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アイルランド/ダブリンの街が一望!クローク・パークのスカイライン・ツアー・前編
スタジアム、クローク・パーク(Croke Park)
ダブリン北、オコンネル・ストリートから歩いて15分ほどのところに、クローク・パーク(Croke Park)と呼ばれる、ヨーロッパで4番目に大きなスタジアムがあります。82,300人収容できる、アイルランドでは一番大きなスタジアムです。
ちょっと特殊なスタジアム
このスタジアムでは、ゲーリック体育教会(GAA)のスポーツ、ハーリングやゲーリックフットボールといった、アイルランドの国技の試合しか開催されません。つまり、特別な場合を除き、サッカーやラグビーの試合はほとんど開催されることがありません。
コンサートもしかり。今年はコールド・プレイ(Cold play)とU2の2回のみでしたが、普段は年に3回のみの開催しか許されていません。スタジアムが住宅に隣接しているため、騒音の問題があるからです。
スタンドの名前の由来
1884年にGAAが結成、スタジアムが建設されました。指揮していたのは、マイケル・キューザック(Michael Cusac)。当時有名だったアスリートのマウリス・ダヴィン(Mauris Davin)がプレジデントとなりました。そのため、クローク・パークのスタンドの名前がキューザック・スタンドや、ダヴィン・スタンドという名前になっているのです。
マイケル・キューザック(Michael Cusac)の像。
スタジアムとアイルランドの歴史
このスタジアムはアイルランドの歴史と共に生きているスタジアムです。主なところでは、1916年。イースター蜂起の際、GPOが本拠地となっており、オコンネルストリートは激しい銃撃戦となりました。その時に発生した瓦礫がクロークパークに運ばれ、スタジアムの観覧用の展望台(立ち見)を作るのに使用されています。この観覧用展望台はHill 16(ヒル・シックスティーン)と呼ばれています。
そして1920年11月21日。このスタジアムにダブリン州とティッパラリー数のゲーリック・フットボールの試合中、イギリス軍が侵入。発砲し、ティッパラリーの選手を含む14人の死者が出ました。血の日曜日(Bloody Sunday)と言われる事件が起きました。事件は映画、「マイケル・コリンズ」にその場面が出てきますので、覚えていらっしゃる人も多いでしょう。
近年では、2003年にスペシャル・オリンピックが開かれましたし、2011年、アイルランドの公式訪問で、にエリザベス女王とエディンバラ公フィリップ王配がこちらのスタジアムを訪れました。歴史上、大変重要な訪問でした。
試合だけじゃない!ミュージアムやカフェ、ツアーもある!
スタジアムにはGAAミュージアムがあり、無料で見学できます。GAAが好きな人にはたまらないミュージアムとなっています。(こちらは後日ご紹介する予定です)
2015年にはカフェ、Blackthorn Cafe(ブラックソーン)もオープン。月曜から日曜日、毎日営業しています。(午後6時終了)
もちろんスタジアム・ツアーもあります。そしてもう一つクローク・パークには、面白いツアーがあるのです!
エリクソン・スカイライン・ツアー (Ericsson Skyline Tour)
クローク・パークの屋根の上、44メートルから、スタジアムとダブリンの街を一望するツアーがあるのです。
ダブリンの街が一望できる=ダブリンで一番高い建物と思った方がいらっしゃるでしょう。しかし、クローク・パークはダブリン一高い建物ではございません。ダブリン一高い建物は、Googleのビルです。余談ですが、ダブリンに高い建物を建てられないという法律があるため、ほとんどの建物は高く建てられていません。そのため、ダブリンの街を一望することが困難なのです。そんな状況の中、ダブリンの街を一望することができる、クローク・パークのエリクソン・スカイライン・ツアーはとても貴重です。
ツアー開始!
まずは選手のロッカールームへ。こちらで今回のツアーの説明が、ガイドさんよりありました。
このロッカールームは実際に使われているものだそうです。クローク・パークの裏側も見れて、ツアーが始まる前から面白い!ツアーの所要時間は約1時間半であること、屋上に5ポイント、ガイドさんの説明を聞く場所があること、ポイント4では44メートルの高さから、スタジアムが見下ろせるのですが、そこではハーネスを付けて見学することになっているとのことで、ここでハーネスを全員付けました。
そして、スタジアムへ移動!ロッカールームを出たら、すぐ目の前にこんなものが!巨大なハーリングのスティックです!
選手や関係者でないと通ることができない、裏側からスタジアムの観客席へ行きます。面白くって、キョロキョロしてしまいました。
エレベーターを使い、スタジアムのトップフロアーへ。これも、このツアーの面白さの一つです。
階段を何段か上り、スタジアムのトップフロアーへたどり着きました!
もうすでにこの時点で、高いのです。かなり高いところからスタジアムを見下ろすことになります。クローク・パークのへは、コンサートで何度か来ていますが、いつもグラウンドで見ているので、こんなに高いところから見たのは初めて。改めてこのスタジアムの大きさを思い知る形となりました。ここで、ガイドさんのスタジアムの説明が10分ほどありました。そして、お目当ての屋上へ移動です!どんな景色が見れるのでしょう?屋上から見たダブリンの街は、次回でご紹介します。
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ティファニー・カイリー
- 1999年よりダブリン在住の独身・アラフォー・会社員。