アイルランド南部ドライブで回りたい場所3選【その2】

アイルランド

アイルランド南部ドライブで回りたい場所3選【その1】に続いておすすめしたいのは、アイルランド南西部のキラーニー国立公園と、ディングル半島です。かたや山と湖、かたや海に囲まれ、厳しくも美しい風景が広がります。

特にディングル半島は、アイルランド旅行で最もわたしの心に残った場所。力を込めて紹介したいと思います。

目次

キラーニー国立公園(Killarney National Park)

キラーニー国立公園は1932年アイルランド初の国立公園として生まれました。三つの連なる湖とそれを取り巻く山々、渓谷、森と、変化に富む風景が広がる地域です。

下の湖(Lower Lake)とロス城(Ross Castle)

三つの湖のうち、最も大きく、アクセスもよいのが、下の湖(Lower Lake)です。湖畔のロス城(Ross Castle)には大きなパーキングがあり、約一時間の遊覧船で下の湖ツアーを楽しむこともできます。またロス城の先の湖に突き出た半島、ロス島(Ross Island)は、軽い散策に最適な場所です。湖畔の木々の下、澄んだ空気を味わいながら、古い銅山跡など興味深い史跡を見て回れます。

ロス島
<ロス城の散策 ©Kanmuri Yuki>

【ロス城(Ross Castle)】

  • 開館時間:3月1日~11月5日(2019年の場合)9時30分~17時45分(入館は閉館の1時間前まで)
  • 入場料:大人5ユーロ
  • URL:Ross Castle

ロス城
<ロス城 ©Kanmuri Yuki>

【キラーニー・ウォーター・バス・ツアー(Killarney Water Bus tour)】

下の湖
<下の湖(Lower Lake)船からの景色 ©Kanmuri Yuki>

マックロス・ハウス(Muckross House)

真ん中の湖(Middle Lake)には19世紀のヴィクトリア朝風建築であるマックロス・ハウス(Muckross House)からのアクセスが便利です。

  • 開館時間:11~3月は9時~17時、4~6月と9~10月は9時~18時、7~8月は9時~19時(最終入場は閉館の1時間20分前まで)
  • 入館料:大人9.25ユーロ(農場との共通券は15.5ユーロ)
  • 休館日:年中無休(クリスマス時期のみ閉館日あり)
  • URL:Muckross House

レディーズ・ビュー(Lady's view)

上の湖
<レディーズ・ビューから見た「上の湖(Upper Lake)」© Kanmuri Yuki>

少し離れた場所にある上の湖(Upper Lake)は、展望ポイント、レディーズ・ビュー(Lady's view)からの眺めがおすすめです。メインロードのひとつN71号線上には、駐車スペースもあるので見逃すことはないでしょう。

ダンロー渓谷(Gap of Dunloe)

また、ここまで足を運んだら、是非行っておきたいのが、三つの湖の西側にあたるダンロー渓谷(Gap of Dunloe)です。キラーニー側の北から入る場合、ケイト・カーニーズ・コテージ(Kate Kearney's Cottage)以南は道幅が狭いので、ケイト・カーニーズ・コテージのパーキングに車を停め、馬車か徒歩で渓谷を進むのが良いでしょう。そのほうが、景色や空気も満喫できます。

ダンロー渓谷
<ダンロー渓谷 © Kanmuri Yuki>

ディングル半島(Dingle Peninsula)

ディングル半島
<ディングル半島 車窓から © Kanmuri Yuki>

キラーニーより更に西に位置する半島のひとつにディングル半島があります。

首都ダブリンから見ると、南西方向に約300kmほぼ真っすぐ走ったところが、ディングル半島のつけねにあたる町トラリー(Tralee)。そこから更に50kmほど進むと、半島と同じ名前をもつ町ディングル(Dingle)にたどり着きます。

おすすめドライブウェイであるスレーヘッドドライブ(The Slea Head Drive)は、このディングルの町から半島の先端まで一周できるようになっています。

【ディングル(Dingle)半島とディングルの町】

スレーヘッドドライブ(The Slea Head Drive)の全長は50km弱ですが、謎に満ちた遺跡や映画ロケ地など、見どころ満載なエリアを通ります。

ミステリアスな石の建造物群

ガララス礼拝堂
<ガララス礼拝堂 © Kanmuri Yuki>

ディングル半島には、ミステリアスな石の建造物がいくつも存在します。そのなかでも、保存状態が非常に良好なもののひとつが、ガララス礼拝堂(Gallarus Oratory)です。誰が何のためにいつ作ったのかはっきりしたことは、いまだに分かっていません。7世紀あるいは12世紀の建築ともいわれ、用途についても、初期キリスト教教会、巡礼者の休息地、墓地付属のチャペルなど、さまざまな説が唱えられています。

