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ハワイでチップは必要?払うタイミングは?スマートにチップを渡す方法を解説
アメリカにはチップの習慣があり、ハワイ州でもチップ文化は根付いています。日本では馴染みのないチップ文化、なんだか照れくさい感じもするし苦手......という方も多いのではないでしょうか。
そもそも、どのタイミングで誰に渡したらいいの?と不安に感じることもあるかもしれません。リラックスムードのハワイで変にストレスを感じないように、チップ文化について知っておけば旅先でも戸惑わずに快適に過ごせるでしょう。
目次
1. 日本人が思うチップと、ハワイでのチップには温度差アリ!?
<写真はイメージです。Photo by Allef Vinicius on Unsplash>
多くの日本人が、チップは「特別なサービスを受けたときに支払う感謝の気持ち」というように考えていると思います。日本でも、上等な料理屋さんや旅館へ行ったときには「心づけ」を渡しますよね。自分が大人になったなと思う瞬間でもあります。
最近では「サービス料」が税金とともに、最初から加算されて請求されるお店もあり、サービス料の相場は10%~20%です。サービス料をとるからには、プロフェッショナルなサービスを提供するという店側の姿勢も感じられることと、チップや心づけを状況に応じて渡さなくてもいいという意味で、クリアないいシステムだと思いますが、時にはサービス料20%が加算される高級ホテルでも満足のいかないサービス内容であることもあります。
そうすると、サービスを受ける側は腹が立つわけです(そもそも部屋代からして高いというのに!)。サービス料に見合ったサービスを提供できるかどうかが試される仕組みといえます。
ハワイではチップが任意。だけど実際は?
ところが、ハワイをはじめアメリカでは、基本的にチップは任意である場合が多いのですが、ほぼ払うべきものと考えましょう。特にカジュアルなカフェやダイナーだと、スタッフにとってチップは大事な収入源。サービス担当者の給料は、チップをもらうことが前提に設定されているためです。
料理を運んできたり、飲み物のオーダーを聞いたり、料理についてアドバイスをしたりするのは彼らにとって立派な「サービス」。チップを渡さなかったら腹が立つのは、サービスを提供した側になります。
日本ではそういう認識がないので、「特別サービス」を受けたわけでなければチップを払う必要を感じないかもしれません。さらに、日本のサービスの質が非常に高く、それに慣れている日本人にとってはザックリしたサービスとも呼べないようなサービスを受けても、気持ちは何も動かないですよね。日本とハワイでは、チップを払うまでに至る水準が違うのです。
チップを渡さなかったからといってトラブルになるとも限りませんが、あからさまに嫌な顔をされ、中には「チップをちょうだい!」と言ってくるウェイトレスやウェイターもいるようです。彼らにも生活がかかっているのである程度は仕方がないのですが、食事を終えたあとでチップをせびられたらなんだか後味が悪くなると思いませんか?
2. ハワイのチップ相場はいくらぐらい?
<写真はイメージです。Photo by Annie Spratt on Unsplash>
ハワイに限らず、チップに決まった額はありませんが、相場としては支払額の10%程度と思っておけば間違いないでしょう。これは一般的なサービスを受けた場合の金額として、です。意外と多いなと思った方も多いと思います。私もお釣りを受け取らない程度でいいのかと思っていましたが、どうもそれだと少ない場合があるようです。
良いサービスを受けたと感じたら20%程度を払います。チップの習慣がない日本人からすると、支払額の20%を支払うのはけっこうハードルが高く感じますが、たとえば子供がテーブルをものすごく汚してしまった、とかコップを割ってしまった、というトラブル対応の対価としてもチップ制度は有効です。サービスを受けただけではなく、「ご迷惑おかけしてしまってごめんなさい」という気持ちとしても使うことができます。
チップを渡すときの方法
まず、アメリカドル紙幣の場合ですが紙幣で払うのがマナーとされています。小銭ではなく紙幣で払うのがスマートです。高額紙幣しかない場合、支払いを済ませてからお釣りをもらって、そこからテーブルの上にチップ分を置いておけばいいですが、カードで支払った場合はどうでしょうか。
この場合は、伝票へサインをするときにチップ分を記入しましょう。これは任意の額を書き込むだけなのでかんたんです。きちんとチップであることを書かないと、後でお店側の計算が大変になってしまうので注意してくださいね。
書きたくなければチップの金額は書かなければいい、と思う方もいるかもしれませんがこれは日本におけるサービス料ではありません。ハワイにチップの制度が導入されている限り、いくらかは置いていってあげるのがマナーです。
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3. ハワイでチップを渡すシーンって?
