【完全保存版】モロッコ旅の実用情報!

モロッコ

近年、観光地として人気があがってきているモロッコ。

今回はモロッコの基本的な情報や旅のTipsをご案内します。

目次

モロッコ旅行、日程の立て方

例えば、1週間で北海道から東京、名古屋、大阪、京都、沖縄までめぐり、成田から出国するというプランは無謀ですよね?

でも、モロッコ旅行でこういう無謀なプランを立てる人がたくさんいますし、これくらい忙しいツアーも多いです。

モロッコ旅行の日程を立てる時に一番大事なのは、一番の目的は何か決めること。モロッコで、誰とどんな時間を過ごしたいのか決めることです。一週間であれば、旅のハイライトになることは、2、3個に抑えた方が、結果としては思い出深い旅ができると思います。なお、モロッコの陸路の移動は道が悪いところもあり、想像よりも疲れます。車の移動の場合、1日の移動時間は5時間以内にしましょう。

モロッコ

モロッコってどんな国?基本情報

公式時間

公式時間はUTC +1。日本との時差は9時間ですが、2019年から年中通してサマータイムを実施することになったので、2019年現在の実質的な時差は8時間です。2019年の場合、ラマダン月にはサマータイムが中止されました。2020年のラマダンは4/23から5/23頃が予定されていますが、サマータイムの中断については不明です。サマータイム実施・中断は急に決定されます。

公用語

公用語はアラビア語とベルベル語ですが、学校教育でフランス語も学ぶため、教育を受けたモロッコ人はフランス語の読み書き会話もできます。観光地では英語やスペイン語が通じます。モロッコのアラビア語は、アラビア語のモロッコ方言で、書き言葉の正則アラビア語(フスハー)とはかなり異なります。30歳以上のモロッコ人の中には、読み書きができない人、計算が苦手な人もいます。スーク(市場)などの買い物やレストランの会計時に計算が合わない場合は、一緒にゆっくりやり直してみてください。

入国・出国

パスポート残存期間は3ヶ月必要(※)。90日以内の観光目的の滞在の場合、ビザは不要です。入国時に滞在先の住所や目的などを確認されることがあります。ホテルなどの予約証明書や大まかな日程はプリントアウトし、すぐに出せるようにしておきましょう。

(※)記事公開当初、パスポート残存期間は「6ヶ月」必要と記載がございましたが、正しくは「3ヶ月」でございました。お詫びして訂正いたします。最新の情報は、下記モロッコ大使館公式サイトをご参照くださいませ(2020年1月22日 たびこふれ編集部)。

>>>モロッコ渡航に際しての、ビザ・パスポートの詳細について詳しくはこちらから(モロッコ王国大使館)

入国、出国ともに非常に時間がかかります。

航空会社によっては、出国時は飛行機の出発時間3時間前に空港に到着することをすすめています。

10万DH以上の現金を持ち込む場合は、税関で申告が必要です。また、持ち出しについても同様です。無申告の場合、没収されることがあります。

モロッコの宗教&タブー

モロッコの国教はイスラム教スンニー派で国民の99%がムスリムです。宗教心が厚い人が多く、モロッコの法律もイスラム教に沿っています。

モロッコではモスクや廟などの宗教施設は、ムスリムのためのものだと考えられており、一部を除いてはムスリム以外の観光客の入場が禁止されています。

宗教を冒涜するような行為は、モロッコ人との間にトラブルを引き起こすだけではなく、法律的にも問題になることがありますので十分気をつけてください。

肌の過剰な露出、人前での性的な素ぶり、人前で酔うこと、同性愛、モロッコ女性の写真撮影、結婚していない男女の接触などはトラブルになることがあります。

白のシャツを長くしたような民族衣装を来た男性や、髪の毛と口元も隠し全身黒い民族衣装をまとっている女性は、こちらから触れないようにしましょう。握手もしない方が無難です。

通貨・お金

モロッコの通貨はモロッコディルハム(MAD)と言います。国外では両替できないので、到着後両替します。日本円、ユーロなどの現金を両替できますが、ATMで引出すこともできます。

モロッコディルハムが余った場合は、出国前に再両替します。両替やATMからの引き出しを証明する紙は、再両替時に必要になりますので無くさないようにしてください。2,000DHまで国外に持ち出せますが、それ以上の持ち出しは禁止されています。スキミングなどのトラブルがあるので、一般のお店では、できるだけ現金を利用しましょう。

