「恐竜橋」こと東京ゲートブリッジを いろいろな時間と場所から撮る、詠む

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<若洲海浜公園の陸側から撮った東京ゲートブリッジ。日没~0:00まで照らされ、歩道のライン照明は毎月色が変わる。照明デザインは東京タワーやレインボーブリッジのライトアップを担当した石井幹子デザイン事務所によるもの>

東京湾に浮かぶ大田区城南島から中央防波堤外側埋立地を経て、江東区若洲を結び、2012年2月に開通した「東京ゲートブリッジ」。恐竜のような独特のかたちから「恐竜(ザウルス)橋」の愛称で親しまれています。この橋を劇的に見られる、撮れる場所と時間を探し求めて、「花の写真館」館長の松山忠徳さんが徹底取材してきました。写真には短歌を詠み添えて、その場で感じた雰囲気と情感も表現しています。

※城南島から飛行機の光跡を撮影した記事も参照ください。

https://tabicoffret.com/article/76033/

目次

江東区若洲海浜公園・海方向から ①

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<逆光で橋が影となり、浮かび上がるように見える>

東京ゲートブリッジの撮影ポイントとして最適なのは、橋のふもとにある若洲海浜公園。夕方にこの海方向からカメラを橋に向けると、逆光となって橋がシルエットになり、造形が際立ちます。恐竜(ザウルス)橋の愛称らしく、まるで雄叫びをあげているようです。

雄叫(オタケビ)

逆光に いかつい姿 (さら)されて

ザウルス橋は 雄叫びあげて

江東区若洲海浜公園・海方向から ②

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<日没後20~30分後の「マジックアワー」には赤色が強まり、より劇的度が増す>

晴れた日の夕方、条件が良いと、昼間は現れなかった富士山が橋の下で浮かび上がってくることがあります。橋のライトアップと赤く染まる空が幻想的で魅せられます。

夕暮(ユウグレ)

夕暮れに ゲートブリッジ 灯が入り

富士は静かに 影を深めて

江東区若洲海浜公園・陸方向から

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<風向きによっては東京ゲートブリッジを飛行機が通過し、約2分後、羽田空港に着陸する>

東京ゲートブリッジを若洲海浜公園の陸方向(都心側)から眺めていると、羽田空港に着陸寸前の飛行機が次々に視界を横切っていきます。とくに夕陽と橋に灯が入る時間には、見たり、撮るのに夢中になって場を立ち去り難くなります。

着陸(チャクリク)

機内から ゲートブリッジ 見へたなら

着陸までは あと二分

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<若洲海浜公園の陸方向側にある海釣り施設。釣り専用の防波堤で、カサゴやメバルなど江戸前の魚が釣れる。利用時間は6:00~21:00、悪天候時は利用できない場合もある。利用は無料で、江東区立若洲公園にて有料で貸釣竿、えさの販売をおこなっている>

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<飛行機が橋の上を通過し、羽田空港に着陸するまでを動画撮影するなら、陸方向側から撮ることをお勧めする>

https://youtu.be/Nj0Fps8TBlw

江東区若洲海浜公園・橋の上から

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<若洲海浜公園側の歩道から撮影。歩道は橋の都心側のみに設置されている。歩道の通行時間は10:00~17:00まで(最終入場は16:30まで)。夏期(7月1日~9月30日)の金・土曜日は10:00~20:00(最終入場は19:30まで)。毎月の第3火曜日、12月の第1火曜日(祝日の場合はその翌日)は、施設の清掃と点検をおこなうため、歩道部は閉鎖。荒天時も利用が制限されることがある>

東京ゲートブリッジは弓なりのかたちに設計されているため、橋の上から全体を写すことができます。若洲海浜公園の「若洲昇降タワー」内のエレベーターで橋に上がると、海から吹き上げてくる潮風を浴びながら橋を歩くことができます。ただし、来年には東京オリンピックのボートレース会場になる中央防波堤地区側は歩道が工事中で降りられず、Uターンして戻らないといけません。

雄姿(ユウシ)

ザウルスは 威風堂々 海またぎ

荒ぶる風に 雄姿を見せて

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<中央防波堤地区側の歩道から撮ると、違った印象を受ける>

江東区若洲海浜公園・サイクリングコースから

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<サイクリングコースから撮った、大きな岩と東京ゲートブリッジ>

若洲海浜公園は海岸線がサイクリングコースになっていて、このコースからは水際に敷き詰めた大きな岩を構図に取りこみながら東京ゲートブリッジを撮れます。荒々しい岩と恐竜。太古の風景に見立てれば、写真にも迫力が出てきます。

太古(タイコ)