<写真はイメージです。Photo by Dan Gold on Unsplash>
日本の「心づけ」は、サービスを受ける前に渡す(※)ことが多いのに対して、ハワイにおけるチップは基本的にサービスを受けた後に渡すものです。
※ライター註:料理屋さんなどでは、お見送りいただいたタイミング、つまりサービスを受けた後で渡す場合もあります。
レストランやバーでチップを渡すタイミング
レストランでチップを渡すタイミングは、なんとなく分かりますね。お会計をするタイミングです。クロークで上着を預かってくれるような高級店では、クロークにも1~2ドルを渡しましょう。
では、バーではどうでしょうか。バーでは支払いの総合計に対してではなく、飲んだ飲み物1杯につき1~2ドルを渡すという計算方法になります。何を飲んでも1杯につき1~2ドルをバーテンダーに手渡しでOKです。
ホテルやタクシーでチップを渡すタイミング
タクシードライバーやホテルのスタッフ、アクティビティの予約をしてくれたコンシェルジュ、アクティビティで対応してくれたスタッフなど、チップを渡すシーンは人と接している限りあると思っても間違いないでしょう。
ホテルの場合、原則として手渡しで問題ありません。金額は1~2ドルでOKです。ルームキーパー(ホテルの客室清掃係)へ渡すチップは、枕元においておきます。タクシーの場合は料金の10~15%、アクティビティで対応してくれたスタッフさんには、料金の15%~20%程度が目安とされており、いずれも手渡しで問題ありません。
基本的にチップは渡すもの。良いサービスを受けた場合は?
お店で働いているスタッフから見て、日本人をはじめとする多くのアジア人とアメリカ人を比べると格段にチップの額が違うそうです。アジア人はサービスというと特別なものを想像して過剰な期待を持ってしまうのですが、アメリカでは違うということを覚えておきましょう。
良いサービスを受けて気分が良かったときは、料金の18~20%ぐらいを渡してあげるといいでしょう。その場合はテーブルに置きっぱなしにするのではなく、対応が良かったスタッフに直接渡してあげると、さらに喜ばれるのでこちらもいい気分になりますよ。
マッサージ店やエステなどのお店でも、一生懸命やってくれた担当者に対してチップを払うのはお互いにとって気持ちが良く、お店にとってもサービスの質の向上に繋がります。ですので、長い目で見るとチップの制度もあながち悪いものではないのではないでしょうか。
4. スマートにチップを渡す方法
最後の項目では、よりスマートにチップを渡すテクニックについて紹介します。
先ほどもハワイをはじめ、アメリカではチップは紙幣で渡すのがマナーと書きましたが、部屋に到着するまでの間にさまざまな職種の人と触れ合うことがあるホテルでは、小額紙幣をたくさん用意しておく必要があります。
私の友人はチップの渡し方が上手で、自分のお財布とは別にマネークリップで1ドル紙幣をたくさん挟んでいて、財布からいちいち出さずにそちらからチップを払っていました。友人は買い物のお釣りなどで小額紙幣が戻ってくると、財布ではなくマネークリップの方に貯めていたのを見て、なるほど!と思いました。
凝りすぎたチップの渡し方は良くないかも?
続いてこちらは私の失敗談なのですが、日本人らしさというか、変に喜んでもらいたい!という精神を出してしまって、ルームキーパーの人向けに綺麗な和紙のポチ袋にチップを入れて部屋に置いたことがありました。ですが、チップが入っていることに気付いてもらえなかった経験があります。
綺麗なポチ袋に入れて心づけを渡すのは日本では粋な行為ですが、海外だと「これは何??」という感じで分かりづらいようです。普通に現金をタイミングよく渡せる私の友人の方がかっこよかったという話でした。
日本人にはそもそもチップ文化がないので、なかなか慣れないかもしれませんが、海外旅行で「スマートにチップを渡せるようになる自分」をトレーニングしていると思ったら、チップを渡すのも少し楽しくなりませんか?私はマネークリップを買おうか思案中です。
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たなかみえ
- 東京生まれの東京育ち、書くことを生業としています。インタビュー、取材でお会いした100人を超える有名、無名の方々に伺ったお話が私の財産です。大好きなハワイの風、匂い、人、場所。読んでくださる皆さんと共有できたらいいな。ハワイ州観光局公認ハワイスペシャル検定上級取得。