ATM

ATMがフリーズしてカードが出てこない、ATMからでてきた金額が間違っているなどのトラブルがまれにあります。カード番号、保険番号、パスポート番号などの詳細は、常に控えておき、ATMの利用時間、金額、場所をメモしておき、エラーになった場合は写真を撮っておきましょう。

ATMで一回に引きだせる額は2,000DH。それ以上必要な場合は、数回に分けて引きだす必要があります。2,000DHは、モロッコの1ヶ月分の最低賃金に近い金額。一般のモロッコ人にとっては大金です。ATMを利用する際は、平日昼間、銀行内部など建物内を利用し、周りの人に暗証番号を見られないように注意してください。

チップ

モロッコはチップ社会です。飲食店、タクシー、ホテルなどのサービス業はチップ収入が前提の給料体系になっているので、よほどサービスが悪くない限りチップを払います。ツアーなどでは、ガイドさんがまとめて払ってくれることもあるので確認しましょう。

  • 飲食店:合計金額の10%~
  • 高級リヤドなど:チェックアウト時に、一人当たり100DH程度渡してスタッフ間で分けてもらう。
  • 専属ドライバー:1日100〜150DH/ドライバー一人につき。
  • ホテルのポーター:20DHから
  • リヤカーの荷物引き:30DHから
  • 大道芸人などの写真撮影:20DHから
  • トイレ銭:2DH

モロッコ

物価

旧市街のお土産物店には定価がありません。交渉で値段を決めます。

モロッコの物価は、庶民的なモロッコ人向けの店や田舎はかなり安いですが、マラケシュなどの外国人向けレストランやカフェ、セレクトショップの物価は日本とそれほど変わりません。

インターネット&通信事情

SIMフリーの携帯電話を持っている場合は、空港でSIMカードを手にいれると便利です。

100DH程度で4Gインターネット、無制限の国内電話、30分程度の国際電話ができるSIMカード、モロッコの電話番号が手に入ります。

4Gが使えると、Google Mapを使いながら街歩きができるほか、非常時のために家族や友達と位置情報を共有することもできます。

カフェ、レストラン、リヤド、ホテルなどではwifiが使えますが、セキュリティーが甘いので、そのつもりで使用していください。

速度が遅く、旧市街などではすぐに落ちてしまうこともあります。小規模宿、リヤドのwifiが丸一日使えないなどのトラブルはよくあります。仕事などの場合は、ポケットwifiなどを日本から用意していくと安心です。

交通情報

2009年にモロッコ国内線のエア・アラビア・モロッコが就航。2018年に最大時速357kmのアフリカ初の高速鉄道LGVがカサブランカ〜タンジェ間に開通するなど、モロッコ国内の移動手段や所用時間が大幅に変わっています。個人で移動する場合は、各公式サイトをよく確認しましょう。

モロッコは、交通事故が非常に多い国です。車一台あたりの死亡者数は日本の約20倍です。車で移動する場合は、費用が高いほど安全度が高いと考えて良いので、移動にはお金を使うようにしてください。また、一日の移動距離を短めに抑えるなど、ドライバーが疲れすぎないような日程で動くことも大切です。

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国内線

Royal Air MarocおよびAir Arabia Marocが就航しています。

  • Air Arabia Marocでは、マラケシュ=フェズ間、マラケシュ=タンジェ間を約1時間で移動でき、料金も片道50ユーロ程度からと安く便利ですが、変更、欠航、遅延が非常に多いです。
  • Royal air Marocは、モロッコのフラッグシップエアで、モロッコの主要都市からヨーロッパの主要都市へのフライト、モロッコ国内線が就航していますが、こちらも数時間の遅れが頻繁に生じます。

ONCF/モロッコ国鉄

2018年にONCF(モロッコ国鉄)の高速鉄道LGVがカサブランカ〜タンジェ間に開通。従来5時間近くかかった区間を2時間10分で移動できるようになりました。鉄道で移動できるのは、モロッコ北部からマラケシュ・アガディールまで。アトラス山脈以南は走っていないのでバスを利用します。