とはいえ、この「礼拝堂」が、少なくとも800年以上の年月、強風にさらされながら、びくともせず建ち続けているのは事実です。草原にぽつんと建つガララス礼拝堂に向き合うと、自然と敬虔な思いが湧いてくるようにも感じます。

【ガララス礼拝堂ヴィジターセンター(Gallarus Oratory Visitor Centre)】

要塞キャッシェル(Cashel)

キャッシェル マーフィ一部
<キャッシェル・マーフィ一部 © Kanmuri Yuki>

また、ディングルの町からスレー・ヘッド(Slea Head)までは、ビーハイヴ・ハット(Beehive Hut=蜂の巣小屋)と呼ばれる小さく丸い建造物や、石を重ねた要塞キャッシェル(Cashel)が点在しています。いずれも国の史跡指定を受けていて、2~3ユーロの見学料で見学可能になっています。下に2つほど例を挙げておきましょう。

【ビーハイヴ・ハッツ(Beehive Huts)】

【キャッシェル・マーフィ(Cashel Murphy)】

キャッシェル マーフィ通路
<キャッシェル・マーフィ通路 © Kanmuri Yuki>

余談ですが、これらの石の建造物周辺では、羊が飼育されていることが多く、季節によっては、草を食む子羊と触れ合える場所も少なくありません。ふわふわ子羊のもふもふ具合に、見学者の誰もが一様に笑顔になるさまは、なかなか心和む光景です。

もふもふの子羊たち
<もふもふの子羊たち© Kanmuri Yuki>

絶景広がる西側ルート

スターウォーズ 最後のジェダイ ロケ地
<『スターウォーズ/最後のジェダイ』ロケ地 © Kanmuri Yuki>

ディングル半島は、これまで『ライアンの娘(Ryan's Daughter)』(1970)、『遥かなる大地へ(Far and Away)』(1992)、『スターウォーズ/最後のジェダイ(Star Wars:The Last Jedi)』(2017)など、映画のロケ地にもなってきました。

特に、スレ―・ヘッド(Slea Head)からクロハー・ヘッド(Clogher Head)の西側ルートは、ブラスケット諸島(Blaskets Islands)や、アイルランド島最西端ダンモア・ヘッド(Dunmore Head)を望むクミノールビーチ(Coumeenoole Beach)などが続き、ドライブしていても、停車したくてうずうずするほど。撮影が行われたポイントが多くあるのも頷けます。

クミノール
<クミノール © Kanmuri Yuki>

スリーヘッド・ドライブのディングル最西端部分

この辺りは道幅の狭いところもありますから、運転される方は、景色に気を取られすぎないよう、くれぐれもご注意を!

アイルランドで最も高い峠コナーパス(Conor Pass)

冷たい湖ラフ ドゥーン
<冷たい湖ラフ・ドゥーン © J.-B. ETIENNE>

内陸部からディングルへ向かうルートは、2、3通りありますが、もし時間に余裕があり、天気もそれほど悪くないようなら試してみてほしいのが、コナーパスを通るルートです。コナーパスは、アイルランドで最も標高の高い峠道で、晴れていれば、遠く湖を見渡せるヴューポイントでもあります。

コナーパスの少し北側には、ラフドゥーン(Lough Doon)と呼ばれる小さな湖があります。パーキングから岩山を登った場所にあるラフドゥーンからの眺望もまた素晴らしいものです。ラフドゥーンで泳ぐ強者も何人か見かけましたが、夏でも肌寒いコナーパスのこと、心臓の強い方限定の楽しみ方でしょう。

山道一般に言えることですが、コナーパスを通る道も、一部かなり幅の狭い部分があります。キャンピングカーなど大型車での走行は避けたほうが良いでしょう。

最後に

アイルランド南西部には、そのほかにも風光明媚な場所が数多く存在します。首都ダブリンからは少々距離がありますが、アイルランド観光の際は、ぜひともこちらまで脚を伸ばしてみてください。けっして後悔はさせません!

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冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。

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