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【秋田・大仙市】雪国で続く伝統の酒造り|鈴木酒造店 酒蔵見学

雪が静かに積もる秋田県大仙市に佇む老舗酒蔵・鈴木酒造店を訪れました。
銘酒「秀よし」を生み出すこの蔵では、雪国ならではの環境を生かし、今も変わらぬ手間と時間をかけた酒造りが続けられています。
今回は、お酒の仕込期間に開催される酒蔵見学に参加し、建物や展示、蔵の空気から感じたこの土地ならではの酒造りの魅力をご紹介します。
目次
雪景色に包まれた、鈴木酒造店のたたずまい
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鈴木酒造店があるのは、秋田県大仙市長野の落ち着いた町並みの一角。取材当日は雪が降り続き、白く染まった蔵の外観が印象的でした。黒を基調とした建物に雪が積もり、長い年月を重ねてきた酒蔵ならではの風格が際立ちます。
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敷地に足を踏み入れると、まず目に入るのが仕込み水の桶。酒造りの要となる水を大切に扱ってきたことが、入口から伝わってきます。雪国の清らかな水と、寒さの厳しい気候。酒造りに適した土地であることを物語っています。
歴史を伝える文庫蔵と展示品
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この日の酒蔵見学は、文庫蔵からスタートしました。季節や仕込みの状況によって、案内の内容は少しずつ変わるそうです。
蔵内には14代続く、鈴木家所蔵品を納めた文庫蔵が併設。古美術品をはじめ、豊臣秀吉や織田信長ゆかりの寄贈品など、これまでの歩みを伝える資料が展示されていました。
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鈴木酒造店の歴史は、今から300年以上前の江戸時代にさかのぼります。元禄二年、初代の鈴木松右衛門が伊勢の国からこの地に移り住み、豊かな伏流水と肥沃な土地に惹かれて酒造りを始めたのがそのはじまりです。
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宝暦年間には、秋田藩主の佐竹公が当蔵の酒を「秀でて良し」と大いに評価し、その言葉が末永い繁栄を願う銘柄名「秀よし」となりました。
以来、地元の人々に愛され、江戸期から現代にいたるまで、地域の風土とともに歩んできた酒蔵です。年々発展する中でも、伝統を大切にしながら酒質の向上をめざす姿勢が今も受け継がれています。
静かに進む発酵の現場
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蔵の内部には、酒造りを支えるさまざまな設備が並びます。なかでも印象的だったのが、約8,000リットルの貯蔵タンクがずらりと並ぶ空間。無言で並ぶタンクの姿に、蔵の中で積み重ねられてきた時間を感じます。
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発酵や貯蔵が行われているエリアは、立ち入りが制限されており、離れた場所からの見学となります。扉越しに眺めるだけでも、静かな蔵の中で酒がゆっくりと育っている時間が想像できます。
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また、酒の味を左右する麹造りを行う「麹室」も、見学できるのは入口まで。派手さはなくとも、こうした工程の積み重ねが、雪国の蔵で造られる酒の味わいを支えています。
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見学の合間に案内された中庭も心に残る場所でした。雪に覆われた庭は余計な音を吸い込み、蔵全体を包み込む静けさを生み出しています。
四季折々に表情を変えるこの庭も、冬には凛とした佇まいを見せ、雪深い季節に仕込まれる酒の味わいを静かに支えているようでした。
受賞歴が物語る、積み重ねてきた信頼
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売店スペースには、酒造りの歩みを伝える表彰盾が並び、長年にわたり評価を重ねてきた蔵の確かさが感じられます。
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見学の最後にはお待ちかねの試飲タイムも。味わって納得した一本を、そのまま売店で選べるのもうれしいところです。
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蔵を巡り、試飲で確かめる。酒造りの現場を体感したうえで味わえるのも、この酒蔵見学の魅力です。
まとめ
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鈴木酒造店の酒蔵見学では、雪国という土地に根ざし、自然と向き合いながら酒を造り続けてきた姿勢が、蔵の随所から伝わってきました。
秋田県産米と、地下45メートルから汲み上げる奥羽山脈の伏流水を使い、雪に覆われた蔵の中でゆっくりと発酵を進めていく酒造り。長年の経験を重ねながら、手造りの酒を守り続けてきた背景が、蔵の空気ににじんでいます。
この場所だからこそ生まれる酒、この環境だからこそ受け継がれてきた技法。大仙市の冬景色とともに味わう「秀よし」は、土地の記憶を宿した一本です。秋田を訪れた際には、雪の季節の酒蔵見学も、旅の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
合名会社 鈴木酒造店
- 所在地:秋田県大仙市長野字二日町9
- 電話:0187-56-2121
- 酒蔵見学:【お酒の仕込期間(10月15日~3月31日)】13時・14時【仕込期間外(4月1日~10月14日)】11時・14時
- 見学料:大人 500円・未成年 200円
- 公式サイト:鈴木酒造店
※見学時間・内容は変更となる場合があります。事前に公式サイトでご確認ください。
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ふきのとう編集室
- 秋田県在住のフリーライター。田舎のくらしや人とのつながり、土地のごはんや文化を、やわらかな視点で切り取った記事を執筆しています。“人に会いに行きたくなる”、そんな旅のきっかけを届けられたらうれしいです。




























