アイルランド/蒸気機関車で行く！エニスコーシー、ロッキンフード・フェスティバル－前編

エニスコーシー(Ennithcorthy)

皆さん、エニスコーシー(Enniscorthy)という町をご存じでしょうか？この町は、映画「Brooklyn」(ブルックリン)で、女優、シアーシャ・ローナンガ演じる主人公、エイリッシュの出身地です。場所は、アイルランド東部、ウェックスフォード県にある、人口1万人ちょっとの、ちいさな町です。この町で実際に映画の撮影も行われ、有名になりました。

この町は、1798年アイルランドの反乱(イギリス軍に対する反乱)の際に戦い、1916年のイースター蜂起でも戦った町でもあります。町にはアイルランド国旗が、大きくたなびいているのがとても印象的です。

この町では、いくつかのフェスティバルが行われますが、今回はその中の一つ、Rockin'Food Festival(ロッキンフード・フェスティバル)というフェスティバルをご紹介したいと思います。

Rockin'Food Festival(ロッキンフード・フェスティバル)とは？

ロッキンロールとフード(食べ物)が合体した野外フェスティバルです。フェスティバル自体は参加無料ですが、参加有料のイベントもいくつかあります。フェスティバルではロックンロールバンドの演奏や、ダンス大会が開かれ、町の道路にはたくさんのフードストールが並び、地元で作られたバターやジャム、ビスケットなどが購入できたり、地元の食べ物を堪能することができます。

蒸気機関車で行く！

エニスコーシーへは、車はもちろん、バスや列車で行くことが出来ます。ダブリンから列車で約2時間ちょっとの距離ですので、日帰りも可能です。今回のRockin'Food Festivalロッキンフード・フェスティバル）では、8月6日の日曜日のみ、ダブリンから蒸気機関車でエニスコーシーへ行き、フェスティバルを楽しむことができました。

蒸気機関車が走ってる！？

蒸気機関車で行くと聞いた時点で、アイルランドでは今でも走っているの？と驚いたことでしょう。毎日は走っていません。しかし、特別に走ることはあります。Railway Preservation Society of Ireland(RPSI)という団体が、マニュアルで蒸気機関車を走らせています。この団体は1964年、北アイルランドはベルファストで設立。北アイルランド内で走らせ、成功をおさめたことにより、アイルランド(南)でも走ることになりました。

今回はNo.4という蒸気機関車が走る予定でした。チケットは一人、往復で35ユーロ。(8月7日現在の為替で約4,566円)決して安くはありません。出発駅はダブリン北側にある、コノリー駅(Connolly Station)。この駅からは、東部に向かう列車や、ベルファストへ向かう列車以外にも、ダブリン郊外へ行くダート(Dart)という電車や、市内を走る路面電車ルアス(Luas)にも乗ることができる、大きな駅です。

蒸気機関車が出発するのはプラットホーム5。時間は午前10時30分。25分ほど前にプラットホームに着くと、列車がすでに到着していました。

あれ？蒸気機関車じゃないの？

ポピュラーなディーゼル車でした。しかし、エニスコーシーへ行きたい！疑問を胸に、列車に乗り込みました。

レトロな車両

蒸気機関車ではなかったのですが、車両は1960年代のレトロなものでした。席は全指定。出発2日前にメールにて席番を告げられます。私の席はA車両。Sea Breezeと書かれた車両でした。

座席も昔の影を残していました。

この日の車両により、座席のカバーの色が違っていました。カバーは新しいものに張り替えられており、座り心地が良かったです。車両にはスナックを買える売店のほか、バーもありました。

バーにはたくさんの蒸気機関車の写真が飾られていました。今回の列車が蒸気機関車でなく残念でした。

走る列車の中で友人とお酒を飲み、くつろぐ男性たち。

私も一人でくつろぐことに。やはりアイルランド。ギネスを飲まなくては始まらない。

バーのお姉さんが、たくさんギネスを注いでくれたのはいいのですが、注ぎすぎて溢れてしまいました。溢れたギネスを飲みながら、車窓を見る。バスの旅ではできないことです。ギネスは一杯4ユーロ70セント。(8月7日現在の為替で約613円)ダブリン市内で普通5ユーロ30セントほどするギネスがこの値段！列車で買うお酒は高いだろうと思っていたので、余りの安さにびっくりしました。