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【ペルー】水上で生きる逞しき人々!アマゾン最大の都市、イキトスのベレン・バハ
目次
"世界最大の陸の孤島"イキトス
アマゾン河の支流の1つ、イタヤ川の河口に沿って発達したペルーアマゾン最大の街「Iquitos(イキトス)」。陸路でのアクセスが不可能なため、"世界最大の陸の孤島"としても有名です。そのイキトスの中心、アルマス広場から1.5㎞ほど南へ下ったところに、「Belén(ベレン)」と呼ばれる下町が広がっています。ベレンは「Belén alta(ベレン・アルタ)」と「Belén baja(ベレン・バハ)」という2つのエリアに分かれていますが、今回ご紹介するのは「ベレン・バハ」。
ベレン・アルタにある市場を抜け、イタヤ川方面へ下っていくと、「ボートに乗らないかい?」と地元の人に声をかけられるでしょう。彼らは市場や郊外の農園で働くかたわら、観光客を見つけては自分たちのボートを使ってイタヤ川を案内してくれる"にわかガイド"たち。所要時間や値段を交渉して合意したら、彼らが暮らす日常の世界を覗きに行ってみましょう。
イタヤ川沿いに広がるスラム街
ベレン・アルタも庶民の町ですが、それよりもっと経済的に貧しい人が多いベレン・バハ。行政サービスが行き届かないため、船着き場までの道のりはご覧の通りゴミだらけです。悪臭が鼻を突きますが住人はもう慣れっこなのでしょう、誰も気にする様子はありません。
ボートがいっぱいの船着き場。足元が悪いので落ちないよう要注意!
雨期と乾期でまったく景色が変わる水上の暮らし
さあ、さっそくイタヤ川へ漕ぎ出しましょう!イタヤ川の両岸には、高床式の小屋がずらりと並んでいます。
私が訪れたのは乾期だったため、川の水位は低め。そのため高床式の建物の足がしっかり見えています。雨期になると、この辺りの水位は2~3m上昇するそうです。
幼稚園も水上にあります。しかしこの辺りの建物には、低い位置にも部屋がありますね。
にわかガイドさんに「雨期のあいだ、1階部分はどうなるの?」と尋ねたら、「1階は水に浸かるから、みんな2階に移動するんだよ」と平然とした答え。家具も移動させなければならないし、壁や床板も悪くなりそうだし・・・・・・と気になりましたが、地元の人にとってはそんなことは何ら問題ないようでした。家を高く造るのは建築費もかかるし、構造的にも不安定。だったら乾期の間だけ使える部屋を造るほうが簡単で、安上がりなんでしょうね。
公共の場である教会は、さすがに高い位置に造られています。ただ正面玄関につながる階段の長さが短いのは、壊れてしまったのか、そもそも雨期専用だからなのでしょうか?
洗濯や食器洗いには、川の水を利用します。
陸上の子供たちが野原でサッカーを楽しむように、ベレン・バハの子供たちも川の浅瀬でボール遊びをしていました。
家の正面には水上トイレもあります。垂れ流しのため環境汚染や衛生面での問題を抱えていますが、改善される見通しは立っていません。
浮島タイプのディスコもありました。水に浮いているので、水位が変化しても大丈夫。ただし満員だったり、店内が盛り上がったりすると、ディスコが傾いて浸水することもあるそうです。ベレン・バハのディスコへ行くときは、濡れてもいい恰好でいきましょう。
人々の生活に欠かせないボート造りも川の上。ベレン・バハでは5歳くらいになるともう一人前の漕ぎ手、みんな本当に逞しいですね。
のんびりゆったりしたイタヤ川クルーズを終え、船着き場に戻ってきました。今度はぜひ雨期に訪れたい、そんなベレン・バハでした。
Belén Baja/ベレン・バハ
- 住所:Barrio de Belén, Iquitos
- アクセス:イキトスへはリマから飛行機で約2時間。イキトス空港からイキトス市内(アルマス広場)までは9km
※ベレン地区の治安はあまりよくありません。カメラなど所持品には十分気を付けましょう
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。