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アイルランド南部ドライブで回りたい場所3選【その1】
アイルランドは、イギリス、グレート・ブリテン島の西にあるアイルランド島約85%を占める国です。北海道より小ぶりな国土には、これまた、北海道より幾分少ない500万人足らずが住んでいます。
目次
アイルランドの特徴を3つ上げるなら
遺跡、パブ、アイルランド・ミュージック、特有のスポーツであるハーリングなど、アイルランドの特徴として挙げられるものは多々ありますが、ここでは、私が旅の初めにガツンと印象を受けた点を3つだけ紹介したいと思います。
1. 緑色
まず、アイルランドに降り立って最初に目に入るのは、緑色です。
機上から見える国土も緑豊かですが、それだけでなく、アイルランドの空港には、緑色の飛行機がずらっと並んでいるのです。これらは、国を代表するエア・リンガス(Aer Lingus)の機体で、尾翼には、国の象徴とされる三つ葉マークが映えています。
<エア・リンガスの機体。後方には虹が... ©Kanmuri Yuki>
また、アイルランドの守護聖人・聖パトリックの祝日は必ず緑のものを身に着けるという風習も、ヨーロッパではよく知られるところです。付け加えれば、この国では町角の郵便ポストまで緑色ときています。
<アイルランドはポストも緑 ©Kanmuri Yuki>
2. 変わりやすい天気
次にアイルランドを特徴づけるのは、なんといってもその天気の変わりやすさでしょう。「どの場所にも一日一度は雨が降る」というのが土地の人の言葉。実際、私も毎日雨に遭遇しましたが、長く続くことは稀でした。逆に考えれば、丸一日雨という心配はないとも言えます。
<青空にたちまち雲が立ち込めることも ©Kanmuri Yuki>
変わりやすい天気は、曇り空の美しさや、光線の変化にも気づかせてくれます。また雲を運ぶ激しいほどの風にも強いインパクトを受けました。
3. フレンドリーな国民
最後にもうひとつアイルランドの特徴を挙げるとすれば、それはアイルランド人の穏やかさです。わけへだてのない笑顔とソフトで心地よい話し方に、こちらも自然と笑顔になります。人懐こい人も多いようで、名前も知らない者同士、たまたま同じ場所に居合わせたことから話に花が咲くことも珍しくありません。
<パブのカウンター©Kanmuri Yuki>
旅の出会いは、その国、その旅の印象を左右するものです。アイルランドで出会った人々は、間違いなく、あなたのアイルランドへの好感度を一気に上げてくれることでしょう。
ドライブ旅行のすすめ
アイルランドの首都ダブリンは、島の東端、南北でいえば中ほどに位置します。
どんな国の首都にも言えますが、ダブリン市内は車で観光するには適しません。けれども、ダブリンの外へ出てしまえば、アイルランドを車で旅するのはそれほど難しいことではありません。
なんといっても日本と同じ左側通行!それに、アイルランド人ドライバーは我慢強いのか、クラクションは滅多に鳴らしません。もたもたUターンする車がいても辛抱強く待ちますし、指示器を出して車線変更する車には快く場所を譲ってくれます。こんなところにもアイルランド人の穏やかさが出ているのかもしれません。
<町中でもない限り渋滞には遭いません ©Kanmuri Yuki>
もちろん、鉄道やバスという選択肢もありますが、辺鄙(へんぴ)な場所にある遺跡などは、車があれば効率よく回ることができます。また上述したように、変わりやすい天候であるため、雨具やトレッキングシューズ、分厚い冬服などを常に積んでおける車だと、行く先々で天候に応じて着替えられるので便利です。
ダブリン南方に広がるウィックロー国立公園
さて、「アイルランド南部、ドライブで回りたい場所」として最初におすすめしたいのは、アイルランドにある国立公園のうち一番面積の大きいウィックロー山脈国立公園です。
公園とは言っても、柵で囲われているわけでもなければ、入場料が必要なわけでもありません。雄大な景色を見ながらドライブしたり、車ではたどり着けない山頂や湖までトレッキングできるようになっているのがアイルランドの国立公園です。もちろん、道でないところは走ってはいけませんし、ゴミを捨てたり、植物を採取することは禁じられています。
<ウィックロー国立公園内のブラック・ウォーター・リヴァー ©Kanmuri Yuki>
ウィックロー山脈国立公園では、比較的なだらかな山の中にピート色の川が流れる美しい自然の中をドライブできます。ピートというのは、アイルランドに多い泥炭層のことです。この地層から流れる水は茶色いのですが、濁っているのではなく、美しく澄んでいます。しかも、軟水でまろやかな味をしています。とはいえ、川の水をすくって飲んだりはされませんように!
<ケルトの十字架ハイクロス ©Kanmuri Yuki>
ここにドライブに来たら忘れずに訪れたいのは、初期キリスト教会群の点在するグレンダーロッホです。私が訪れた時は雨でしたが、負け惜しみではなく、石積みの遺跡とハイクロス(ケルトの十字架)がひっそりと佇む風景には青空よりも雨空が似つかわしいように思いました。
グレンダーロッホ(Glendalough)
- 入場料:大人5ユーロ
- HP:グレンダーロッホ(Glendalough)
この教会群からさらに奥へ進むと国立公園インフォメーション・オフィスがあり、そこを基点にして、湖や山麓のトレッキングを楽しむこともできます。
また、インフォメーション・オフィスへ向かわず、メインロード(R756)をハリウッド(Hollywood)方面に走るとあるのが、鉛鉱山跡(Glendasan Valley Lead Mines)です。
ここから谷間を見下ろす眺めは、私見ですが、ウィックロー国立公園の中でも一二を争う素晴らしさに思えました。
<鉛鉱山跡から見た景色 ©Kanmuri Yuki>
最後に
いかがでしょう。この風景に身を置いてみたい気持ちがふつふつと湧き上がってきませんか?
お伝えしたいアイルランドの魅力はまだまだ続きます!どうぞ、お楽しみに。
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冠ゆき
- 山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。