野菜や果物から始まる野菜ソムリエ的旅の組み立て方~福岡の旅

<TOP画像:越前町 手づみ農園モカのあまおう>

野菜ソムリエの私が旅に出ようと思う時は、「気になる農産物の生育を見たい」とか、「それらを育てている生産者にお話を聞きたい」ということから始まります。

地図を広げてアクセスを確認し、周辺の観光情報を収集して旅のプランを固めていきます。今回は、野菜ソムリエであり、青果物ブランディングマイスター仲間と福岡へ。

日本一の売り上げを誇る直売所をはじめ、いろいろな農産物に触れた学びの旅をご紹介します。

目次

今回の旅のきっかけ

私たち『青果物ブランディングマイスター』は2014年に資格を有してから、毎年どこかの産地を訪れて学ぶことを続けています。

ちなみに、青果物ブランディングマイスターとは、ブランディングという手法を正しく理解し、青果物のブランディングを行う実践力を身に付け、生産者さんと共働でその方の利益を上げるお手伝いをしています。

全国に散らばった10名がそれぞれの地域で活動し、年に1回はリアルに集まって現地で学び合っています。

福岡 観光 野菜ソムリエ JA糸島産直市場伊都菜彩
<JA糸島産直市場伊都菜彩>

JA糸島産直市場伊都菜彩は、敷地面積は19,653平方メートル、建物面積は3,513平方メートルと、とても広い。

昨年は仙台に行きましたが、年末に2026年はどこにしようかとZoomミーティング話していたところ、メンバーの1人が糸島にある、全国でも注目されている直売所 JA糸島産直市場伊都菜彩に行ってみたいということから福岡行きが決定!

JA糸島産直市場伊都菜彩の魅力とは!

全国のJAファーマーズマーケットの売上高で、長期にわたり1位を誇っている伊都菜彩。週末は約5,000人、平日は約3,000人が訪れ、開業16年目の2023年には来店客数が2,000万人を超えたのだそう。

そして、私たちが伺った2026年3月中旬の時点で、2025年度は「売上高44億は間違いない」と職員からお聞きしました。

伊都菜彩の商圏は、糸島市や福岡市を中心とするエリアですが、糸島市外からの来店客は7割以上を占めるそうです。そういえば観光バスも来ていました。

福岡 観光 野菜ソムリエ JA糸島産直市場伊都菜彩
<天井からぶら下がった看板に強いこだわりが書かれていました!>

人気の秘密は、運営するJA糸島の地元産農畜産物へのこだわりです。

置かれている農畜産物の約97%が糸島産で種類も豊富。糸島地域の農業は対馬暖流の影響による温暖な気象条件から、野菜だけでなく果樹や花卉などの園芸作物の栽培にも適し、年間を通じて多種多様な農畜産物が生産されます。

驚いたのは、9時半ころに着いて最初に思ったのが、買い物をして駐車場に戻ってくる人たちの多くがお花を抱えていることでした。

「朝早く行かないと売り切れてしまうからかな?」なんて思って入店してみると、建物の1/5くらいは花卉で占められているのです。

福岡 観光 野菜ソムリエ JA糸島産直市場伊都菜彩 花

野菜やイチゴなどの農産物のほか、魚の多さにもまたまたまたまたびっくり。漁協の魚が並びます。

スーパーの店頭には出ないマニアックな魚も多いので、近隣の飲食店の利用も多いそうです。

福岡 観光 野菜ソムリエ JA糸島産直市場伊都菜彩 野菜

もちろん旬の野菜や果物もいろいろ並んでいて、どれもお手頃価格です。

JA糸島産直市場伊都菜彩

  • 所在地:福岡県糸島市波多江567
  • 電話:092-324-3131
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:年始
  • 公式サイト:JA糸島産直市場伊都菜彩 

筑前地区にもこだわりの直売所あり

前述の伊都菜彩のほかにも、福岡の野菜ソムリエ仲間に、筑前町の直売所の「筑前町ファーマーズマーケットみなみの里」に連れて行ってもらいました。

ここは、2009年4月29日にオープン。その後、直売所の隣にインフォメーション施設や24時間利用可能な駐車場、トイレなどを新設して、既存の直売所と一体化させる形で、2020年4月24日に「道の駅筑前みなみの里」として正式に開駅。

