公開日:
最終更新日:
【茨城】鹿島神宮は東国最強のパワースポット!歴史・見どころ・ご利益・御朱印を徹底取材
「鹿島立ち」──旅立ちや門出を意味するこの言葉は、茨城の鹿島神宮がその由来といわれています。また、日本各地のパワースポットをつなぐ「レイライン」、別名「御来光の道」と呼ばれる直線の最東端が鹿島神宮であることから「始まりの地」とも呼ばれています。歴史や格式、みなぎるパワーがずば抜けている鹿島神宮の魅力をご紹介しましょう。
目次
- 3.1 鹿島神宮の主な見どころ
- 3.2 大鳥居
- 3.3 楼門
- 3.4 摂社 高房社
- 3.5 拝殿
- 3.6 本殿と御神木
- 3.7 仮殿
- 3.8 奥参道
- 3.9 樹叢
- 3.10 摂社 奥宮
- 3.11 【七不思議】要石
- 3.12 【七不思議】御手洗池
- 3.13 鹿島神宮園地御手洗公園
- 3.14 御百度標
- 3.15 末社 熱田社
- 3.16 鹿園
- 3.17 さざれ石
- 3.18 二郎杉
- 3.19 摂社 三笠社
- 3.20 鏡石
- 3.21 坂戸社・沼尾社遥拝所
- 3.22 末社 須賀社
- 3.23 末社・津東西社
- 3.24 末社 祝詞社
- 3.25 末社 熊野社
- 3.26 末社 稲荷社
1. 鹿島神宮の特徴・歴史・御祭神・ご利益
まずは、鹿島神宮の基本的な概要から学んでいきましょう。
1.1 特徴
茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮は、常陸國一之宮(ひたちのくにいちのみや)です。一之宮とは、一国の中でもっとも格式の高い神社に与えられる社格で、全国約600社ある鹿島神社の総本社となります。また、現在でこそ「神宮」を名乗る神社は各地に見られますが、古来、「神宮」を司る神社は三重県の伊勢神宮、千葉県の香取神宮、そして鹿島神宮の3社のみ(古文書『延喜式』による)。ここからも鹿島神宮が古くから別格の存在であったことが伺い知れます。
さらに、鹿島神宮と香取神宮に茨城県の息栖(いきす)神社を加えて東国三社と呼びます。江戸時代には利根川から江戸を結ぶ水運が引かれると東国三社参りが庶民の間で大流行しました。鹿島信仰は江戸時代から今日に至っています。
1.2 歴史
鹿島神宮のはじまりは、なんと皇紀元年(紀元前660年)!つまり、今から2679年前、天皇の御代がはじまった初代神武天皇までさかのぼります。
神武天皇が東国征伐にて窮地に立たされたとき、国土平定の神で知られる武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)が授けた「韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)」の神威に救われました。これに感謝した神武天皇が大神を祀る社を鹿島に建てたのが興りと伝えられています。
やがて、飛鳥奈良、平安の世に入ると皇室や藤原氏など朝廷との結びつきがますます強固となり、東国遠征の重要拠点であると同時に東国の守護神として篤く信仰されるようになります。それは中世・近世の武家政権に移ってからも変わらず、源頼朝や徳川将軍家など多くの武将から武神として崇敬されることとなります。
1.3 御祭神
鹿島神宮の御祭神は、建国の神、そして日本神話最強の武神とされる武甕槌大神です。
日本神話では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の命を受けて香取神宮の御祭神「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」とともに高天原(たかまがはら、いわゆる天上界)から出雲国へ向かい、葦原中国(あしはらのなかつくに ※地上界、いわゆる日本のこと)を治める大国主命(おおくにぬしのみこと)と交渉して無事国譲りを成功させ、今ある日本の建国に身を挺したといわれています。
1.4 ご利益
レイラインという言葉をご存知ですか?
