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アテネから日帰り観光もおすすめ!ネメアの古代遺跡
とにかくあちこちに遺跡があるギリシャ。アテネだけでもアクロポリスはじめ遺跡観光を十分楽しめますが、ちょっと足をのばして地方へ出かけてみるのもおすすめ。今回は、アテネから日帰り旅行も可能なネメアをご紹介します。
目次
ネメアの位置、行き方は?
ネメアはペロポネソス半島の北東コリントス県に位置し、アテネからは南西に約120km。アテネからは長距離バスで行くことができ、これが一番安い行き方ですが、バス会社のサイトがギリシャ語オンリーだったりと海外からの旅行者にはわかりにくいのが難点。旅行会社でツアーを手配するか、タクシーツアー(ギリシャ政府観光局公認のところも多くあります)を頼むのがお手軽です。
運転に自信のある方は、レンタカーを借りて自分で運転して行くと一番自由度も高く、あちこち見て回ることができ楽しめるでしょう。車で行く場合、間違って現代のネメアの町へ行かないよう注意です。
ネメアの古代遺跡
ギリシャ神話でネメアは英雄ヘラクレスに退治されたネメアの獅子が棲んでいた地としてよく知られます。また、テーバイ攻めの七将が大蛇に食い殺された幼児オペルテースを悼んで、ゼウスの聖域でネメア競技会(ネメア祭)を開催したと言われます。
20世紀になって発掘されたネメアの遺跡はゼウス神殿、大祭壇、宿泊施設、公衆浴場、競技場とアーチ型の洞門から成ります。出土品は隣接の博物館に展示されており、規模は大きくないものの見ごたえがあります。
神殿は元々アルカイック期に建てられたものの上に、紀元前330年頃に建築。当時のまま残存していた3本の柱に加え、21世紀に入ってから6本の柱が再建されています。ギリシャの神殿は囲いがしてあって離れた場所からしか見れないものが多いですが、ネメアのゼウス神殿はそれがないので中へ入ることができるのも魅力です。また、競技場への洞門には当時のアスリートが彫ったとみられる落書きも残っていたりと、古代を身近に感じられますね。
ネメア古代遺跡
- 営業時間:冬季8:30~15:30、夏季8:00~20:00
- 電話:(+30)27460 22739
現代に蘇った「ネメア祭」は参加も可能!
<画像提供:The Society for the Revival of the Nemean Games>
1994年に設立された非営利団体The Society for the Revival of the Nemean Gamesにより復活したネメア競技会(ネメア祭)。現代ではオリンピックと同じく4年に1度の開催で、今年は第7回目を迎えます。古代のようにさまざまな競技が行われるわけではありませんが、古代の装束を着て裸足で古代のスタジアムを走る短距離走、ネメアのブドウ畑や町を走る長距離走(こちらは靴やサンダル着用)があり、勝者にはメダルではなく古代のネメア競技会でされたのと同じ野生セロリの冠と椰子の葉が贈られます。
<画像提供:The Society for the Revival of the Nemean Games>
競技の様子。
<画像提供:The Society for the Revival of the Nemean Games>
古代のゲートを通って入場。
<画像提供:The Society for the Revival of the Nemean Games>
ブドウ畑やオリーブの林の脇を駆け抜ける走者。
募集期間中に申し込めば誰でも参加することができますので、古代のアスリート気分を味わいたい方は参加してみてはいかが?2020年の開催は6月26~28日で、参加申し込みは4月30日までとのこと。申請フォームはThe Society for the Revival of the Nemean Gamesのサイトにあります。
ネメア競技会基本情報
- ネメア競技会公式サイト:https://nemeangames.org/
- 開催期間:2020年6月26~28日
有名な「ネメアワイン」も味わってみて
ワイン好きなら、ネメアと聞くとワインを思い出すかもしれません。
国際的にもよく知られる、ギリシャを代表するワインのひとつがネメアワイン。固有品種であるアギオルギティコというブドウから造られる赤ワインは、ネメアの伝説にちなんで「ヘラクレスの血」と呼ばれることも。美しい赤色をしたこのワインはプラムやベリーなど赤い果実や甘いスパイスを感じさせ、柔らかなタンニンと酸味が特長。肉や野菜のオーブン料理や煮込み、肉の炭火焼きといったギリシャ料理によく合います。
スーパーでもいくつかのブランドが売られています。その多くはお手頃価格なのも嬉しい。ぜひお土産にもどうぞ!
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。