

「憧れのギリシャへ!エーゲ海の青い海と白い街並み、古代遺跡を思い切り満喫するぞ!」
と胸を躍らせて待つギリシャ旅行。円安やインフレ、サーチャージなどで海外旅行費用も高騰している昨今、投資額に見合った期待も高まりますよね。
ギリシャは本当に素晴らしい国ですが、「日本の感覚・常識」のまま旅の計画を立てると、実は思わぬ落とし穴にはまることも多いのです。
私は、現地で日本人旅行者の方々のアテンドをすることがありますが、「こんなはずじゃなかった...」「もっと早く知っておけばよかった」と肩を落とす場面に、何度も遭遇してきました。
この記事では、20年以上現地で多くの日本人旅行客をサポートしてきた私が、「日本人がギリシャ旅行でやりがちな失敗10選」とそれをスマートに回避するための解決策を解説します。渡航前にこの記事をセルフチェックシートとして活用し、最高のギリシャ旅行を叶えてくださいね!
目次
ギリシャ旅行のレストラン・買い物・マナーの失敗(現地生活編)
ギリシャ旅行の移動・スケジュールの失敗(島めぐり・交通編)
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<ギリシャ旅行のハイライト、サントリーニ島の風景>
失敗1:ギリシャ旅行の予定を詰め込みすぎて、余白がない
「せっかくギリシャまで行くのだから!」と、1週間ほどの短い日程の中に「アテネ+サントリーニ+ミコノス+メテオラ」などと詰め込むパターンです。「フェリーで3時間なら、午前中に移動して午後から観光できるよね」などと考えて、大失敗します。
飛行機や船の移動は「乗船・搭乗時間」だけでは測れません。
- ホテルから空港や港までの移動
- 船の場合は出港前に港に到着し、乗船待ち
- 飛行機の場合は早めに空港に行き、搭乗手続きや保安検査
- 大型フェリーの乗降時の混雑(数百人が一気に動く)
- 目的地到着後、ごった返す空港や港で荷物を受け取り、ホテルへ移動
結果として、移動日は実質半日ほど(4~6時間)潰れることになります。送迎車を手配していなければ、移動によるロスやストレスも計り知れず、移動だけで体力を使い果たし、街に着いた頃にはぐったりしてしまう事態に。
<アドバイス>
- 島は1~2つに絞って、行った島の数より「滞在の質」を重視しましょう
- 所要時間はドア・ツー・ドアで計算し、移動の前後には+2時間程度のタイムロスを見込んでスケジュールを組むのが鉄則です
- 交通機関の遅延、ストライキ、変更なども「想定内」として計画しましょう
- ホテルは移動しやすい場所を確保し、送迎車は頼んでおいた方が安心です
失敗2:タクシーを拾えず、長時間待つ・ぼったくりに遭う
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<黄色い車体が目印の、アテネのタクシー>
「空港や港に着いたら流しのタクシーを拾えばいいや」と高をくくっていたら、夏のサントリーニ島やタクシーの少ない場所でタクシー乗り場に大行列。炎天下で長時間待たされ、熱中症になりかけた、あるいは、ぼったくりに遭ったというケースです。
ギリシャの離島(特にサントリーニやミコノスなど)は、観光客数に対してタクシーの絶対数が少ないです。また、アテネ空港でも季節や時間帯によって長蛇の列ができます。
<アドバイス>
- アテネ空港~市内は「定額ルール」を知っておく
