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1900年代のルクセンブルクにタイムスリップ ミネットパーク

1900年代ルクセンブルク の経済は鉄鉱業によって支えられていました。現在その跡地では、当時の鉱山の様子を学べるほか、機関車や鉱山内部のトンネルを巡るトロッコ電車に乗車する体験もできます。
今回は、ルクセンブルクが鉄鉱産業で繁栄していた時代を体験できる、ミネットパークをご紹介します。
目次
ミネットパークへのアクセス
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現在では金融立国として有名なルクセンブルクですが、1970年代まで国の経済の中心は農業と重工業でした。今では想像できませんが、 ルクセンブルクの南部、フォン・ド・グラ(Fond-de-Gras)で生産された鉄鉱は世界トップの売り上げを誇っていました。
ここで採れる鉄鉱石は「ミネット(Minette)」と呼ばれていました。この名前には「小さい」という意味があります。
その理由は、採掘の際に爆薬を多く使うため、以下のような特徴があったからです:
- 採れた鉄鉱石の粒が小さい
- 鉄の含有量が少ない
- 鉱山の内部が非常に細長い形状をしている
こうした性質から、「ミネット」という名が付けられたとされています。
現在では鉱山跡地が屋外博物館となっており、1900年代の蒸気機関車や鉱山内部のトンネルを巡るトロッコ電車に乗車する体験もできます。
ミネットパークへアクセスするには、ルクセンブルク 中央駅から電車でペタンジュ(Petange)駅まで行きます。ルクセンブルク では公共交通機関が無料のため、1等車両を除き、切符を買う必要がありません。
ペタンジュ駅に着いたら、「Train 1900」と書かれた看板を目印に進むと、フォン・ド・グラ行き電車の発着地点である駅に着きます。
ここからフォン・ド・グラまでの電車は全て1900年代に走っていた車両です。これらの電車は有料なため、切符を購入する必要があります。
また、日曜日にはディフェルダンジュ- ニーデルコーン-フォン・ド・グラ-ラソヴァージュ(Differdange - Niederkorn - Fond-de-Gras - Lasauvage)の間をつなぐ循環バスも走っています。
ディフェルダンジュ駅とニーデルコーン駅まではルクセンブルク 中央駅までは電車でアクセスできるので、循環バスでのアクセスも可能です。
今回は、ルクセンブルクが鉄鉱産業で繁栄していた時代を体験できる、ミネットパークをご紹介します。
蒸気機関車やトロッコ電車体験
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フォン・ド・グラの小さな渓谷には、かつて数多くの採鉱坑道が存在しました。1875年、この採掘所と近隣の町ペタンジュを結ぶ鉄道が完成し、採掘された鉱石を国内外に運ぶために活躍しました。
現在、当時の蒸気機関車、ディーゼル機関車、貨車が観光用として走っており、当時の列車に揺られながら、田園風景を眺めていると、まるでタイムスリップしたような気分に。
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中でも蒸気機関車は老若男女問わず人気です。Petange 駅もしくはFond-de-Gras駅に着いた際、すぐにその場を立ち去らず、車両の最後尾に移動してみてください。
機関車部分が進行方向を変えるため最後尾車両まで移動し、連結する作業を見学できます。蒸気機関車特有の汽笛を鳴らしながら連結を行う姿は迫力満点。一等車両は座席が布張りになっていて、二等車両は木製の座席となっています。
鉱山列車「ミニエールズブン」は、フォン・ド・グラとラソヴァージュを経由してフランス・ソルヌまでを結ぶ、鉱山から鉄鉱石を運び出すために使用された蒸気機関やディーゼルのトロッコ列車です。
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この列車では、当時坑道となっていたトンネルを通ってラソヴァージュを経由し、採掘と製鉄の拠点であったソルヌ村に到着します。途中、ぜひ立ち寄ってもらいたいのがラソヴァージュ村。
ここにはかつて、ルクセンブルク 最古の製鉄所とされる1625年に建てられた鍛冶場が存在しました。第二次世界大戦中には、徴兵を逃れるために若者たちが鉱山へ隠れたという歴史もあり、博物館(l'Espace Muséologique)では当時の様子を学ぶことができます。
鉱山跡地をめぐるハイキングなどさまざまなアクティビティ
ミネットパークでは汽車の乗車以外にも、野外博物館や周辺地域のハイキングが楽しめます。ポールワースホール(Hall Paul Wurth)は1913年に建設した発電所で、当時の発電機設備が展示説明されています。
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1909年に製造の一体圧延電車と呼ばれる車両が、ルクセンブルク 国立遺跡記念物局によって再建・展示。ミネットパークでは、汽車の乗車以外、全て入場無料で見学、体験ができます。
ミネットパーク周辺には2.8kmから最大29kmまで5種類のハイキングコースが揃っています。ハイキングルートは標識などでわかりやすく説明されている他、スマートフォンのアプリなどでもルートが確認できます(公式サイトを要確認)。
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ハイキングのほか、ドライジーネと呼ばれる自走式トロッコのペダルを自ら漕ぎ、線路上を散策することも。1台につき二人の漕ぎ手のほか、もう二人乗ることができ、計4人で45分の旅を楽しめます。
その他、トラクターに乗車する体験ができたり、農業大国としてのルクセンブルクも体験できます。
まとめ
今日のルクセンブルクの様子からは想像しがたい、鉄鉱の有数の生産地としての歴史。ミネットパークとその周辺の村では、かつての鉱山施設が綺麗に保存・整備され、観光地として歴史を世に発信しています。
1900年代の汽車に揺られて村々を訪れながら、ルクセンブルクの歴史と文化を体験してみてください。
Minette park / Fond de Gras
- 住所: 2, Fond-de-Gras, 1 Fond de Gras, 4576 Niederkorn
- 入場料:無料(汽車やトロッコ電車等のアクティビティはそれぞれ有料)
- 公式サイト:Minette park / Fond de Gras
※営業時間・定休日は季節によって変わるため、公式サイトを要チェック
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Saori K. Courtois
- 西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。




























