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スコットランドの動物のシンボル・可愛い赤リスを探して|イギリス

イギリスには「リス」がたくさんいます。 公園や森に行くと必ずと言っていいほど見るのがリスで、イギリスでリスはとても身近な存在です。
しかし、この普通に会えるリスは、外来種のハイイロリスです。 元々イギリスにいるリスは、耳の先端にふさふさの長い毛が生えている小さい赤リスです。
残念ながら、赤リスはハイイロリスに生息地を追われ、今ではイギリス全土に約29万匹のみの生息となり絶滅危惧種に認定されています。
29万匹のうち、22ー23万匹の約80%がスコットランドの特にハイランドに生息しています。
赤リスはイギリスの人気の野生動物です。かわいい顔と仕草は、写真映えするので、多くの人々が赤リスに会いにスコットランドを訪れます。
私の友達もエジンバラに遊びにきた時、赤リスを見たいと言いました。 それがきっかけで、スコットランドに住んでいるのに赤リスを見たことがないのは寂しい気がして、遂に昨秋、赤リスを探す旅に行ってきました。
目次
赤リスが人気の理由は
赤リスの宿敵ハイイロリスとは
赤リスの生息地
赤リス探しの旅
赤リスが人気の理由は
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<ふさふさのしっぽと耳にふさ毛のある赤リス>
赤リスの人気の理由は、ズバリ見た目と仕草です。
赤リスは、キタリスです。北海道にいるエゾリスの仲間ですが、エゾリスと違って、毛色が赤褐色です。
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<ふさふさの尻尾>
赤リスの特徴は、赤茶色の毛と、大きなふさふさの尻尾、そして黒い目の周りにある白い輪があるつぶらな瞳、また冬になると耳にふさふさの毛が生えるピンとした耳などで、写真映えする可愛さです。
両手でどんぐりやヘーゼルナッツを持って食べる姿や、すばしっこく木々を飛び回る姿も人気の理由です。
北海道にいるエゾリスも可愛いですが、赤リスの赤い色の毛は可愛さを引き立たせている気がします。
赤リスの宿敵ハイイロリスとは
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<ハイイロリス>
イギリスにハイイロリスがやってきたのは、ヴィクトリア時代(1837年〜1901年)です。 ヴィクトリア女王の時代は、イギリスが産業革命の絶頂期を迎え、「太陽の沈まない国」と称された繁栄期でした。この時代にイギリスでは海外の珍しい植物や動物を庭園で育てることが流行したそうです。
その中、北アメリカのハイイロリスが可愛らしい珍しい動物として、貴族の屋敷の庭園に1876年に放たれたのが、イギリスでの生息の始まりだそうです。
ハイイロリスはイギリスには天敵が少なく、また環境への適用能力と繁殖力が高いため、在来種の赤リスを追い出し、急速に生息域を広げてしまいました。
ハイイロリスは、赤リスに比べてサイズが大きく、また食生も柔軟で、厳しい冬や食料が少ない季節には、ナッツ、果実、種子だけでなく、昆虫や鳥の卵、樹皮など様々な食料を食べるようになり、環境に適応したことが、繁殖の原因とされます。
その上にハイイロリスは、赤リスにとっては致命的だけれども、自身は発症しにくい、リス痘ウイルスを持っているため、赤リスの個体数が急激に減ってしまったそうです。
今では、赤リスが29万匹に比べ、ハイイロリスは350万匹はいるとされます。 ハイイロリスは、赤リスの生息を脅かすだけでなく、樹皮を剥がして内部を食べる癖があり、ブナ類やカシ類などの樹木を枯死させるなど、森林に大きな損傷を与えるなど環境破壊を起こすため、現在は駆除対象になっています。
赤リスの生息地
赤リスの約80%はスコットランドに生息していると言われています。スコットランドでも特にパースやアンガス地方を含むテイサイド地方以北のハイランドに生息しています。
その理由は、ハイイロリスの分布は幸いハイランドまで広がっていないからです。 しかし、ハイランドの中でも南部のテイサイド地方は、ハイイロリスの生息がすでに広がり、赤リスの個体数が減ってしまいました。
そのため近年、環境保護団体による保護活動が、積極に行われ、その成果として赤リスの数が増えてきているそうです。
赤リス探しの旅
エジンバラではハイイロリスばかりで赤リスには会ません。 赤リスに会うには、ハイランドに行かなければなりません。
私は車を運転しないため、電車やバスでエジンバラから日帰りで行けるところが条件です。しかし、エジンバラからハイランドは遠いため、ハイランドでも一番南のテイサイド地方で赤リスに会える場所を探すことにしました。
確実に会えると言われる場所は、餌付け場所が設置されている保護地域ですが、エジンバラから比較的近くの保護地域は、車がないと行くことができない場所ばかりという厳しい現実が見えました。