アテネ空港から市内中心部へのタクシーには、目的地のエリアによって定額料金が適用される場合があります。料金は改定される可能性があるため、利用前に最新情報を確認しましょう。乗る前に、目的地までの料金を確認し、領収書が必要だと言っておくと安心です。
- 事前に送迎を手配する
特に離島や早朝・深夜の移動、アテネで荷物が多い場合は、配車アプリ(Uber、FREE NOW)を使うか、ネームボードを持って待っていてくれる事前送迎サービス(Welcome Pickups等)を予約しておくと良いでしょう。
失敗3:強風やストライキ、遅延を計算に入れず、予定の便に乗り遅れる
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<フェリーは揺れが少なく、高速船は速いけれど揺れやすい>
「午前:ミコノス島から船でアテネへ移動 → 夕方:アテネ発の国際線で帰国」というギリギリのスケジュールを組んだ結果、強風でフェリーが全便欠航。島に取り残され、帰国の飛行機を買い直す羽目になり、数十万円の痛い出費になってしまいます。帰国便でなくても、予定が大幅に崩れるケースがあります。
夏のエーゲ海では「メルテミ」と呼ばれる強い北風が吹くことがあります。状況によっては高速船を含むフェリーが遅延・欠航することもあります。また、ギリシャではストライキによって交通機関に影響が出ることも頻繁にあります。ギリシャ在住者は「またか」という感じで慣れていますが、旅行者の方は柔軟に対応することもできず、パニックになってしまうことも。
<アドバイス>
- 島からアテネに戻る日は「帰国便の前日」にする
万が一船が止まっても、翌日の便や飛行機に振り替える「1日の猶予(余白)」を作っておく方が安心です。
- 大型フェリー(Blue Star Ferriesなど)を選ぶ
一般的に大型船の方が小型の高速船より天候の影響を受けにくい傾向がありますが、海況によっては大型フェリーでも遅延・欠航することがあります。
ギリシャ旅行のホテル・街歩き・防犯の失敗(現地滞在編)
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<サントリーニ島は、眺めの良い素敵なホテルが目白押し>
失敗4:サントリーニ島のホテルを写真映えだけで選ぶ
予約サイトで「青い屋根と絶景が見える!」とテンションが上がり予約。しかし現地に着くと、車が入っていけない急階段を下りた先にある崖の下のホテルだった......。スーツケースを運ぶだけで汗だくになり、周りにレストランも店もなく、移動のたびに地獄の階段登りが待っていたという悲劇です。
サントリーニ島の断崖絶壁(カルデラ側)にあるホテルは絶景ですが、構造上「階段が必須」で「アクセスが悪い」場所も多いため、要注意。
<アドバイス>
自分の旅行スタイルに合わせてエリアを選びましょう。
- イア(Oia):絶景・ハネムーン重視。憧れの街だけれど、価格は超高額で、階段も多め。バス停に近い、崖の上の方のホテルがおすすめ
- フィラ(Fira):利便性重視。バスターミナルやショップが集まり、どこへ行くにも便利。フィラから各街へ向かうバス路線が出ています
- イメロヴィグリ(Imerovigli):大人旅・静けさ重視。絶景と静寂が両立するエリア。公共交通機関での移動はフィラより不便です
- カマリ/ペリッサ(Kamari/Perissa):ビーチ&コスパ重視。比較的フラットな地形で、リーズナブル
カルデラ側の絶景ホテルに泊まる際は、事前に「ポーター(荷物運びスタッフ)」が最寄りの道路まで迎えに来てくれるサービスがあるかを必ず確認してください!
