イタリア最大の湖・ガルダ湖畔をバスで巡る旅

風光明媚な観光地、ガルダ湖はバスで旅するのもおすすめ

ローマやヴェネツィアなどの大都市と違い、日本人にはまだあまり馴染みのない観光地であるガルダ湖ですが、イタリアの小都市としては珍しく公共交通機関も充実しています。大きな湖なので湖畔の街を複数訪れようと思うと車は必須と思いがちなのですが、実際動いてみると渋滞が激しく、駐車スペースにも限りがあるので、自家用車やレンタカーだとかえって身動きが取れなくなることも。今回のガルダ湖滞在では初めて現地のバスを利用してみたので、その様子をレポートしたいと思います。

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今回私が利用したのは、atv(azienda trasporti verona)という会社のバス。ガルダ湖周辺の観光客向けの長距離バスを始め、ヴェローナの市内バス、スクールバスなども運営している会社です。複数の路線がありますが、私が利用した483番は中でも特に長距離を走っている路線で、湖南のサンベネデットから、北部のマルチェージネまでを2時間弱で繋いでいます。

atv社のバスの切符

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まずは最寄りのバス停近くにあるバスセンターで、切符を購入します。小さな停留所のそばには切符売り場がなかったので、それぞれの街の最寄り停留所など大きな場所を選んで往復分を購入しておいた方が良いです。イタリア語で切符はbiglietto(ビリエット)。切符売り場のカウンターで、出発地と到着地を伝えましょう。

切符は予想以上にシンプルなもので、市内を走る短距離のものを兼ねていました。私が乗ったペスキエーラ・デル・ガルダ-マルチェージネ間は料金「6」の区分ですので、片道5.40ユーロ。 乗車したら、バスの刻印機で必ず刻印しましょう。刻印はセルフなので、これを忘れると罰金を取られてしまう恐れがあります。

車窓からの景色が美しく観光に便利な路線

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483番線は東側の湖沿いを走り、湖を南北に結ぶラインです。ペスキエーラ、ラツィーゼ、バルドリーノなど湖畔の可愛らしい小都市の他に、人気の大規模遊園地であるガルダランドを訪れる時にも使います。天気が良い日は特に車窓からの景色が美しいので、湖側の席をゲットするのがおすすめ。席は自由席で特に指定はありません。イタリアの市バスは都市や地域によっては治安が悪いこともあって注意が必要な乗り物ですが、この路線ではそのような心配もなく、ゆったりと座れることができました。

ガルダ湖周辺は夏季バカンスシーズンと冬季オフシーズンとで道路の渋滞具合がまったく異なり、季節や時間帯によって移動時間も異なるため、事前に時刻表で確認しておきましょう。時刻表は、atvの公式サイトで見ることができます。

約1時間40分ほどで、ペスキエーラからマルチェージネに到着

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バスを降りてすぐの場所に、ツーリスト・インフォメーション・オフィスがありました。観光について必要な情報は、すべてここで手に入ります。マルチェージネの街はバス停を降りて湖側へ歩いてすぐの場所にあるので迷うことはありませんが、必要な時はここでタクシーを呼んでもらうことなどもできますよ。

ツーリスト・オフィスのすぐ横には、久々に見る懐かしいこの機械が

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これ、なんだかわかりますか?最近ではインターネットの予約サイトなどから簡単にホテル予約ができるので出番が少なくなりましたが、現地に到着してからホテル探しを始める人のための、ホテル・インフォメーションです。ホテルの名前と大まかな価格帯などが書いてあるので、そこから気になるホテルを選びます。ボタンを押すと中央に設置された電話からホテルのレセプションに直接電話がかかるようになっていて、詳しい情報の確認や空き室状況のチェック、予約などができる仕組みです。

スマホがこれほど普及する前には、ヨーロッパの観光地でよく見かけたこの機械。当時はなぜ宿泊施設の予約を現地到着後に取る必要があるのか疑問に思っていましたが、旅慣れたヨーロッパの人はフラリと訪れた場所に気軽に泊まっていくことがよくあります。ホテルを決める決断も早くて、小さな写真一枚と基本の情報しか見ていないのに、電話口でサッと宿泊先を決めてしまうんです。 ホテル情報がネット上でいくらでも手に入る現代でも、この機械を使う人もいるんでしょうか?

無計画に出発して、バスの窓から眺めた街で少し足を留めてみる。そんな偶然の出会いに満ちた身軽な旅も、いつかしてみたいなと思います。

atv (azienda trasporti Verona Srl)公式サイト
http://www.atv.verona.it/Atv_Verona_home_page

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佐藤 モカ

イタリア・フィレンツェ在住。作家、フリーライター、マーケティング各種リサーチやコーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。

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