夏のイタリアンドルチェと言えばコレ!知っておきたいジェラート事情

夏はジェラートの美味しい季節!

イタリア人が年間に食べるジェラートの量は、一人当たり12kg(※)。それだけでも大変な量なのに、ジェラートビジネス市場は現在も増加傾向にあります。イタリア人とジェラートとの関係はそれぐらい強いのですね。

夏場は当然のことながらジェラートを口にする機会も多く、その種類も豊富です。この季節、ジェラテリア(ジェラート専門店)のショーケースの彩りは実に華やかで、大賑わいになります。

また、街頭のジェラテリアは夜遅くまで人で賑わいます。暑い日中の外出を避け、涼しくなった夕方~夕食以降、夕涼みがてらにジェラートを食べるというのも、一般的な行動パターンのひとつ。

食欲のなくなる暑い時期には、食事の代わりにジェラートで栄養補給を......という専門家の解説もテレビなどで見かけることも珍しくありません。この解説が流れるようになると、いよいよジェラートの季節が到来します。

※編集部註......イタリア人のジェラート年間消費量は、2000年代初頭では7kgと言う説もあります。そのため、ジェラートの年間消費は増加傾向にあるようです。

W1200Q100_0630_163651_Gelato1.JPG

独特の滑らかさがイタリアン・ジェラートの美味しさです

イタリア各地で楽しめる、人気のチェーン系ジェラート店をご紹介!

イタリア各地を旅する際にぜひお立ち寄りいただきたい、安定感のある人気チェーンをいくつかご紹介します。

1:チョコレートで有名な「ヴェンキ(Venchi)」のジェラテリア

W1200Q100_0630_163652_Gelato2.JPG

まずは、店舗展開が盛んなチョコレートメーカーの「ヴェンキ(Venchi)」。チェコレートメーカーということで、チョコレートのフレーバーが揃っています。また、各種チョコレート製品も置いてありますので、年間を通して人気が高いお店です。

夏場はチョコレートが溶けやすいので、お土産用などの持ち帰りの際は十分にお気をつけください。

公式サイト:http://www.venchi.com/uk/gelato/

2:気軽に立ち寄りやすい「マグナム(Magnum)」のジェラテリア

続いて紹介するのは「マグナム(Magnum)」。駅の売店やバール、スーパーなどで見かける小袋入りのスティックアイス等が有名なメーカーが展開するジェラテリアです。

さまざまなトッピングのサービスや、店によってはバールとしての利用もできる(コーヒーが飲める)ことが特徴なこちらのお店。店内では布バッグやカップなどのグッズなども販売されています。

公式サイト:http://www.magnumicecream.com/uk/home.html

※編集部註......マグナムは、有名ブランドとのコラボレーションを展開するなど、クールなビジュアルも必見です。SNSなどでチェックできますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

W1200Q100_0630_163654_Gelato3.JPG

駅構内売店やバールなどで見かけるお馴染みのブランドの「マグナム(Magnum)」ショップです

3:チェーンでも味へのこだわりが人気。「ラ・ロマーナ(La Romana)」

要注目なのが「ラ・ロマーナ(La Romana)」。素材にこだわった「美味しいジェラート」として人気が高まっています。目新しい素材の組み合わせのフレーバーなどがあり、どの店舗も大人気です。

公式サイト:http://www.gelateriaromana.com/

W1200Q100_0630_163656_Gelato4.JPG

美味しいジェラテリアとして人気が高まっている「ラ・ロマーナ(La Romana)」。フレーバーのセンスなどもよいです。

4:チェーン系ジェラートの品質を高めた先駆者「グロム(Grom)」

現在におけるジェラートの高品質化を引っ張ってきた先駆者である「グロム(Grom)」も不動の人気です。クラッシックなフレーバーに加えて、各月のオススメのフレーバーなど、豊富な品揃えを楽しめます。

日本公式サイト:http://www.grom.jp/

※編集部註......2017年現在、日本でも一部地域で店舗を展開しています。

W1200Q100_0630_163657_Gelato5.JPG

クオリティの高さを追求したジェラートの流行りを作り出したのも「グローム(Grom)」といえます

イタリアのジェラートは、形のバリエーションも豊富!

