【ペルー】Ready to Drink!最近ブームの瓶&缶入りカクテルを試飲してみました

今ペルーの首都リマで静かなブームを呼んでいる「Ready to Drink(レディ・トゥ・ドリンク)」。Ready to Drinkとは購入後そのまますぐ飲める低アルコール飲料のことで、日本でいう缶チューハイのような存在です。

ペルーの国民酒といわれるピスコをはじめ、ウォッカやジンをベースにしたカクテルが多く、250~350ml前後という飲みきりサイズと手ごろな値段から、若者を中心に人気を集めています。

目次

スーパーマーケットの「cocktail(カクテル)」コーナー

リマ市内のスーパーマーケットの酒類売り場

リマ市内のスーパーマーケットの酒類売り場に設けられた「cocktail(カクテル)」コーナー。ポップでカラフルなデザインが目を引くカクテルドリンクがずらりと並んでいます。

飲料メーカーが特に力を入れているのは、ピスコを使った「Chilcano(チルカーノ)」。チルカーノはペルーを代表するカクテルのひとつで、バーや居酒屋はもちろん、アルコールを提供するレストランならほぼ必ずといっていいほどメニューに掲載されている、とてもポピュラーな飲み物です。今回ピスコ製造で有名な某社のReady to Drinkをいくつか購入、アルコール好きの友人らと3人で試飲してみました。

まずはオリジナルのチルカーノについて

オリジナルのチルカーノ

チルカーノは、ピスコをジンジャーエールとレモンで割ったロングカクテルの一種。ブドウから作られる蒸留酒ピスコはアルコール度数が40度前後もある強いお酒ですが、ジンジャーエールのおかげで口当たりも柔らかく、お酒に弱い人でも飲みやすいカクテルになっています。

無色透明で癖がなく、きりっとした飲み口のピスコは、柑橘類との相性が抜群。レモンをほかのフルーツに置き換えるだけで、さまざまなフレーバーを楽しめるのが魅力です。

チルカーノ

右がレモンを使った一般的なチルカーノ、左はイチゴ味のチルカーノです。

5種類のチルカーノ、試飲開始!

チルカーノ

今回私が選んだのはこの5本。右から「naranja(オレンジ)」「maracuyá(マラクヤ/パッションフルーツ)」「limón(レモン)」「guaraná(ガラナ)」、そして「manzana(リンゴ)」味です。最後の1本だけ異なるブランドの製品ですが、チルカーノとしては珍しいリンゴ味だったので選んでみました。

まずは王道のレモンから

チルカーノといえばやはりレモン味が基本。でも試飲の前に、まずは原材料をチェックしてみましょう。

チルカーノといえばやはりレモン味が基本

原材料表示によると、炭酸水、砂糖、ピスコ・ケブランタ種、レモンナチュラルフレーバー、ジンジャーエールがメイン、そのほかにpH調整剤やクエン酸、香料や着色料も使われています。

アルコール度数

アルコール度数は6.5%とのこと。一般的なビールよりはちょっと高め、でもハイボールよりは低めといった感じですね。

一口

前置きはこれくらいにして、まずは一口。

・・・うーん、甘い、そして軽い!

原材料のトップが炭酸水だからでしょうか、ピスコを使ったカクテルというより、トニックウォーターにレモンを加えたような軽さです。我々には物足りない味でしたが、お酒を飲みなれていない人には丁度いいかもしれません。ただピスコの風味をまったく感じないことから、チルカーノというよりレモン風味の甘いカクテルといった感じ。定番のレモンフレーバーがこれでは、この先が思いやられます。

オレンジは懐かしのファ〇タ味

チルカーノのオレンジ味

お次はチルカーノのオレンジ味、しかしグラスに注いだ途端に「なんだ、その色は?!」という声が上がってしまいました。オレンジ味のペロペロキャンディーを水に溶かしたような色と香りで、飲む前から一同げんなりです。でもまだ2本目ですし、ここでやめるわけにはいきません。

果たして肝心の味は、まさにあのファ〇タ・オレンジそのもの!あまりの甘さにお酒っぽさをまったく感じませんが、それでもアルコール度数は6.5%もあります。普段アルコールを口にしない女性にはウケそうですが、知らず知らずのうちに酩酊してしまいそうで怖いですね。

