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【日本百名山】31座目は美しき天空の花回廊・鳥海山へは晴天時を狙って!(秋田・山形)

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
登りたくてもなかなか登る機会がなかった鳥海山(ちょうかいさん)。いえ、一度、登ろうとしたのですが、途中、悪天候に行く手を阻まれ引き返した鳥海山。出羽富士と呼ばれ日本海から山頂まで延びる稜線は対面に立つ月山がなだらかな女形だとすれば、凛とした急斜面をもつ鳥海山は男形だと僕は思います。満を持して2回目に臨んだ登山。最高の天気に恵まれましたが、やはり日帰り登山限界の山だと思いました。必死に登った鳥海山の登山レポートをご覧ください。
目次
- 日本百名山31座目 鳥海山
- 一度目のアタックは天候悪化で途中引き返しました
- 【登り】鉾立駐車場から御浜
- 【登り】御浜小屋から七五三掛
- 【登り】七五三掛から千蛇谷の雪渓
- 【登り】千蛇谷の雪渓から鳥海山大物忌神社・御本社
- 【登り】鳥海山大物忌神社・御本社から鳥海山山頂
- 鳥海山山頂(標高2,236m)
- 【下り】鳥海山山頂から鳥海山大物忌神社・御本社
- 鳥海山大物忌神社・御本社
- 【下り】鳥海山大物忌神社・御本社から鉾立駐車場
- 鳥海山に咲いていた高山植物
- 鳥海山大物忌神社・吹浦口之宮
- 鳥海山登山のためのリンク集
日本百名山31座目 鳥海山
鳥海山
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鳥海山(ちょうかいさん、ちょうかいざん)は、山形県と秋田県に跨がる標高2,236mの活火山。山頂に雪が積もった姿が富士山にそっくりなため、出羽富士(でわふじ)とも呼ばれ親しまれている。秋田県では秋田富士(あきたふじ)、山形県では庄内富士(しょうないふじ)とも呼ばれている。古くからの名では鳥見山(とりみやま)という。鳥海国定公園に属する。日本百名山・日本百景の一つ。2007年(平成19年)に日本の地質百選に選定された。2009年(平成21年)に国史跡「鳥海山」として指定された。<YAMAPより引用>
YAMAPの登山計画より
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登山概要
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●登山日:2025年8月14日
●天候:快晴
●日本百名山31座目:鳥海山【山形県・秋田県】
●標高:2,236m
●登山ルート:鉾立(ほこたて)登山口から象潟口コースを往復。
●距離:13.8km
●標高差:1,410m
●所要時間:8時間41分(休憩なしの場合)※僕は休憩時間を含め9時間40分でした。(ほぼ平均ペースの結果でした)
●公表されている難易度(無冠雪期):中級者向け
僕が登山して感じた難易度(無冠雪期):中級者向け
登山道の特徴と注意点
●途中、御浜小屋と山頂直下の御室小屋で宿泊可能(営業時期に注意)です。
●日帰り登山となると約9時間の山行となるため、早朝から登山開始が必要です。
●今回登ったコースは鉾立登山口から象潟コースを通り、山頂まで往復するコースです。御浜小屋までは特に問題なく登ることができますが、その先はきついアップダウンと夏でも雪渓を横断しますので、技術と装備が必要です。
●初めての方は経験者と登ることを強くオススメします。登山道は全体的に整備されていますが、登山道はいくつもありますので、濃霧時は道に迷う恐れがあります。
●登山道は整備されているので迷うことはありませんが、単独峰なので、天候が崩れると突風が吹き荒れるので要注意です。
●一部道幅が狭いところや岩場がありますので、歩行に注意が必要です。
●山頂直下はガレ場となり、マーカーを目印に大きな岩をよじ登ります。断崖絶壁のところもあるので、慎重に登りましょう。また落石に注意が必要です。不安な方は登らない方がいいと思います。
●ヘルメットを持っていきましょう。山頂直下はヘルメットを装着することをオススメします。
●早朝から午後遅くまでの山行になりますので、ヘッドライトは必ず必要です。
●弁当など飲食できる広いスペースは御浜小屋周辺と御室小屋周辺です。鳥海山山頂は狭いので写真を撮ったらすぐに下山しましょう。
●山内には御浜小屋(7合目)と御室小屋(頂上直下)にトイレがあります。
●山内には御浜小屋(7合目)と御室小屋(頂上直下)に売店がありますが、品揃えはよくありません。飲食物は事前に用意しましょう。
●冬期は雪山になります。千蛇谷(せんじゃだに)の雪渓は年中あります。それ以外の雪渓も7月下旬まで残ると言われています。アイゼンなどの滑り止めが必要です。
●雨天時の下り坂は足を滑らせないように気をつけてください。
●悪天候および悪天候の予報が出ている時は入山しないようにしましょう。
●登山届を必ず提出しましょう。
●山岳保険は必ず加入しましょう。
●ゴミは必ず持ち帰りましょう。
一度目のアタックは天候悪化で途中引き返しました
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山形県の庄内地方には毎年訪問し、月山には登るのですが、鳥海山は中級者以上の登山レベルが要求されるということでこれまで登りませんでした。それでも登りたいと思って2023年9月17日に会社の同僚と4人で鳥海山に臨みました。鉾立展望台からはそれほど天候は悪くなかったのですが...。
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御浜小屋を過ぎたところで濃霧と暴風となり、僕は引き返しました。果敢にも同僚2名はそのまま登山を続行し、登頂しました(天候は回復しなかったそうです)。
【登り】鉾立駐車場から御浜
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改めて2025年8月14日。鳥海山にアタックします。天候は快晴。風もほとんどなく絶好の登山日和です。
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【5:00出発】鉾立駐車場の登山口から登山を開始します。
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【5:10~5:13】鉾立展望台から眺めた鳥海山。手前の谷は「奈曽渓谷(なそけいこく)」です。ものすごく深いV字型の渓谷です。
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御浜小屋までの登山道は整備されています。稜線を進み、御浜小屋は左上の稜線上にあります。
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稜線上を登っていきますが、左奥に見える鳥海山山頂がものすごく遠くに感じます。
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【5:33通過/出発から33分経過】山形県から秋田県へ入ります。
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稜線から日が昇ってきました。
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【6:02通過/出発から1時間02分経過】賽の河原です。岩がゴロゴロの荒涼地帯です。
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賽の河原から見た登山道(黒いライン)です。ここから坂が急になります。