レイラインとは、古代遺跡やパワースポットと呼ばれる建造物が一つの直線上に並んでいるように見える線のことで、別名「御来光の道」とも呼ばれています。
日本にはいくつかレイラインが存在すると考えられ、その一つが、鹿島神宮を最東端とする、皇居~明治神宮~富士山~伊勢神宮~吉野山~高野山~剣山~高千穂神社を結ぶ一つの直線です。その直線には、ほかにも東京スカイツリーや著名な古墳、霊山などが含まれます。
そんな"氣"の通り道の入口が鹿島神宮であることから「すべての始まりの地」とされ、人生を転換するターニングポイントにご利益があるとされています。
さらに、武神であり、国譲りの交渉を成し遂げた勝利神である武甕槌大神にあやかり、武芸上達、勝負に打ち勝つ「勝負運」、迷いを断ち切り強い意志で進める「決断力」、邪魔するものをはねのけて突き進む「行動力」、人を導き変革を成し遂げる「リーダーシップ、交渉力」などのご利益があるとされ、スポーツマンからビジネスマン、あるいは受験生からも支持されています。さらに転じて恋の駆け引きに打ち勝つ「恋愛運」にもご利益があるとされています。
2. 鹿島神宮へのアクセス
鹿島神宮へのアクセスは、都心からお越しの際は高速バスが便利。東京駅や羽田空港、東京ディズニーリゾート、東京テレポート駅から直通バスで2時間~2時間半ほどで到着します。詳細は下記の関東鉄道および京成バスホームページをご参照ください。
高速バス
- 関東鉄道バス:https://kantetsu.co.jp/
- 京成バス:http://www.keiseibus.co.jp/
電車の場合は、東京駅からJR総武線・総武快速線で佐原駅下車、JR鹿島線に乗り換え鹿島神宮駅下車、所要2時間半前後で運賃1,900円前後となります。
自動車の場合は、東関東自動車道茨城・つくば方面で潮来(いたこ)IC出口を降り、国道101号・51号経由で約15分です。大鳥居脇には第一駐車場(有料60台)が、そこから約650m離れた場所に第二駐車場(無料55台)があります。詳しくは下記HPでご確認を。
3. 鹿島神宮の七不思議とは?
神話の世界からはじまる関東最古の鹿島神宮。それゆえに「鹿島七不思議」というふしぎな伝承が残されています。以下で紹介していきます。
1.要石
奥宮のさらに奥に鎮座する要石(かなめいし)は、鹿島神宮の中でも最強のパワースポットとほまれ高い存在です。伝承によると、古来、地震は地中深くに棲む大鯰(おおなまず)が暴れ騒いで引き起されると信じられ、それを鎮めるために武甕槌神(たけみかづち)によって大鯰の頭に打ち込まれた石棒が鹿島神宮の要石で、尾の部分が香取神宮の要石と伝えられています。
さらに、水戸の黄門様・徳川光圀公(みつくにこう)がその真偽を確かめるべく家来に石の周りを七日七晩掘らせたものの、結局根に辿り着くことができず、事故が頻発したので諦めたという伝承も残されています。
2.御手洗池
奥宮から北の方角にある湧き水の神池が御手洗池(みたらしいけ)です。水深1mほどしかないこの池は、伝承によると、池の水位が大人でも子どもでも胸のあたりまでしかこないとか。
また、毎年1月の大寒の日に行われる大寒禊(だいかんみそぎ)では、新年の決意を新たに鹿島立ちをしたい一般参拝客男女総勢200名が御手洗池で身を清めます。聞いているだけで身震いしますね。
3.末無川(すえなしがわ)
川の流れが地下に潜って途中で切れてしまい、その末がたどれなくなる川があるとされています。
4.藤の花
藤の花の咲き誇り具合でその年の収穫の豊凶を占ったとされています。
5.海の音
鹿島灘の波音が、北から聞こえれば晴れ、南から聞こえれば雨として天気を占ったとされています。
6.根上がり松
境内にある松の木は何度伐っても切り株から芽が生え、枯れることがないとされています。
7.松の箸
境内の松で作られた箸からは松ヤニが出ないとされています(現在は箸が作られていないとのこと)。鹿島神宮を参拝する際には、ぜひこれらを意識して境内を見て回りましょう。より楽しさが増しそうですね。
3.1 鹿島神宮の主な見どころ
<画像提供:鹿島神宮>
それでは鹿島神宮境内の主な見どころをご案内しましょう。実際に参拝するイメージでご紹介します。
