公開日： 2025.12.09

最終更新日： 2025.12.09

【四季と宿をめぐる旅】青森県〜温泉民宿南部屋と奥入瀬渓流氷瀑ツアー〜

青森・奥入瀬渓流の入口にひっそり佇む「温泉民宿南部屋」。源泉かけ流しの温泉や雪見風呂、地元食材を活かした料理、古民家のような懐かしい空間が楽しめる一軒宿です。

十和田温泉郷の中心から離れた隠れ家的立地で、冬は雪景色と灯りが趣ある雰囲気を醸し出します。肩の力を抜き、温泉と地元グルメ、自然に囲まれたゆったりとした滞在を満喫できるのが魅力です。

温かい雰囲気とリーズナブルな料金で愛される温泉民宿

青森の人気観光地、奥入瀬（おいらせ）渓流の入口にひっそりと佇む「温泉民宿南部屋」は、知る人ぞ知る穴場の一軒宿です。

こぢんまりとしたお宿ながらも、源泉かけ流しの天然温泉、地元食材をふんだんに使った料理、そして情緒あふれる佇まいと、どれをとっても魅力が詰まっています。しかも1泊2食で5,800〜6,400円と驚きのコストパフォーマンスも嬉しいところ。

十和田温泉郷の中心から少し離れ、周囲に建物がなく、まさに隠れ家のよう。奥入瀬渓流へ向かう橋を渡るとレトロな建物が現れ、冬には雪と灯りが趣ある景色を作ります。館内は古民家の雰囲気が漂い、田舎のおばあちゃんの家に帰ったような、ほっとする居心地です。

温泉民宿南部屋の最大の魅力は、源泉かけ流しの天然温泉。加温・加水・循環・消毒を一切行わない正真正銘の源泉を24時間楽しめるだけでなく、夜22時から朝6時までは貸し切り利用も可能です。

浴槽には温泉成分が凝縮された「湯の花」をそのまま注ぎ込んでおり、濃厚な湯を堪能できます。湯の中でふわりと漂う白い湯の花に包まれながら、心身ともに癒されるひととき。

窓を開ければ周囲の自然と一体となった露天風呂の開放感に浸れ、冬には一面の雪景色を眺めながらの入浴がまた格別の趣を添えてくれます。

料理も「温泉民宿南部屋」の大きな魅力のひとつ。地元で採れた食材を使い、品数豊富な夕食・朝食をたっぷりと味わえます。この日は奥入瀬の湧水で養殖されたニジマス、十和田の特産野菜、八戸名物のせんべい汁など、郷土色あふれる料理が並びました。

味付けは、どこか懐かしさを感じるやさしい家庭の味。しっかりと満足感がありながら、ほっと心が和む味わいです。なかでも地元農家から野菜を揚げた天ぷらは、衣は軽やかにサクッと、中からは素材そのものの味わいが引き立ちます。

口に運ぶたび自然と笑みがこぼれる美味しさです。炊き立てのお米との相性も抜群で、つい箸が止まらず、気づけばお腹も心も満たされています。

事前に公式サイトで予約すれば、宿から徒歩圏内のバス停から、「冬の奥入瀬氷瀑ナイトツアー」に参加できます。夜の奥入瀬渓流は静寂に包まれ、ライトアップされた凍った滝や川沿いの氷瀑が幻想的に輝きます。

ガイドさんの解説で夜の奥入瀬渓流を巡ると、昼間とはまったく違う神秘的な景色に圧倒されます。雪に包まれた木々や氷瀑の輝きは、写真では伝えきれないほどの迫力。寒ささえも心地よく感じる特別なひとときで、冬の奥入瀬の魅力を存分に味わうことができました。

素朴ながらも、満足度の高い宿泊体験ができる「温泉民宿南部屋」。ホテルのような行き届いたサービスはありませんが、その分、懐かしさや温かみを感じながら、肩の力を抜いてゆったりと過ごすことができます。

奥入瀬渓流や十和田湖、八甲田山を巡る際には、ぜひ目的地の一つに選んでみてください。地元グルメと天然温泉を堪能しながら、最高のひとときを過ごせること間違いなしです。

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土庄雄平: 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅＆登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。