公開日:
最終更新日:
マレーシアの住宅ってどんなスタイル?
目次
暑さと湿気のある中の工夫されたつくり
マレーシアは一年中熱帯雨林気候。
天然素材で作られ、天井が高く、空気の流れがスムーズ、そして近所の人や家族が日常を過ごすためのスペースとして造られた広いベランダスペースなど、快適に過ごすために風通しのよさが求められていた。
そして、降雨量が多いため屋根は斜急になっており、洪水や野生の動物から身を守ることを優先し、ほとんどが高床式だった。
植民地時代の影響でイギリス建築に
今の住宅スタイルになったのは、近代、イギリスやポルトガルの植民地時代になってからだ。
植民地時代には、移民がそれぞれ自国の住居スタイルを持ち込んでおり、さらにそれが進むと、華人、マレー、インド、ヨーロッパの文化を融合されたスタイルになっていったようだ。コロニアルバンガローの特徴は、古典柱、高い天井、広いベランダ、窓の上に半円形、レンガ建築などで、豪華な造りが特徴である。
様々種類があるマレーシアの住宅
イギリスの住宅地は、都市部に一般住宅を集結させる特徴がある。こちらではテラスハウスと呼ばれ、一般的なテラスハウスは、平家と二階建ての両方があり、1990年に入ってから2階半、または3階建ても登場した。
1年中湿気と大雨、そして暑さの続く気候であるため、入り口にはベランダなどのオープンエリアがあり、いたるところに通気口や窓が設置され、風通しの良い造りになっている。
下階は、リビング、ダイニング、キッチンがあり、キッチンは裏庭に隣接している。
2階は、各家族の寝室で、夫婦や子供達は各自の部屋で寝ることが考慮された。その後、二階にファミリールームと呼ばれる、家族がくつろげるリビングと1階の客間が区別された建築になった。
今でも一般的な住宅として見られるユニークな作りで、セミデタッチとよんでいる日本の二世帯住宅のような形がある。別々の2軒が左右対称にくっついている双子の形だ。
外観については通常、左右対称になっていて入口が2か所あるので、すぐにセミデタッチとわかるが、後方が分かれている場合もあり、その際は正面からだとバンガローにも見える。
年々建物の規模が大きくなっていて、敷地もかなり大きくなっている。寝室4~5部屋にバスルーム3か所、キッチン、リビングとダイニング、ユティリティールーム1か所が一般的なモデルだ。 アッパーミドル層に人気になった。
もうひとつは、昔からある職住一体(一階が店舗、 二階が住宅)の形もある。しかし、2階に住むのは、下階店舗のオーナーではなく従業員(外国人労働者)、もしくは全く関係のない人というのが一般的だ。
最近の傾向
最近の特徴は、キッチンの造りが開放的になったことだ。
多くの人が集まったり、パーティーで来客をもてなしたりすることが好きな、現在のマレーシアならではの設計であり、カウンターで仕切られたカフェのようなオープンキッチンが好まれるようになった。他にも、ガスコンロが火から電気になったり、あまり煙を出さず、油が飛ばない調理の方法が広まっているので、キッチンをあまり汚さないですっきりと保つのが好まれている。
また、フルガラスのドアが多く使用されるようになり、自然光を取り込む造りになった。
そして、蚊よけ対策に頑丈な網戸を組み込んでいる家も多い。
関連記事
Rankingマレーシア記事ランキング
-
YasminYoko
- マレーシア、クアラルンプールに在住。渡航して32年、ライター、リサーチ、コーディネートをはじめ翻訳通訳、日本語教師、個人輸出業を手がける。