久慈川の流域には何がある? 鮎釣りや滝、温泉など

久慈川の流域には何がある? 鮎釣りや滝、温泉など

福島県と茨城県を流れる一級河川、久慈川。

鮎釣りのメッカとして全国的に知られる久慈川ですが、流域ではそのほかにも、滝などの自然風景や温泉、キャンプなどさまざまな楽しみが広がっています。

久慈川での鮎釣りの楽しみ方に加え、久慈川流域の知られざる観光スポットをご紹介しましょう。

目次

<1. 久慈川とは>

<2. 久慈川の鮎釣り>

<3. 久慈川流域の観光スポット一覧>

久慈川とは

久慈川水系の本流である久慈川(くじがわ)は、福島県と茨城県を流れる一級河川。

水源は福島県・茨城県・栃木県の境界に位置する八溝山(やみぞさん)で、福島県山間部を北東に流れた後、八溝山地と阿武隈山地のあいだの平野を流れて茨城県へと至り、奥久慈渓谷(おくくじけいこく)・沖積平地(ちゅうせきへいや)などを経て、日立市と東海村の境界から太平洋へと注いでいます。

幹川流路延長124kmの久慈川流域は、福島県・茨城県・栃木県の3県5市5町2村にまたがっており、流域内人口は約20万人。その中には、中核都市である茨城県の日立市・常陸太田市(ひたちおおたし)などが含まれています。

久慈川上流部の流域は山間部ですが、中・下流部は肥沃な土地に恵まれていることから、一帯では農業が盛ん。日本トップクラスの鮎の生息地としても知られ、2002年度には、釣り人が選ぶ「天然アユがのぼる100名川」に選ばれました。

鮭の遡上(そじょう)やカワセミなどの鳥類、さまざまな昆虫や植物も見られ、豊かな自然に親しめることから、釣りやキャンプ、カヌー、ジェットスキーなど、アウトドアアクティビティの宝庫でもあります。

久慈川の鮎釣り

鮎釣り
<出典:写真AC

釣り人のあいだでは、鮎釣りのメッカとして知られる久慈川。久慈川で鮎釣りをするなら、どのエリアに行けばいいのでしょうか。久慈川での鮎釣りにおすすめのポイントや注意点などをご紹介します。

久慈川で鮎釣りが楽しめる場所

久慈川での鮎釣りに特におすすめのポイントは3つあり、いずれも茨城県久慈郡大子町(だいごまち)に位置しています。

その中でも釣り人が多く、人気の高い鮎釣りポイントが大子地区。大子地区は鮎の放流量も多いことから、例年遅くまで鮎釣りが楽しめます。大子地区は、常陸大子駅から徒歩10分とアクセスも便利です。

久慈川の鮎釣りポイントの中で最も有名なのが、袋田地区。瀬と淵が入り組んだ久慈川本来の姿が見られ、伝統的な中通し竿で釣りを楽しむ人もいます。袋田地区は袋田駅から徒歩約10分でアクセスでき、日本三名瀑のひとつに数えられる「袋田の滝」も近くにあります。

最後のひとつが上小川地区。釣りやすい地形であることから初心者でも鮎釣りにチャレンジしやすいポイントです。この地区には上小川キャンプ場もあるため、釣りとキャンプの両方を楽しみたい人にもおすすめ。上小川地区へのアクセスは、上小川駅から徒歩8分程度です。

久慈川での鮎釣りの楽しみ方や注意点

久慈川では鮎の保護のため禁漁期が設けられており、年間を通していつでも好きなときに鮎釣りが楽しめるわけではありません。

鮎釣りが解禁されるのは、毎年6月。また、久慈川で鮎釣りを楽しむには、遊漁料が必要で、1日券と年券があります。遊漁証は、漁協組合事務所や釣具店等の指定販売店で購入できます。現場の監視員から購入すると割高になってしまうので注意しましょう。

久慈川流域の観光スポット一覧

鮎釣りのメッカとして有名な久慈川ですが、流域にはほかにも魅力あるスポットがたくさんあります。知る人ぞ知る、久慈川流域の観光スポットを紐解いていきましょう。

粟原釣り場

久慈川粟原釣り場は、茨城県常陸太田市の田園地帯の一角にあるレジャースポット。久慈川の旧河川跡を利用した、 3.7平方キロメートルの敷地面積を有する三日月湖で、週末ともなれば多くの釣り人や家族連れで賑わいます。

ヘラブナ釣りの名所として知られていますが、ヘラブナのほかにもマブナやコイ、ナマズ、ソウギョ、ライギョ、レンギョ、ブラックバスなどの姿も。毎年5月末には、「一般の部」「小中学生の部」からなる釣り大会も開催されます。

