです。
こういった状況をうけて、アイルランド国内にマスクの生産工場を建設した方がいいのでは?という声も高まっています。また、バスではマスクの着用が義務化されました。
ちなみに、筆者は、実家の父にお願いして、日本のアマゾンでネット注文したマスクを送ってもらいました。実家は地方の田舎にあるので、スーパーで安く売っているのでは?と思いましたが、現在のところアイルランド並みに高いようです。現在、アイルランドは日本からの航空便が届かない状況なので、船便で送ってもらいました。最低でも2ヶ月はかかるようです。
品薄状態の物・買占め状況
現在は、感染者数が落ち着いてきているせいもあってか、買占めなどはあまり見かけません。ただ、多くのスーパーで、ハンドソープのコーナーだけ、品薄になっているのを良く見かけます。
また、消毒液は、品揃えはいいのですが、以前の5倍ぐらいの値段で売られています。安い商品は、全く見かけなくなりました。
まとめ
今回は、アイルランドのロックダウン緩和状況や、現地の人々の様子をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
アイルランドでは、ほとんどのお店やビジネスが再開しますが、家の中に引きこもっている人が多いようです。都市部では、多くの人が一箇所に集まり、第二波が始まるのも時間の問題だと言われています。とはいえ、落ち着いている今のうちに、病院や歯医者など済ませなくてはならない用事があるのも事実です。これからも、当分の間は、なるべくソーシャルディスタンスを守りながら、なるべく人混みを避けて、感染を最低限に保つ姿勢が求められます。
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Maroon
- アイルランド在住のトラベル・ライター兼YouTuber。アイルランドから「アイルランドの田舎暮らし」の面白さを発信しています。現地では、ネイリストやネイル講師としても活動しています。