ペルーのアンデス山脈に広がる天空の白い世界!世界一高所にあるマラスの塩田

マラスの塩田

ペルーのアンデス山脈、標高3,300mの場所に突然現れる白い棚田の世界。クスコからマチュピチュ遺跡に向かう山中に広がるこの景色は、世界で一番高い場所にあるマラスの塩田です。

山の斜面に1kmにわたって続く塩田には、田んぼのような四角い囲いが3000個以上も存在しています。ここに塩水が溜まり、高所の強い日差しで天日干しにすることで、粒の大きいまろやかな塩が出来上がります。

マラスの塩田

なぜこんなところに突然塩が現れるのかと、不思議に思いますよね。

1億年以上の昔、この場所は海だったんです。 地球の変動により隆起して、塩の層が地下水としてこのマラスに流れるようになりました。ここに流れる水の塩分濃度は21%と濃く、昔からマラス村の人々は、それぞれ少しずつ塩田を所有して塩作りを続けています。

インカ帝国時代から、海から遠く離れたこの土地で採れる塩はとても貴重で、お料理に使うだけでなく、肉の保存で塩に漬け込んだり、ミイラを作るのにも使用されていたという説もあります。

マラスの塩田

ここでの塩の収穫は、かなりの重労働! 塩田内にはトラックが入れないので、毎回50kgにも及ぶ塩を袋に入れて、担いで上の倉庫までせっせと運びます。1日40回くらい往復することもあるそうで、標高3,000mを超える高所での運搬作業は想像以上に過酷です。

塩田では、子供たちがお手伝いして働いている姿もよく見られます。 ここで採れるローズソルトは、うっすらピンク色をした粒の大きな塩で、鉄分が多く、ペルーの代表的なお土産として人気です。

最近は日本にも輸入され、高級ソルトとして販売されています。(ペルーの何倍もの価格で!) マラスの塩は、これだけでつまみにもなるほど旨味が強く、お料理の味も引き立たせてくれます。ペルーを訪れた際には、何千年も昔のインカ帝国から受け継がれるマラスの塩を、ぜひ味わってみてくださいね!

(文:南まい)

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