また、近年人気のエアビー(Airbnb)の宿は、広くてリーズナブルなので人気ですが、場所が分かりにくい(番地や看板がない)場合もあるので、オーナーに事前に確認を。
失敗5:映え重視の服装と靴で、滑りやすい石畳や階段で転倒
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<大理石の階段が滑りやすいパルテノン神殿の前門>
サントリーニやアテネのプラカ地区、アクロポリスの丘で、お気に入りのヒールサンダルや厚底シューズ、裾の長いワンピースを着て観光。長年、多くの人が歩いてきた滑りやすい石畳で足を滑らせて転倒・捻挫したり、ロングドレスの裾を踏んで転倒したりするケースです。
ギリシャの大理石や石畳の街並みは、長年の摩擦で表面が磨かれ、まるでスケートリンクのように滑りやすくなっている場所があります。階段も、同じ間隔や高さではなく、斜めになっていることも。さらに急な上り坂と階段の連続です。
<アドバイス>
- 靴は滑りにくいスニーカーかペタンコサンダル推奨(靴底がツルツルしたサンダルやヒールはNG)
- 映え衣装は、裾短めで、デザインや色で勝負
失敗6:アテネの地下鉄や観光地でスリ・詐欺に遭う
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<屋外のカフェなども、スリに注意>
「自分は大丈夫」と油断している人ほど要注意。
アテネのシンタグマ駅やモナスティラキ駅で地下鉄に乗ろうとした瞬間、大勢の集団に囲まれ、乗車後にリュックを見たらチャックが開いて財布がない! あるいは、プラカ地区で笑顔で近づいてきた人から「これプレゼント!」と手首にミサンガを巻かれ、直後に「お金を払え」と要求されるケース。空港で、「財布を落として困っている。現金を貸してほしい」と泣きつかれ、貸したら最後、戻ってこないケース。サントリーニのイアで夕日を見るために人混みの中を歩いている際、スリに遭うケースもあります。
日本人は治安が良い環境に慣れているため、リュックを背中に背負ったり、荷物をテーブルに置きっぱなしにしたり、話しかけてくる人に優しく対応してしまいがちです。
<アドバイス>
- リュックやバッグは必ず「前抱え」、リールも活用
特に地下鉄やシンタグマ広場、モナスティラキ、オモニア周辺ではバッグを手で抱え、貴重品は分散を。スリ防止のため、伸縮式リールに貴重品をつないでおくのが有効です。テーブルや椅子などに、荷物を置きっぱなしで席を離れないのは鉄則。
- 親切すぎる声かけには注意
知らない人からの不自然な声かけや、物を渡そうとする行為には注意し、必要がなければその場を離れましょう。
ギリシャ旅行のレストラン・買い物・マナーの失敗(現地生活編)
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<ギリシャ料理は、日本人の口によく合う>
失敗7:料理を頼みすぎる、クレジットカードが使えない
日本の感覚で「前菜1品+メイン1品をそれぞれ(計4品)」注文したら、運ばれてきたのは1皿が日本の2倍以上ある超巨大なお肉とポテトの山!テーブルに乗り切らず、半分も食べられずに大量に残し、お会計も高額になって後悔するパターンです。また、日本のカードが店やATMで使えず、焦るケースも。
<アドバイス>
ギリシャのタベルナでは、料理をみんなでシェアして楽しむことも多く、1皿のポーションが大きめなのが普通です。しかも、ずっしりした料理も多いので、量に注意が必要。
2人で食事に行く場合のアラカルトは、ギリシャ風サラダ(ホリアティキ)1品、前菜(ディップなど)1品、メイン(スブラキ、肉、シーフード料理、ムサカなど)1品。
これだけ頼んで、足りなければ後から追加するのがスマートです。店員さんに「2人だとこの量で多すぎる?」と聞くと教えてくれます。周りの人が食べているものを見て決めるのも良いでしょう。魚料理は量り売りのことも多く、高くつくので注意。チップは、5%程度で良いでしょう。
日本のクレジットカードは最近セキュリティーが強化され、現地で使えないトラブルも。必ず渡航前にカード会社に連絡してセキュリティーを緩和してもらい、万が一のため現金も少し持参しましょう。
失敗8:12:00頃のランチ、19:00頃の夕食に行って店内の空き具合に困惑する
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<空いているレストランが好きなら、あえて早い時間に行くのも良い>
12:00頃にランチ、19:00頃に夕食に行っても、そもそもまだレストランが準備中だったり、「店内がガラガラで店員も仕込み中......ここは不人気店なのかな?」と勘違いして不安になるケースです。
