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【たびこふれ美術館】第3話:完成まであと7年!成長し続ける聖なる石の森「サグラダ・ファミリア」
こんにちは♪たびこふれ美術ライターのやすおです!
いやはや、第1話「竪琴弾きの男!」...なに? 第2話「死のダンス!」...どれ?って感じで進んできました、たびこふれ美術館も第3話にしてようやく超大物を取り上げることができました(笑)
完成まであと数百年かかる?そもそも完成するのか?
そんな噂の絶えないスペインの誇る、未だ建設の続く世界遺産「サグラダ・ファミリア」です!
どうぞお楽しみください~♪
目次
そもそもサグラダ・ファミリアとは?
サグラダ・ファミリアは19世紀後半のバルセロナにてアントニ・ガウディという建築家によって設計・建築が進められ、ガウディ亡き今もなお建築の進む教会です。
「サグラダ・ファミリア」とはイエス・キリスト、母マリア、養父(本当の父は神のため)ヨセフの3人の「聖家族」のこと。カタルーニャ語の正式名称をすべて翻訳すると「聖家族贖罪教会」となります「贖罪/しょくざい」とは罪をあがなうことです。
恐らくスペインで最も有名な観光地であるこの教会は1984年に世界遺産に登録され、いつ見に行ってもクレーンだらけの「建築中の世界遺産」として世界に名を馳せています。
でもちょっと思いませんか?
・・・・・・・・・・建築中の世界遺産て!!(関西風に)
そうなんです、このサグラダ・ファミリアは建築中の世界遺産なんです。
そんなのあり?って思ってしまいますがこれには理由があって、なんといってもガウディがこの教会に着工したのは1882年のこと。ガウディは1926年に73才で亡くなるまでに自分の人生をすべてこの教会に捧げて建築を続けました。そんな彼の生前に完成していた部分は私たちのよく知る「生誕の門」と「地下礼拝堂」のみで、それ以外の部分はガウディ亡きあと、彼の設計書を元に建築され続けているものになります。
ですので、この素晴らしいガウディの建築を世界遺産に登録するため「アントニ・ガウディの作品群」という名前を冠して建築物を登録しているので、このサグラダ・ファミリアではガウディの実際に手掛けた「生誕のファサード」「地下礼拝堂」のみ世界遺産に登録されている状態なのです。
もちろんあと100年くらいすればすべてが世界遺産に登録されるかもしれないんですけどね☆
ちなみに生誕のファサードの彫刻はこんな感じ。
ガウディは自身の存命中にこの教会が完成するとは思っていませんでした。なので、「我々の歩みを示すような、そして次の世代がそれを新たに制作したいと願うような活力に満ちた手本を残そう!」と言い、生誕のファサードの建設に注力したようです。
ガウディのその思いは今なお受け継がれ、建設が続けられているのです。
彫刻たちの周りのごちゃごちゃした装飾は生い茂る緑を表します。まさに生命溢れる「生誕のファサード」といったところでしょうか。
知られざるグラダ・ファミリアの内部
スペイン、特にバルセロナに来ると「ガウディ!ガウディ!」という、この町はガウディの町なんだというなんとも言えない雰囲気に包まれます。かく言う私もガウディの建築は大好きで、
「天才ってこんな人のことを言うんだろうな」という気持ちにさせられます。
私もサグラダ・ファミリアの進捗をここ10年ほど見続けているので、どんな風に完成を目指すのかとっても楽しみです。
一般的にサグラダ・ファミリアというと「生誕のファサード」があまりにも有名だと思うのですが、私は内部の方が好き。以下の写真が今回撮影してきた内部の写真です。
みなさん、サグラダ・ファミリアの内部ってどうなっているかご存知ですか??
外見からは想像もできないような内部だったのではないでしょうか?
これはまさに・・・森。
ガウディはサグラダ・ファミリアの内部空間を巨大な森にすることを願ったそうです。1本1本の柱は途中から枝分かれをし、さながら大きな大木が屋根を支えているように、天井からの光は森の木立の間から差し込む光のように、両側に配置されたステンドグラスから差し込む光はあたかも天から与えられる超越した力のように・・・。
この斬新な聖堂内部は、そこを訪れる人々に祈りを促すとともに深い精神世界へといざないます。ガウディは30年以上の月日を費やして、幾通りもの教会内部の設計図を作成したそうです。
ガウディは73年の人生の中の50年ほどを建築家として生き、そのうちの43年間はサグラダ・ファミリアと共に、最後の12年間はサグラダ・ファミリアのみに打ち込みました。いくつかの恋愛はあったそうですが、生涯結婚することはなく、自信も熱心なキリスト教徒であったとして知られています。
このサグラダ・ファミリアには彼自身の考えるキリスト教徒の理想郷が作られようとしていたのかもしれませんね。
サグラダ・ファミリア 完成まであと7年!
サグラダ・ファミリアは長らく完成までにあと数百年かかると言われ続けてきましたが、最近の技術の進歩は目覚ましく、ここ最近「2026年の完成を目指す!」と高らかに表明しています。2026年は1926年に亡くなったガウディの没後100周年に当たるため、そこに合わせて完成のお祝いをしよう!という目論見のようです。
ちなみにもう完成図も発表されているんですよ☆じゃ~ん!
手前に見えているのがガウディの作った「生誕のファサード」、その裏に「受難のファサード」があり、ここももう完成済み。
あとは左を向いている一番のメインエントランス「栄光のファサード」と、教会上部にそびえる真ん中の「イエスの塔」とその右の「マリアの塔」、あとはいくつかの塔や細部を仕上げて完成となるようです。
この現代において、これだけ大規模な宗教建築が行われることは本当に稀です。そんな「建築中の世界遺産」がいよいよあと7年で完成するんです!!
世界中の注目の集まる中みなさんもぜひ、ドキドキしながら2026年を迎えてくださいね!!
ただ・・・スペイン人の言うことなんで、私は完成するなんて全く信じてませんけどねっ(笑)
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山上やすお
- 国内外の添乗員として1年の半分ほどを現地で過ごすかたわら、日本にいるときには各地で美術のカルチャー講師をしています。博物館学芸員資格保有。「旅に美術は欠かせない!」の信念のもと、美術の見方、楽しみ方を記事にしていきます。