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イタリアでもゲリラ豪雨に注意?天気が悪くても効率よく観光するためのポイント
ローマを含むイタリアは大雨になりにくい地域とされていますが、2018年は異常気象やゲリラ豪雨が相次ぎました。イタリアでは全国的に、10月から11月にかけて普段より多くの雨が降り、一気に冷え込みます。
私が留学していた2年前は、それほど強い雨が降る印象はありませんでしたが、最近では日本と同様、全国各地で異常気象やゲリラ雷雨等が増えているようです。 特に2018年10月の大雨は、ローマとヴェネチアに大きな被害を与えました。 イタリア旅行中に予期せずこうしたゲリラ雷雨などにぶつかってしまったとき、どんな備えや対応をすべきでしょうか。
この記事では、当時の体験をもとにローマ観光時で備えたほうがよいことについて解説します。
目次
1. 2018年秋の大雨について:ローマとヴェネチア
最初に、2018年秋に私が体験した、ローマとヴェネチアでの大雨がいかにすごかったのか詳細をお話します。
1_1. ローマの場合
<このときは綺麗な空だったのに、この写真を撮った2~3分後には大雨が...... 。撮影:ゆうさん 写真出典:BUONO!ITALIA>
当時のローマは雨以外にも風がひどく、住宅街などでは木がばたばたと倒れたり、町が水浸しになったりと毎日のようにニュースが報道されていました。 木や看板にぶつかってケガをした人や、車が木に潰されてしまった人もいます。
10月29日のニュースでは、ローマのあるラツィオ州では7人の死者が出たと報道されています。また、一時は雹(ひょう)が降りました(ビデオはこちら)。 どんな様子だったのかは、以下のニュースサイトで動画をご覧いただけます。
1_2. ヴェネチアの場合
イタリアで大雨の被害が最もひどかったのが、おそらくヴェネチアでしょう。水上都市でもあるヴェネチアは、「アクア・アルタ」といって海水が街中を水浸しにしてしまう現象があるほど、海面高度が低い街です。
2018年秋の大雨では水浸しなんてレベルではなく、膝上や腰まで浸かるほどとなり、街は大騒ぎになりました。 ちなみに、この時期に開催されたヴェネチア国際マラソンでは、日本の川内優輝選手が出場したとのこと。 ヴェネチアが水浸しになった様子と、マラソンの様子を映したビデオは以下からご覧いただけます。
2. 私が体験したローマの大雨
<ローマ大学そばの並木通りには、このように折られた枝がたくさん落ちていました。撮影:ゆうさん 写真出典:BUONO!ITALIA>
このときの旅行では、私がローマに着いた日から悪天候に襲われていました。友人からは、「お前が雨男なんじゃないか?」とからかわれたほどです(笑)。日本と同じように、最近はイタリアでも異常気象やゲリラ豪雨などを指す言葉がよく知られるようになってきたようです。
ある日は、昼間にずっと土砂降りの雨が降っていました。雷は1~2分おきに鳴るし、風の音や物が揺れる音が聞こえて、正直かなり怖い思いをしました。そんな雨が続いたローマの様子が、どのようであったかをもう少し詳しく説明しましょう。
2_1. 大雨のローマ:地下鉄
ローマの地下鉄はA-C線まで3路線ありますが、そのうちA線に含まれるいくつかの駅は、集中豪雨の影響で閉めざるを得ない事態になりました。私はその日、友達の家へ行くためにその駅を使う予定でしたが、あまりの風雨の強さで断念しました。結果的に行かなくてよかったな、と思っています。
2_2. 大雨のローマ:お店
私は大雨の時間帯は家にいたため詳しいことは分からなかったのですが、アパレルショップで働く友人がその日の様子を教えてくれました。彼女曰く、小さいお店や個人営業店の中には休業している店もあったということでした。しかし私の友人たちは、彼女を含めてその日もしっかり働いていましたので、基本的にお店は開いていると考えてよいと思います。
ですが、個人経営のお店は休業している可能性があるかもしれません。
2_3. 大雨のローマ:交通渋滞
<待てど暮らせど来ないバスを雨の中で待つ......。撮影:ゆうさん 写真出典:BUONO!ITALIA>
交通機関が動かない、またはその恐れがあるとなると、車移動以外の手段がありません。そのため、ローマ全体では長時間にわたって渋滞が発生しました。 友人のおじいちゃんは孫を学校へ迎えに行ったのですが、いつもは2~30分しかかからないのに2時間もかかったと言っていました。私も予定通りの時間にバスが来ず、3~40分も待たされることになりました。
ローマはもとより交通渋滞が問題の1つとして挙げられる街。大雨ともなれば、それは一層ひどくなります。
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3. もしイタリア(ローマ)でゲリラ豪雨に遭ったら?