ジェラートを食べるときの楽しと言えば、フレーバーを選ぶときのワクワク感! 目の前に並んだ色とりどりのジェラートの中から、自分好みの味の組み合わせを考えるのは楽しいものです。

ジェラートを購入するときは、まず紙カップで食べるかコーンで食べるかを選択します。その後、好みのフレーバーを告げて、カップまたはコーンに乗ったジェラートを受け取るのが通常の流れです。

この他にも、アイスケーキやグラスデザート、スティックやクッキーサンドなど、さまざまな形のジェラートが販売されています。目の前ですくってもらうジェラートとはまた違った美味しさですね。

W1200Q100_0630_163659_Gelato6.JPG

スティックタイプのジェラート。見た目もポップで可愛らしいですね

W1200Q100_0630_163700_Gelato7.JPG

カップタイプのジェラート。トッピングなども凝っていて、通常のジェラートとはまた違ったジェラートの美味しさです

W1200Q100_0630_163701_Gelato8.JPG

こちらはクッキーサンドのタイプ。これが好き!という人も少なくありません

W1200Q100_0630_163702_Gelato9.JPG

セミフレッドのトルタ(ケーキ)。切り分けて食べるタイプのジェラートです

甘いけれどヘルシーに。ジェラート業界の健康志向化

昨今のジェラート業界は全体的にヘルシー、ナチュラル......といった健康志向が流行。新たにオープンするジェラテリアは店舗作りに木目を貴重とするなど、自然を意識したコンセプトのお店が増加傾向にあり、多くの店が使用素材へのこだわりを謳い文句にしています。

多くのジェラートが大規模メーカーの商品または素材を使う中、ここでは「素材にこだわる」というある意味では当たり前にも思える意識が強調されています。そうすることで、ジェラートの美味しさだけでなく、安全性、安心感などに対する付加価値を生み出しているのです。

このような素材重視型のジェラートはヘルシーなのにさっぱりと甘く、消費者からも美味しいジェラテリアとしてポジティブな評価が高まっています。また、通常ジェラートは牛乳や卵を用いますが、フルーツベースのジェラートは、アレルギーを持つ方や菜食主義を意識する客層にも受け入れられているのが特徴です。

W1200Q100_0630_163705_Gelato10.JPG

自然派を謳うジェラテリアの店頭では、その店の素材へのこだわり、コンセプトなどを表示し、アピールしています

夏ならではのグラニータも人気

イタリアでは、ジェラートは夏だけの食べ物ではありませんが、やはり夏のシーズンは他の季節よりジェラートを食べる頻度が高まります。本格的な猛暑の時期には、乳脂肪分のないフルーツ系のジェラートを選ぶ機会が増えますね。しかし、もっとさっぱりとした味がご希望なら、グラニータがオススメです。

グラニータとは、いわゆるイタリア版かき氷ですが、その感触はシャーベットに近いものです。氷が固まらないように、かき混ぜる際に空気を含ませて凍らせるのが特徴です。その滑らかな味わいは暑さをスーッと和らげてくれる爽やかさ! ジェラテリアでこれを注文すると、スプーンに加えてストローがついてきます。「食べる」と「飲む」の中間的な存在ですね。

本場シチリアでは、しばしば涼をとるためにグラニータをいただきます。これをブリオッシュと呼ばれるパンと一緒にいただくのが、夏の朝食のスタンダードです。

W1200Q100_0630_163706_Gelato11.JPG

暑さをしのぐにはグラニータがオススメです

これがイタリアの日常。スーパーのジェラート売り場には......

イタリアを訪ねたときは、スーパーのジェラートコーナーのアイスボックスも覗いてみましょう。スーパーではお得なパック包装と1リットルのバスケット売りが主流です。売り場もこの時期には大きくとられており、これがなかなかのスケール。

ヴィーガン向けや豆乳をベースにしたジェラートの品揃えが定着したのは、最近の傾向ですね。これらはカロリーが控えめで、乳製品と比べて味わいは軽め。購入する人も増えています。

W1200Q100_0630_163707_Gelato12.JPG

あるスーパーのジェラートコーナー。種類も量も豊富な品揃えです。

W1200Q100_0630_163708_Gelato13.JPG

乳製品由来でないジェラートなどもかなり定着しています

ヴェネチアで人気のローカルジェラテリアをご紹介!