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鳥海山の象潟口ルート(鉾立登山口)はほぼ樹林帯はありませんので、眺望はすごく良いです。
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【6:30通過/出発から1時間30分経過】吹浦口コース(太平へ至る)からの分岐点です。
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【6:31到着/出発から1時間31分経過】鳥居が見えたら御浜小屋に到着です。御浜小屋の隣には公衆トイレ(有料)があります。
【登り】御浜小屋から七五三掛
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御浜小屋の裏手に上がると鳥海湖が見えます。さらに後方には月山も見えました。
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【6:46出発/出発から1時間46分経過】休憩して山頂を目指します。ここから本格的な登山になります。気を引き締めていきましょう。
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御浜小屋を出発するとすぐに岩山です。岩山に登らず右側から取りつきます。御田ヶ原までしばらく登りが続きます。
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【7:00通過/出発から2時間経過】御田ヶ原です。ここから一旦下ります。
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石畳の階段を下ります。下ると再び登り(八丁坂)になります。
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【7:10通過/出発から2時間10分経過】下ったところが御田ヶ原分岐です。ここから右に曲がると鳥海湖畔に行くことができます。
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御田ヶ原分岐から八丁坂を登ります。
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右側は崖ですが、道幅が広いので慎重に進めば大丈夫です。
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頂上へのカウントダウンが始まります。ここは1番目。
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登山道が狭いところは丸太が設置されています。
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急な段差にははしごが架けられています。
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【7:36通過/出発から2時間36分経過】千蛇谷と外輪山の分岐となる七五三掛(しめかけ)です。
【登り】七五三掛から千蛇谷の雪渓
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七五三掛から振り返るとこれまで登ってきた登山道を見ることができます。
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七五三掛を過ぎるとすぐに鎖場です。だけど慎重に進めば大丈夫です。
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そして千蛇谷まで急坂を下ります。とても滑りやすいので注意が必要です。
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千蛇谷が見えてきました。夏でもここの雪渓はなくならないそうです。
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【7:47通過/出発から2時間47分経過】千蛇谷です。
【登り】千蛇谷の雪渓から鳥海山大物忌神社・御本社
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千蛇谷の雪渓を横断します。距離にして50mくらいです。8月のこの時期は踏み固められていましたので、チェーンスパイクなどの滑り止めは使いませんでした。
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千蛇谷の雪渓を横断するとあとはひたすら登り坂です。
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頂上へのカウントダウン3番目です。2番目は気がつきませんでした...。
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右に外輪山を見ながら登ります。ところどころに雪渓が残っています。
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山頂までひたすら登ります。
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岩場が中心の登山道なので気をつけて登ります。ここは頂上までのカウントダウン6番目です。
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千蛇谷と外輪山です。よく目を凝らして見ると外輪山を歩く登山者が見えました。
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頂上までのカウントダウン9番目。いよいよです。
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ここから鳥海山大物忌神社・御本社まで岩場の登山道になります。登山道を見落とすこともありますので、マーカーを確認しながら登ります。
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【8:53到着/出発から3時間53分経過】鳥海山大物忌神社・御本社前に到着しました。
【登り】鳥海山大物忌神社・御本社から鳥海山山頂
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【8:58出発/出発から3時間58分経過】鳥海山の山頂に向けて最後の登りです。この岩山を登ります。かなり危険です。ヘルメットを装着しましょう。怖いと感じたら登らない方がいいと思います。
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ルート(登山道ではありません)が非常に分かりづらいです。白いマーカーを頼りによじ登ります。岩と岩の間に落ちないように気をつけましょう。
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登り切ったと思ったらまだ山頂は先でした。
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この狭い岩と岩の間を下ります。
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最後の登りです。ひたすらよじ登ります。
鳥海山山頂(標高2,236m)