挫けずいろいろ調べて、公共機関を使って日帰りできる赤リスを見れそうな場所をなんとか2箇所見つけました。
季節は秋が狙い目
赤リスを野生で見るには季節も大切です。
赤リスは冬眠しないため1年中会うことはできるのですが、針葉樹林の森の木の上で過ごすことが多く、その上すばしっこく駆け回るので、通常は地面近くで見ることは難しいのです。
しかし、赤リスはどんぐり、松ぼっくり、くるみが大好物で、冬に備えて蓄えるため、秋になると好物を拾いに地面によく降りてくる習性があります。
そのため、自然で赤リスに会うには、地面に降りてくる秋が狙い目です。
餌付け場であれば、季節関係なく下に降りてきてくれるのですが、自然で見れる場所といえば、やはり針葉樹林のあるどんぐり、松ぼっくりやくるみがある場所でなければいけません。
1. ブレア城
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<ブレア城>
最初に行ったのが、ブレア城です。
ブレア城は、ハイランドの入り口のパースシャーにある白亜の美しい城です。年間10数万人が訪れるスコットランドで最も多くの人が訪れる個人宅の1つとして知られています。
ブレア城の歴史は13世紀中頃に建てられたタワーハウスを起源とし、17世紀からマレー氏族のアトール公爵家の居城となっています。1844年にはヴィクトリア女王と夫のアルバート公が、1921年には皇太子時代の昭和天皇が、また今上天皇が皇太子時代に滞在されている有名なお城です。
お城内には120の部屋があり約30部屋が見学できます。また夏の間はバグパイプの演奏がお城の前で毎時間あります。バグパイプの音が聞こえてくるとスコットランド気分が盛り上がります。
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<ハイランドカウ>
広大な敷地内にはスコットランドの象徴的な動物の赤鹿やふさふさの毛のハイランドカウが飼われていますので、赤リスが見れなくても十分にスコットランドに来たと感じるお城です。
ということで、ブレア城に行って赤リスを見ることができれば一石二鳥、逆にいうと、赤リスが見れなくてもお城が楽しめるからという思いで行ってきました。
ブレア城は、エジンバラから公共交通機関で行けるハイランドのお城の中では近い方です。インバネス行きの電車に乗り、途中のブレア・アトール駅で下車後、歩いて5分ですので、エジンバラから2時間程度で行くことができます。
私の行った日は、線路のメンテナンス工事があり、パースからインバネスまではバスが代行して予定より時間がかかりました。
ブレア・アトール駅でバスを降りた途端、なんと道の向こう側の塀の向こう側の木の上を走っている2匹の赤リスを発見!
喜んで、急いで道を渡ったのですが、もうどこに行ったかわかりませんでした。
あまりにも幸先よく会えたので、大当たりの選択をしたと思いながら、お城まで歩き、チケット売り場の女性に「どこで赤リスが一番見れますか?」と聞くと、「庭の針葉樹の上とかを走ってるのを見たことはあるけど、すばしっこいので見るのが難しくて私もあまり見たことがない。」と言われてしまいました。
他の人にも「僕はこの村に住んでるけど、一度も野生で見たことない。見たなんてすごい」と言われる始末で、単に運よく見れただけのような嫌な予感がしてきました。
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<川沿の散歩道>
庭を回ってみましたが、やはり会うことはできず、一先ずお城を見学しました。
その後、最初に赤リスを見た場所に戻ったり、敷地内の森林地帯にある赤リスを見ることができるとされる「赤リスの散歩道」と名付けられた遊歩道にも挑戦しましたが、会うことはできませんでした。 確かに散歩道は赤リスの好きそうな針葉樹の森で、松などの香りが漂い、そしてキノコもたくさんありました。
結局赤リスをしっかりと見ることができませんでしたが、一応見かけたし、森林浴をしてリフレッシュできたと満足して帰路に着きました。
ブレア城 (Blair Castle)
- 所在地:Blair Atholl, Pitlochry, Perth and Kinross, PH18 5TL
- 公式サイト: ブレア城
2. グラームス城
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<グラームス城>
翌週リベンジとして行ったのが、グラームス城です。
グラームス城は、スコットランド東部のアンガス地区の村にあるストラスモア伯爵家の居城です。
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<お城へと続く長い並木道>
このお城は門からお城につながる長い並木道にまず圧倒されます。
まっすぐの道の奥に、赤い砂岩で作られた多数の塔があるフランスのルネサンス様式のお城のスタイルを融合した美しい城が建っています。