【注意事項】
- 授与所は現在建設中(2019年12月竣工予定)
- 宝物館は平成30年5月より長期休館中(リニューアルオープン時期は未定)
- 文中に記載のお守り、おみくじ、御朱印など各種初穂料は令和元年11月のもの
3.2 大鳥居
かつては御影石で作られていた大鳥居ですが、平成23年(2011年)の東日本大震災で倒壊し、その後、境内に自生する杉の巨木を用いて平成26年(2014年)6月に再建されました。一番上の笠木(かさぎ ※鳥居の上に横にわたしてある木)は樹齢600年といわれ、その切り株は御手洗池にあります。
3.3 楼門
福岡の筥崎宮(はこざきぐう)、熊本の阿蘇神社(熊本地震により現在修復中)と並び、日本三大楼門の一つに数えられる鹿島神宮の楼門(ろうもん)。高さ約13mの総朱漆塗りの2層式で、重厚かつ威厳を感じるたたたずまいですね。
寛永11年(1634年)、水戸徳川初代藩主頼房公(光圀公の父君)により奉納され、国の重要文化財に指定されています。「鹿島神宮」の扁額(へんがく ※門の高い位置に掲示されている額)は東郷平八郎の書とされています。
3.4 摂社 高房社
拝殿前に鎮座する「摂社(※本社の管理下にある小規模な神社) 高房社(たかふさのやしろ)」は、武甕槌大神による葦原中国平定の天香香背男(あめのかがせお)討伐で大きく貢献した建葉槌神(たけはづちのかみ)を御祭神として祀っています。本宮を詣でる前に当社を参拝するのが古くからの習わしだそうです。
3.5 拝殿
本殿・石の間・幣殿(へいでん)・拝殿(はいでん)の4棟からなる社殿は、元和5年(1619年)、徳川将軍2代秀忠公による寄進で造営されたもので、重要文化財に指定されています。
なお、入ってすぐ「あれ?」と気がつく方もいるかもしれませんが、鹿島神宮の本宮は参道に対して横向き、すなわち北向きに建っています。これは、東国の守護神として蝦夷ににらみを効かせていることを表した配置と考えられています。
3.6 本殿と御神木
拝殿一番奥に鎮座する本殿は、香取神宮と対を成すような色鮮やかな極彩色と朱漆塗りで、御祭神の武甕槌大神が祀られています。ちなみに、元和5年の造営までは、現在の奥宮が本殿として使用されていました。
そして、本殿背後にそびえるのが樹齢約1,300年、樹高約40mにも及ぶ巨大な杉の御神木。あいにく一般の人は立ち入れないため、社殿脇の通路からご神木の氣をいただきましょう......。
3.7 仮殿
拝殿の右前方に建つ「仮殿」は、元和5年の社殿造営で旧本殿(現在の奥宮)と新本殿との移し替えの際、一時的に神様を安置した場所です。こちらも国の重要指定文化財に指定されています。
3.8 奥参道
社殿から奥宮までのびる奥参道はおよそ300m。鬱蒼と生い茂る樹木、差し込む木漏れ日と静謐な空間はまさに聖域というにふさわしいパワーを感じます。ちなみに、毎年5月1日には勇壮な流鏑馬(やぶさめ)神事が執り行われます。
3.9 樹叢
敷地面積約21万ヘクタール、東京ドーム約15個分にあたる広大な神域をもつ鹿島神宮。杉やヒノキ、スダジイなどの巨木が立ち並ぶ樹叢(じゅそう、神社境内など神域にある草木のこと)には、約600種にのぼる植物が生息するといわれています。
この樹叢は、茨城県の天然記念物に指定されているほか、野鳥の数も多いことから、鹿島鳥獣保護区、鹿島特別保護区にも指定されています。鎮守の杜での森林浴は、まさに心が浄化されます。ぜひ深呼吸して味わってみてください。
ちなみに、写真左上の巨木にはラクダが隠れています。ぜひ、実物を奥参道で探して確かめてくださいね。
3.10 摂社 奥宮
そしてこちらが「奥宮(おくのみや)」。現在の社殿は、慶長10年(1605年)、
御祭神は武甕槌大神の荒魂(あらたま)です。荒魂とは、神々の荒ぶる魂、すなわち勇猛で向上心にあふれ、前進する力、達成する力などを司るといわれています。強い気持ちでお参りすると願いが叶いやすいといわれ、参拝の行列ができるほど人気のスポットです。
3.11 【七不思議】要石
上記写真は「鹿島七不思議」の項目でご紹介した要石。実際の要石は、直径30cm、高さ7cmほどと拍子抜けするほどの小ささです。中央の凹みは、香取神宮の要石の凸と対を成しているといわれます。