筆者が住むヴェネチアにもジェラートを扱う店はたくさんありますが、日本語で「手作り」という意味の「アルティジャナーレ (Artigianale) 」と書かれたジェラテリアを選ぶのがオススメです。

そこで、数あるジェラテリアの中で、ヴェネチアだけに存在する人気ジェラテリアを最後にご紹介します。

1:「Nico(ニコ)」

名物メニューは「ジャンドゥイオット」。砕いたヘーゼルナッツが入ったチョコレートベースのフレーバー「バッチ(Baci)」の上に、ジャンドゥイオットのヘーゼルナッツベースのチョコレートバーとたっぷりのホイップクリームを乗せたもの。かなりヘビーです。

住所:Dorsoduro, 922 | Fondamenta Zattere, 30123 Venice, Italy

公式サイト:http://www.gelaterianico.com/

2:「Meleverde(メーラ・ヴェルデ)」

とにかく素材にこだわったジェラート・ショップ。店名にもなっている「メーラ・ヴェルデ(Mela Verde)=青リンゴ」や、ヴェネチアの郷土菓子をジェラートとした「トルタ・サケール(Torta Sacher)」、「ビスコット・ブッソラ・ブラネッロ(Biscoto Bussolà Buranello)」などはヴェネチアならではのテイストですね。

住所:Castello 4977, Venezia

公式サイト:http://www.gelaterialamelaverde.it

3:「SUSO Gelatoteca(スーゾ・ジェラトテーカ)」

リアルト橋の近くに比較的新しいジェラテリア。使う素材にこだわり、ヴェネチアならでは新しいテイストが次々登場するのが特徴です。シーズンごとに新しい味を楽しむことができます。

住所:Calle della Bissa, Venezia

公式サイト:http://suso.gelatoteca.it

4:「Fontego delle Dolcezze(フォンダコ・デッレ・ドルチェッツェ)」

新鮮な季節の素材を使うことにこだわっています。珍しい素材の組み合わせやユニークのアイデアが魅力的です。

住所:Santa Croce 1915, Venezia

W1200Q100_0630_163709_Gelato14.JPG

フレーバーのバリエーションが豊富で、素材への安心感をアピールするジェラテリア「Fontego delle Dolcezze(フォンダコ・デッレ・ドルチェッツェ)」

5:「Gelato di Natura(ジェラート・ディ・ナトゥーラ)」

ヴェネチアだけでなく、ヨーロッパ内にフランチャイズ展開を始めているジェラテリア。「Natura(自然)」と言う店名の通り、自然をコンセプトにした商品設計が特徴です。

数あるラインナップの中で気になるのは「Michi(ミチ)」という商品。ジェラートを求肥(ぎゅうひ)に包んだもので、日本人には馴染みやすい味かもしれません。抹茶、マンゴー、ピスタチオ、チョコレート、バニラなどのフレーバーごとに、見た目もカラフルに変化して目を楽しませてくれます。

住所:Santa Croce 1628, San Giacomo dall'Orto, Venezia

公式サイト:http://www.gelatodinatura.com

W1200Q100_0630_163710_Gelato15.JPG

彩りも鮮やかなジェラートの品揃え、素材へのこだわりが魅力の「Gelato di Natura(ジェラート・ディ・ナトゥーラ)」

※編集部註......写真左にある、コロっとしたものがMichi(ミチ)です。日本やハワイで食べられている「モチアイス」を、イタリア流に解釈したドルチェと言えるでしょう。

写真・執筆:Aki Shirahama

※情報は2017年7月時点のものです。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。

関連記事:ジェラート王国イタリアならでは?!20万人が集う国際展示会「SIGEP」レポート

関連記事:ローマで食べ歩き!「トラステヴェレ」で頂いた3つのグルメ

イタリア」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『イタリア』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Rankingイタリア記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

Italyii(イタリィ)編集部

食・芸術・トレンドなど、さまざまな視点からイタリア旅行に役立つ「いい」情報をお届けする編集チーム「Italyii(イタリィ)」です。ライターから寄せられた各地のレポートを、編集チームが厳選してお届けします。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!