リンゴはさっぱり、飲みやすいお味

リンゴはさっぱり、飲みやすいお味

予想の斜め上を行く味に驚きを隠せない一同は、気分を変えるために1本だけ購入しておいた別ブランドを試飲することにしました。アルコール度数は5.9%と、今回試飲した5本の中では一番度数の低いカクテルです。

さて試飲後の3人の感想は、「これなら・・・許せる」でした。リンゴジュースのようなさっぱり感もあり、飲みやすいお味。ただこちらも例にもれず甘いですね。ペルー人は総じて甘いものが大好きですが、アルコールまでとは参りました。

あぁ、絶望のマラクヤ

絶望のマラクヤ

ここまでの成果からそろそろ試飲を止めたくなってきた面々ですが、マラクヤ(パッションフルーツ)味を試さないわけにはいきません。というのもマラクヤ味のチルカーノは、基本のレモン味と並び、チルカーノとしては最も一般的かつ人気のフレーバーだからです。

さて、アルコール度数6%のマラクヤを試飲・・・あぁ、何といいましょうか、もう言葉にするのも難しい。香りは辛うじてマラクヤっぽいものの、味は温州ミカンを薄めたような感じ、加えて妙な刺激が舌に残ります。こちらも本当に甘くて、酒好きの3人が全員残してしまいました。

ドクペ好きに捧げるガラナ味

ラストは誰も期待していなかったガラナ味。"extremo(限界、または極限の)"という言葉に、メーカーの気合を感じます。

ドクペ好きに捧げるガラナ味

気にあるお味は、ガラナそのもの!こちらもピスコの風味はまったく感じませんでしたが、ガラナ味のカクテルという意味ではこれもあり。「ドクターペッパーの薬っぽさを抜いたような味だね」という感想もありました。強烈な個性と、日本のストロング系缶チューハイの上を行くアルコール度数10%。まさに"extremo"な1本でした。

今回の試飲を総括すると、いずれも甘すぎて我々の口にはあいませんでした。またチルカーノと謳っているにもかかわらず、ピスコの味を感じられなかったのが残念です。

とはいえ甘いカクテルがお好きな方もいるでしょうし、「チルカーノ」ではなく「〇〇フレーバーのアルコール飲料」という捉え方なら、また違った感想もあると思います。ここに記した意見はあくまでも個人の感想ということでご承知おきくださいね。

懲りずにリベンジ!大御所ブランド登場!

先ほどの試飲の結果にどうしても納得がいかなかった私は、後日もう1本だけ試してみることにしました。

Pisco Portón(ピスコ・ポルトン)といえば、誰もが認めるペルーを代表する一流ワイナリー。そのポルトンの名を掲げるReady to Drinkがもし美味しくなければ、もうその他に期待することはないでしょう。

ポルトンの名を掲げるReady to Drink

恐る恐る試飲した結果・・・やっとチルカーノらしいチルカーノにめぐりあえました。さすがポルトン、よかった~!

ポルトンの名を掲げるReady to Drink

こちらもやはり甘めではありますが、ちゃんとピスコの味がします。それもそのはず、これまでご紹介した5本の原材料は

  1. 炭酸水
  2. 砂糖(またはガムシロップ)
  3. ピスコ

の順に記載されていましたが、ポルトンのチルカーノは

  1. 炭酸水
  2. ピスコ
  3. 砂糖

となっていました。原材料表示は割合の多いものから記載するルールであることを考えると、ポルトンの製品がよりチルカーノらしいのは当然ですね。

まとめ

今回の試飲で感じたのは、ペルーのReady to Drinkの技術はまだ発展途上であるということ。ピスコやフルーツを使って作る本物のカクテルの味を再現しきれていないのに、ブームに乗って商品化してしまったように思えてなりません。チルカーノはとても好きなカクテルなので、いつかもっと本物らしいReady to Drinkが登場してくれることを祈るばかりです。

またチルカーノ以外にもいろんなカクテルがあるので、リマのスーパーに立ち寄ったらぜひお気に入りの1本を見つけてくださいね。

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原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。

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