  • 住所:茨城県常陸太田市粟原町1797

辰ノ口親水公園

茨城県常陸大宮市、辰ノロ堰(せき)に造られた辰ノ口親水公園は、久慈川とその周辺の豊かな自然を体感できるレジャースポット。園内にはモトクロス用の自転車コースや遊具施設を備えたトリム広場、自然観察路などが整備されており、青空の下で身体を動かすことができます。

あじさい園や桜つづみに加えて、センダイヤやバラなど四季折々の花々と出会える楽しみも。園内にある「そば処しんすい庵」では、常陸大宮産の玄そばを自家製粉し、手打ちしたそばが味わえます。

さらに、予約不要かつ無料でバーベキューやキャンプが楽しめる野営地があることから、キャンプスポットとしても人気を集めています。

  • 住所:茨城県常陸大宮市辰ノ口1339

辰ノ口展望台

辰ノ口展望台は、辰ノ口親水公園内にある高さ29mの展望台。展望台自体は特別高いわけではありませんが、小山の上に建っていることから、展望台からは久慈川のパノラマや田園風景が見渡せます。

桜の季節には、ぜひここから辰ノ口親水公園の桜つづみを一望してみましょう。

  • 住所:茨城県常陸大宮市辰ノ口1339-2

清流公園

茨城県常陸大宮市にある清流公園は、久慈川のせせらぎが心地よい公園。久慈川の河川敷で野営ができる、無料のキャンプスポットとして人気を集めています。

茨城県では数少ないキャンプができる河川敷とあって、夏場はバーベキューや水遊びを楽しむ人たちで賑わいます。

  • 住所:茨城県常陸大宮市山方1001

舟納豆本店

茨城県といえば「納豆」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

常陸大宮市にある「舟納豆本店」は、久慈川の渡し舟から着想を得て1957年に考案された「舟納豆」を販売する納豆専門店。納豆王国・茨城でも抜群の知名度を誇る老舗です。

良質な地元産大豆を中心に、国産大豆や「名水百選」にも選ばれている久慈川の伏流水を使用し、こだわりの製法で作られる納豆はひと味違うおいしさ。「舟納豆」の名前の通り、舟の形をした経木(きょうぎ:木材を紙のように薄く削って作った包装材)の容器も風情があります。

  • 住所:茨城県常陸大宮市山方477-1

袋田温泉

久慈川の支流である滝川沿いに位置する、茨城県屈指の名湯が袋田温泉。大子、湯沢、月居とともに、久慈郡大子町に位置する奥久慈温泉郷の一角をなしています。平安時代に発見されたと伝わる由緒ある温泉で、さまざまな効能から「百病を治す温泉」とも呼ばれてきました。

神経痛や筋肉痛、関節痛、肝臓病などに効果があるとされる、わずかにヌルっとした肌あたりの温泉は湯量も豊富。日本三名瀑のひとつに数えられる「袋田の滝」もすぐそこです。

袋田の滝
<出典:写真AC

国の名勝にも指定されている袋田の滝は、高さ120m、幅73m。水が大岩壁を4段に流れ落ちる様子は迫力満点で、西行法師(さいぎょうほうし)が滝を訪れた際に、「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と称賛したことから、「四度(よど)の滝」とも呼ばれています。

初夏の新緑、秋の紅葉、冬の氷瀑(ひょうばく)と、四季折々の姿が楽しめる袋田の滝とともに、効能豊かな癒しのお湯を堪能しましょう。

袋田温泉のある久慈郡大子町には、久慈川の鮎に加えて、「けんちんそば」「奥久慈しゃも」「奥久慈そば」などさまざまな名物があり、自然の恵みを感じる食も魅力です。

  • 住所(袋田温泉に近い袋田駅):茨城県久慈郡大子町袋田

御城展望台

御城展望台(みじょうてんぼうだい)は、茨城県常陸大宮市にある山方城跡(山方能登守の居城跡)に造られた展望台。1987年に建設されたものですが、天守を模した展望台には戦国時代のお城のような趣があります。

久慈川と国道を見渡す展望台に立てば、戦国の世に生きた兵たちがしのばれることでしょう。敷地内には梅林もあり、2月下旬〜3月上旬に訪れれば満開の梅が見られるかもしれません。

  • 住所:茨城県常陸大宮市山方313

不動の滝

「不動の滝」は全国にいくつもありますが、ここで紹介するのは茨城県常陸大宮市にある滝。久慈川の支流・滝沢川にかかる落差10mの段瀑で、古くから信仰の対象として地域で大切にされてきました。

