ルーマニア/本物のドラキュラ城

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ルーマニアの中央南部、
トランシルバニア・カルパチア山脈のアルジェシュ渓谷をドライブ中、
見上げると絶壁の上に物々しい城塞。
これが本物のドラキュラ 城、ポエナリ城塞(Cetatea Poenari)。
渓谷の上、余りにもの高さにあるため、
しっかり見上げないと見逃してしまうほどの標高2033m。


ルーマニアといえばドラキュラ伝説。
それは、アイルランドの小説家ブラム・ストーカーの描いた
『吸血鬼ドラキュラ』から~モデルとなったヴラド3世は
中世 ルーマニアでオスマントルコと勇敢に戦った武勇公、別名ヴラド・ツェペシュ。
そのヴラド・ツェペシュ公が、ワラキア公国(現在のルーマニア南部)を守るため
築いたのがポエナリ城塞。

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観光名所としてブラショフ近郊のブラン城が「ドラキュラ城」として有名、
でも実際のところヴラド3世のお祖父さんにあたる
ミルチャ老公(英語名 Mircea the Elder)が14世紀に住んでいたところ。
ヴラド3世本人のものではなく、住んでいたわけでもなく、訪問暦があるだけ。
(上の写真はブラン城、向かい側にある眺めの良いレストランClub Vila Branより)

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そして、なぜヴラド・ツェペシュが吸血鬼のモデルなの?
彼は策略に長け、手持ち勢は少数でも大挙して押し寄せるトルコ軍を撃退に次ぐ撃退。
それでも矛先を緩めないトルコ軍の士気を失わせるため、
捕虜としたトルコ兵を身体ごと串刺しにし、見せしめにしました。
この残忍さとしたたる流血から、ヴラド・ツェペ シュ(串刺し公ヴラド)と
呼ばれるように。

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というわけで、本物のドラキュラ城は
アルジェシュ渓谷の絶壁の上にあるポエナリ城塞。
お城の起源は13世紀までさかのぼります。
当時のワラキア統治者によって設けられた要塞。
このあたりはそのころから戦いの要所だったのです。

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続いて14世紀ごろ、ポエナリ城塞はバサラブ公国(現在のルーマニア北東部)は
統治者に取って代わられ、続けての歴史上で、名前と居住者は数回変わりました。
しかし、結局、城は打ち捨てられて、荒廃するままに。
そして15世紀、ヴラド・ツェペシュ公が城の可能性を再発見し、
さらにの絶壁の上に設け、構造を強化し、ここを彼の主要な要塞の1つにしたのです。

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渓谷沿いの道からこのお城にたどり着くには1480段の石段。

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そしてお城の前には、ヴラド・ツェペシュ(串刺し公)が発案したという
串刺し刑の人形モデル2体。

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石段の下から見上げると、恐ろしさ倍増。
人間というのは残忍なことを考え付くものです、やはりこれが本物のドラキュラ城。

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ワラキア地方のピテシュティから国道を北上、
トランスファガラシャン(Transfăgărăşan)・ドライブウェイに入り、
クルテア・デ・アルジェ シュ(Curtea de Arges)からアルジェシュ渓谷沿いをさらに北へ30km余、
突如として絶壁の上に現れます。
お城からの眺望も見逃せません。

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なぜ、串刺し公ヴラドがドラキュラ公なの?:
ドラキュラ公という名前は、家系から。
お父さんのヴラド2世がドラクル
(Dracul=竜公、または悪魔公、神聖ローマ帝国より竜騎士団の騎士に任命されていたから)
と呼ばれていて、その息子、という意味で
ドラクレア(Draculea=竜の息子、英語名ドラキュラ)。


なぜ今、ポエナリ城なの?:
ルーマニア人なら誰でも、このポエナリ城塞がヴラド・ツェペシュが根城とした
要塞であることを知っていますが、最近騒がれ始めたのは、
STARZテレビ・ シリーズ「ダヴィンチの悪魔」のなかで、
レオナルド・ダビンチがヴラド3世に会うためポエナリ城まで旅するという
エピソードが紹介されたことから。


え?ダビンチとヴラド・ツェペシュは同世代の人?
確かに、ダビンチ(Leonardo da Vinci、1452-1519年)、ヴラドは1476年没。
エピソードの真偽のほどはともかくとして、同時代を生きた人々です。




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マドモワゼル・ヒロコ

マラソン大会で出会ったパートナーはルーマニア人、2006年に嫁いだ先は東欧の国。ラテン民族の陽気さと大らかさにすっかり魅了され、首都ブカレストでの日々をご紹介。ヨーロッパ・マラソン遠征にも出かけます♪

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