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コロナウイルスの世界的感染拡大を受けてのマレーシア(4/15現在)
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マレーシアに住んでいるGacktも先日自宅から生中継
コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、マレーシアでもすっかり「Stayhome」「Stay at home」が合言葉になっている。
マレーシアは、首相が新しく誕生したばかりで、新生内閣も軌道に乗っていない状況の中の突然のコロナウイルスだった。
それでも年中暖かく自然の恵みが大きなマレーシア。大きなパニックに陥らない、そして緩い国民性は、ユーモアのセンスを忘れないでジョークで乗り切っているようだ。
テレビ番組の間には若者達や家族が作った医療関係者への感謝の歌や団結して家にどとまるようメッセージが繰り返される。
こんな退屈な時にみんながやっているのは、SNSで今日作った料理紹介。そしてSNSなどでジョークをシェアして励まし合っている。#stayhomechallenge(ステイ・ホーム・チャレンジ)や#day◯(行動制限◯日目)が主なハッシュタグだ。家にいても友達や家族とつながっている気持ちになる。
マレーシアの行動制限令
さてここマレーシアでは、完全封鎖のロックダウンとは異なり、少しゆるめの行動制限令下だ。
はじめは緩やかな感染者数だったのが、礼拝による大規模感染が発覚。「最小限の買い物など以外、家にいてください」ということになった。
3月18日から3月末まで1回目の行動制限令(Movement control order)が行われて、毎日のように新しい規制が追加されている。
物資を買い占める動きも一部で見られたが、そうヒステリックなものではない。
はじめの頃は、インスタント麺、缶詰などの保存食や卵、ティッシューが品薄だったけれども今はそんなこともなく在庫も復活している。
行動制限初日は危機感もあまりなく、外出する人が多いことが報じられて、首相が何度も「お願いだから家にいてください。そうしないともっと厳しくなります」と懇願。
複数人での買い出しもNGになり、1家族につき1人のみ、直線距離で10kmを超える距離を移動する必要がある場合は,あらかじめ最寄りの警察署に許可がいる。街にパトロールのため、軍隊が出動するようにもなった。買い物に行くにも、警察や軍隊の検問で、「どこになんの理由でいくか」を説明しなければならない。その件では逮捕者や罰金も後をたたないようだ。
2回目の制限令が出されたのは4月14日まで、3回目は、さらに2週間延びて4月28日までだ。
スーパーや食料品店、デリバリーのある飲食店、ガソリンスタンド、エネルギー、銀行など一部の業態のみが営業を許可。
そして、スーパーや薬局、ファストフードでは、人々は1m離れて並び(ソーシャルディスタンス)、入り口に置いてあるハンドサニタイザーをかけて入る。場所によっては、マスクや手袋配布している。
個人店はメニューのみならず、食材にこだわっている店は食材(焼肉屋の肉とか)をデリバリー販売したり農家野菜宅配も流行っている。
マレーシア政府は相次いで緊急対策を打ち出している。
個人で加入している保険、銀行ローン、クレジットカード6ヶ月延期、各自の年金口座から毎月RM500を引き出せる、首相大臣の給料2ヶ月カット、電気水道料金ディスカウント、イスラム省からの援助、衛星放送全局公開、大学ローン3-6ヶ月免除、給料が1ヶ月ない人は雇用維従業員賃金政府補助 RM600支給、医療従事者特別手当1ヶ月RM400追加支給、収入税無料、全電信会社インターネット接続完全無料(4月1日~行動制限令終了まで)、グラブ運転手特別補助支給、政府住宅賃貸料半年無料、学校食堂等の一部飲食業賃貸料半年無料など。
もうすぐ断食月に突入、今後の懸念
現在4月15日だが、いまのところ、各自慌てずに情報を集め、淡々と静かにやり過ごすしているようだ。
しかし今月24日には断食がスタートする。
断食には恒例の風情あるフードバザールが各地で1ヶ月間開催され、毎晩、家でなくモスクに行って特別なお祈りがある。
多くの人と会い、握手、ハグ、チークをあわせるなどの挨拶をする(最近禁止になって、手を胸に持ってくる作法になったが)。断食明けには全国一斉に田舎帰省が始まる。とても危険な時期に来るのだ。マレーシア人にとって、一年で一番楽しい時だが、ここでもう一踏ん張りをして断食明け過ぎまで行動制限令を伸ばすのではないかという噂も流れている。
また、多くのマレーシア人は日本が大好き。「こんな時になぜもっと厳しくできないのだろうか」という日本に対してのモヤモヤを感じている人も少なくない。
日本でも今以上の被害がでない事を切に願っている。
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YasminYoko
- マレーシア、クアラルンプールに在住。渡航して32年、ライター、リサーチ、コーディネートをはじめ翻訳通訳、日本語教師、個人輸出業を手がける。