一見頼りなげな石でも、地中深くに眠る大鯰を押さえつけるほどのすさまじいパワー。あやかりたいと願うのは道理ですね。ここも参拝者が絶えないパワースポットです。
ちなみに、この隣には芭蕉句碑も建てられています。
3.12 【七不思議】御手洗池
こちらも「鹿島七不思議」でご紹介した御手洗池。1日に40万リットル以上もの湧水がコンコンと湧き、鳥居の前ではその湧き水を飲むことができます。浄化の力を持つ御神水、ぜひ飲んで身を清めましょう。
また、この湧き水は、地元の方が生活用水として汲みにこられるほか、お隣の湧水茶屋一休では湧き水を使った料理やドリングを楽しむことができます。
ちなみに、池の中には鯉が泳いでいます。小さなザリガニもいるので、ぜひ目を凝らして探してみてくださいね。
3.13 鹿島神宮園地御手洗公園
御手洗池のそばにある憩いの公園。池や遊歩道が整備され散策にもってこいです。公園入口には東日本大震災時に倒壊したかつての大鳥居の台石が残されています。また、園内には、国造りの神である大国主命(おおくにぬしのみこと)が御祭神として祀られた大黒社があります。
3.14 御百度標
奥宮の正面に建っているのは「御百度標」。いわゆる、「御百度参り」のスタート地点で、柱頭に残された10箇所の凹みは、回数を数えるためのものだとか。現在でもときどき御百度参りを行う人が現れるそうです。深い愛ですね。
3.15 末社 熱田社
奥参道の途中に身を隠すようにたたずむ「末社 熱田社」には、素盞鳴尊(すさのおのみこと)と稲田姫命(くしなだひめ)が祀られています。
3.16 鹿園
奥参道の中間にある鹿島神宮名物の一つ、「鹿園」。鹿島神宮の鹿は神の使い=神鹿(しんろく)と呼ばれ、現在は30頭ほど飼われています。「鹿の枝角」は英語で"アントラーズ"、つまり、サッカーJリーグ「鹿島アントラーズ」は鹿島神宮の神鹿に由来していたんですね。
また、鹿といえば奈良の春日大社が有名ですが、発祥は鹿島とされています。縁起(えんぎ ※社寺の由来のこと)によると、春日大社創建時に、鹿島神宮の分霊を背に乗せた神鹿が春日へ渡ったと伝えられているのです。
しかし、江戸幕末期には鹿島神宮の鹿はほとんどいなくなってしまい、昭和に入ってから春日大社や東京の神田明神などから分けていただいて現在の数まで増えたのだそう。
ちなみに、鹿園横の売店では鹿の餌(ニンジン)が購入でき、鹿の間近に行って餌をやることができます。ただし、売店は原則水曜日定休で、定休日以外にも時々お休みがあるようです。餌をあげられないとゲージまでがちょっと遠いですが、とにかくバンビはラブリーですよ!
3.17 さざれ石
鹿園の脇には、日本の国歌「君が代」に登場する「さざれ石」が、また鹿園の売店横には「親鸞上人旧跡」があります。
3.18 二郎杉
楼門横にそびえ立つのが、境内で2番目に大きい杉の木「二郎杉」。高さ約40m、推定樹齢700年の御神木で、杉の前には鹿島アントラーズの選手らによる巨大絵馬が飾られています。
3.19 摂社 三笠社
本殿横にひっそりと鎮座するのが「摂社 三笠社」。御祭神は三笠神で、鹿島神宮の御神域を「三笠山」と称することから、この土地の守り神、いわゆる地主神としてお祀りしています。ただし、三笠社は一般立入禁止区域にあるため、拝殿脇から遠目でうかがうのみとなっています。
3.20 鏡石
本殿と御神木の背後にひっそり置かれた「鏡石」。直径80cmほどの円形の石で、一般立入禁止区域にあるためあまり知られていませんが、本殿、御神木、鏡石が一直線に並んでいることから、鏡石は神域との境界「磐境(いわさか)」とみなされ、御神木は神の依代である「神籬 (ひもろぎ)」とみなされていたと考えられています。
3.21 坂戸社・沼尾社遥拝所
楼門手前の手水舎脇にある「坂戸社・沼尾社遥拝所」。遥拝所とは離れた場所から神様を拝むために設けられた場所のことです。
東国三社参りといえば、鹿島・香取、そして息栖神社ですが、よりディープになってくると鹿島にある鹿島三社参り(鹿島神宮、坂戸神社、沼尾神社)も行われるそうです。というのも、『常陸國風土記』によると、神宮の御由緒として、香島(現・鹿島)に降臨した「香島の天の大神」はこの三社を総称したものであると記されているからなのだそう。
