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本場イタリアのパニーニって?シンプルだけど奥が深い!
単数形ではパニーノ、複数形ではパニーニ(例:2個のパニーニ)。日本人にとってピザと並んでとても有名なイタリアの食べ物ではありますが、実際にはどういう物をパニーノと呼ぶのかという規定はなく、パンに具を挟んだものは全部パニーノと言っても過言ではない、とても曖昧なものです。
日本から観光にやって来た日本人が、安く手軽に食事を済ませようということになったら、まず候補に上がるのが、テイクアウトのできるパニーノでしょう。しかし、ここに立ちはだかる難関が。ほとんどの店には、パニーニの具体的なメニューが書いていないのです。
パニーノは好きな種類のパンに、お好みの具材を挟んだもの
シンプルだからこそ細部にまでこだわる人も多く、お気に入りの一品と出会うにはまず希望をハッキリと伝えられるだけの知識と語学力を必要とする、意外にも難易度の高い軽食なのです。 私がよく行くパニノテカ(パニーノ屋さん)は惣菜屋も兼ねていて、選べる組み合わせはまさに無限大。
2種類のモルタデッラのパニーニ
私がいつも頼むのはハムサンドなのですが、このハムサンドもシンプルなように見えて実は奥が深い。 まず、パニーノ用の丸パンなのか、トスカーナパンの薄切りなのか、スキアッチャータと呼ばれる塩気の強いパンなのか、使うパンの種類を選びます。私がいつも頼むのは素朴で塩が入っていないトスカーナパン(写真上側)。具材の味を引き立てるにはこれが一番だと思っています。 特に指定をせずに「パニーノを作ってください」と頼むと、その店でパニーノ用にしている丸パンを出されることが多いと思います。
パンの種類の次に選ぶのは具材
豚の丸焼きも美味しいので迷ってしまうけど、私の定番はモルタデッラと呼ばれるハムです。
エミリア・ロマーニャ地方で伝統的に作られているハムで、中にピスタチオや黒胡椒が入っています。 普段はこれを機械で薄切りにしますが、可能であれば「ナイフで手切りにしてください」とお願いするのがこだわり。市販のハムよりずっしりと重量感が出て、不揃いな食感がたまりません。
お店や時間帯によっては手切りは断られることもあるので、運が良ければ是非試してみてくださいね。
最後はチーズの種類を選びます
トスカーナパン、厚切りモルタデッラとくれば、仕上げはセミ・スタジオナートのペコリーノチーズ。
ペコリーノは羊の乳で作られたチーズで、塩気が強めです。セミ・スタジオナートは熟成も柔らかさもちょうど中間くらいで、クセがなくハムによく合います。
夏の暑い日であればもっとフレッシュ感を出すためにチーズは柔らかいサッパリした物に変え、薄切りトマトやルッコラの葉などを加えることもあります。何度も何度も食べるうちに自然と落ち着いてきた、私のナンバーワン・パニーノです。
塩やオリーブオイルなどの調味料は加えていませんが、素材それぞれの味がきちんとしているので必要ありません。
店によって量や値段は異なりますが、総じて現地のパニーニは日本のものより大きいようです。
この日私が食べたのは500mlペットボトルよりも大きなパニーノでした。お値段は一律にしている店もありますし、挟んだ具の量によって量り売り形式にするお店もあります。どちらにしても、1個3〜5€ほどととってもお得。テイクアウトにする場合は「Porto via(ポルト・ヴィア)持ち帰ります」と言うと、袋に詰めてくれますよ。
何と言っても一番のスパイスは美味しい空気と景色
旅の途中で、ピクニックで、いつでもどこでも食べられるパニーニは私たちの旅の良き相棒です。イタリアで食べるパニーノの美味しさの秘訣は、美味しい空気と美しい景色ですね。
あなたも、是非自分のお気に入りのパニーノを見つけてみてください。
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佐藤 モカ
- イタリア・フィレンツェ在住。作家、フリーライター、マーケティング各種リサーチやコーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。