筑前町産の米や四季折々の新鮮な野菜、山菜、伝統的な惣菜などを販売。また、町の特産品である大豆を活かした豆腐や惣菜、お菓子など販売も行っています。

福岡 観光 野菜ソムリエ 道の駅筑前みなみの里
<トレイにお好みのお惣菜を取るシステム>

さらに、施設内の農村レストラン筑膳では、かまど炊きご飯や筑前煮など筑前町の郷土料理を味わうことができます。すでにオープンの11:00前からお客様が並んでいました。

そうそう、筑前煮はこの地域が発祥とか。私もしっかりといただきました。

筑前町ファーマーズマーケットみなみの里

手づみ農園モカ

ランチ後は、直売所でも販売されていた「手づみ農園モカ」のこだわりイチゴを見学させていただきました。

>>手づみ農園モカの公式Instagramはこちら

福岡 観光 野菜ソムリエ 手づみ農園モカ いちご
<ハウスの中>

ハウスの中が整理整頓されとても綺麗です。こんな環境ですくすく育つイチゴだからこそ各地で人気なのですね。

今が美味しいあまおうのほか、あまえくぼ、天使のいちごなども栽培しています。

2024年からはいちご狩りを辞め、収穫だけを行っています。中でも大きなものは地元の菓子店 如水庵のいちご大福に使われています。

福岡 観光 野菜ソムリエ 手づみ農園モカ いちご
<赤くてツヤツヤのあまおう>

福岡 観光 野菜ソムリエ 手づみ農園モカ いちご

店頭で見つけたら、ぜひ買ってみてください!

もう一つの学びの柱である「八女茶」

せっかくなので、福岡 筑後地区にある八女(やめ)の八女茶も学ばせてもらおうと地元の野菜ソムリエ仲間とともに、JAふくおか八女の職員さんたちに広大な八女中央大茶園の茶畑に連れて行っていただきました。

福岡 観光 野菜ソムリエ 八女茶
<東京ドーム約15個分に相当する広さの大茶園>

はるか一面、ゆるやかな傾斜の丘陵地に広がる大茶園(約70ha)は、福岡を代表する八女茶の一大生産地。頂上に設けられた展望所から見る景色は、まるで緑のじゅうたんを敷き詰めたような美しさです。

一番茶の摘み取りは4~5月。一番茶は香りが高く、爽やかな味わいが特徴です。そのころになると新茶フェアなどが行われ、出店なども出て、多くの観光客が訪れるそう。

福岡 観光 野菜ソムリエ 八女茶
<訪れた3月中旬はこれから一番茶が伸びる直前。この先から新芽が出てきます>

農作業としてのお茶は、3~4月にかけて若い茶の苗を定植。畑では新芽を霜から守るために、防霜ファンや黒いシートを使って寒さ対策をします(今回見学した風景がまさしくそう)。7~9月には翌春の一番茶に向けて肥料を施し、10~11月には枝先を切って整えます。

八女市は、600年ほど前から茶の栽培や製茶技法、そして美味しく飲む方法が確立されていたそうで、小学校にもお茶を入れる出前授業も行われています。

福岡 観光 野菜ソムリエ 八女茶
<八女茶>

私たちも正しいお茶の淹れ方を教わりました。それもとても高価な八女玉露を使って(「全国茶品評会」において、八女玉露は25年以上農林水産大臣賞を受賞)。

急須や湯呑みなどのセットをお借りし、茶葉の量やお湯の温度、蒸らす時間をきっちり計り、最後の一滴まで注ぐ。

正しく淹れた玉露を口に含んだら、最初に甘さを感じましたが、その後旨みというのでしょうか、今までに口にしたことのない風味にビックリです。

恋のパワースポットって?