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【9:27到着】鳥海山の山頂に到着しました。登りは出発から4時間27分かかりました。山頂は狭く写真を撮ったらすぐに下山します。
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鳥海山山頂から見た外輪山です。
【下り】鳥海山山頂から鳥海山大物忌神社・御本社
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【9:31出発/出発から4時間28分経過】下山します。下山は同じルートを下らずもう一つのルートから下ります。時計回りルートです。
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こんなところを下ります。とても怖いです。
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途中、胎内くぐりがあり、岩の隙間を通ります。
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胎内をくぐります。小さな祠に手を合わせました。
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再び岩をよじのぼります。
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そして再び下ります。下りはこちらのルートの方が良いと思います。
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外輪山への分岐点です。
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鳥海山大物忌神社・御本社の建物です。
鳥海山大物忌神社・御本社
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【10:05到着/出発から5時間05分経過】鳥海山大物忌神社・御本社です。左の建物で御朱印(直書きも可能)やお守りを授与していただけます。
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鳥海山大物忌神社・御本社の御朱印です。
鳥海山大物忌神社・御本社にて発行していただいた登頂証明書です。
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鳥海山大物忌神社・御本社から鳥海山山頂へのイラスト図です。やはり時計回りルートを推奨しています。
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鳥海山大物忌神社・御本社の隣にある公衆トイレ。有料です。
【下り】鳥海山大物忌神社・御本社から鉾立駐車場
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【10:26出発/出発から5時間26分経過】鳥海山大物忌神社・御本社から下山を開始します。
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【11:37通過/出発から6時間37分経過】千蛇谷の雪渓。
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【11:55通過/出発から6時間55分経過】七五三掛。
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【12:22通過/出発から7時間22分経過】八丁坂。
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【12:29通過/出発から7時間29分経過】御田ヶ原分岐。
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【12:40通過/出発から7時間40分経過】御田ヶ原。
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【12:55到着/出発から7時間55分経過】鳥海湖を横に見ながら御浜小屋に到着。
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御浜小屋には御浜神社が鎮座しています。御朱印をいただきました。
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【13:21出発/出発から8時間21分経過】御浜小屋を出発。
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【13:44通過/出発から8時間44分経過】賽の河原。
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【14:09通過/出発から9時間09分経過】秋田県と山形県の県境。
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【14:34通過/出発から9時間34分経過】鉾立展望台。
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【14:40到着/出発から9時間40分/下山は5時間09分かかりました】
鳥海山に咲いていた高山植物
8月中旬に花の百名山・鳥海山に咲いていた高山植物を紹介します。いつもながら高山植物に関しては無知なので写真だけ置いておきます。
白色
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紫色
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黄色
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鳥海山大物忌神社・吹浦口之宮
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鳥海山の麓には鳥海山大物忌神社・吹浦口之宮が鎮座しています。
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鳥海山大物忌神社・吹浦口之宮の御朱印です。
鳥海山登山のためのリンク集
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【鳥海山関連サイト】
※鳥海山は活火山です。火山情報を確認してから登りましょう。
【天気】
※僕は山岳天気予報に「てんきとくらす」を使っています。登山指数がABCと3段階あり、A予報なら登る、B予報は検討、C予報は中止するようにしています。
【登山】
※僕は登山の際、「YAMAP(ヤマップ)」を使っています。GPS機能がついているので濃霧でも迷いにくいです。おすすめします。
日本百名山シリーズ
「日本百名山」を解説した記事です。日本百名山の一覧や資料などを掲載していますので参考になると思います。
僕が「日本百名山」を登り続ける理由やこれまで登った日本百名山の記事を紹介しています。
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※当記事は2025年8月14日に登山した時のものです。登山の際は常に最新情報を入手して危険な目に遭わないようにご注意ください。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。




























