あの壁画も見れる!斜塔だけじゃないイタリア・ピサ観光の魅力

「ピサと言えば斜塔」というぐらいに、イタリアの都市ピサは斜塔が圧倒的に有名な観光スポット。これを見るためだけにピサを訪れるという方もいらっしゃると思います。

ピサはフィレンツェからも近く、日帰りでも余裕を持って観光してからフィレンツェに戻ることもできるため、その気軽さも魅力。ですが、今回はあえてピサを一日中歩き回ってみました。

目次

1. 有名観光スポット「ピサの斜塔」周辺

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<ピサ中央駅の構内>

当時、私はローマから一旦フィレンツェで乗り換えをして、フィレンツェからピサへ移動しました。ピサ中央駅はこぢんまりとした駅です。ローマやフィレンツェを通ってきたからそう感じるのかもしれませんが、夜に到着するとちょっぴり寂しい感じもします。

ピサの斜塔は登ることができる!

さて、意外と知られていないのですが、ピサの斜塔は登ることができます。遠目に見て写真を撮るだけだと思っていた方もいるかもしれません。斜塔に登るためにはチケット(18ユーロ ※2019年時点の価格です)が必要で、当日も空きがあればチケットをショップのカウンターで購入することができます。

ですが、確実に登りたいという方や、待ち時間をできるだけ少なくしたい方などは、ネット予約がオススメです。ちなみに、公式サイトから予約できますが、予約確認書を印刷して持っていくのがベター。

ピサにはキース・へリングの作品がある!?

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<「ピサの斜塔はこちら」と案内する標識>

駅から歩いていくと、こんな風に「斜塔はこちら」の標識が出ているので分かりやすいです。また、駅から斜塔へ向かう途中、ピサに行ったら絶対に見ておきたい作品があります。それは、キース・へリングの遺作となった壁画です。

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<キース・ヘリングの遺作「Tuttomondo(全世界)」>

教会の壁一面に描かれたポップアートからはみなぎるパワーが今もなお、溢れ出ていると感じられます。こちらの作品が描かれたのは1989年。駅から徒歩5分ぐらいのところに突然現れるのでビックリしますが、街の人の憩いの広場となっているようでした。作品の目の前にはカフェ「キース」がありますので、ランチ後のおやつスポットに決定しました。

斜塔まで徒歩で行くにあたって、どれぐらいの時間がかかるか分からなかったのですが、道がとにかくまっすぐなので方向音痴な方や外国の地図や標識が苦手な方にも安心です。

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<ピサにはヴィンテージショップもあります。>

こちらはセンスのいいヴィンテージアイテムを扱うお店。年代物からちょっぴり懐かしく感じる比較的最近のものまでがオーナーのセンスによりセレクトされており、エルメスのレアなバッグやシャネルのジャケットなどを発見できるかもしれません。

旅先のヴィンテージショップは運命的な出会いという感じがしてついつい散財してしまった......という方もいるかもしれませんが、それもまた旅の思い出ですね。

2. たくさんの観光客で賑わうピサの斜塔が建つ広場

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<ピサの斜塔が建つ「奇跡の広場」>

そうして歩くこと15分ぐらいでしょうか。突如として広場に出ます。これが「奇跡の広場」と呼ばれるピサの斜塔の広場です。私はこのとき、朝方のけっこう早い時間にやってきたのですが、既にたくさんの人がベストショットを撮ろうと必死。その様子を見ているのがかなり面白いです。

目の錯覚と遠近法を利用してピサの斜塔を支えているような写真、つまんでいるような写真......色々なアイディアで面白い写真を撮影しようとする、観光客の皆さんのパワー!そんな中に一人旅の人たち(私もこのとき一人でした)は遠慮がちに自撮り挑戦中。

普段から自撮りに慣れている人ならまだしも、あまり自撮りをする機会がない人にはなかなか難しいもの。ましてやちょっとした面白い写真を撮ろうとするには、初心者にはハードルが高い行為だったに違いありません。自撮り棒を売り歩いている物売りの方もいるので、どうしてもうまく撮影できないという方は買ってみてもいいかもしれませんね。

ピサの斜塔の内部は傾斜がきつい

斜塔の内部は外から見ていたときよりも斜め具合がキツく感じられます。狭い螺旋階段を上っていくと、平衡感覚が失われるような気がするのか、観光客のおじさんは塔の内部に入った瞬間に「気持ち悪い!」と今にも逃げ出しそうな雰囲気でした。

塔の内部の階段は200段と少し。シエナの「マンジャの塔」などに比べると足腰にそんなに自信がない方でも問題なさそうです。奇跡の広場を塔の上から眺めることができるので、ピサへ行かれたときは塔に上ることをオススメします。

3. ピサの大聖堂をじっくり見学してみよう

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<ピサの大聖堂は細かな装飾も見どころ>

さて、再び塔から下りてきて大聖堂の中を見学します。扉の装飾も細かくて素晴らしいので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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装飾の中に見つけることができるキャラクターたちはどことなくユーモラスで可愛いので、お気に入りを探してみるのも楽しいですよ。

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<大聖堂のゴージャスな天井!>

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<宗教画が厳かに飾られています。>

大聖堂の中の装飾も美しくて、じっと見ていると吸い込まれていきそうです。天井の細工はとてもゴージャスなので必見。あちこちに職人の技を感じることができるのではないでしょうか。

存在感抜群のブロンズ像にびっくり!