<アドバイス>
ギリシャでは、食事時間は日本の常識よりも遅め。特に夏は夜型の生活になりやすく、昼食は14:00~15:00頃、夕食のピークは21:00~22:00頃になることもあります。
- 夕食は20:00~20:30以降に予約して行く
地元の活気ある雰囲気を楽しみたいなら、少し遅めの時間を狙いましょう。人気店は予約必須です。ギリシャでは外席が人気なので、予約が取りにくい店でも、室内なら空いているケースもあります。
- 昼の暑い時間帯は無理をしない
14:00~17:00頃の暑い時間帯は無理に観光せず、冷房の効いたカフェやホテルで休息を取り、夜の街を楽しむスタイルにすると旅行がぐっと快適になります。
失敗9:ギリシャでNGの「手のひらを相手に向けるポーズ」に注意
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<店でウェイターを呼ぶ時などのジェスチャーにも注意>
タクシーを止めようとして相手に向けて手をパッと差し出したり、お店で「5個ください」と手のひらを相手の顔の前に向けて広げたりした瞬間、相手の顔がサッと曇り、気まずい空気になるケース。
<アドバイス>
手のひらを相手に向けるジェスチャーは、ギリシャでは「ムッツァ(Moutza)」と呼ばれる侮辱的なポーズです。
- 手を挙げる時は、相手に手のひらを突き出さない
タクシーを止める時や人を呼ぶ時は、手のひらを相手に突き出さないようにしましょう。
- 数を伝える時は「指を折る」か「手の甲を見せる」
「5」を表現する時は、手の甲を相手側に向けるか、言葉で伝えるようにしてください。
アクロポリス遺跡のチケット購入での失敗
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<アクロポリス遺跡正門のチケット売り場>
失敗10:早朝のチケットが売り切れ、日中の猛暑の中で遺跡見学
ギリシャのアテネに来たら絶対に外せないスポットは、世界遺産にもなっているアクロポリスのパルテノン神殿。チケットは、現地購入か直前購入でも大丈夫だろうと思っていたら、午前中のチケットは完売状態に。猛暑の夏の一番暑い時間帯しかチケットが取れず、熱中症になりかけるという事態に。
<アドバイス>
6月から9月頃まで、アテネは35度以上の猛暑になる日もあります。遺跡見学は、比較的空いていて涼しい朝一番の時間帯(8:00~)がおすすめですが、早朝の時間指定の入場枠は早めに埋まります。日程が決まったら、なるべく早く公式サイトでチケットをオンライン購入しておくのが得策です。
アクロポリスは時間指定制で、公式サイトで購入したチケットは原則としてキャンセル・払い戻しができません。公式サイトから購入した場合、時間枠の変更については、指定時間の2時間前までなら可能です。
- アクロポリス遺跡チケット公式サイト:アクロポリス遺跡チケット
まとめ:ギリシャ旅行を120%楽しむには
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<モナスティラキ広場から見るアクロポリスの丘>
ここまで「10の失敗」を見てきましたが、事前に知っていれば、防げることがほとんどです。
「日本のスケジュール感や常識のまま、予定をギチギチに詰め込んでしまうこと」はなるべく避けましょう。シガ・シガ(ギリシャ語で「ゆっくり、ゆっくり」の意味)の国ギリシャでは、時間の流れが違うのです。
ギリシャという国の本当の魅力は、観光地をスタンプラリーのように巡ることではありません。エーゲ海を眺めながら、フラッペと呼ばれるアイスコーヒーを1杯頼んで3時間おしゃべりする。地元のタベルナで、隣の席のおじさんと乾杯しながら自家製ワインを味わう。予期せぬ船の遅延も「まあ、カフェでゆっくりしようか」と笑い飛ばす......。
そんな「ゆとり(余白の時間)」の中にこそ、一生の思い出になる最高の体験が待っています。
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サラサ
- ギリシャ人と国際結婚後、2000年からアテネに移住。趣味は旅行とヨガと食べ歩き。フリーランスでギリシャ挙式・フォトウェディング手配(サントリーニ、ミコノス、ロドス島)、通訳アテンド、折紙講師、ライターなどをしています。ギリシャ旅行コンシェルジュとして個人旅行やギリシャウェディングをサポートする「グリークメモリー」運営、著書「太陽とエーゲ海に惹かれて きらめきの国ギリシャへ」(イカロス出版)。私の第二の故郷であるギリシャを訪れた方たちが、ギリシャで楽しい思い出を作っていただき、ギリシャファンが増えればうれしいです。
































