空き家の増加は、いまや大きな社会問題となっていますが、都市部近郊には、そんなスペースを有効利用しようという動きがあるようです。今回、千葉県市川市の閑静な住宅街の中で定期的に行われる【空き家ハーブイベント】に参加してみました。

市川と言えば、先日東京外かく環状道路が開通したばかり。また、JR、私鉄、地下鉄と鉄道網は全部で6線あり、江戸川をはさんだ都内への日中流出率はとても高く、「いちかわ都民」という言葉があるほどです。そんな市川の中央部は、駅周辺部こそ高層マンションが建ち並びますが、少し歩みを進めると、古いお寺がいくつも点在していたり、戦前からの富豪たちが建てた別荘が多く見られます。

＜目次＞

• イベントはノスタルジックな空間でスタート
• 採れたて野菜・ハーブでランチ作り！
• ハーブコーディアル、ラベンダースティック作りにも挑戦♪
• 回向院で写経を体験

イベントはノスタルジックな空間でスタート

そして、ハーブイベントの会場は、「文学の散歩道」と名付けられた一画にありました。

この辺り、かつては北原白秋など数多くの文人が住んでいたそうで、あちこちに文人を紹介した案内板が設置されています。

井上ひさしがこの土地で過ごした昭和42年からの20年間に想いを馳せながら、案内板向かいの会場に入ると、その空間はまさにその時代にタイムスリップしたかのよう。子供のころ、夏休みに遊びに行った祖母の家のような、なんとも懐かしい空気が漂います。

採れたて野菜・ハーブでランチ作り！

さぁ、ここでなにが始まるのかとワクワクしていたら、開始早々庭仕事をするのだとか...。100平米ほどの庭には、野菜やハーブが植わっているポタジェガーデン風なつくり。
毎回、ここで育つ作物を収穫して、みんなでランチの準備をするんだそう。

今日は、ジャガイモやナス、ピーマンなんかを採りました。芋ほりだなんて、小学生以来かもしれない・・・たくさん採れると嬉しいものですね。この新ジャガ、ローズマリーとバター炒めすると最高においしいらしいです。

ハーブコーディアル、ラベンダースティック作りにも挑戦♪

十数名の参加者が各々興味のある作業につくようなので、ハーブの香りに癒されたい私は、コーディアル作りの準備にとりかかります。

レモンバーム、レモングラス、レモンバーベナや、ゼラニウム、ラベンダーやレモンをたっぷり入れて、砂糖を煮詰めたシロップに丸一日漬け込みます。

簡単なんだけど、これがとってもおいしかった。私は、冷たいソーダ水で割って飲むのがお気に入り。

ランチ班がフル稼働している間、ラベンダースティックにも挑戦。ご一緒した方は、なんと80代の方。ご自宅のハーブをどうやって活用したらいいのか、毎回ここに来て参考にしているとおっしゃっていました。こうしてハーブをいじりながらいろんな世代の方とおしゃべりができるのは幸せなことです。

さらに採れたて野菜やハーブで作ったおいしいランチも加わり、庭つくりのこと、ハーブのこと、お料理のこと、生活のことなど、たくさんの情報交換ができました。

秘密の隠れ家でのハーブイベント、大好きなハーブの香りにレトロな雰囲気がぴったりはまって大満足の時間となりました。

コモンビレッジ真間

次回開催：2018年7月28日（土）10：30～13：30
大判ストールの藍染め
連絡先：高坂 080-9649-5998
住所：千葉県市川市真間2-6-5

回向院で写経を体験

さて、イベント終了後には、参加者の方に教えていただいたおすすめスポットにも寄ってみようという気になり、松戸市との境にある【回向院(えこういん)】に向かいました。

車の往来が多いところですが、小さな竹林を抜けた先にある世界は、静寂の中。

重厚な面持ちの中にも近代的なデザイン性が感じられる本堂でお参りをし、2階にあるカフェで一休み。

丁寧に淹れられたコーヒーとまったり濃厚なチーズケーキをいただきながら、窓から見る緑の景色に心が洗われます。

写経ができるということなので、初挑戦。これまた小学生以来の墨すりです。祈願することを頭に置きつつ、心静かにじっくり半紙に向かうこと、約30分。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・

心の闇を一掃できたでしょうか。

植物に囲まれた大人散策、ちょっと早めの夏休み気分を味わえた一日となりました。

回向院(えこういん)

千葉県市川市国府台5-26-12
http://ekoin.or.jp/facilities/