鹿島神宮から離れた坂戸神社や沼尾神社へわざわざ詣らずとも、この一箇所で拝めば一度に三社詣でたことになるというわけです。
この地にただならぬパワーを感じる人も少なくなく、氣を授かりたい方は忘れずに立ち寄ってみてください。
3.22 末社 須賀社
遥拝所の右手にあるのが「須賀社(すかのやしろ)」。牛頭大王ともいわれる素盞鳴尊(たけはやすさのおのみこと)をお祀りしています。
3.23 末社・津東西社
こちらは「津東西社(つのとうざいのやしろ)」。御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)・闇龗神(くらおかみのかみ)をお祀りしています。
3.24 末社 祝詞社
津東西社のお隣が「末社 祝詞社(のりとのやしろ)」。天の岩戸にこもった天照大御神を岩戸の前で儀式を行い外に誘い出した神の一人、太玉命(ふとだまのみこと)が御祭神です。
3.25 末社 熊野社
祝詞社のお隣は「末社 熊野社」。御祭神は伊弉諾尊(いざなみのみこと)、事解男命(ことさかのをのみこと)、速玉男命(はやたまのをのみこと)です。
3.26 末社 稲荷社
第一駐車場の近くにあるのが「末社 稲荷社」。御祭神は保食神(うけもちのかみ)で、いわずと知れたお稲荷さんです。ものすごい数のお稲荷様にガン見され、何かを見透かされているような凄みを感じます。
このほか、御食津神(みけつかみ)を祀る「御厨(みくり)社」、氏子中の戦没者・祖霊を祀る「祖霊社」などの末社、祈祷殿や社務所などがあります。
また、国宝であり日本最古の直刀「韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)」が所蔵された宝物館は平成30年5月より現在も休館中で、リニューアルオープンの時期は未定です。宝物館があった場所には、現在、新たな授与所が建設されています。
4. 鹿島神宮のパワースポット
定番のパワースポットとなる要石、御手洗池以外にも、さまざまな隠れパワースポットが注目されています。どこにあるかは下記のヒントを頼りにぜひ境内で探してみてくださいね。
4.1 ハート型と隠れミッキーの石灯籠
隠れハートマークのある石灯籠。年代不詳で、数ある石灯籠のうち、この石灯籠だけがハート型にくり抜かれているんです。無事見つけることができたら恋が叶うとか、夫婦円満になれるとか......ヒントは御祭神が素戔嗚尊(すさのおのみこと)の末社の近くです。
ちなみに、ハート型の反対には隠れミッキーがいます。ミッキー好きは見逃せないですね!
4.2 ハート型の木の枝
これはなかなか難易度の高いハート型。中央の枝の部分が、見る角度によってはハート型に見えると評判です。場所は奥参道、鹿園の近くです。
4.3 奥宮背面にある御神木
本殿背後にある御神木に触れることができない代わりに、奥宮の背後にある御神木に触れて氣を授かる参拝客が後を絶ちません。御神木が神の依代であれば、武甕槌大神の荒魂パワーが宿っているかも知れませんね。
5. 鹿島神宮のお守り・お札
鹿島神宮では、御祭神・武甕槌大神の御神徳にちなんだ、鹿島ならではの御守が数多く用意されています。
※文中に記載の各種初穂料は2019年11月現在のものです
<画像提供:鹿島神宮>
鹿島神社のお守りの中でも人気の御守の一つが開運出世の「鹿島立守」(800円)。新しいことをはじめるとき、新たな旅立ちや門出を迎えた人に勇気を与え、成功を祈願された御守です。キャリアップ、事業成功、出世を目指し、仕事運の上昇を願う人におすすめです。
そのほか、勝負運向上の「勝守」(500円)、東国三社で授与される各社御神紋のシールを貼ることができる三角柱の御守「東国三社守」(本体800円、御神紋シール300円)も人気です。
6. 鹿島神宮の占いとおみくじ
しっかりお参りした後には、今後の自分の運勢を占って神様のお告げに耳を傾けましょう。下記で鹿島神宮ならではの占いをご紹介します。
6.1 帯占い
有名人の間でもひそかに人気といわれる「鹿島の帯占い」(300円)。ピンク、黄色、緑、水色、紫の5色の中から好きな色を選べます。
