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ノルウェー・オスロ("ムンクの街"を旅する)
ムンクの街、オスロへようこそ! 美術の時間から飛び出した、ムンクの『叫び』
VISITOSLO/Munchmuseet
ほとんどの日本人が知っている、あの世界的名作『叫び』。作者はエドワルド・ムンク、ノルウェーが誇る世界的画家です。ノルウェー紙幣1,000クローネ(NOK)の肖像画モデルにもなっています。1863年、ムンクはノルウェー南東部に生まれました。ムンクが幼い時に母と姉が亡くなり、ムンク自身も病弱。それにつれ、厳格な医師だった父親はしばし錯乱状態に。こうした身辺での「病」や「死」への不安、孤独の体験は、ムンク自身の後々の生き方に深く影響を与えました。
1889年、ムンクはパリのサン・クルーに移住。ここでゴッホの作品に出会い、ムンク自身も実験的な絵画【フリーズ・オブ・ライフ】(生命のフリーズ)構想に取り組みます。1892年から95年まで、ベルリンに移住。【フリーズ・オブ・ライフ】の一連の作品の実制作を開始し、1893年に、『叫び』を発表しました。ムンクは、何年かの時を隔てて、この『叫び』を4点描きました。(ムンク美術館に2点所蔵され、オスロ国立美術館に1点、そしてもう1点は...?)
▲ゴッホ自画像とムンク自画像 VISITOSLO/Tord Baklund
その『叫び』の舞台となったフィヨルドが、オスロ市南東のエーケベルグの丘。絵の中では橋のように見えますが、実際は道路。ムンクは、ここで異常な体験をして、それを『叫び』として表現しました。
VisitOSLO/Rod Costa
ムンク曰く、「2人の友人と歩いていると、日が沈み始めた。見る見るうちに空が血のように赤く染まっていく。僕は疲れを感じて立ち止まり、柵にもたれか かった。青黒いフィヨルドと街の上空が血と炎で彩られた。友人は僕を置いてどんどん先に行く。僕はそこに立ち止まったまま不安に身を震わせた。その時、自然を貫く大きな終わりのない『叫び』を感じた」。
エーゲルベルグの丘を舞台に描かれた作品は、『叫び』以外にも、『不安』(1894年)と『絶望』(1894年)があり、3部作となっています。
▲左から『叫び』、『不安』、『絶望』 VISITOSLO/cMunchmuseet
オスロ国立美術館
1836年に創設されたノルウェー最大の美術館。ノルウェー画家を中心に、ゴッホやモネ、ピカソ、ルノワールなど名だたる近代ヨーロッパ画家の作品を所蔵しています。中でも、『叫び』、『マドンナ』などのムンクの主要作品が展示された「ムンクの部屋」は必見です。
VisitOSLO/Knut Oystein NerdrumcNational Museum of art, architecture and design
ムンク美術館
エドワルド・ムンクの遺言により寄贈された作品を元に、約1100点の絵画、約1万8000点の版画のほか、子ども時代の絵、日記、手紙、写真など、実に多彩なコレクションを所蔵する美術館。併設のカフェで、ランチや「叫び」ケーキも。
VISITOSLO/Munchmuseet
オスロフィヨルドに面し、緑豊かな山々に抱かれたノルウェーの首都オスロ。ムンクの目線で、オスロを見て、歩いて、立ち止まってみませんか?
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