スローライフを実現する「イタリアのお家」とは?ホームステイで体験してみました!

旅に慣れてくると、地元の人々の暮らしにより一層近づきたいと思うようになります。長期滞在をしながら、週末には近場の色々な場所へイタリア人気分で出かけるのも素敵ですね。最近は民泊サイトなども普及が進んでいるので、気軽にイタリア人の家にホームステイすることもできます。

そこで今回は、許可を得て友人の家を撮影させてもらったので、現地の暮らしがどのようなものなのかをご紹介したいと思います。

ゲストハウスは「安心感」が大事!

今回ご紹介するホストは、フィレンツェ中心部に住むAさん。私がイタリアについて記事を書いていると話したところ、民泊サイトをしているご自宅を見せていただくことになりました。日本にも部屋を貸している友達はいますが、海外で民泊サイトをしている人の部屋を見せてもらうのは初めてです。

Aさんのご自宅は本当にフィレンツェ中心の、さらにど真ん中。高級ブランドが立ち並ぶ通りから数本入った路地のアパルトマンです。場所も分かりやすく、夜に出歩いても多少は安心感のあるエリアなので、一人旅の女性旅行者にも安心。

私がお邪魔した時も、一人旅の韓国人の女の子がフィレンツェで開催されるライブを観るためにゲストとして滞在していました。また、その数日後にはインド人の40代ぐらいの女性が滞在していたとのこと。女性一人でも安心して滞在できるエリアであること、信頼できるホストの家であることは重要ですね。

ちなみにAさんは50代の男性ですが、可愛いテリア犬と暮らしています。

毎日、朝の6時頃に犬の散歩に出かけ、9時頃には職場に出かけます。仕事の進捗状況によって、午後に帰宅。日によっては18時頃まで仕事をするそうです。21時や22時まで仕事をすることは滅多にないとのことで、羨ましい限りです。

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エントランスの様子

ホームステイするときは荷物量に注意!エレベーターがないことも......

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Aさんのお家の廊下

さて、いよいよお部屋を見せてもらおう!という運びになったのですが、ここで一つ問題が。一般的にイタリアの古い建物にはエレベーターがないのです。つまり、大きなスーツケースで来るのは大変。

しかし、私の場合はイタリア在住の友達のためにお土産をスーツケースの半分に詰めて、残りの半分に自分の荷物を詰めるため、総重量は22キロギリギリぐらいになります。この重さにまでなると、こちらのお部屋に滞在するのはムリがありました。

小さなスーツケース、またはバックパックで来られる方なら問題はありませんが、現地で買い物をしたり、荷物が多かったりする方にとっては、滞在するお部屋が何階なのか、エレベーターがあるのかは重要な確認ポイントです。

Aさんのご自宅の階段は途中までは広いので、頑張ればスーツケースも運びやすいのですが、最後の階段からは急に狭くなるのでご注意を。そこがホテルとは違うところですね。

リビングには、これまでステイしたゲストからのお土産が......

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ドアを開けるとリビングがあります。ソファとテレビが可愛く配置されていますが、一般家庭と違うのは世界各国からのゲストが持ってきてくれたギフトが飾られていること。中国、フランス、そして日本など、さまざまな国のお土産があります。

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お世話になるホストに対して、必ずしもお土産を持ってくる必要はありませんが、こんな風にプレゼントを飾ってもらえるのは嬉しいですね。

イタリア人の日常が垣間見えるのも、ホームステイの醍醐味

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Aさんのご自宅はトイレやシャワーが一つしかありませんが、ヨーロッパの大きめのお家には、寝室が一部屋に対して一つのトイレが付いている場合もあります。

ホスト不在のお部屋であれば気軽に使えますが、ホストが同居の場合は水回りに神経質な日本人にとっては重要な問題かもしれません。しかし、これもまたホームステイ感覚を気軽に味わえる民泊サイトの醍醐味と思いましょう。

Aさんのお部屋の場合は、生活感があるのでそれはそれで面白いかと思います。イタリア人が日常的に使っている基礎化粧品はこんな感じなのかとか、イタリア男性だけあって香水にまでこだわっているのかなど、新しい発見があること間違いなしです。

ちなみに、別居している奥さまとお嬢さんが遊びにくることも時々あるそうです。お嬢さんが使う基礎化粧品が置いてあったりするのも、なんだかヨーロッパの家庭の素の部分を見た気がしました(本当にお嬢さんが使うものなのかは......不明です。笑)。

キッチンから見える旅人たちの「国民性」

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民泊サイトの場合、旅の予算を節約するためや、地元の暮らしを体験するためという目的から、自炊派の人が多いかと思われます。Aさんのご自宅のキッチンは自由に使っていいそうです。しかし、キッチンの使い方でもゲストによってさまざまな国民性が見えてくるとか。

Aさんの話によると......