観光客が多い路線の2等では、スリ、詐欺、痴漢などの被害があります。女性の旅行者がコンパートメント式を利用する際は、女性や家族連れがいるコンパートメントに乗るようにしましょう。

CTM/Supratours/民営バス

モロッコ南部は鉄道が走っていないため、公共の交通機関で移動する場合はバスの利用となります。CTMSupratoursを使いましょう。そのほかの民営バスは、安全面、乗り心地などの当たり外れが非常に大きいので、できるだけ使わないようにしてください。

GRAND TAXI/グランタクシー/長中距離タクシー

グランタクシーは、中長距離の乗り合いタクシーです。

バスの路線が少ないところ、走っていないところでの重要な足として使われています。大型バスターミナルなどの近くに乗り場があり、車一台あたりの人数が集まると出発しますが、外国人旅行者には利用が難しいことも多いので、バスや電車の便が悪いところに出かけたい場合は、ホテルのデスクなどに相談して旅行者用の車やタクシーをチャーターしてもらうことをおすすめします。

PETIT TAXI/プチタクシー/短距離タクシー

町中用の短距離タクシーです。流しのタクシーを拾ったり、電話で呼んで利用したりします。三人乗りで、行き先が同じ場合、別のお客さんが乗り込んでくることがあります(メーターも複数あり、それぞれが規定の料金を払います)。

プチタクシーは、条件が合わないと乗れません(乗車拒否が頻繁に起こります)。

「どこまで行きますか?」
「マジョレル庭園」
「50DH」
「メーターで行ってください」
「30DH」

外国人観光客が乗る場合、このような会話が交わされるのが普通です。マラケシュの場合、メーターを利用する場合、7DH〜15DH程度でたいていのところまで行けますが、観光客の場合、交渉が難しく時間がかかるので、「タクシーは20DH」と決めて、20DHで乗せてもらえればOKとするのも手だと思います。忙しい時間帯には、モロッコ人でもタクシーを拾うために15分、20分かかることもあります。

モロッコ

旅の持ち物

モロッコ旅行であったら便利なものは以下のとおりです。

  • コットンなどの通気性が良い長袖シャツ:簡単に洗えて乾きやすいもの、日焼け対策になりそうなもの。
  • 天然素材の洗える大判ストール:首元の日焼けや露出防止、砂漠での砂塵防止に使えそうなもの。
  • サングラス:モロッコの日差しは強烈です。
  • 日焼け止め、保湿クリーム:モロッコのスーパーでも手に入ります。
  • ビルケンシュトックなどの歩きやすく丈夫なサンダル。冬季はしっかりとした滑りにくいブーツ。
  • 密閉できる保存用袋
  • ウェットティッシュ
  • 使い捨てコンタクトレンズ
  • 使い捨てカイロ(冬季)
  • ショッピングバッグ:モロッコでは、ビニール袋が廃止されたため、スーパーなどで使われるのは不織布の袋です。破れやすいので、ショッピングバッグを持参すると便利です。
  • 消毒薬、バンドエイド、頭痛薬などの常備薬
  • コンセントタコ足(電気タップ)ホテルの部屋で使うため

治安・気をつけたほうが良いこと

日本の外務省の「危険情報」では、モロッコは全土が「黄色・十分注意してください」です。

出発前に目を通してください。

外務省の海外安全情報サービス「たびレジ」に登録しておくと、大規模な事件、事故、テロ、自然災害などの情報をメールでお知らせしてもらえます。また、事案によっては電話で安否確認をしてもらえることもあります。ぜひ利用しましょう。

渡航前には、必ず海外旅行保険に加入しましょう!万が一の際の緊急移送サービスが含まれているかどうか、キャッシュフリーで医療が受けられるかどうか確認しておきましょう。

医療事情

病気、事故などで病院にかからなくてはならない事態にならないように、気をつけてください。特にアトラス以南の田舎では、医療レベルはかなり低く、言葉も通じません。

交通事故

モロッコは交通事故が非常に多い国です。車で移動する場合は、できるだけ安全な車を選びましょう。安価な現地発着ツアー、安価なバスなどは避けてください。街中は車優先です。車が歩行者を避けてくれることはないので、常に緊張感を持って歩いてください。また、大通りでも横断歩道や信号がないことが多いので、周りのモロッコ人と合わせて渡ってください。