ザウルスは 岩場と海を 下に見て

太古の姿 今に誇りて

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<サイクリングコース。若洲公園キャンプ場のサイクルセンターで自転車を貸し出ししていて、普通自転車は大人が1時間100円、中学生以下の子供は50円で利用可能。2人乗りのタンデム自転車は1時間300円。利用時間は2~10月が9:30~16:00(返却時間16:30まで)、11~1月が9:30~15:30(返却時間16:00まで)>

若洲海浜公園&江東区立若洲公園

住所:東京都江東区若洲3-1-2
開園時間:常時
休園日:臨時休園日あり(HPを参照)
HP: http://www.tptc.co.jp/park/03_07

江東区東雲・新末広橋から

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<新末広橋から撮った東京ゲートブリッジの全景。船と船が起こした波、飛行機が作画のアクセントになる>

東京ゲートブリッジ全体をフラットにとらえられ、スケール感たっぷりの写真を撮れるベストなポイントを捜索しました。海岸線の倉庫街などをさまよい、最終的に行き着いたのが新末広橋でした。りんかい線「東雲駅」に近いこの橋からは、東京ゲートブリッジ全景と海上を航行する船、羽田空港に降りる飛行機を1枚の写真に収められます。

泰然(タイゼン)

波立てて 大海原を 船が往く

ゲートブリッジ 揺るぎもせずに

新末広橋

住所:東京都江東区東雲2-8-2

港区台場・フジテレビ球体展望室「はちたま」から

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<24階の渡り廊下から写したパレットタウン大観覧車と東京ゲートブリッジ>

フジテレビの球体展望室「はちたま」は絶好の撮影ポイント。ただし、25階の球体部分からはレインボーブリッジは見えるのですが、東京ゲートブリッジは視界に入らない点に注意しましょう。下の24階にある展望室と他の棟を結ぶ渡り廊下からは東京ゲートブリッジがよく見えて、近くのパレットタウン大観覧車も同時に写しこむことができます。

(ハル)(ガスミ)

海またぐ 恐竜橋は 勇ましく

彼方の空も 春に霞みて

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<25階から撮った、夕陽に染まるレインボーブリッジ>

フジテレビ球体展望室「はちたま」

住所:東京都港区台場2-4-8フジテレビ25階
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
入場料(2019年4月1日~):大人700円、小・中学生450円
HP: https://www.fujitv.co.jp/gotofujitv/hachitama/index.html

江東区青海・テレコムセンター展望台から

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<夜の海を船がけっこう往来していて、その光が絵になる>

テレコムセンターには東京ゲートブリッジに最も近い展望台があります。ここの魅力は21:00まで営業していること。暗闇のなか、妖しく浮かび上がる橋を撮影できます。運が良ければ、東京ディズニーランドに打ち上がる花火も目にできるでしょう。

暗闇(クラヤミ)

暗闇に ザウルス橋は 威を放ち

海と空との さかいも見へず

テレコムセンター展望台

住所:東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービルEAST 20階
営業時間:平日15:00~21:00、土曜・日曜・祝日11:00~21:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場料:大人500円、子供300円
HP: https://i-house5.com/shisetsu/telecom/

江戸川区臨海町・葛西臨海公園から

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<飛行機は東京ゲートブリッジの上を通過し、若洲海浜公園内の風車を旋回して羽田空港に着陸していく>

東京ゲートブリッジからは少し離れていますが、葛西臨海公園の東京湾側、葛西海浜公園を望む遊歩道も素晴らしい撮影ポイントです。夕焼けのなかに光る東京ゲートブリッジと、羽田空港に着陸しようとする飛行機がじつにフォトジェニックなのです。マジックアワーに出現する富士山も見事で、時の経つのを忘れて見惚れてしまいます。

機影(キエイ)

茜空 ゲートブリッジ 輝きて

着陸便は 高度を下げて

葛西臨海公園

住所:江戸川区臨海町6-2
開園時間:常時、無休(※園内の有料施設はそれぞれ営業時間が異なる)
HP: https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index026.html

各撮影ポイントの位置関係MAP

https://drive.google.com/open?id=1rGtaW0aAPH-MfkRMmzXhirrQ4wUFmvGV&usp=sharing

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撮影・短歌・情報提供/「花の写真館」(平成・万葉集の館)松山忠徳さん

取材で撮影した花を「花の写真館」でデータベース化する松山さん。このギャラリーでは 美しい花の写真に短歌を添えた写真歌集を展示。また、松山さんが長年蓄積した、東京と近郊の花情報を提供しています。精力的な花の名所めぐりのレポートはSNSで配信中。

「花の写真館」

住所:東京都葛飾区金町5-15-4
予約電話:03-3607-2786 ※外出がちなので、訪問は要予約
HP : http://blog.goo.ne.jp/kasiopea0102
Facebook : https://www.facebook.com/profile.php?id=100006904590875
Twitter : https://twitter.com/kashiopea01

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ヤスヒロ・ワールド

東京佃島生まれ育ちの江戸っ子。旅行ガイドの編集者。
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