どれか一つ好きな色を選んだら、次に大事な願いごとを心を込めて神様に祈ります。そして、三角形から飛び出た4本の赤い紐を直感で2本ずつ結びます。結び終えたら、4本の紐を三角の箱から引っぱり出します。出しづらいときは、箱を開いてもOKです。
箱から取り出し、いよいよ運勢の結果がわかります。きれいな2つの輪ができていますね。
きれいに一つの輪っかになっていれば、願い事は「叶う:そのまま進めばよい」、2つの輪っかがクロスしていれば、「半ば叶う:努力を惜しまず進めばよい」、完全に2つの輪っかに分かれていれば、「容易く叶わず:困難を覚悟して進めばよい」という結果に。どうやら神様はお見通し、さらなる精進を望まれているようです......。また、占いの結果は、上記のように箱の内側にも記されています。
良い結果がでれば持ち帰ることもできますし、気になるようであれば、所定の結び所に結んでいきましょう。
6.2 おみくじ
帯占いのほかには、かわいらしい鹿をかたどった「神鹿みくじ」(300円)、えんみくじ(200円)、こどもみくじ(200円)、天然石おみくじ(200円)、幸福おみくじ(200円)、招き猫おみくじ(200円)、とんぼ玉みくじ(200円)、普通のおみくじ(100円)が用意されています。
7. 鹿島神宮の御朱印・御朱印帳
印集めをされている方やご興味のある方は、ぜひ祈祷殿入口脇の社務所にお立ち寄りください。
7.1 御朱印
<画像提供:鹿島神宮>
鹿島神宮では本宮と奥宮の2種類の御朱印(300円)が用意されています。また、御朱印帳をお持ちでない方には書き置きの御朱印もいただけます。
例にもれず、鹿島神宮の御朱印も人気。普段でも30分待ちや、特別な日などは数時間待ちもザラ。スムーズに入手したい場合は、午前の早い時間帯がおすすめ。もちろん本宮への参拝を済ませてからがマナーです。
御朱印授与情報
- 受付場所:祈祷殿
- 受付時間:8:30~16:30 ※1月1日(元旦)のみ午前0時からの開設
7.2 御朱印帳
御朱印帳は、鹿島神宮の楼門の刺繍をあしらったもの(1,200円)、鷲の刺繍のデザイン(1,200円)、藤の桃色デザイン(1,200円)、藤の水色デザイン(1,200円)が定番となっています。
このほか、鹿嶋市の観光大使を務め、御朱印ガールとしても巷で有名な歌手の相川七瀬さんがデザインした御朱印帳(1,700円)も毎年数量限定で絶賛販売中ですが、その知名度と女子力高いデザインが人気で品切れのことも多いとか。ちなみに見本を置いてあるものだけが在庫ありとのことです。
また、鹿島神宮は常陸國一之宮。そこで全国的にもめずらしい「全国一の宮御朱印帳」も取り扱われています。しかし、取材時(2019年11月現在)は品切れ状態で再入荷未定とのこと。気になる方は一度社務所に問い合わせてみてくださいね。
8. 鹿島神宮で注目の祭典・年中行事とは?
年間約90もの祭典や年中行事が執り行われる鹿島神宮。もっとも注目されるのは、やはり鹿島最大の祭典とされる12年に一度の式年大祭「御船祭(みふねまつり)」でしょう。
8.1 御船祭
<画像提供:鹿島神宮>
鹿島神宮における最大の祭典「御船祭」。12年に一度の午(うま)年に行われるこの式年大祭は、鹿島神宮の御祭神・武甕槌大神と香取神宮の御祭神・経津主大神が水上で再会し、あらゆる邪気と不景気を祓って人々の幸せと安寧を願うという、1700年有余の歴史を持った由緒正しき祭典です。
御船祭の見どころは、武甕槌大神の御分霊を祀った御神輿を載せた竜頭の御座船(ござふね)を筆頭に、100隻以上からなる勇壮な大船団が川を巡幸するところ。その姿はさながら水上絵巻で観客を魅了します。ルートは、鹿島の大船津の鰐川(わにがわ)から常陸利根川の香取の加藤洲(かとうず)までで往復約20km(所要約2時間)です。
また、御神輿を鹿島神宮から鰐川河岸の大船津まで運ぶ「行宮御発輿祭(あんぐうごはつよさい)」も見もの。神職や各地区の氏子、鹿島新當流の剣士など総勢約3,000人が武者装束姿で勇壮華麗に行列する様はまさに中世絵巻の世界。見るものを圧倒します。
直近の開催は平成26年(2014年)9月1日~9月3日でした。次回開催は令和8年(2026年)の予定です。待ち遠しいですね。