グラームス城は故エリザベス2世の母、エリザベス皇太后が幼少期を過ごしたお城として知られています。
シェークスピアのマクベスのダンカン1世暗殺の舞台となったことでも有名で、また城を描いた絵が、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド発行の10ポンド紙幣に使用されている由緒正しいお城です。
広大な敷地には美しい庭園があり散策できます。このお城では、アンガスビーフで有名なアンガス牛とまたハイランドカウが飼われています。
このお城に行くことを選んだ理由は、グラームス城はスコットランドの赤リス保護活動プロジェクトに参加しているということで、特に2024年までは専門家が特に注力していたため赤リスの生息数が増え、朝・夕方に頻繁に見ることができると聞いたからです。
しかし、エジンバラからはバスを乗り継いでいく必要があります。 エジンバラからForfarという街まで長距離バスで行き、そこからまたローカルバスに乗り換え、お城まで行きました。 所要時間は、乗換えの待ち時間を含めると、なんと片道で4時間近くとなります。
そのため、近い最初にブレア城に行ったのですが、リベンジも含め、会える確率が高いグラームス城に行くことにしました。
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<たくさんのどんぐり>
着いたのはお昼に近い午前中ですが、このお城も針葉樹が多くあり、また赤リスの好物のどんぐりがたくさん落ちていたので、今日は会えそうだなと思って木の上を見たら、高い木の上を素早く走っていく姿が一瞬見えました。
それから2時間くらい庭園を回っても赤リスを見ることはできず、半ば諦めながら庭園のそばですれ違ったお城の従業員の方に尋ねると「よくこの辺り走っているよ。または高い木のある針葉樹の森でよく見かけるよ。」ということで、もう一度最初に見かけた針葉樹の森に戻りましたが、見つけることはできませんでした。
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<目の前を走ったどんぐりを咥えた赤リス>
最後にもう一度と先ほど従業員の方と話した場所に戻ると、いきなり赤リスが目の前を走りすぎました。
急だったので、カメラを十分に構える隙もなく撮ったので、ブレてしまいました。 走っていった先の森の中を探してみると、後向きでどんぐりを食べていて、見えるのは残念ながら尻尾だけでした。
とはいえ、一応見ることができて証拠写真も撮れたので気を取り直し、付近にあったベンチに座ってスナックを食べていると、また目の前を赤リスが走りすぎました。
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<どんぐりを食べる赤リス>
今度は顔が見えました。
ついに振り向いてくれました。両手でどんぐり食べてます。可愛い。でもあっと言う間に消え去りました。
赤リスを見れた時間は2回合わせても2・3分でしょうか。 でも、可愛い赤リスを見て幸せな気分になりました。
ミッション達成です。
グラームス城(Glamis Castle)
- 所在地:Glamis, by Forfar, Angus DD8 1RJ
- 公式サイト : グラームス城
最後に
赤リスを自然界で見ることは難しいですが、お城で見られるかもしれませんので、旅行で訪れる方にとって赤リスに会えたら一石二鳥という良い計画となるのではないでしょうか?
ただ、赤リスは基本的に木の上にいて素早いので、しっかりと写真を撮るには、餌場に餌を取りに来るとところを撮るのが常識のようです。
車がなければ行けませんが、赤リスを餌付けしていることで有名な場所を1つ紹介します。 ここですと、季節関係なく出会えるはずです。
スコットランドまで来たら、是非その象徴と言われる赤リスさんに会いに行ってください。
The Lodge Forest Visitor Centre, Aberfoyle (Forestry and Land Scotland site)
- 所在地:Trossachs Rd, Aberfoyle, Stirling FK8 3SX
- 公式サイト:The Lodge Forest Visitor Centre
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Sachiko
- 名古屋市出身、海外滞在歴30年、38カ国490以上の都市を訪れました。多趣味で、アート系のクラッシック鑑賞、バレエ・ダンス鑑賞、美術鑑賞、アンティーク収集から、スポーツ系のテニス・ダイビング、グルメまで色々なことが好きですので、様々な視点で皆様に旅の楽しさがお伝えできればと思っています。猫2匹をインドネシアで拾い、スコットランドまで連れてきました。現在はスコットランドのエジンバラに在住。スコットランドの魅力を皆さんにお届けできればと思っています。



