筑後市には恋のパワースポットがあるんです。

福岡 観光 野菜ソムリエ 恋木神社
<この奥にハートがいっぱいある!?>

筑後市には、日本で唯一、「恋命(こいのみこと)」を御祭神とする「恋木神社」があります。

ほかにも同市には恋にまつわるスポットがいろいろあり、夫婦恵毘須像が祀られている羽犬塚六所宮や筑後広域公園の「隠れハート」など、どれも恋にまつわるものばかり。

そのため、筑後市を訪れる人みんなに幸せを感じてほしいと、市の観光コンセプトを「恋のくに~ひと想うまち 筑後~」と設定しています。

福岡 観光 野菜ソムリエ 恋木神社
<鳥居の御神紋や足元にもハートがあしらわれています>

福岡 観光 野菜ソムリエ 恋木神社
<3月に行ったので、ピンク色のおみくじでした>

水田天満宮の末社として建立当初(鎌倉時代)から鎮座し、御祭神は「恋命」を祀っている「恋木神社」。「良縁幸福の神様」「恋の神様」として親しまれて、「恋みくじ」をはじめ「恋木絵馬」「ハート陶板守」など、恋木神社の御神紋であるハートが各所に施されています。

ちなみに、良縁成就祭前月と当月にあたる、2月と3月、10月と11月は、おみくじの色がピンクに変わります。

たくさんのカップルが神前式も挙げてきた恋木神社。良縁祈願や恋愛成就に訪れてみてください。

恋木神社

  • 所在地:福岡県筑後市水田62-1
  • TEL: 0942-53-8625
  • 公式サイト:恋木神社

もちろん美味しいものも食べました!

メインは学びの旅なので、美食までにはいきませんでしたが、地元の人がふだん食べているものを中心にいろいろと。思い出に残る味を紹介します。

野菜ソムリエ仲間が運転する車の中で、福岡うどん事情をお聞きました。特に麺とつゆは大きな特徴があるそうです。

麺はふわふわとしたコシの弱いもの。地域のうどん用の小麦を使用しており、比較的タンパク質が少ないからのようです。つゆは透明で、煮干やサバ節、鰹節、アゴ、昆布などを使って出汁を取り、薄口醤油を加えて仕上げています。

特徴的な具にはごぼう天や丸天、九州の醤油を使った甘辛い味付けの肉が人気だとか。

牧のうどん

福岡 観光 野菜ソムリエ グルメ 牧のうどん 

<地元で人気のうどん店のひとつ 牧のうどん>

別日に、別な野菜ソムリエ仲間が偶然にも福岡うどん三傑とも呼ばれるチェーン店のひとつ 牧のうどんに連れて行ってくれました。

おすすめのごぼう天は必須。私はプラスわかめをオーダーしました。驚いたのは器の山盛りのネギの量。これを好きなだけトッピングして食べていいのだそう。

牧のうどんで体験した"膨らむ麺"の衝撃

「とにかく早く食べないとだめ。遅いとなかなか麺が減らないから」と言われましたが、その時はあまり意味が分かりませんでした。

とても柔らかくフワフワとした食べ応えのある太い麺と、魚介のうま味が効いたスープが美味しい。

猫舌の私は頑張ってフーフーしながら食べ進めましたが、麺がスープをどんどん吸って膨張していくんです。

膨張した麺は伸びていることなく、さらにふわふわ感が増す感じです。出汁が足りなくなったらテーブルに置かれた出汁が入ったヤカンから自分で足す。

お腹も膨れますが、膨らんでいくうどんにせかせられながらなんだか楽しく食べ進められました。

初めての屋台めぐりは"行き当たりばったり"で

福岡には数回行っていますが、実はまだ屋台デビューはしていなかったのです。仲間に相談したところ、実はその野菜ソムリエも行ったことがないということで、なんとなく行き当たりばったりで行ってみました。

通り沿いにかたまってたくさんの屋台があると思いきや、意外に点在していました。ラーメンや焼鳥以外で少し野菜も食べられる店ということだけは決めて。

福岡 観光 グルメ屋台 おでん
<屋台デビュー>

少し寒かったこともあり、白湯スープで炊いた「白おでん」を提供するお店にしました。お好みのおでんの具4点とアルコール。寒いけど最初はビールかな。

今回もいろいろ見学し、お話を伺い、そして地元の美味しいものを食べた旅となりました。

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吉川雅子

札幌生まれ、札幌在住。2003年に北海道で最初の野菜ソムリエとなる。現在は野菜ソムリエ上級プロ、青果物ブランディングマイスター、フードツーリズムマイスターなどの資格がある。
野菜や果物が好き。形や色、におい、育って行く過程、美味しさ、そして健康に良いこと。だから興味のある農産物のところに出かけ、その魅力を見聞きし、さらにお楽しみはお取り寄せ。それらを使って料理するのも好きです。

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