8.2 新嘗祭・大嘗祭
「収穫を祝い、神様に感謝する」、五穀豊穣と国家安寧を祈念する祭祀として、毎年11月23日、全国の神社において行われる新嘗祭(にいなめさい)。古くは『古事記』『日本書紀』にも登場し、宮中祭祀の中でももっとも重要な祭祀と位置づけられる儀式ですが、令和元年(2019年)は、新天皇御即位に際し、即位儀礼の一つ「大嘗祭(だいじょうさい)」に取って代わられました。
新嘗祭当日は、「敬神婦人ともえ会」ならびに「氏子青年かなめ会」による餅つきが毎年行われ、参拝客に餅が振る舞われたり、季節柄、七五三詣でに訪れる子どもたちも一緒に餅つきを楽しむ光景が広がるそうです。
大嘗祭(だいじょうさい ※天皇が即位後、初となる新嘗祭のこと)が行われた令和元年11月14日には、参拝客に紅白のお餅が振る舞われました。思いがけないサプライズギフトに参拝客もホクホク。鹿島神宮のありがたいパワーが込められた紅白餅、これからのご利益が楽しみです! ぜひ来年の新嘗祭は遊びに訪れてみてくださいね。
9. 鹿島神宮のお食事処・売店の湧水茶屋 一休
御手洗池の隣に建つ「湧水茶屋 一休(ひとやすみ)」。境内散策で足が疲れたら、あるいはちょっと小腹が空いたら、ぜひ立ち寄ってみてください。湧水料理が楽しめますよ。
御手洗池の湧水を使った料理がウリの「湧水茶屋 一休」。お蕎麦などのお食事系から団子、ぜんざい、ソフトクリームなどの甘味系、湧水コーヒーや甘酒、地酒まで幅広くそろっています。
店頭で焼かれる団子。客を引きつけるそのビジュアルが人気を集めている商品です。中でも売れているのは、三色団子。みたらし、草団子、きび団子の3色で1本450円です(ちなみに1色は1本400円)。
お抹茶セットにすると800円になってお得(抹茶は単品で500円)。香ばしく濃厚な甘さの自家製みそで作られたみたらしに、程よい甘さの草餅あんこ、甘さ控えめのきなこきび団子と3つの味が一度に楽しめ、抹茶のほどよい苦味とマッチして至福のひととき。何よりボリューミーなので満足感が高いです。
もし、コーヒーがお好きな方は、湧き水コーヒー(500円)と合わせるのもおすすめです。
人気の定番メニューは「湧水蕎麦」。茨城県産の常陸秋そばと湧き水で作った蕎麦はすべて二八蕎麦で、白く細く短く、シコシコとしているのが特徴。こちらは季節のお蕎麦で、取材時(2019年11月)は「水晶鶏のつけせいろ」(1,000円)でした。
鹿島産の水郷地鶏に油揚げとネギの旨みが凝縮した濃厚めんつゆは、淡白な蕎麦とよく絡み箸が進みます。さらに味に変化をつけたいときは、特製ネギだれをプラスするとネギ風味がアップし、味がマイルドに。これまた絶品です。
季節の蕎麦メニューは、8月のまつり蕎麦、10月のすだち以外は都度変更しているそう。ぜひ、いろんな風味のお蕎麦を楽しんでみてくださいね。
店頭には御手洗池の湧き水を持ち帰ることができるペットボトルが販売されていました。5リットルで500円、2リットルで200円、1リットルで150円、500ミリリットルで100円です。長命と名高き名水、お土産としても喜ばれそうですね。
店頭では竹炭でできたおしゃれなマドラーも販売されていました。竹炭は、炊飯や飲料水に入れるとカルキ臭やカビ臭などが取り除かれ、ミネラルまで補給され、水道水の味をマイルドにしてくれる効果がありますよね。実際購入して試してみたところ、たしかに味がマイルドになり、水道水をおいしくいただけました。ペットボトルにそのまま入れても良し、コーヒーやソフトドリンクのマドラーとして使っても良し、どちらも水道水をふくよかな味わいにしてくれますよ。
「湧水茶屋 一休」の基本情報
- 住所:茨城県鹿嶋市宮中2306-1 鹿島神宮境内みたらしの池
- 営業時間:9:30~17:00
- 定休日:無休
- 電話:0299-82-4393
- HP:https://plusone-kashima.jp/hitoyasumi/
>>>湧水茶屋 一休の情報を【食べログ】で詳しく見てみる
>>>湧水茶屋 一休の情報を【ぐるなび】で詳しく見てみる
10. 鹿島神宮の無料ボランティアガイドを利用しよう!