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<広場には、まるでさっき落ちて来たようなブロンズ像が......。>

ピサの斜塔から落っこちたの?と思わずストーリー性を感じてしまう展示物がこちら。「堕天使」と題されたブロンズ像の作品です。羽根の後ろにはメデューサが隠れているので、そちらも併せてチェックしてみてください。

ところで、ピサの斜塔に登るときには荷物を預けなければいけないのですが、この「堕天使」の近くに見学予約をしている人用の荷物置き場があります。手持ちのバッグなどはすべてここに預けなければいけません。カメラの望遠レンズなども持ち込みができませんので、注意してください。スマホや通常のカメラはOKです。

4. ピサの斜塔と大聖堂を観光した後はランチへ

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ほどよく歩き回ったのでランチタイムです。このときまだ11時前で早すぎるほど早い時間ですが、ピサは観光地なこともあり、10時ぐらいからランチの営業を始めているお店もあります。私が今回選んだのは「カチュッコ」という郷土料理を扱っているお店。地元のお客さんも来ているようなローカルな雰囲気のトラットリアです。

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<レストランのテーブル回りはこんな雰囲気。>

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<こちらがトスカーナ州の郷土料理「カチュッコ」です。>

「カチュッコ」はこの辺りの郷土料理で、シーフードをトマトベースで煮込んだシチューのようなものです。この日は寒かったので温かい料理が食べたい気分でした。大きめに切られたイカや海老が入っていて、旨味たっぷりのムール貝やアサリもたっぷり入っています。

パスタにも合いそうですが、カチュッコに入っているのはパンです。ボンゴレロッソの麺がないバージョン、と言うと想像しやすいかと思います。当時、連日ハードな移動だったので少し疲れ気味だったのですが、温かく素材の味がたっぷり染み出した「カチュッコ」を食べると、元気が出てきました。

14~15世紀のテラコッタ装飾が残された宮殿

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<アゴスティーニ宮の外観。>

こちらはアルノ川沿いにある、通称アゴスティーニ宮と呼ばれている建物。「PALAZZO AGOSTINI VENEROSI DELLA SETA」というのがこちらの正式名称です。

14世紀後半から15世紀のはじめに建てられた宮殿のテラコッタの外壁がそのまま残されていて、その美しさは圧倒的。青空に映える煉瓦色ですね。この建物だけ他と様子が違うのでそのコントラストを楽しむのもオススメの鑑賞法です。

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<屋根の部分は1895年に増築されたものです。>

5. ピサの町並みを歩いたらカフェで一休み

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ウィンドーショッピングなどを楽しみつつ、先ほど紹介したキース・ヘリング「Tuttomondo」前のカフェ「キース」に戻ってきました。朝に誓った通り、おやつの時間を開始します。窓ぎわのカウンターはキース・ヘリングの遺作を心ゆくまで鑑賞できる、絶好の特等席です。

朝は少し急いでいたので外から立ってボーっと鑑賞しただけでしたが、カフェのカウンターから眺めると細かな部分にまで目がいきます。「あれは何だろう?」「あっ、こんなところにも書き込みがしてある」など、新しい発見がたくさんあります。

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<カフェ「キース」で頼んだクリームケーキ。>

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<カフェ「キース」で頼んだホットチョコレート。>

お店のお姉さん一押しの、クリームケーキとホットチョコレートという甘いもの同士の組み合わせでオーダーしてしまいました。

本物のキース・ヘリングの作品を、目の前で鑑賞しながらスイーツタイムなんて贅沢な体験はなかなかできないので、できるだけゆっくり食べてのんびりさせてもらおう、という気持ちで濃いめのものをオーダーしたのですが、クリームケーキは見た目ほど重さがなく、軽くてフンワリとした口溶けのよい食感です。

ホットチョコレートは相当濃厚ですが、オレンジの香りがするものをオススメしてもらったので、柑橘が香り、決してしつこくない甘さでした。

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<キース・ヘリングの「Tuttomondo」を鑑賞しながらおやつタイム。>

今までピサ、と言えば斜塔しか思いつかなかったのですが、たっぷり歩き回って楽しいスポットをたくさん発見することができた素敵な街でした。今回ご紹介した斜塔の内部やピサ大聖堂見学、アゴスティーニ宮、キース・ヘリングの壁画など、ピサ観光の参考にしてみてくださいね。

※撮影:yukaco

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yukaco

17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。

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