知る人ぞ知る名古屋の歴史名所|文化と物語を感じる5スポットをご紹介

名古屋の街には、江戸時代から現代まで受け継がれる歴史と文化が息づいています。旧東海道の風情を残す有松の町並み、陶磁器商の旧邸宅・文化のみち橦木館、松坂屋創業者ゆかりの揚輝荘、巨大な緑の名古屋大仏、そして日本唯一のチベット仏教寺院・強巴林まで。

今回は、歴史や文化を感じながら、知る人ぞ知るディープな名古屋のスポットを厳選してご紹介します。

目次

有松の町並み|東海道の賑わいを連想させる。日本遺産の町並み

有松の町並み

旧東海道の風情を色濃く残す「有松の町並み」。池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間に位置し、両宿の間の町として栄えました。

江戸時代には尾張藩の庇護を受け、有松絞(ありまつしぼり)という伝統工芸が発展。大規模な商家が軒を連ねる町として賑わい、かつては東海道屈指のお土産として一世を風靡。歌川広重の東海道五十三次にも、その繁栄ぶりが描かれています。

有松の魅力は、江戸期の町並み景観

有松の魅力は、江戸期の町並み景観が今なお色濃く残っていることです。天明の大火(1784年)で町が焼失したものの、防火のために瓦やなまこ壁を用いた建物が再建され、現在の景観が形成されました。

現在、有松絞りの商家のうち数軒は有形文化財に指定され、その歴史的・伝統的価値が再評価。2019年5月には日本遺産にも認定されています。

有松の町並み

  • 住所:愛知県名古屋市緑区有松809
  • アクセス:名鉄名古屋本線・有松駅からすぐ
  • 公式サイト:有松の町並み 

文化のみち橦木館(しゅもくかん)|創業者の想いが詰まった、陶磁器商の旧邸宅

文化のみち橦木館(しゅもくかん)

名古屋城から徳川園へと続く文化のみち。その沿道にあるのが、かつて輸出陶磁器商・井元為三郎(いもとためさぶろう)氏の邸宅だった「文化のみち橦木館(しゅもくかん)」です。

敷地内には和館や洋館、東西に構える二棟の蔵、茶室、庭園まで、邸宅全体がほぼ当時のまま保存されています。館内には職人技が光る細工や、かつての暮らしぶりを伝える家具や小物が展示され、歴史を身近に感じられます。

洋館2階のステンドグラス

特におすすめは、洋館2階のステンドグラス。柄にはスペード、クローバー、ダイヤの3種類があり、ハートだけは描かれていません。これは「ハート(幸せ)は自分の心の中にある」という井元氏の思いが表現されているといわれています。

また、食器メーカー・ノリタケが則武新町に移る以前は、文化のみちの中心地・主税(ちから)町が名古屋の陶磁器生産の中心地でした。もし歴史が少し変わっていたら、世界のノリタケではなく"世界のチカラ"となっていたかもしれません。

文化のみち橦木館

  • 住所:愛知県名古屋市東区橦木町2-18
  • 電話:052-939-2850
  • 営業時間:10:00〜17:00
  • 休館日:月曜
  • 料金:大人 200円
  • アクセス:地下鉄桜通線・高岳駅から徒歩約10分
  • 公式サイト:文化のみち橦木館 

揚輝荘(ようきそう)|仏跡巡礼の記憶も刻まれる。松坂屋の創業者の旧邸宅

揚輝荘(ようきそう)|仏跡巡礼の記憶も刻まれる。松坂屋の創業者の旧邸宅

2010年に大丸と統合し、東海・関西エリアに大きな拠点を持つ松坂屋。その松坂屋にゆかりの深い場所が、初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろうざえもんすけたみ)氏によって築かれた「揚輝荘(ようきそう)」です。

メイン建物の「聴松閣(ちょうしょうかく)」は、北欧の木造建築技法・ハーフティンバー様式を取り入れた山荘風の造りで、地上3階・地下1階の構造を誇ります。

室内には、伊藤氏がインド・ビルマで巡った仏跡の旅の思い出が随所に刻まれており、ホールの柱には美しい装飾や仏画が施されています

室内には、伊藤氏がインド・ビルマで巡った仏跡の旅の思い出が随所に刻まれており、ホールの柱には美しい装飾や仏画が施されています。さらに、アジャンター石窟寺院を模した空間も再現されています。

また、見学無料の北庭園も見逃せません。京都・修学院離宮を思わせる落ち着いた佇まいで、都会の喧騒を忘れさせる静けさが魅力です。

揚輝荘

  • 住所:愛知県名古屋市千種区法王町2-5-17
  • 電話:052-759-4450
  • 開館時間:9:30〜16:30
  • 休館日:月曜(祝日の場合はその直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
  • 入館料:300円
  • アクセス:地下鉄覚王山駅から徒歩約10分
  • 公式サイト:揚輝荘 

名古揚輝荘屋大仏|圧倒的な存在感を誇る緑の巨人。造立の背景は?

名古揚輝荘屋大仏

千種区にある桃厳寺。その境内の一角にそびえるのが「名古屋大仏」です。緑色の大仏がふと現れる光景は圧巻で、初めて目にする人は思わず息をのんでしまいます。

そもそも大仏造立には壮大な背景があります。1988年の夏季オリンピック開催に名古屋市が立候補していた際、開会式に合わせて大仏を建立し、開眼供養を行う計画があったのです。

しかし開催地はソウルに決まり、この計画は実現せず。結果として桃厳寺に安置されることとなりました。現在では、まるで異世界に迷い込んだかのような独特の存在感を放つ、名古屋の隠れたパワースポットとして知られています。

名古屋大仏

  • 住所:愛知県名古屋市千種区朝岡町2丁目41
  • アクセス:地下鉄・本山駅の6番出口から徒歩6分
  • 公式サイト:名古屋大仏

強巴林(ちゃんばりん)|日本唯一!心洗われるチベット仏教寺院を拝観

強巴林(ちゃんばりん)

日本で唯一公認されているチベット仏教寺院「強巴林(ちゃんばりん)」。チベット仏教史上初の外国人女性受戒者となった森下永敏住職によって建立されました。

寺内にはチベットから伝わった仏画(タンカ)、天井画、大宇宙曼荼羅などが並び、信仰と芸術の両面からチベット仏教を体感できます。特に1階中央に祀られたご本尊「釈迦牟尼仏十二歳像」は、優しい眼差しで訪れる人をほっこりとさせてくれます。

エキゾチックな香りが漂う空間は、日常とは異なる時間が流れる場所。悩みや迷いを抱えたときも、「そのままの自分で大丈夫」とそっと寄り添ってくれるような、心を癒すパワースポットです。

強巴林

  • 住所:愛知県名古屋市守山区青葉台101番地
  • 電話:052-736-4888
  • 開門日時:第1土曜 10:00~17:00
  • アクセス:名二環・小幡ICから車で約5分、ゆとりーとライン・竜泉寺から徒歩で約5分
  • 公式サイト:強巴林 

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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