鹿嶋市では、観光ボランティアガイドによる鹿島神宮の無料案内を受け付けています。当日飛び込みでも、お一人様でもグループでもOK!鹿島神宮に精通したガイドが無料で利用できるなんて、利用しない手はないですね。赤のキャップとユニフォームが目印です。
案内時間は参拝客の都合に合わせて調整してくれ、筆者の場合は1時間半も境内の見どころを案内してくれました。神社参拝は、ただフラッと訪れるのも楽しいですが、正しい知識をもって目にする景色はガラッと印象が変わってきます。
ガイドさん曰く、恥ずかしがらずにどんどんガイドを利用して欲しいとのこと。本当に丁寧に最後まで無償で案内してくれます。ぜひ積極的に活用してみてくださいね。
観光ボランティアガイド
- 詰め所:神宮入口大鳥居の脇、第2駐車場脇事務所
- 案内時間:毎日9:00~11:30 ※それ以外の時間は、事前予約
- 定休日:毎月第3火曜日、8月のお盆の1週間および年末年始の各一週間
- 申込方法:当日詰め所にて受付(9:00~11:30、土日祝日は9:00~14:30)
- 問い合わせ先:0299-82-7730(鹿嶋市観光協会)
- HP:観光ボランティアガイドのおもてなし
11. 鹿島神宮の東西南北一之鳥居めぐり
鹿島神宮の境内入口に立つ大鳥居、あれは実は二之鳥居だということをご存知でしたか? 一之鳥居は、鹿島神宮の神域を囲むように、東西南北4ヶ所に配置されています。大地のエネルギーが一番はじめに流れ込む一之鳥居をご紹介しましょう。
11.1 東の一之鳥居
東の一之鳥居は、太平洋に面した明石の浜の防波堤前に建てられています。どうしてこんなふしぎなところに建っているのかというと、かつて鹿島神宮は海に面して建てられており、神様が上陸したとされる沿岸に鳥居が置かれ、そのまま海に出られる構造になっていたそうです。しかし、現代になって津波対策の一環で防波堤が建てられ、さらに高さも増してこのような地味な景観になってしまったのだとか。海上安全のためとはいえ、神聖さがやや損なわれ、鳥居の間から太陽が昇る荘厳な姿が拝めなくなったのは残念ですね。
11.2 西の一之鳥居
鰐川の大船津に設置された水中鳥居の西の一之鳥居。水底からの高さが18.5m、幅22.5mと厳島神社の水中鳥居16mを超え国内最大級といわれています。徳川二代将軍秀忠公が社殿と併せて奉納した鳥居で、現在の鳥居は平成23年(2011年)6月に再建されたものです。
式年大祭「御船祭」の御座船はこの鳥居をくぐってからスタートします。
11.3 南の一之鳥居
南の一之鳥居は、東国三社の一つ・息栖神社の一之鳥居で代用されています。かつてここは息栖河岸(いきすかし)の水上交通の要衝(ようしょう)として、また渡船場としてにぎわっていました。さらに、足元には日本三大霊泉の一つといわれる忍潮井(おしおい)の井戸が残されています。
11.4 北の一之鳥居
北の鳥居は、現在、鹿嶋市浜津賀にある戸隠神社の神戸(ごうど)の森に建っています。北の鳥居だけは長らく土台のみしか残されていなかったのですが、平成29年(2017年)に新たに建設、これで東西南北4ヶ所の鳥居がそろい、鹿島のパワーはますます安泰となりました。
12. 鹿島神宮の基本情報
いかがでしたか?人生の転換期が訪れたと感じたら、ぜひ鹿島神宮に足を運んで、迷いを断ち切り前へ進む英気を神様から授かってみてください。その勇気を出して踏み出した一歩に、神様はきっと背中を押して成功へと導いてくれるはずです。
最後に鹿島神宮の基本情報をご案内します。
鹿島神宮の基本情報
- 住所:茨城県鹿嶋市宮中2306-1
- 神符守札授与所・ご祈祷受付時間:8:30~16:30 ※元旦のみ0:00より受付
- 車でのアクセス: 東関東自動車道潮来ICから国道101号、51号経由で約10分
- 電車のアクセス:JR鹿島線鹿島神宮駅より徒歩10分
- 高速バスでのアクセス:京成バス・JRバス関東・関東鉄道共同運行となるバス「かしま号(鹿島神宮駅方面行)」で東京駅八重洲南口から約2時間、運賃2,000円(ICカード利用1,850円)
- 駐車場
<第一駐車場(鹿嶋市宮中2306-1)>普通車300円/中型車500円/大型車700円(60台)<第二駐車場(鹿嶋市宮下2-8-8)>無料(55台) ※土日祝日、繁忙期は有料の場合あり
<臨時駐車場(鹿嶋市宮中1-13)>正月、祭礼時のみ有料(330台)
<御手洗駐車場(鹿嶋市宮下1-6-15先)>無料(15台) - HP:鹿島神宮
※こちらの記事は2019年11月に取材した情報です。期間限定の情報もありますので、最新情報は公式HPをご確認ください
【茨城一口メモ】
茨城には鹿島神宮以外にも、鹿島神宮から近い大洗磯前神社やひたち海浜公園など、さまざまな観光スポットがあります。下記でその観光スポットを効率よくまわれる格安ツアーからちょっとリッチなツアーまで、たくさんのツアーを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。ひとりや恋人、友人、家族だけで旅行を楽しみたい方はお得かつ手続きがとっても楽なフリープランもおすすめです。
<日数と費用>(関東発目安)
●旅行日数:2~4日間
●ツアー費用:約14,000円~約55,000円
※編集部註:本記事は2020年2月に公開していますが、2021年4月に一部のリンクを修正しました。
関連記事
Ranking茨城記事ランキング
-
かわいまゆみ
- 自称ミステリーハンターで絶景ハンター。訪れた国は80カ国以上。世界中の絶景を求めて地球を駆け回っています。