゛アジアのゲストは基本的にいつもキレイに使ってくれる。日本人は電子レンジを一回使うだけでも、「使っていいですか?」と一声かけてくれるんだ。でも、国によっては油のニオイがすごい料理を作ったのにそのままにしてしまったり、換気扇を使ったりしないから部屋中が臭くなったことがあってね......。注意してもあまり聞いてくれなかったりするから、ホスト側としても国民性の違いに悩まされることはあるよ。特に礼儀正しいのは日本人と台湾人、韓国人だね。"

とのことです。

ゲストハウスならではのエピソード

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せっかくなので、面白いエピソードが他にもないかを聞いてみました。

゛インド人の女性が泊まった時、夜中に起こされて「亡霊が見える」と言われたんだ。「僕の家に亡霊はいないよ」と言い聞かせたんだけど、「絶対にいるからあなたも気をつけた方がいい」と返されてイヤな気分になったよ(笑)。

彼女はものすごく臆病だったようで、夜に出歩くのもすごく躊躇していたね。「何時までだったら夜は出歩いても安全ですか?」と聞くから、「ここはフィレンツェのチェントロ(中心部)だよ?何時でも大丈夫だよ」と答えたのだけど、結局日没以降は出歩いてなかったようだね。"

「さまざまな国から来たゲストと交流する」ということ

普段一人で住んでいる部屋に亡霊がいる、なんて言われたら怖いですね。そして、この会話からは、一人で出歩ける時間を確認するインド人女性の、母国事情が垣間みえます。

インドでは女性に対する暴力がメディアに取り上げられることも多く、自分の身は自分で守らなければいけないという意識があるのではないでしょうか。そのことをAさんに説明してみたのですが、「イタリアではみんな夜遊びを楽しむのに......。」と不思議顔でした。

でも、普通に考えると、男性ホストの家に一人で泊まる方が自分の身に何かあったらどうしよう......?と思ってしまいそうなものです。しかし、そこは今まで数多くのゲストを迎え入れてきたAさんの信頼と実績に賭けたのかもしれませんね。それにしても、インド人女性が口コミ欄に「部屋に亡霊がいますが、Aさんはとてもいい人です」と書かないことを願いたいものです。

ちなみに、Aさんのお家からの眺めはホテルほど眺望がいいとまでは言えませんが、廊下の窓から見えるトスカーナ地方特有のテラコッタ(赤土)の煉瓦は魅力的でした。晴れた日はとても青空に映えることでしょう。

リッチなVILLA(ヴィラ)に泊まれることも!?

さて、最後に少しだけ、もう一軒素敵なお家をご紹介したいと思います。

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こちらは民泊サイトを利用されていませんが、探せば似た感じの一軒家(VILLA / ヴィラ)が見つかるかもしれません。フィレンツェのなかでも屈指の高級住宅地にご自宅を構えるFさんご一家。敷地のなかに数軒のVILLAがあり、それぞれを貸し出しているそうです。

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ご自身が住むお家は広い庭にプールが付いていて、夏場はみんなでバーベキューをしたり、プールで日光浴をしたりと夢のような生活をされています。フィレンツェ中心部まで歩いて40分ほどかかるので、車がないと少し大変ですが、こういう暮らしもあるんだなぁ......と、憧れの目で彼らの暮らしを体験することができます。

トスカーナ地方の優雅なスローライフを体験したい方には、VILLAがおすすめです。

旅行を通じて、普段と違う時間軸を過ごしてみませんか?

日本の比較的都会のエリアに住んでいると、時間に追われて心に余裕が生まれる時がとても少なくなります。だからこそ、旅に慣れれば慣れるほど、普段と違った非日常を楽しみたいという欲望が生まれてくるのではないでしょうか。

イタリアはその中でも、日本の生活とは違った楽しみ方ができる時間軸で構成されています。ホームステイに限らず、旅行でも心の洗濯がたっぷりできること間違いなしですよ。

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yukaco

17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。

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