<雨が上がった後の様子。たった1、2分で道路がここまで濡れました。撮影:ゆうさん 写真出典:BUONO!ITALIA>
私は友達とローマ市街地を散歩しているときに、突然ゲリラ豪雨に遭遇してしまいました。もともと雲行きは怪しかったのですが、うっかり傘を車に忘れてきてしまい、取りに戻るのも面倒でそのままにしていたのです。この雨がとにかく強くて驚きました。
私がいたのがフォロ・ロマーノやヴィットリアーノ(ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の大聖堂)のそばで、他の建物が一切ないので雨宿りもままならない状況。最終的に建設現場を見つけ足場の下で雨宿りをしましたが、私の着ていたダウンジャケットはびしょ濡れ。おかげで軽い風邪を引きました。
3_1. ゲリラ豪雨に遭遇したら:すぐに建物内に入ろう
私と同じように、もし雨具を持っていないにも関わらずゲリラ豪雨に遭遇したら、すぐに店に入ることをおすすめします。ホテルでも洋服屋でもいいので、少し時間を潰せる場所に退避しましょう。雨宿りついでに、バールで休憩してしまうのもいいかもしれません。
これは非常に主観的な意見ですが、東京よりローマの方が、すぐに雨宿りできる場所が少ないように感じました。ローマはアーケードのような場所もほとんどないように感じたためです。
3_2. ゲリラ豪雨に遭遇したら:傘を買おう
<鉛色の空。この雨雲が原因でした。撮影:ゆうさん 写真出典:BUONO!ITALIA>
今すぐ傘を使いたいと思ったときは、すぐに購入しましょう。雨が降るとお土産の露天売りや歩き売りをしていた人たちがどこからともなく傘を持ってやって来て、私たちにしきりに傘を勧めてきます。 私はこんなタイミングで絶対にお金を使いたくなかったので購入しませんでしたが(笑)、せっかくの旅行で風邪を引いてしまってはもったいないので、そこはご自身の体調とお財布と相談しましょう。
ちなみに、傘を売る彼らの表情がどことなく嬉しそうだったのは、今思い返しても微笑ましい出来事でした。
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4. ローマの異常気象に対する3つの対策
私は1年間ローマに留学していた間、人がケガをしたり木が倒れたりするレベルの異常気象は経験したことがありませんでした。その分、今回の旅行での豪雨は印象に残りました。
今後は日本と同じように、こうしたことが毎シーズンのように起きる可能性もあると思います。最後の項目では、観光客の私たちがイタリア、特にローマへ行くときについて、できる限りの対策について考えてみましょう。
4_1. 秋に旅行する人は要注意!
ローマは秋、特に10月中旬から11月中旬の約1カ月の間に少し雨の日が多くなります。日本の梅雨のように降ったり止んだりを繰り返したり、毎日曇っているという感じではなく、快晴の日もたくさんあるものの、雨が降るときはかなり降るという印象です。
さきほど紹介した、史上まれに見る豪雨も10月下旬に起きていますので、この時期に旅行される方は注意です。
4_2. 雨具・防寒具
日本から、折り畳み傘やレインコートを持って行くといいでしょう。かさばらない、軽量の雨具をおすすめします。低価格帯なら、イタリアの雨具より日本の方がコスパがいいと思います。ちなみに、11月ともなるとイタリアはすっかり寒くなり、雨が降るとより一層寒いです!暖かい服装を1セットは用意しましょう。
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4_3. 天気予報
出かける前に1日の天気予報に目を通せば、ザックリとした気象の移り変わりが分かるので対策しやすくなると思います。日本語のWebサイトからも現地の天気を調べられると思いますが、イタリアのWebサイトの方がより正確ですよ。
ここまで、私がローマで大雨・ゲリラ豪雨に遭ってしまったときの経験談と、簡単な対策方法をご紹介しました。せっかくの旅行ですから天気には恵まれた方がいいですが、何事にも備えは大事。 イタリアでも異常気象がみられる昨今ですから、快適な旅のためにも雨具や天気が悪いとき用のプランを用意しておくといいですね。
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ゆうさん
- イタリア・ローマ大学に1年留学。イタリア各地の魅力を学生ならではの視点から紹介できたらと思っております。南米一人旅を敢行するほど旅が大好きです!