小さな滝ではありますが、黒光りする岩盤と季節によって色彩を変える周囲の植物が織りなす光景は見事。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉など、季節ごとの風情が楽しめます。

  • 住所:茨城県常陸大宮市舟生294

紙のさと(西ノ内紙の専門店)

茨城県常陸大宮市にある「紙のさと」は、手すき西ノ内紙の専門店。350年の歴史を持つ西ノ内紙は、常陸大宮市や大子町で生産される「那須楮(なすこうぞ)」を使った和紙で、強く、かつ優雅なことで知られています。

「紙のさと」では、そんな西ノ内紙を使った装飾品や雑貨、小物などが購入できるほか、和紙上に染めた繊維をのせて絵を描く「すき絵体験」も実施。普段なかなか触れることのない、和紙の奥深い魅力を体感してみてください。

  • 住所:茨城県常陸大宮市舟生90

ピッツェリア コゾー

「ピッツェリア コゾー(Pizzeria KOZO)」は、茨城県久慈郡大子町で薪窯焼きピザを提供するレストラン。

素材にこだわった本格ナポリピッツァが評判で、「奥久慈しゃも」や「常陸牛」「大子産葉わさび」など、地元食材を使ったメニューも楽しめます。

  • 住所:茨城県久慈郡大子町袋田2698-5

大子温泉

茨城県久慈郡大子町に位置する大子温泉は、茨城県随一の美人の湯として知られる温泉地。袋田温泉同様、奥久慈温泉郷の一角を占めています。

無色透明で無臭のお湯はナトリウム硫酸塩・塩化物泉で、神経痛や冷え性、疲労回復などに効果があるほか、美肌効果にも優れています。

大子町がリンゴの産地であることから、10月から1月にかけては、日帰り入浴施設「森林の温泉(もりのいでゆ)」にて、リンゴを湯船に浮かべた「リンゴ風呂」が体験できます。

  • 住所(大子温泉に近い常陸大子駅):茨城県久慈郡大子町大子

月待の滝

月待の滝
<出典:写真AC

ロマンティックな名を持つ「月待の滝」は、茨城県久慈郡大子町にある高さ17m、幅12mの滝。普段は2筋の夫婦滝ですが、水量が増えるともうひとつ子滝が現れて「親子滝」になることから、安産や子育てにご利益があるとして、古くから信仰を集めてきました。

現在では、マイナスイオンをたっぷりと浴びられるスポットとしても人気。水に濡れずに滝の裏に入れることから、「裏見の滝」「くぐり滝」とも呼ばれています。滝へと向かう道沿いにはモミジが植えられているため、秋の美しさは格別です。

  • 住所:茨城県久慈郡大子町川山

あゆのつり橋

あゆのつり橋
<出典:写真AC

「あゆのつり橋」は、福島県東白川郡矢祭町のシンボルとして親しまれる赤い橋。周囲の緑によく映える延長62m、幅1.5mの橋の上からは、穏やかな久慈川と山々の風景が見渡せます。

橋を渡った先には「ふくしまの水三十選」にも選ばれた「夢想滝」や「桧山(ひやま)ハイキングコース」があり、自然散策が楽しめます。また、鮎釣りの名所であることから、つり橋近くの店では、鮎を使ったグルメも味わえます。

  • 住所:福島県東白川郡矢祭町内川矢祭95

矢祭山公園

矢祭山公園(やまつりやまこうえん)は、福島県東白川郡矢祭町(やまつりまち)にある景勝地。久慈川沿いの「県立自然公園矢祭山」の一角を整備したもので、約5万株ものツツジをはじめ、桜、モミジなど四季折々の絶景が楽しめることから、「東北の耶馬渓」とも称されます。

矢祭山公園
<出典:写真AC

なかでも、真っ赤な「あゆの吊り橋」と矢祭山公園の自然が織りなす風景がフォトジェニックです。

  • 住所:福島県東白川郡矢祭町大字山下字下河原191-25

木の博物館

福島県東白川郡塙町(はなわまち)にある「木の博物館」は、日本で唯一の木に特化した博物館。広葉樹60種、300点を展示しており、貴重な樹齢数百年の巨木も見られます。

手作り木工芸品の販売も行っており、家具作り体験も可能。自分だけのオリジナル家具を創れば、ずっと残る思い出ができますね。

  • 住所:福島県東白川郡矢祭町大字山下字下河原191-25

「日本人なら誰もが知る観光地」というよりは、知る人ぞ知る穴場的スポットが充実している久慈川周辺。流域に出かけるなら、ちょっと変わったスポットにも足を運べば、より印象的な旅になるかもしれません。

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