日射病・熱中症

モロッコの夏の日差しは強烈で、日向の気温が50度を超えることがあります。真夏のモロッコ旅行はおすすめしませんが、3、4月、10月でもかなりの暑さになることがあります。気温が高い日は無理をせず、昼過ぎの最も暑い時間帯は涼しいところに止まるようにしてください。

食あたり

モロッコ旅行中に最も気をつけたい体調不良は食あたりです。古い油で作られた揚げ物、氷、生野菜などでお腹を壊すことが多いので、回転が良いよく流行っている飲食店を選び、しっかり火が通ったものを食べるようにしましょう。

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すり・ひったくり・バイク強盗

路上でのひったくり、バイク強盗、スリなどの被害が多いです。道を歩いていたら後ろからやってきたバイクからバッグを引っ張られ、ナイフで紐を切られて取られた、その際に転倒した。早朝に旧市街の人気のない道を歩いていたら、スーツケースを丸々取られたなど。抵抗すると危険です。ラマダン中及び犠牲祭前はお金が必要な人が多く、すりやひったくりなどの犯罪が増えるので気をつけてください。

テロ

モロッコでは2018年にマラケシュから近いイムリル村付近において、外国人観光客女性2名が殺害される事件が発生。ISISによるテロと断定され、実行犯多数が逮捕されました。また、2011年にはマラケシュのジャマ・エル・フナ広場にあるカフェ・アルガナのテラスで爆破事件が起き、死者17名、負傷者20名が出ました。ヨーロッパの主要都市と比較してテロの危険が高いとは言えませんが、十分な注意が必要です。

SNSやブログで旅行記をアップロードする際は、現在地や未来の予定を表示しないように気をつけましょう。

新市街と旧市街

モロッコのほとんどの街には、昔ながらの「旧市街」とフランス保護領時代に作られ、独立後も発展した「新市街」があります。観光名所のほとんどは「旧市街」にあります。旧市街は昔外敵の侵入を防ぐために迷路のように作られた街です。道が細く車が入れないところも多く、また、非常に入り組んでいる場合があり日が暮れると真っ暗で人気がない場合も。旧市街に宿を取る場合は、近くに車がつけられるところを選び、口コミサイトなどで周辺の状況を良く確認してください。また、旧市街のレストランでディナーをいただく場合なども、レストランのポーターにチップを払い車まで送り迎えしてもらいましょう。

アルコール

モロッコ人の99%はムスリム・イスラム教徒ですが、モロッコの戒律はアラビア半島の国々と比べると緩めのため、お酒を飲む人もいます。また、観光客向けのレストランやホテルのバーではアルコールの扱いがあります。

大型スーパーにもアルコール売り場がありますが、ラマダン中やイスラム教の祝祭日には閉まります。公共の場所での飲酒、公共の場所で酔うことは禁じられています。

モロッコの年間イベント情報

*がついている日程は、太陰暦、月の満ち欠けによって決定するため、予定が変わることがあります。ラマダンの開始日、ラマダン終了日は、新月が見えたかどうかで宣言されるため、お天気が悪いと翌日まで繰り越されます。

ラマダン中は、喧嘩や交通事故、すり、ひったくりが増えるため、旅慣れた方以外は避けた方が良いです。ラマダン明けおよび犠牲祭の祭りは、家族や親族と家の中で祝う祭り。観光客が参加できる祭りではありません。ラマダン明けおよび犠牲祭前後は、モロッコ人の帰省ラッシュのため国際・国内航空便や公共交通機関が非常に混み合い、フライトの価格も上がります。

  • 1/1:元日
  • 1/11:独立宣言記念日
  • 4/23頃:ラマダン開始*
  • 5/1:メーデー
  • 5/23頃:ラマダン終了、ラマダン明けの祭り*
  • 7/30:即位記念日
  • 7/30頃:犠牲祭*
  • 8/20:革命記念日
  • 8/21:モハメッド6世国王誕生日
  • 11/6:緑の行進記念日
  • 11/9:預言者生誕祭*
  • 11/10:預言者生誕祭*
  • 11/18:独立記念日

※1DH(モロッコディルハム)=11.25円(2019年11月現在)

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宮本 薫

2001~2016までモロッコ・マラケシュ在住。2016~ドイツ・ベルリン在住。モロッコ雑貨の企画製造販売&セレクション、旅企画、ライター。

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