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ラスアルハイマ首長国のファルコンセンター(鷹センター)
今のアラブ首長国連邦はとても季節がよく日中でも25度以下、夜は20度をきることも多々あります。そのため、夏ではありえないことですが、アウトドアを楽しむことができるのです。今回ドバイ首長国ではないのですがドバイから1時間ほど高速道路を走ったところにあるラスアルハイマ首長国のバニヤントゥリーホテル内にあるファルコンセンター(鷹センター)に行ってきました。
歴史的にこの国は昔から鷹とは切っても切れない関係にあるのです。それはこの国の紋章にも見ることができます。歴史的にアフリカから渡ってくる鷹をこの地域の砂漠を遊牧していた遊牧民達は毎年のように捕まえ、1ヶ月以上トレーニングを行い、そしてウサギや狐など小動物を捕るために使い、渡り鳥がこの地域からアフリカに戻っていくころになるとトレーニングをした鷹を放つという方法で動物を捕まえていたのです。現代は鶏肉やその他の肉を得るのは簡単なこと。ただスーパーマーケットに行くのみ。今となっては鷹狩りなどの伝統はなくなってしまいました。しかし、湖の国ではなくてならないような歴史の一部なのです。そのため、いくつかのホテルやセンターでは鷹狩りショーなどを行い、この国の伝統を守っているのです。
アラブ首長国連邦の鷹はどちらかというと隼(ハヤブサ)のような少し小さなものを使っていました。でもこのファルコンセンターでは大きな種類から小さなものまでどのように獲物を捕るのか、どのように人間の指示を聞くのかなどをショーとして教えてくれるのです。写真を見てもわかるとおり、鷹・隼は目がよいため、獲物を他の鷹と争わないように、そして獲物をみて足に紐をつけている鷹が飛び立ち足を怪我をしないようにと通常はヘルメットのようなものを必ずつけるとのこと。
ショーは説明だけではなく、見物している私たちで希望者には鷹を飛ばすとき、そして手に乗ってくれる瞬間を体験することができるのです。私たちが訪れたときにはたまたま地元の男の子達も見に来ていたのですが、恐る恐る鷹を持ち、徐々に堂々となる姿をみて「やはりこの子達もアラブの血を受け継いで、すぐに鷹慣れをしているんだろうな」ととってもりりしく感じました。
同じショーを見ていたアラブ人の皆さんとお話をしたところ、現在でも元遊牧民族の家系の方々は何羽もの鷹を所有し、パキスタンや近隣諸国に行き、小動物を放ち、自分の飼っている鷹での鷹狩りを趣味として楽しんでいるとの事なのです。そしてその鷹は血筋がよいものになると数千万円相当の価格がするようなのです。各鷹にはセンサーをつけてあり、飛んでいなくなってしまったとしてもセンサーをたどっていけば捕まえられるようになっているとのこと。そのセンサーだけで数百万円はくだらないと聞き、びっくり。湾岸国の裕福さの象徴のひとつなのでしょうか。
観光に来る皆さんにはドバイのすごいビルなどの近代的なところを見るだけではなく、彼らの歴史、伝統、そして必要であった動物などについてみてみるのも良い観光のひとつなのでは!?!?と感じました。
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ファトマ
- アメリカで中東学を勉強し、14年前にドバイに渡る。現在フリーとして企業リサーチや観光ガイド、メディアコーディネートを行う。